ロマンス  Romance   
 原題:ロマンス 로망스(ロマンス) <2006>

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ロマンス

熱血刑事のヒョンジュン(チョ・ジェヒョン)は、意志が強くて妥協できない性格 のために、組織から疎 外され、妻から捨てられた後、危険に瀕して生きる刑事だ。

ユニ(キム・ジス)は、経済的な力と政治的な力を全て持った男の妻だが、自分のあらゆるものを所 有しようとする夫の病理的な執着に肉体と精神が押し潰されかけている。

ある日ヒョンジュンは、上層部の高圧的な指示に怒りに震えながら車を運転している時に、ウェディングドレス・ショップから悲しい目で外を見下ろしているユ ニと視線が合う。

数年後、再び出会った彼らは、互いの不幸な人生を、一言も言葉を交わさず悟り、お互いの疲れた霊魂を癒すように愛に陥る。

【予告編】

監督 ムン・スンウク(文勝旭) <2001>バタフライ、<2006>ロマンス

出演

チョ・ジェ ヒョン(曺在顕)

出演作品一覧

キム・ジス (金知秀)

<2005>チャー ミング・ガール、< 2005>拍手するとき発て(特別出 演)、 <2006>ロマンス
<2006>愛するときに 話すこと、<2006>ノートに眠った願いごと

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【レビュー&ネタバレ】
とにかくキム・ジスが美しい!
キム・ジスはTVドラマの女王。
日本では、<サラン~LOVE~>のソジンで知られているかしら?
キム・ジスは1972年生まれだから、
この映画撮影時は33歳か、34歳くらい?
やはりそれなりに老けてきてるけど、やっぱり美しい。
この映画はキム・ジスの美しさがあってからこそ、輝いた作品ね。

チョ・ジェヒョンのメロー? 観たくないわ。
というのが正直なとこ ろだったわ。
チョ・ジェヒョンといえば、韓国ドラマ<ピアノ>のオククァン。
しかも、こんなおじさんになってからなぜメロー?
という感じで・・・
でも、予告編を観てみたら、なんだかワイルドでかっこいいのよね。
で、観た後には・・・
チョ・ジェヒョンでなければ、この役は腐ってたかも・・という感じ。
かなりハマってたわ。
チョ・ジェヒョンは、2006年は<韓半島>と、この<ロマンス>と、
立て続けに主役に抜擢。
キム・ギドク監督の作品では、常に主役級だったけれど、
チョ・ジェヒョンにとっては、絶好調だわよね。

チョ・ジェヒョンとキム・ジスということで、
ちょっと大人のメロー。
下手したら、昼ドラの領域かも・・・
でも、前半はとにかく二人のロマンスに尽きるけど、
後半は一転して、権力が絡んだ刑事アクションへと変わっていくわ。

キム・ジスはベッドシーンにも挑戦してるけど、
大事なところは一切見せておりません。
それどころか・・
ベージュのブラジャー映ってるんですけどー(笑)
これでOK出ちゃうなんて・・・
さすが韓国クォリティ。
どうりで寝ているのに胸が盛り上がってるなぁ、と思ったわよ。

誰にでもススメられる作品ではないし、
とりわけ面白いわけでもないわ。
けど、moca的には、かなり好きかも。
チョ・ジェヒョンが泣いているところを、キム・ジスが偶然見てしまうのだけれど、
こんな姿を見たら、mocaなら一発で落ちちゃいそうよ(笑)
いい年したオジサンがこんな風に泣いて・・
蔑まれて、拒まれて・・
抱きしめたくなっちゃうわ。
二人は出会ってすぐに恋に落ちるのだけれど、
二人ともいきなり心の奥底の傷を見られてしまうわけだから、
一瞬にして恋に落ちるのも納得できるわ。
心に傷を抱えるから・・
繊細で優しい人間だから、
似た者同士だから、
一瞬にして、すべてを悟るのよ・・

