優雅な世界 The Show Must Go on 
 原題:優雅な世界 우아한 세계 (ウアハン セゲ) <2007>

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優雅な世界

「課長」「部長」と呼ばれる代わりに、「兄貴」と呼ばれる特殊な職業を持つが、 家族愛だけは他人と変 わりない大韓民国の家長カン・イング(ソン・ガンホ)。今日も彼は、設備の整った美しい戸建てを持ち、家族たちと優雅に暮らしたいという希望を叶えるため に組織の仕事も熱心 にし、父としての役割も疎かにできない。しかし、組織の仕事を辞めろという家族たちの冷遇と、組織のナンバー2であるノ常務(ユン・ジェムン)との刺々し い関係は、彼の人生を全く優雅でないところ へと引きずり下ろすことになる。大韓民国を熾烈に生きて行く、特別な父親の物語。平凡な家長になりたい... 職業だけ特別なカン・イングの熾烈な日常は、今日も続く。

【予告編】

監督 ハン・ジェリム <2005>恋愛の目的、 <2007>優雅な世界

出演

ソン・ガンホ (宋康昊)

出演作品一覧
オ・ダルス <2003>オー ルド・ボーイ、 <2004>最後の狼、 <2004>大統 領の理髪師、<2004>女は男の未来だ
<2004>春が来れば、<2005>麻婆島(マパド)、<2005>甘 い人生、<2005>クライ ング・フィ スト
<2005>親切なクムジャさん、<2006>淫乱書生、<2006>殴打誘発者たち、
<2006>グエムル~漢江の怪物~、<2006>恋愛、 その耐えられな い軽さ、<2006>堤防伝説、
<2006>夏物語、<2006>サイボーグでも大丈夫、<2006>お 姉さんが行く、<2006>妻の恋人に 会う、
<2007>優雅な世界、<2008> いい奴、悪い奴、変な奴
チェ・イルファ <2001> ベサメムーチョ、<2004>小さな恋のステップ、 <2004>春が来れば、 <2005>王の男
<2006>韓半島、<2006>アドリブ・ナイト、 < 2007>優雅な世界、<2007>同い年の家庭教師2
ユン・ジェムン <2001>ジャ ングル・ジュース、 <2004>天国からのメッセージ、<2004>三 人三色 'インフルエンザ'編
<2004>20のアイデンティティ、<2005>南極物語、 <2005>ユア・マイ・サンシャイン
<2006>ロマンス、<2006>卑劣な街、<2006>グエムル~漢江の怪物~、<2006>熱血男児
<2007>あいつの声、<2007>優雅な世界、<2007>肩ごしの恋人、<2007>テハンとミングクさん、
<2008>いい奴、悪い奴、変な奴

パク・ジヨン

<2000>悲 歌、<2000>少 女漫画のように、<2007>優雅な世界
キム・ソウン <2004>フーリッシュゲーム、<2004>あぶない奴ら~TWO GUYS~、<2000>みんな、大丈夫です か?
<2005>フライ、ダディー、<2007>優雅な世界、<2007>二 人だ

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【レビュー&ネタバレ】
2007年4月韓国公開。
2007年7月に発売されたDVDには、日本語字幕がついてます。
但し、リージョンコードが’3’なので、リージョンフリーのプレーヤーやPCでの再生になります。

観客動員は100万人。
ヒットとも言えず、惨敗とも言えず、微妙なところ。
ただ、観覧した観客やマスコミからは絶賛されたとか。
それは観てみればよくわかります。
面白い映画でもないけれど、印象に残る作品。
ラストに漂うなんともいえない中年男の哀愁が胸に刺さります。
いわゆる’ノアール映画’とは、一線を画する作品。
ノアールでありながら、コメディー要素を持っているのがこの映画の面白さ。
わははは!と笑えるようなコメディーではないけれど、
ソン・ガンホの名演技で、なんとも言えない笑いが込み上げてしまう。

そして、一筋縄ではいかないのが、監督ハン・ジェリム。
前作<恋愛の目的& gt;同様、観客を裏切るラスト。
前作では、嘘をついて陥れ人生をメチャクチャにしてしまった男に会いに行き、
「寝たい(Sexしたい)」などと、ぬけぬけと口にする図々しいラストが意表をつきましたが、
今回もまた、一般的なノアール映画ではありえないラストが待ってます。
簡単にいえば、ノアール映画ではなく、’ヤクザ’という職業を持った男の日常を描いた映画だったわけ。
中盤までは、普通のノアールだと思い、悲しいラストを想定し、ドキドキしながら観ておりましたが、
あのラストは見事だったわ。
韓国では、’涙のビビンバ・シーン’として、話題になりました。
本当に、この映画はこのラストのためにあるようなものだと思います。
このラストがなければ、ありきたりなノアールになっていたことでしょう。

