下女   The Housemaid  
 原題:下女 하녀 (ハニョ)<2010>

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 映像

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真っ白な紙のように純粋なその女。大邸宅に下女として入り、離婚後食堂で働きな が らも明る く生きていたウニ(チョン・ドヨン)。乳児教育課を卒業した経歴で、自分には高嶺の花のような上流層大邸宅の下女になる。

完璧に見える主人のフン(イ・ジョンジェ)、双子を妊娠中である洗練された奥方ヘラ(ソウ)、自分を母のように従う6才になるナミ、そして家のことを総括 するベテラン下女ビョンシク(ユン・ヨジョン)との生活は、不慣れだが楽しい。過度なほど..
【予告編】
監督 イム・サンス(林常樹) <1998>ディナーの後に、<2000>涙、<2003>浮 気な家族、<2005>ユゴ 大統領有故
<2007>なつかしの庭、<2010>下女

出演

チョン・ドヨ ン(全度妍)

出演作品一覧

イ・ジョン ジェ

出演作品一覧
ユン・ヨジョン <1971>火女、<1972>蟲女、<1990>天使よ悪女になれ、 <2003>浮気な家族
<2004>春が来れば、<2005>ユゴ、 <2006>私たちの幸せな時間、<2007>なつかしの庭
<2007>ファン・ジニ 映画版、<2008>カルジギ(か まきり)、<2009>女優たち、<2010>下女
ソウ <2007>My Son~あふれる想い~、<2008>ミ スにんじん、<2008>携帯電話(特別出演)、
<2009>パジュ(坡州)、<2010>下女
【ウニ】
チョン・ドヨン
【フン】
イ・ジョンジェ
【ビョンシク】
ユン・ヨジョン
【ヘラ】
ソウ
【スンブン】
ファン・ジョンミン
     
【ナミ】
フンとヘラの娘
アン・ソヒョン
【ミヒ】
ヘラの母
パク・ジヨン
     

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【レビュー&ネタバレ】
2010年5月公開。動員数は約230万人のヒット。
1960年に公開されたキム・ギヨン監督の映画のリメイク。
公開前から、過激なベッドシーンなどにより注目された映画。
しかし...
観終えてみれば............

この映画のテーマはなんなんだろう?
いったい何が描きたかったので?

やはりイム・サンスはイム・サンスだった.....
どの映画もmocaは大嫌いなのだ。
なつかしの庭だけは、何となく伝わっ てくる美しさを感じたものの、中身の薄い映画だった。
他の映画は観るのが苦痛なほど。
この映画は苦痛ではないが、本当に何が描きたかったのかわからない。
一応ヒットになったのは、俳優陣の熱演の賜物か?

芸術映画とはいえ、中身が薄すぎでしょう.......
期待していただけにガッカリ。正直、観る価値を感じません。
せめて、「真っ白な紙のように純粋なその女」であるウニをもっと前面に出して欲しかったですね。
少しも純粋さが伝わってこない。
これはチョン・ドヨン自身のイメージが固定されてしまっているのも原因かもしれませんが、
あんな遊女のような女が純粋なわけないでしょ。
結局、「ウニ」のキャラクターが固定されなかったことも、この映画の辿るべき道を見失った原因の一つでしょう。
どうしてあのラストに結びつくのか....
あまりにも「ウニ」という女が理解できず、感情移入もできない。
あのラストが訴えたかったことが理解できずじまい。
冒頭とラストも何らかのつながりがあるのでしょうけど、ホント何だったのか...

