チャーミング・ガール  The Charming Girl 
 原題:原題:女、チョンヘ 여자,정혜(ヨジャ、チョンヘ) <2005>

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自分の仕事と 同様に単調な日常を送っている郵便局女性職員チョンヘ。
職場から遠くない彼女の小さい家には、TVショッピングで買った物や、アパートの花壇で拾った子猫が彼女を待っている。それらだけが、彼女の小さな世界 だ。

誰も訪ねてこない日曜日の午後。猫と足をじゃれあいながら、ベランダの向こう側から聞こえてくる子供たちの騒ぐ声を聞く時間が、どの時間より好きだ。

彼女 の短くも長くもない人生で、今が最も平和な時間であるからだ。

歳月が過ぎても忘れることのできぬ心の傷・・・。その記憶が襲ってくる時は、涙が出るのは仕方ない。

そんな女、チョンヘに、ある日心を揺さぶる愛が訪れる。意を決して、彼に話しかけるチョンヘ。「今夜、私の家で一緒に食事をしませんか?」

【予告編】

監督 イ・ユンギ <2005>チャー ミング・ガール、<2005>ラブ・トーク、<2006>ア ドリブ・ナイト
<2008>素晴らしい一日

出演

キム・ジス (金知秀)

<2005>チャー ミング・ガール、< 2005>拍手するとき発て(特別出 演)、 <2006>ロマンス
<2006>愛するときに 話すこと、<2006>ノートに眠った願いごと

ファン・ジョ ンミン

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
商業映画が大好きなmocaに は、名作はノン・ノン・ノン。わからないのよ~

八月のクリスマス春の日は過ぎゆく とか、
キム・ギドク監督の作品が好きな方にはよいかもしれないわ。
心の傷を抱える一人の女、チョンヘが、心の傷と向かい合い、
少しずつ傷も癒えていく過程を淡々と・・・ほんとに、淡々と描いた作品よ。
TVドラマではお馴染みのキム・ジス。
「ソジン@サラン~LOVE~」は好きだったわー
派手だけどキレイだったわよね。
あれは何年前?その頃は派手派手こってりメイクが主流で・・・・・
きっと、この映画のキム・ジスはもっとナチュラルなんだろうなぁ・・・・
と思っていたけど、本当にナチュラルで・・・
化粧が薄いからか、年齢と共に・・・なのか、辻沢杏子っぽい顔なのね。
役柄といい、ソジンと同一人物だとは思えないわー

単調な仕事、TVショッピング、観葉植物の世話、、そんな生活がチョンヘの世界のすべて。
保守的で、食事さえも冒険しようとしない。
淡々と日常を繰り返す日々だけれど、それでも時折悲しい記憶が蘇る。
大好きだった母との思い出、幼い頃叔母の夫に乱暴されたという心の傷を抱えて生きているチョンヘ。
同僚との付き合いは一線を置き、「自分勝手だ、自己中心的だ」という目で見られる。
なかなか寝付けないチョンヘは、眠ってしまうと起きられない。
大音量の目覚ましを鳴らしているが、アパートの住民からも「常識がない」という目で見られる。
異様に密着してくる靴屋の男性店員に腹を立てるチョンヘ。そんな行動も理解されない。
かつて結婚をしたチョンヘだったが、新婚旅行先から一人逃げ帰ってしまった。
まるで暴行するような乱暴なSexを求める夫。その上、初体験の時のことまで尋ねてくる。
チョンヘの心の傷に触れても、何も感じない夫。
この男にとって、私の心の傷などどうでもいいことだと感じたチョンヘは逃げてしまったのだ。
けれどそのことも、周囲の人間から非難されるチョンヘ。
誰もチョンヘの心の傷など気づかない。
誰にも吐き出すことなく、自分一人の心の中に抱え、耐えるチョンヘ。
そんなことも知らず、周囲はチョンヘのことを非難するばかり。

そんなチョンヘに、心を揺るがす出会いがあった。
郵便局の客の男だ。チョンヘは勇気を振り絞り
「今夜、私の家で一緒に食事をしませんか?」と誘うが、いつまで待っても男は来なかった。
せっかくのチョンヘの心の変化だというのに、神様は残酷だ。
でも、はっきりとチョンヘの心は変化している表れよね。

ある日外で一人食事をしていると、友人たちからののしられている男と遭遇する。
泣いている男を放っておけず、家へ送り届け、男を抱きしめ、男の苦しみを聞いてやるチョンヘ。
自分の苦しみばかりしか目に入らず、チョンヘの苦しみなど誰も気づいてくれない。
チョンヘは、男が自殺しようと用意したナイフを手にし、家に帰る。
男を殺すことを決心し、もう戻ってこれないだろうと、子猫を庭へ放し、
ナイフを手に、自分を乱暴した叔母の夫の元へと向かうチョンヘ。
しかし、男を前にしても、何もすることができない。
男の前から逃げ帰る途中、転んでナイフで手を怪我してしまう。
傷つけた人間はのうのうと行き、憎しみを抱える人間ばかりが傷つく・・・
復讐すれば、傷つくのは自分・・・そんな比喩でしょうかしらね。
復讐を遂げられず、子猫を心配し急いでアパートに戻ると、子猫も庭から消えていた。
更に悲しみに打ちひしがれるチョンヘ。
そこに現れたのは、「今夜、私の家で一緒に食事をしませんか?」 と誘った作家の男だった。
「行く」と言っておきながら、すっぽかした男だ。
最初はすっぽかされたことが頭にあり、男に対してぞんざいな態度を取るチョンヘだったが、
「徹夜明けで・・・一度眠るとなかなか起きれないんです」
その言葉に、自分と重なる部分を見出したのか、チョンヘは心を許す。

そんな感じの映画です。
「チャーミング・ガール」って、なんのこっちゃー?と思ったけど、
周囲の誤解により非難にも負けず、一人悲しみに耐えるチョンヘ・・・
君はとても美しい・・・そういうことじゃないかしら。
「女、チョンヘ」というタイトルも、心の傷を抱えた一人の女・・・ということで、
この映画は、心の傷を抱え、一人悲しみに耐える女性たちへの応援メッセージなのだと思うわ。
この映画の言わんとしていることわかったかしら?
わからない方は↑のネタバレを何度も読んでみてくださいませ。
それでもわからないというあなたは・・・・
一人悲しみに耐えるチョンヘの心の傷に気づかずに、
非難をしている鈍感な人間と同じ側の人間なのでしょうね。



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