前半の二人のせつないロマンスは・・・
淡々としながらも説得力があるわ。
とりわけ面白いエピソードでもないけれど、惹き込まれてしまうの。
これは絶対にキム・ジスマジックのような気もするけど(笑)
そして、韓国の刑事ドラマにありがちな、
人情溢れる熱い刑事たち。
mocaはこれが好きだからぁ
チョ・ジェヒョンの後輩刑事のチャン・ヒョンソンがいいのよね。
そして、mocaの好きなキ・ジュポン씨が、またもや班長役。
「カミさんが死んだら、ボケたと思うだろうな」
と、刑事らしい正義感を見せるトコでは、メロメロになったわ。
権力に屈しながらも、最後には正義を貫く刑事たちがステキよ。
一番のお気に入りは、
特別出演のアン・ギルガン。
特攻隊長役なんだけれど、もうかっこいいんだー
キャラがね。
今までコミカルな役しか観ていなかったから、意外だわ。
とにかく、頼もしくてかっこいいのよ。
この作品は、権力に屈しながら生きている人間ばかりだけれど、
そんなものはお構いなし。
「正しいか、正しくないか」だけなの。
バッサバッサと斬りまくり。かなりの公平さ。快感だわ。

ヨンチョル役のパク・ミンギュも、存在感あるのよね。
卑劣な街>では、チョ・インソンの子分役という端役 だったけど、
ちょっと気になる存在。(※イケメンではありません)

ラストは・・・
ちょっとベタすぎるんじゃ?という感じで、
かな~りワザとらしくてシラケルけど、
やっぱりせつなくて・・・泣けてきたわ。
権力って、恐ろしいわ・・と、何度も思わされたわ。

動員数は30万人くらいだったかしら。
きっと、つまらない!という人の方が多いかもね。
けど、観た方からは、わりと評価は高いのよね。
展開もテンポがよくて、最後まで飽きないわ。
かなりありがちなネタだけど。


熱血刑事のヒョンジュン(チョ・ジュヒョン)。
その頑なさで、組織から疎まれ左遷され、
妻には離婚された上に、破産までし、崖っぷちの中生きている。
自分が逮捕し、行く末を見守ってきたヨンチョルが、
自分を解雇した腹いせに、相手にナイフを突きつけている場面に
ヒョンジュンは駆けつけ、阻止する。
「俺から刺せ。俺らの人生は終わっている。」と。
ヒョンジュンは、ヨンチョルが隠し持っていた麻薬を押さえる。
「少しずつ集めたけど、兄貴にやるよ。
俺は足がついてるから売れないし。
これを売って、息子のところに行きなよ。
会いたくて酒びたりなの、知ってるよ。
真っ当に生きたって、兄貴みたいにバカを見るだけだろう?」
というヨンチョルの言葉に、ヒョンジュンは言葉を失う。

ある日警察に連行されてきた美しい女ユニ(キム・ジス)を見て、
ヒョンジュンは目を見張る。
数年前、ウェディング・ドレスショップで目が合った女だった。
ユニは、夫ジョンファン(オム・ヒョソプ)に
警察の前で殴られているところを連行されてきた。
ジョンファンは経済的、政治的、あらゆる権力を持つ男で、
検事に裏を回し、そのまま釈放される。
ジョンファンはユニに車に乗るよう言い放つが、
ユニは無言で立ち去ろうとする。
そんなユニをジョンファンは怒鳴り散らす。
「無視されるのが一番嫌いだ!特に君からは!」
ユニはうろたえながら
「妹が結納の相談をしたいと・・・」と、告げる。
「それなら、嫁ぎ先と話をつけた」と、ジョンファンは言い放つ。
ジョンファンが去った後、
ユニは絶望したような表情でトボトボと歩き出した。
一部始終を見ていたヒョンジュンは、ユニが気にかかり後を追う。
ユニはぼんやりしたまま車道を歩き続け、
トラックに跳ねられそうになるが、
ヒョンジュンがトラックの前に飛び込み、ユニを救う。
ヒョンジュンはユニを警察に連れ帰り、傷の手当をしてやる。
ヒョンジュンはユニを車で送り届けるが、
車の中で必死に涙をこらえるユニを見たヒョンジュンは、
車のスピードを落とし、「泣いてもいいんですよ。我慢しないで」と、声をかける。

夫の横暴さに傷ついたユニは、漢江沿いを散歩する。
「電話を切るなよ。今日はギョンミンの誕生日だ。息子にプレゼントを買ったんだよ」
という会話を耳にしたユニ。
その声の持ち主はヒョンジュンだった。
素気無く電話を切られ、泣き崩れるヒョンジュンを目にしたユニ。
ヒョンジュンはユニに気づくと、逃げるように立ち去ってしまう。
後には、息子に買ったというぬいぐるみが忘れられていた。
ユニはぬいぐるみを拾い上げる。