一人わびしくラーメンで食事を済まそうとしていたイングに、
自分を除いた家族たちの幸せな姿は「私が何をしたのか…」という悲しさを湧き起こさせる。
ラーメンの器を投げつけ一人怒りながらも、
片付けるのも自分しかいないという事を悟り、割れた破片を拾う姿は哀愁漂う。
「ラーメンの器も勝手に投げる事ができない父親」
世間からは冷遇されるヤクザ。
けれど、家に帰れば何ら変わらない普通の父親で、
単に家族のために一生懸命働いてきただけなのに、なぜこんな目に............
ヤクザという職業を持った男の悲しみが痛いほど伝わってくる。
誰も描かなかったヤクザの裏側。それはとてもリアルでせつない。
ソン・ガンホってやっぱりいいわー
彼でなければ、この味は出せないわよね。

ソン・ガンホを優雅でない世界に引きずり下ろすのは、
組織の兄貴分ノ常務。ノ常務はノ会長の実の弟なので、実力がないながらも常務の位置に君臨する。
ノ常務を演じるのは、<卑劣な街& gt;でも、チョ・インソンの兄貴分のヤクザを演じたム ン・ジェムン。
もうすっかりヤクザ顔になっちゃってますね。

ノ会長を演じるのは、チェ・イルファ。
無名の役どころばかりの俳優で、印象に残りません。
同い年の家庭教師2> では、主演のイ・チョンアの父親役で、目立つ役どころ に就きましたが。
役に応じて印象も変わり、このノ会長は穏やかで思慮深く、貫禄があります。
ちょっと驚きました。会長役がよく似合う。
ヤクザの会長といえば、強面の犯罪者顔の場合も多いですけれど、
’事業家’的な会長の場合、格が違いますよね。

ソン・ガンホの妻を演じるのは、パク・ジヨン。
長い間姿を消していたようですが?

ソン・ガンホの娘は、キム・ソウン。
美少女といっていいものかわかりませんが、とても可愛らしい。
フライ、ダディー> では、イ・ムンシクの娘。ドラマ<悲しき恋歌 >でキム・ヒソンの子役。
moca.... 小学生の頃の子役ちゃんしか思い出せないんですけど...
でも、このシーン↓見覚えが...


ミュージック・ビデオで見たのかしら? 記憶喪失。
ちなみに、クォン・サンウの子役は、ドラマ<魔王>でオム・テウンの子役を演じたソ・ジュニョン君。
女教授の隠された魅力& gt;では、チ・ジニの子役。



ストーリーとしては、組織内での権力争いという一般的なノアールの展開です。
自分の実力を認めてくれている人格者の会長。
自分が一番苦しい時に救ってくれた唯一の人間なので、
他人が何と言おうと、絶対に会長を裏切れない。
そして、イングのことを疎ましく思う会長の実の弟ノ常務。
いつもイングに先を越されて立つ瀬がない。
イングが命がけで(社長を拉致し無理矢理契約書に判を押させた)取った建設工事の契約。
ノ常務はそれを自分に渡すようイングに持ちかける。
イングはその収益でようやく念願のマイホームを手に入れようとしていたわけで、
何が何でも渡せない。

家に帰れば帰ったで、自分を汚らわしいものでも見るかのように扱う娘。
安定した平凡な職についてくれと、妻は小言ばかり。
遂にイングは、足を洗うことを決意する。
しかしノ常務はイングを襲撃し、ナイフで刺す。
ノ常務を取り押さえ、そのまま車で拉致したイング。
しかし、交通事故に遭い、トランクの中にいたノ常務は思いがけず死んでしまう。


↓ 結末ネタバレ。 ご注意を↓


イングを実の弟のように可愛がっていたノ会長。
しかし、実の弟を殺されては話が別だ。
「俺じゃないんです。説明しますから....」
イングがいくらそう言っても耳を貸さない。
ノ会場はイングに銃を向ける。
争いの末、イングは銃を奪い取る。
「お前を殺そうとしなければ、俺も殺されないのか?」
ノ会長は助けを請う。
しかしイングは会長に銃を向ける。
「俺じゃないって言ったのに....... くそう.......」
嘆くイング。
イングは病院に運ばれ緊急手術が行われる。
病院に駆けつける妻と娘。
二人は、ようやくイングの愛に気づく。

↓ 結末ネタバレ。 ご注意を↓


退院したイングは、刑務所へと護送されていく。
ノ常務の件は交通事故、ノ会長の件は正当防衛で片がつく。
イングは出所すると、足を洗うこともなく、結局元の世界へと戻っていく。
イングなりに、家族の生活を考えてのことだった。
長男にカナダ留学を断念させることもなく、念願の豪邸をも手に入れたイング。
しかし、思いもよらぬことになってしまう。
妻と娘が息子が留学しているカナダへ行くというのだ。
娘のことを思い、留学を許すイング。
せっかく手に入れたマイホームで一人わびしくラーメンをすするイング。
カナダから届いたビデオレターを嬉しそうに見ながら。
しかし、幸せそうな三人の姿に、イングは無性に悲しくなり、泣き崩れる。
自分が夢見ていた幸せな家族。
しかし、そこにイングの姿はない。
自分がいない場所で幸せそうに笑っている三人の姿にやり場のない怒りが湧いてくる。
「俺が何したっていうんだよぉ......」
イングは食べていたラーメンの器を床に投げつける。
しかし、すぐに片付けるのは自分だということを悟る。
空しくてやりきれないイング。

END

ラストのBGMがまた、なんともいえないおかしさと哀愁を演出してくれるわ。
音楽を担当しているのは、菅野よう子。




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