下女には人権がないと訴えるには、あまりにもナンセンスですしね....
人間の良心や善悪を忘れてしまった人間の本質を描いたのでしょうか。

ウニとビョンシクの二人の下女を雇い働かせているが、
自分たちこそが、まさに下女だということに気づかない。
これがイム・サンスの言葉の一つ。
ビョンシクも下女根性に染まってしまったが、ウニだけは下女にはならなかった。
「下女」とは何なのか、考えながら鑑賞してみてください。

1960年に公開されたオリジナルのあらすじを読んで、ちょっと期待してたのに.....
まったくベツモノです。

私、何 でも上手です。

ポスターに書かれたこのコピーは衝撃的でした。
このコピーくらい衝撃的な映画を期待しておりました。

この映画はスタイリッシュで、映像が美しいだけ。
映像美だけは堪能できます。
映画じゃなく、ミュービの監督でもやったら?
もう、イム・サンスの作品は観な~い!

これでカンヌに乗り込むとは........
mocaの感性が悪いだけじゃないわよねぇ???
玄人にはウケるのか?
イ・ジョンジェは作品に対し自信満々でしたしね。

ただ、評判は悪くないんです。mocaの好みに合わなかっただけかもしれません。

エロチック・サスペンスっていうから、もっとゾクゾクさせてくれると思ったのに。
サスペンス要素はゼロでは?
人間の性善説を信じている人にとっては残酷でショックな映画なのかもしれません。
mocaはもう、イヤってほど人間の醜い面を見てきたから....
この程度のことでは何も感じなくなっているのかもしれません。

ベッドシーンも期待してはいけません。
予告編の方がずっと官能的でした。
なんで本編が負けてんの?
この程度のベッドシーンはウリにはなりません。
誇張広告。
ただ、「美」の追求を感じますが。

チョン・ドヨンはベッドシーンだけでなく、かなりヌードシーンのオンパレード。
ですが、それが自然で...
少しもイヤらしくない。
芸術とはこういうものなのか?
スゴいとしか言えない。
この映画はチョン・ドヨンのスクリーンスターとしての実力を誇示したように思います。
mocaとしてはスクリーンスターとしての女優なチョン・ドヨンも好きですが、
ドラマの親しみやすいチョン・ドヨンの方が好きなんですが。

イ・ジョンジェのファンの方にはお勧めですね。
映画的には勧められませんが、イ・ジョンジェの魅力満載です。
彼も「実力派俳優」として恥じない演技でした。
チェゴ
いろんな面を持つフンという男を、あそこまで多様に演じ分けることができるのはイ・ジョンジェくらいかも。
さすがにいろんなジャンルの映画に出演しただけのことがあります。
今までの集大成とも言えるかもですね。
そして、鍛え抜かれた肉体も惜しげもなく披露してます。
mocaとしては、あそこまでムキムキだと、マッチョを超えて.... 鳥肌が.........
原作ではフンはピアノ講師ですが、映画では趣味でピアノを弾くだけですね。

ソウは初めての歳相応の配役。
キレイにメイクして美しかったですねー
あの臨月のお腹にはビックリ。技術ってスゴ。
若くして演技力を認められているソウちゃんですが、この映画は失敗ですね.....
正確に言うと失敗ではないのですが....
何というか...
ソウちゃんの演技力を必要としないキャラクターだったわけです。
宝の持ち腐れですね。

mocaの大好きなユン・ヨジョン씨。
ですが、この映画ではイイトコなし。イム・サンスってキャラクター設定がヘタすぎじゃ?
メイドとしての従順なビョンシク。そして、高齢の女性らしい情の深いビョンシク。
この二重のキャラクターをもっと丁寧に描いて欲しかったですね。
メインキャラ4人すべて失敗。
まぁ、ユン・ヨジョン演じる古株の下女が「下女の宿命」を描いているといえば言えるかもですが。
それはちょっと、良く採りすぎかな。

優雅な世界のパク・ジヨン。雰 囲気が随分違いますね。

ムン・ソリが女医役で出演。チョイ役ですが、カメオなのでしょうか?
それとも、この作品ならチョイ役でも出たいと?
眼鏡をかけてるし、ムン・ソリだと気づきませんでした。

とにかく.....
日本への輸入はされるでしょうから、それまで気長に待つべし!
期待するほどの作品でなし!!