今日もヒョンジュンたちは、高圧なカン課長(ユン・ジェムン)にどやされていた。
心の奥底をえぐるような嫌味の数々に、部下たちは嫌気がさしていた。
そんな時、ヒョンジュンに「女性が届けに」と、届け物が届く。
箱を開けると、漢江に忘れてきたぬいぐるみだった。
「ユニだ!」
慌ててユニの後を追うヒョンジュン。
「息子さんの誕生日プレゼントでしょう」
と、去って行くユニを、ヒョンジュンは一旦見送るが、
思わず後を追いかけてしまう。
ユニも、まるでヒョンジュンを待っているかのようだった。

二人は屋台で食事をする。
貪るように食べるヒョンジュンをジーっとみつめるユニ。
「汚い食べ方ですみません」 ヒョンジュンは謝るが
「ゆっくり食べてください。いい食べ物は、肉ではなく心になるんです」と、ユニは言う。
「心?肉になるんです」と、ヒョンジュンは笑うが、
ユニは「心になるんですよ」と、譲らない。
「スープが冷めたので温めてください」と、ユニは店員に告げると、
「熱い方がゆっくり食べれるでしょう」と、ヒョンジュンに言う。
そんなユニに、ヒョンジュンは心を揺さぶられる。

止まったタクシーを見送るユニ。携帯の電源を切るヒョンジュン。
別れ難い二人。
ユニはふと、頭上を見上げる。
そこには、タンゴを踊る男女の姿があった。
「昔、タンゴを習っていたんです」と、ユニは懐かしむように言う。
「踊りたいですか?行きましょう」
と言うヒョンジュンに、ユニは戸惑う。
「踊りたいなら、踊らないと」と、ヒョンジュンはユニの手を取り走り出す。

「ちょっとダンスを・・・」と、ヒョンジュンは申し出るが
今日は終わりだから明日の10時に来るよう告げられる。
「わかりました」と、ユニは帰ろうとするが、
「明日移住するんです」
と、ヒョンジュンはとんでもないことを言い出す。
ヒョンジュンのゴリ押しで、踊れることになるユニ。
ユニはイキイキと、華麗なタンゴを披露する。

踊り終えた後、公園で水を一気に飲むユニ。
表情も明るい。
「ゆっくり飲んでください。いい水は心になるんです」
ヒョンジュンのジョークに、ユニは驚き、笑う。
ユニが初めて笑った。
二人の心の距離が近づく。

「今度はもっとゆっくり踊れる場所を」と、ヒョンジュンは何気なく口にする。
「今度?」と、ユニは聞き返す。
「もう帰らないと・・今日は本当にありがとう」と、ユニは別れを告げる。
後ろ髪を引かれながら歩き出すユニ。
そんなユニを名残惜しそうに見送るヒョンジュン。
雨が降り出す─
ヒョンジュンはユニの後を追いかけ、抱きしめる。

二人はホテルに入る。
貪るようにキスを交わす二人。
ヒョンジュンはユニの服を脱がそうとするが、
ユニの体には、夫に振るわれた暴力の跡があった。
ユニはうろたえ、帰ろうとするが
「ちょっと待ってください」
と、ヒョンジュンはユニを呼び止め、服を脱ぎ捨てる。
ヒョンジュンの体の無数の傷跡を見たユニは、
ヒョンジュンの傷に優しく触れ、涙を落とす。
ヒョンジュンはユニを慈しむように抱きしめる。
二人は、お互いを癒しあうように抱き合う。

同情はいらないわ。
私なんかが幸せになったら、世の中は不公平でしょう?
でも、あなたは幸せにならなくちゃ・・ いい人だから。
笑って。
笑顔を焼き付けたい。
そうすれば、あなたの幸せな姿を想像できるから・・・
ユニはヒョンジュンに言う。

ユニの夫から電話が入り、ユニは帰っていく。
ユニの姿を、胸が潰れそうな想いで見送るヒョンジュン。

家に戻ったユニを、ユニの実母が出迎える。
着替えるユニに話しかける実母。
ユニの体の傷跡を見ると、
今日ユニの妹の結納を見たけれど、涙が出た、と話し出す。
ユニの夫が義妹のためによくしてくれて、
父親がいないと非難されるかと思ったけれど、
ユニの夫の前では、誰も何も言えないと、
ユニ、母さん・・・
と、すがるような目でユニを見る母。
「母さん、心配しないで。夫とうまくやっていくから」と、ユニは言う。

TVでユニと夫の姿が映し出される。
居た堪れなくなったヒョンジュンは、TVを叩き壊す。
ヒョンジュンは、アルゼンチンで警備会社をしている昔の同僚に電話をする。
「アルゼンチンで働けないか?俺よりバカな女がいるんだ。助けてやりたいんだ」と。
ヒョンジュンはユニの苦しみを想うと、胸が張り裂けそうになる。

二人は思いがけない場所で再会する。
それは大物たちが集まるパーティだった。
警備をしていたヒョンジュンは車のドアを開けるが、
降りてきたのはユニだった。
ヒョンジュンのことが気になって、終始落ち着かないユニ。
ヒョンジュンも、仕事に没頭しようとするが、ユニが気にかかる。
ユニはパーティを抜け出し、走り出す。
同時に、ヒョンジュンも仕事を投げ出し、走り出していた。
互いの姿をみつけると、渇求するように抱き合い、キスをする二人。
ユニは、「ここで待ってるわ」と、ヒョンジュンにメモを渡す。

パーティが終わると、ユニはタクシーに乗り出かけるが、
その姿を夫が遠くからみつめていた。

ユニの残したメモの場所に、息をきらして駆けつけるヒョンジュン。
ヒョンジュンの姿を確認すると、ユニは涙を流し、抱きつく。
そこは、亡くなったユニの父が最後に建てた店だという。
父は荒っぽかったけど、ヒョンジュンのように繊細だったと語るユニ。
ヒョンジュンも、ユニを射撃場に案内する。
壁にはヒョンジュンの写真が飾られている。
アジア大会で、狙撃で銅メダルを獲ったという写真。
ヒョンジュンは、ユニに狙撃の腕前を披露する。
百発百中のヒョンジュン。
ヒョンジュンは、今度はユニに銃を握らせる。
「心にあるものを、全て吐き出して」
最初は怖がっていたユニも、いつしか弾に全ての悲しみを込め、
涙を流しながら、無心で銃を撃っていた。
渇求するようにキスをし、抱き合う二人。
しかし、夫の部下が二人のことを報告していた。

ヒョンジュンの部屋に泊まったユニは、
目覚めると、部屋の掃除をし、ヒョンジュンのために買い物に出る。
しかし、戻ると、そこには夫の部下が待ち構えていた。
家に連れ戻されるユニ。
「彼を愛してます」と、ユニは夫に告げるが、
「君は頭の病気なんだ」と、夫は取り合わない。
ユニの夫は、ユニを精神科に入院させるという。
ユニの母は娘の心配をするが、
「言葉は失うかもしれないが、
問題ないでしょう?あなたには。僕がユニを捨てない限り」と、言い捨てる。
一方、ヒョンジュンもユニの夫の息がかかったカン課長たちに拉致される。
ヒョンジュンが以前ヨンチョルから預かっていた麻薬を大量摂取させ、
ヒョンジュンは死の目前だった。
精神科に拉致されたユニも、体を縛られ、精神安定剤を大量摂取させられる。


そろそろ結末よ。ご注意を。



ユニへの強い想いが、ヒョンジュンを何とか救った。
ヒョンジュンはガラスの破片で自分の体を切り刻み、何とか意識を保ったのだ。
ヒョンジュンの後輩キジュン(チャン・ヒョンソン)は、
ユニの夫が妻と浮気をしたヒョンジュンを、カン課長と殺そうとしたのだと訴えるが、
「ヤク中の話を信じろと?」
ファン班長(キ・ジュポン)は取り合わない。
「ラリった人間が自分の体を切り刻むと?あいつがどんな人間かご存知でしょう?」
と、キジュンはたた一人ヒョンジュンを信じ、ヒョンジュンを逃がそうとするが
どうすることもできない。
意識を取り戻したヒョンジュンは、
おぼつかない体でユニの元へ向かおうとする。
「俺を殺す気か?自分の人生を棒に振る気か?」
と、キジュンは阻止するが、
「彼女と初めて会った時、飯を食ったんだ。笑ったんだ。
彼女のそばで、笑いたい。一緒に飯を食って笑いたいんだ」
ヒョンジュンのせつない訴えに、キジュンは言葉を失う。