↓  結末までネタバレ。ご注意を ↓



ある晩、一人の女性がビルから投身自殺を図る。
周囲はざわめく。
そのざわめきで、食堂で働くウニも投身自殺があったことを知る。


仕事の帰り道。
ウニは投身自殺の現場で立ち止まる。
そこには、白いチョークで描かれた跡が残るだけだ。


ウニが親友のスンブンと暮らすコシテルに高級な服を着た女性が訪ねてくる。
女性はビョンシク。
ビョンシクはウニをカフェへと呼び出す。

「人様の家に許諾もなしで踏み込んだも同然。悪かったわね」
女は詫びる。
「同居人を新しく迎えるには用心深くないと。
履歴書と紹介書を確認し、このように面接もしているが、
私は自分の意向で、いつもどのように生活している人なのかこの目で確かめたかった。理解してちょうだい」
ビョンシクは告げる。


大きなお腹を抱えたこの家の奥方ヘラ。
「アジュンマ(ビョンシク)だけを信じてあなたをこの家に迎えるのです。よろしくお願いしますね」
ヘラは告げる。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ウニは頭を下げる。
ウニの視線は、あまりにも大きなヘラのお腹に集中する。
「お腹がパンパンでしょう?」
ヘラはウニの心中を察して尋ねる。
「二人の赤ちゃんが入っているからですよ」
ヘラの言葉にウニは驚く。初めて聞く話だと。
ウニの言葉からビョンシクが何も説明していないことを悟り、ヘラはビョンシクを責める。
慌てたウニは、「いえ、問題ありませんから」と、仲裁に入る。
「私がもう一度きちんと話して聞かせます」
ビョンシクはそう言ってウニを連れて部屋を出て行く。


ビョンシクはウニの制服を持って部屋にやってくる。
ウニは洗練された美しい制服に喜ぶ。
「以後、制服以外の姿で人前に出ないように」
ビョンシクは告げる。

この家の娘ナミが帰宅する。
ウニは親しげにナミに挨拶するが、ナミはそっけない。

夕食時、ヘラとナミ二人で食事を摂る。ウニは料理を配膳する。
「新しいアジュンマはどう?」
ヘラは微笑みながらナミに尋ねる。
「私がとても可愛いようです。そのアジュンマは」
ナミは答える。
「どうしてわかるの?」
ヘラは尋ねる。
「顔に出てます」
ナミは答える。ウニは嬉しくて、自然に笑顔になる。


ようやくこの家の主フンが帰宅する。
フンは椅子に掛けるようウニに告げる。従順に従うウニ。
「オンマにアッパがすぐ上がるから降りてこなくていいと伝えてくれるか?」
フンはナミに告げる。部屋を出て行くナミ。
フンは微笑みながら、ウニを注意深く観察する。ぎこちないウニ。
(そんな微笑で見たらアカンって!)
「特別する話もないですが。ナミともうすぐ生まれる二人の子たちを世話して下さる方ですね。
私が妻を労わってやらないといけないですね」
フンは語る。
そしてビョンシクにワインを持ってくるよう告げる。


身重のヘラの入浴を手伝うウニ。入浴が終わると、浴室の掃除を始める。
その時フンが帰宅する。何も知らず浴室を開けたフンは、そこにウニがいることに驚く。
太ももまで露になる姿で掃除をしていたウニの姿に、フンはニヤリとする。
部屋を出て行くウニを興味深げに目で追うフン。


別荘へ行く家族に同行したウニ。

ヘラはフンの上にまたがり、SEXをする。喘ぐヘラに対し、無表情のフン。
ヘラは喘ぎながら語る。
「なぜ私が帝王切開せず自然分娩を望むのかわかる?私は、4人目も5人目も産むつもりだからだ」
ヘラはエクスタシーに達する。
「口でしてあげますね」
ヘラはフンのペニスを口で愛撫する。


ウニが半裸で休んでいると、フンがやってくる。
慌ててブラジャーをつけるウニ。
「布団をよけて」
フンは告げる。従順に従うウニ。


フンはウニの乳房と下半身を愛撫したかと思うとやめてしまい、立ち上がる。
ウニは自らフンのズボンを脱がせ、ペニスにしゃぶりつく。


イ・ジョンジェのあの動きはなんですかー?(笑)
フンって変なキャラです。


別荘から帰宅した家族。

ウニはヘラのために飲み物を用意する。
「アジュンマ」
ウニを呼び止めるヘラ。ドキっとして振り返るウニ。
「ありがとう」
ヘラはウニを見つめ、礼を言う。
嬉しそうに微笑みながら出口へと向かうウニ。
ウニは何が嬉しいのか。
その微笑は徐々に無表情へと変わっていく。


その晩、自室で眠っているとフンがやってくる。
二人は再び激しいSEXをする。
しかしその現場をビョンシクが見ていた。


翌朝、念入りに化粧するウニ。
フンへの食事を配膳する際、鏡で自分の姿をチェックしキッチンを出て行くウニ。
ビョンシクはそんなウニを怪訝そうにみつめていた。


ウニが部屋に入っても、何の関心も見せないフンにガッカリするウニ。
するとフンはウニにそばに来るよう合図する。
喜び勇んでフンのそばに寄るウニ。
フンは目で何かを指す。それは小切手だった。
愕然とするウニ。
「どうした?」
フンは悪びれずにウニに受け取るよう促す。
ショックを受けながらも、何もなかったかのように小切手を持って部屋を去って行くウニ。


ウニはヘラのお腹をマッサージする。
「早く出て来たいのぉ?」
ウニはご機嫌でヘラのお腹に話しかける。
そんなウニの態度が理解できないビョンシク。


浴槽に浸かりながら愚痴るビョンシク。ウニはその横で用を足している。(紙で拭かないのか!)
「ウニに対して親しくしてやれずすまない」
ビョンシクは告げる。
「私はこんなことして人生を過ごしてしまった。ウニはいつまで続けるんだい?男はいないのか?」
ビョンシクは尋ねる。
ウニは何も知らずにビョンシクの言葉に素直に答えるが、ビョンシクには思惑があった。


ある婦人を訪ねるビョンシク。相手は、ヘラの母ミヒだった。
ビョンシクはフンとウニのことを報告に来たのだ。
ウニは男はいないと言った。私の目は確実にわかる。フンの子をみごもっている。
「本人が気づいていないの?」
ミヒは驚く。
「ちょっと鈍いところがあって....」
ビョンシクは告げる。
ミヒは金の入った封筒をビョンシクの前に置く。
「息子さん、司法試験合格したそうね?」と。
「ありがとうございます。全て奥様のおかげです」
ビョンシクは無表情で礼を言う。


ハシゴに上りシャンデリアの掃除をするウニ。
二階からヘラとミヒがおしゃべりしながら階段を降りてくる。
足元にはロボット掃除機が動いている。


ミヒはロボット掃除機につまずいたフリをして、ウニが上っているハシゴにしがみつき倒してしまう。
咄嗟にシャンデリアに掴まるウニ。
ヘラ、ミヒ、ナミ、ビョンシク... 皆がウニの様子に慌てふためく。
しかし、どうすることもできぬまま、ウニは力尽きて墜落してしまう。


ビョンシクは、ミヒの仕業だと勘付く。


検査を受けるウニ。幸い、大きな怪我はなかった。

ミヒはヘラに真実を告げる。
「あの女が妊娠した。相手はコさん(フン)であるかは推測だけれど、確実でしょ」


ビョンシクは豪華な花篭を持ってウニの病室へやってくる。
美しい花々に素直に喜ぶウニ。
「ナミハルモニ(ミヒ)からの慰労金」
しかしビョンシクが花篭の上に金の入った封筒を載せた瞬間顔色が変わる。
「あの家の人々は、問題が起きればこれで解決すると、お前も知ってるだろう?
便利じゃないか。何か不都合があるか?」
ビョンシクはウニを睨み部屋を出て行く。