カン課長がヒョンジュンを連行しにやってきた。
キジュンとファン班長は必死に阻止するが、外に連れ出されてしまう。
「必死に生きてる人間を尻目に、気ままに生きてる奴は殺したくなる」
と、カン課長はヒョンジュンに銃をつきつける。
しかし、ヒョンジュンはカン課長から銃を奪い
カン課長を人質に取り、ユニの病院へと向かう。

更に薬が投与されようとするところでユニを救い出し、
意識が朦朧とするユニを抱え、別室に立てこもるヒョンジュン。
医師にユニの治療を託すと、篭城するために入り口を塞ぐ。
ユニが意識を取り戻すが、周囲は完全に包囲されていた。
カン課長は、「なんで突入しないんだ!」と、特攻隊を怒鳴りつける。
「あいつはラリってるんだ。まともに引き金も引けない」と。
その言葉を聞いた特攻隊長(アン・ギルガン)は、
ヒョンジュンの銃跡を見せる。
「ラリってる?本気なら隊員を殺すことだってできた。黙ってろ」
と、取り合わない。

ユニは「全て私のせいだわ。私のせいだって言えば・・」
と、外に飛び出そうとする。
「あなたを死なせたくないの。あなたにはまだやることが・・・」
ユニの言葉を聞いたヒョンジュンは、
「ようやく気づいた。そう、俺にはやることがある。あなたは私が守ります」
ト、ユニを抱きしめ、涙を流す。

キジュンの携帯にメールが届く。
「兄貴にヤクを打った奴らと一緒です」と。
ユニの夫の部下に拉致されたヨンチョルからだった。
「ヘタに動けば全員死ぬぞ」
と、ファン班長はキジュンを諭す。
「自分らだけ生き残って、班長は食堂を、
俺は家内の幼稚園を手伝って・・
ヒョンジュンを忘れ、そんな風に暮らせるんですか?」
キジュンの言葉に、ファン課長は考え込む。
「かみさんが知ったら、『ボケた』と言うだろうな」
と、ファン課長は「行くぞ」と、キジュンに告げる。
しかし、その頃、
ユニの夫は、警察署長に二人を射殺するよう命じていた。

キジュンらは、ユニの夫のアジトへ乗り込み、
ヨンチョルを救出する。
ヨンチョルは、カン課長とユニの夫が、
ヒョンジュンに麻薬を摂取させる現場を、
携帯の動画で録画していた。
キジュンはヒョンジュンに電話し、
「何かあったら屋上に逃げろ。マスコミの前ではヘタに手出しできない」
と、告げる。
現場に到着した署長は、特攻隊長に突入するよう命じる。
「まだ交渉できていません。もう少し時間を」
と、特攻隊長は言うが、
「ヤク中と交渉だ?バカどもが」と、取り合わない。

特攻隊が突入し、激しい銃撃戦が繰り広げられる。
二人は、何とか屋上へと逃げ込む。
その時、大型テレビジョンにニュースが流れる。
ファン課長が持ち込んだ動画が確認され、
この一件には、ユニの夫とカン課長が関与していると。
「僕と一緒にアルゼンチンに行きましょう。
路上でも踊れますよ。毎日あなたの笑顔が見たい」と、ユニに告げる。
「あなたとならどこへでも・・」 ユニは頷く。
その時、自暴自棄になったカン課長が、二人に向かって銃を乱射する。
ヒョンジュンを庇ったユニが撃たれてしまう。
「あなたともう少し一緒にいたかった・・」
そう言ってユニは息を引き取る。
怒りで自分を見失ったヒョンジュンは、
「もう終わったんだ」
という周りの制止も聞かず、カン課長に銃を打ち込む。
それと同時に、ヒョンジュンも機動隊の銃撃を浴びる。

ヒョンジュンの住むアパートの屋上。
そこで二人は、笑いながらタンゴを踊る。

END─

ラストの屋上でタンゴを踊るシーンは、夢でしょうね・・
二人が命を取り留めることは考えにくいし、
過去の回想か、といえば・・・
そんな時間は二人にはなかった・・・
二人が望んだ幸福な時間・・
二人で笑って暮らすこと・・
そんなささやかな幸せを望んだだけなのに・・・








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