帰宅したビョンシク。ヘラがビョンシクを待ち構えていた。
「なぜ我が家で、私の夫に起きたことが外部の人間から伝わるのですか!」
ヘラはビョンシクを叱責する。
「私が外部?」
ミヒは娘をとがめるが、逆にヘラに怒鳴られる。
そこへフンが帰宅する。
親しげにフンを迎え入れるミヒ。


(はい、ムン・ソリ登場です。気づかんよねー)

ウニは医者から思いがけないことを告げられる。妊娠4週目だと。
呆然とするウニ。

その頃ミヒはビョンシクから電話で報告を受ける。
病院からの請求書に産婦人科の診察があったと。
妊娠は確実だ。


ウニはスンブンに付き添われ退院してくる。


「すまなかったわね。私が老いて失敗した... そう理解してくれるかしら?」
ミヒはウニに告げる。
スンブンは漢方薬のパックを冷蔵庫に入れ、一つウニに差し出す。
「漢方薬は私が用意すべきだけれど...」
ミヒは告げる。
「大丈夫です....」
ウニは気遣う。
「横になって飲みなさい。ホラ」
ミヒの言葉に遠慮がちながらも従順に従うウニ。


「どうしてそんなことができるのだろう。私が眠る家で、私のパンツを洗う女なんかと...」
ヘラは怒りが収まらない。

暗闇の中に響き渡るコツコツという音。
ヘラがゴルフクラブを手に、ウニの部屋へと向かっている。
眠っているウニにゴルフクラブを振り上げるヘラ。
しかし、その手を振り下ろすことができない。
結局諦めるヘラ。
そして、背後にビョンシクがいることに気づく。
悔し紛れにビョンシクにゴルフクラブを投げ渡すヘラ。


ヘラはウニの部屋を出ると、悔しさで叫び声を上げる。


ウニが入浴していると、ビョンシクがやってくる。
「この家、辞めなければならないようです。 出て行きます」
ウニは告げる。
「出て行って。荷物まとめて」
ビョンシクは間髪入れず告げる。困惑するウニ。
「それでも、新しいアジュンマ....」
ウニは気遣おうとするが、「そのまま消えて」と、ビョンシクは有無を言わせない。


ウニはビョンシクと共にウニの部屋へやってくる。辞めることを告げるために。
「申し訳ありません。こんなことを申し上げることになって... ちょっと事情があって...」
ウニは告げる。
「どんな事情?」
ヘラはタメグチで尋ねる。殺伐な雰囲気が漂う。
「家に問題がちょっとできて...」
ウニは嘘をつく。
突然ヘラがゆっくり手を上げると、ウニの頬を激しく叩く。
驚くウニ。
「どうされたのですか....」
納得いかないウニは尋ねる。
すると、ヘラは更にウニの頬を叩く。
「いったい、どうしたっていうんですか」
今度はウニも強気だ。
「私、アジュンマに親切に人間的に接したと思ってます。違うかしら?」
ヘラは告げる。
ヘラの言葉の意味がわからず、困惑するウニ。
「私が間違っていました...」
ウニはヘラの言わんとすることを悟り、詫びる。
「何が間違ってたのよ?」
ヘラは意地悪く尋ねる。
黙りこくるウニ。
ヘラは更にウニの頬を叩く。


「すみませんでした....」
土下座するウニを、「何がよ?」と、殴るヘラ。
ウニはどんなに殴られても、耐えるしかなかった。
さすがのビョンシクも見るに耐えなかった。

ミヒが封筒をテーブルの上に置く。
当惑するウニ。
「手術しよう。そして私たち皆、以前のように平穏に生きるの」
ミヒは告げる。
「どうして御存知で....?」
妊娠の事実を知られていることに驚くウニ。
「アジュンマ。何日かは余裕を与えるが、アジュンマの意の通りにはさせません。
手術するまで、この家から一歩も出しません」
ミヒは告げる。


頬を腫らしたウニのためにアイスパックを作ってやるビョンシク。
「ナミオンマ(ヘラ)のことを思えば、私がしてはいけないことをしたのは間違いないです」
ウニはビョンシクに告げる。
「ナミオンマのことを思いやるというなら、お前よりもナミアッパ(フン)の方がすべきだ」
ビョンシクの言葉に、ウニは驚く。「誰の味方なの?」と。

ビョンシクは部屋を出て行こうとするが、振り返る。
「ところで、さっき頬を殴られた時、そのように黙っていてどうするんだ?」
ビョンシクは腹立たしそうに告げる。
「すみません....」
ウニは静かに詫びる。
「いや、すみませんじゃなく... 気に障るったら....」
ビョンシクは背を向けて出て行く。


「ごめんなさい、アジュンマ」
ナミが申し訳なさそうに告げる。そんなナミがウニは愛しくて仕方がない。
「何が?」
ウニは尋ねる。
「ハルモニが、ハシゴをわざわざ押し退けたんです... 私が見ました」
ナミは申し訳なさそうに告げる。
ウニは驚いて言葉も出ない。少し考えて、ナミに告げる。
「ハルモニは、ロボット掃除機のせいで失敗したの」
しかしナミは首を横に振る。
「アジュンマは良い人ですね。.... 哀れで」
ナミの言葉に呆然とするウニ。


漢方医を尋ねるヘラ。
自分が買ってきた漢方薬のパックを、ウニの冷蔵庫にストックされているパックの中に混ぜる。


部屋を移り遠くなったウニの部屋までやってくるナミ。
ぼんやりとしているウニに声をかける。
「なぜ、引っ越したの?」
「あの部屋には新しい乳母アジュンマは来るのよ」
ウニは答える。
「なぜですか?アジュンマ、病気なの?」
ナミは尋ねる。
「違うの。私のお腹にも子供がいるの.....」
(そんなこと言って!後でナミが真実を知ったら傷つくじゃないか!!!!!)
「息子なんですか? 娘なんですか?」
ナミは尋ねる。
「ナミのような娘ならば良いけど、まだ分からない」
ウニは微笑む。
「まだ、とても小さいから」
ナミは頷く。ウニはそんなナミが愛らしくて仕方がない。


ビョンシクがステーキを2枚焼いている。
窓の外を見れば、カバンを持ったウニが二人の男に両腕を捕えられたまま連れられてくる。
そして、台所のドアを開けウニが押し込む。
「アジュンマ。この人ら私をこのようにここに閉じ込めておくことはできません。
私、おとなしくしていられません。この人ら私の電話まで隠したんですって」
ウニはビョンシクに訴える。
「座って」
ビョンシクは淡々と告げる。


ビョンシクが準備したワインとステーキを整え、ウニと向かい合って座る。
「この家の人たちは恐ろしい。私はお前に何か恐ろしいことが起こるかと思って、恐ろしくて」
ビョンシクは告げる。
二人は言葉なしに聖餐を片づける。


ヘラは無事双子の赤ちゃんを出産した。
「ありがとう」
フンは妻を労わりキスをする。
ヘラはフンの唇を激しく吸い噛む。フンは怒ってヘラを突き放す。
「何かあったのか?家に戻ってシャワーを浴びてくる」
フンはそう言って病室を出て行く。


家族のいない豪邸。ウニは夫婦の部屋に入り込み、図々しく部屋を物色し、
大きなベッドに横になり、しまいには浴室で入浴までしてしまう。
ちょうどそこへフンがシャワーを浴びに戻ってくる。
ウニの姿を見たフンは腹を立てる。
「アジュンマ、何をしてる?」
しかしウニはまったく悪びれない。
「一緒に入る?」とまでしれっと言い放つ。
「どうしてこんなことをする?」
フンは呆れながら告げる。
「妊娠しました」
ウニの言葉に、フンは言葉を失う。


ウニは突然浴槽の外へ黒い液体を吐き出す。
うめき声を上げながら苦しみだすウニ。
そして下血してしまう。
「私の赤ちゃん!」
泣き叫ぶウニ。


ビョンシクは、ウニの漢方薬の中に他の漢方薬が混ぜられていることを確認する。
ウニの子が流れるよう誰かが仕組んだのだと。
フンもビョンシクの様子を見守りながら、その事実を確信する。


ウニは助けてくれとフンに懇願する。赤ちゃんの父親じゃないかと。
「イ・ウニさん」
フンは他人行儀に呼び、ウニを冷たく拒否する。
フンの言葉にショックを受け、そしてようやく自身の立場を受け入れる。

フンは、ミヒが部屋に入ってきてもピアノ演奏に没頭している。
「子供、死にましたか?完全に」
フンの突然の予想外の言葉に、ミヒは当惑する。
「ちょっと尻の軽い女だったようだ。
あの女はどこかで妊娠してこの家に入ってきたの。ところで、なぜ君が気遣うの?」
ミヒは誤魔化す。
「お義母様、質問は私がします」
フンは言い放つ。
「私の子供だと言ったが?
私の子でなければ、お義母様がわざわざ立ち上がる必要がないですよね?」
フンの言葉に、ミヒは何も言えなくなる。
「何の薬、飲ませたのですか?」
フンは問いただす。
「私はではない」
ミヒは否定する。
「それでは誰ですか!私はショックを受けました。
いや、この世の中で誰が敢えて私の子を... 
私の子に、そのようなことができるのかと... 誰が!敢えて!
お義母様。ナミオンマが産んだ子供だけが私の子ですか?本当にそのように考えますか?」
フンの剣幕にミヒは黙ってしまう。
「違うでしょう。違うわ...」
ミヒは完全に自分の負けを認める。


ウニの流産の後処理が行われる。
手術を見守りながら、胸が痛みビョンシクは涙を流す。


「何か悪い薬を飲ませたようだ。恐ろしい人たちだ...」
ビョンシクは枯れ果てて力も出ないウニに告げる。
「ナミが言うんですよ。ハルモニがわざとハシゴを倒したのを見たと。私にすまないと... 私が可哀想だと...」
ウニはボソリと告げる。
「子供は嘘がつけないから...」
ビョンシクは同意する。
「でも、その時は私も私が姙娠したとは知らなかったの!」
ウニは声を荒立てる。
「私はわかった。あの家でわからないことは何一つない」
ウニは全ての根源がビョンシクであることを悟る。
思い切りビョンシクの頬を叩くウニ。
自分の罪を自覚しているビョンシクは、黙って耐える。
「ごめんね... 私は骨の髄まで、こんな女なの...」
ビョンシクの言葉を聞き、ウニはビョンシクを殴ったことが恥ずかしくなり、目元がまた赤くなる。
ビョンシクは金の入った封筒を差し出す。
「これを受け取りなさい。そして良い男と出会うの。お前は本当に良い子だから」
ビョンシクは告げる。
「アジュンマ。私、復讐するんです」
ウニは告げる。
「そう... 心は煙突のようだろう」
ビョンシクの言葉に、ウニは再び不愉快になる。
「アジュンマ!私、本気なの!口だけじゃない!」
ウニの真剣な眼差しに、ビョンシクの目が潤む。

※「心は煙突のよう」とは、日本語の「~したいのはやまやま」に当たり、したいけどできないことを言うそうです。


ウニは退院し、復讐を決意する。

フンの家に戻り、双子の赤ちゃんに自らの母乳を飲ませようとするウニ。
ちょうどそこへフンが現れ、慌てて赤ちゃんを渡すよう促す。
赤ちゃんを渡し、フンの頭を叩くウニ。そして、もう一人の赤ちゃんを抱きかかえる。
フンは恐る恐る赤ちゃんを渡すよう促す。
無事赤ちゃんを受け取ると「出て行け!」と、フンは何度も叫ぶ。
まるで狂女のように走って出て行くウニ。


家族が集まり、ビョンシクが責められている。
「アジュンマ。あの狂った女、どこから入ってきたの?」
ヘラはビョンシクを問いただす。
「わたくし、これでこの家を辞めさせて頂きます」
ビョンシクは言い放つ。
「どういうことなの!」
ヘラは問いただす。
「荷物はまとめました。それでは...」
と、軽く会釈するビョンシク。
「この礼儀知らずのアジュンマが。あのキチガイ女を追い出してから行きなさい!」
ヘラは言い放つ。
「したいことがあれば、自分でしてください。私はしませんから」
ビョンシクはそう言って、制服のスカーフを外す。
「アジュンマ。どうしたんですか」
フンも諭す。
「あなた達こそ、これはいったい何なの!」
逆にビョンシクは言い返し部屋を出て行く。
頭を抱える家族ら。


そこへ、2階からウニが顔を出す。
「アジュンマ!」
ナミが嬉しそうにウニを呼ぶ。
「ナミ、元気だった?」
ウニは微笑む。
「アジュンマの赤ちゃんは?お腹の中でスクスク育ってますか?」
ナミは尋ねる。
「赤ちゃん?死んだの」
ウニは平然と答える。
「どうして?」
ナミは尋ねる。
ウニはヘラを見やる。決まりが悪いヘラ。
ミヒはナミがこれ以上余計なことを言わぬようナミの口を塞ぐ。


そこへ私服に着替え荷物をまとめたカバンを持ってビョンシクが現れる。
ウニの姿に気づくと、「もうやめなさい」と、ウニを制止する。
しかしウニは聞き入れない。
「この家でのことが思い浮かびゾッとする。耐えられない」と。
「ウニさん」
フンがウニを呼ぶ。
「私が謝るから。すべてを解決するから」
フンはウニを説得する。
ウニは「この野郎!」と言わんばかりのジェスチャーを見せる。
おののくフン。

「ナミ。お前には本当に感謝しているのに、こんなことになって本当にごめんね。
ナミ、おばさんのこと、絶対に忘れないでね。いい?絶対よ」
ウニはそう言いながら、紐を自分の首に巻きつけ飛び降りる。
皆、驚きで声も出ない。


ウニが首に巻いた紐はシャンデリアに繋がっていた。
シャンデリアから紐でブラブラとぶら下がるウニ。あまりの苦しさに顔を歪める。
ビョンシクは驚きで呆然とする。


そしてウニはライターで自分に火をつける。
火だるまになったウニがブラブラと、シャンデリアから左右に揺れる。
ビョンシクはカバンを持って家を出て行く。
スプリンクラーが作動し、天上から水が落ちてくる。
フンは家族に外に出るよう促す。


家族らの中で、最後までウニを見守っていたナミ。

END... ではないんですー

「破損しています」ってエラーになって再生できんっ!!(激怒)
金返せー!!!

残るはワンシーンだけなんですが。

最後はウニがいなくなったことも、壮絶な最後も、フンら家族には何の影響もなく、
新しい乳母アジュンマや新しい下女らを迎え、いつもと変わらぬ日常を送っている様子が映し出されるだけ。
ちょっとしたパーティ状態なのか、ヘラがマイクを持ってノリノリなのは、
この映画にも、上流階級の奥方にも似つかわしくないですね。

そして、ナミだけが一人家族の中で異なる存在。
「ナミ、アジュンマのことを必ず覚えていて」
と言って死んだウニの言葉通り、ウニのことを思い出しているのでしょう。
観ていないので、わかりませんが。



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