肩ごしの恋人  Love Exposure
 原題:肩の向こう側の恋人 어깨너머의 연인(オケノモエ ヨニン)<2007>

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肩ごしの恋人

それを… するか? やめるか?
異なる恋愛趣向を持つ堂々とした彼女たちの人生、愛、そしてSex!

Round 1 . 女には年を取るほど必ず恋愛が必要な理由

32歳のシングル、ジョンワン(イ・ミヨン)は、ちょうど名前が売れはじめた新人写真作 家。恋愛に対する幻想を持たない彼女は、結婚する気はなくても恋愛感情を抱ける最もらしい男が一人いたらな... という希望を抱いている。それにこのごろ理由もなくあちこち体が痛み肌もざらついて艶がなくなったのが、どうも男がいないせいだと結論付けたジョンワン は、健康のために(?)恋愛対象を物色し始める。必要な時に気軽にクールに恋愛を楽しむことができるのに、何のために結婚するの?

Round 2 . 結婚する女の心理
ジョンワンと10年来の友達であるヒス(イ・テラン)は、20代が羨ましくないセクシーなミッシー族(ブランド志向の既婚女性)。誰よりも華やかで、ドラ マチックな恋愛経歴を持っていた彼女が、ダサくて腹が出た男と結婚すると言った時はショックだった。しかしヒスは願うことはなんでもしてくれる’安心保険 ’のような男を選んだ。男が与える時間と金は、すべて自分のために使えるのに、何のために仕事をするの?

Round 3 . たまには、全く異なる2人の女の人生が変わったりもする。

クールに交際した既婚男性に恋愛感情を感じるようになったら? 安心保険みたいな夫が浮気していることを知ったら? 人生の軌道を修正しなければならない時がある。別れを経験したり、生まれて初めて働くために面接を受けたりする。 女の人生で本当に重要なことは、自分に対する信頼と愛では?
【予 告編】
監督 イ・オニ <2003>ア メノナカノ青空(...ing)、 <2007>肩ごし の恋人

出演

イ・ミヨン(李美妍)

<1997>モー テルカクタス、<1998>囁く 廊下~女校怪談~、<1999>我が心 のオルガン
<1999>ラブストーリー オープン・ エンディッド編、<2001>インディア ン・サマー、<2001>黒水仙
<2002>純愛中毒、<2005>タイフーン、<2007>肩ごしの恋 人

イ・テラン

<1998>男物語、<2005>マイ・ボス マイ・ヒーロー リターンズ、<2007>肩ごしの恋 人

キム・ジュンソン <2002>4本指の足、<2004>どこかで誰かに何かが起こると必ず現れるホン班長
<2004>不機嫌な男たち 不倫と純愛、<2005>親知らず、 <2007>肩ごしの恋人
<2002>ウエスト32番街、<2007>お熱いのがお好き
ユン・ジェムン <2001>ジャ ングル・ジュース、 <2004>天国からのメッセージ、<2004>三 人三色 'インフルエンザ'編
<2004>20のアイデンティティ、<2005>南極物語、 <2005>ユア・マイ・サンシャイン
<2006>ロマンス、<2006>卑劣な街、<2006>グエムル~漢江の怪物~、<2006>熱血男児
<2007>あいつの声、<2007>優雅な世界、<2007>肩ごしの恋人、<2007>テハンとミングクさん、
<2008>いい奴、悪い奴、変な奴

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【レビュー&ネタバレ】
2007年10月韓国公開。
ですが、日本公開は本国より一足早い8月末に先行公開されたという異例の作品。
というのも、制作、スタッフ、俳優... いずれも韓国人だが、
出資の70%が日本の企業(アミューズ、フジテレビ、ショーゲート)だそうだ。
クランクアップしたものの、なかなか公開されずおりましたが、
日本の出資者が気を揉んで、ひとまず日本での動向を見たのでしょうか。
その後、韓国で公開されましたが、観客動員数は約25万人と、最悪の数字。

内容が破綻しているものが大多数を占める韓国映画。
その中において、完成度の高い作品。
ただ、韓国映画ではなく、日本映画を見ている気分。
邦画は完成度は高いけれど、面白みに欠ける退屈な作品が多いわ。
うまくできてるんだけど.... なんだか、物足りない。
完成度は高いけれど、こじんまりと無難に仕上がったというところ。
この映画もまさにそんな感じ。
全体的には、スタイリッシュでオシャレなトレンディドラマといったところでしょうか。
これもちょっと韓国映画らしくない感じね。
日本の<29歳のクリスマス>をリメイクしたシングルズ のような映画です。
やっぱり、この手の内容は日本的なんでしょうね。
タイトルバックの美しさは、さすがイ・オニです。

原作は直木賞を受賞した唯川恵の小説。
TBSで、米倉涼子、高岡早紀主演でドラマ化。
長編小説を2時間に凝縮してますので、やはり触りしか描かれていないのでしょうか。
サラ~っと流れて行きます。

内容だけではなく、俳優にももう少しこだわりが欲しかったですね。
スター俳優が一人も出演せず、演技派の無難な俳優陣。
日本のドラマ版くらい強烈なキャスティングが欲しかったですね。
原作では主人公は27歳ですが、この映画では32歳の設定。
韓国では日本と違い、年齢は数えなので、日本でいう31歳。
イ・ミヨンは、当時36歳(日本で35歳)。イ・テランは、当時33歳(日本で32歳)。
思いっきり大人な映画。
イ・ミヨンも、スター俳優とはちょっと違いますし、
イ・テランなんて、日本じゃ無名に近いでしょう。
男性陣も、初のメインキャラのキム・ジュンソン、どう分類していいのかわからないユン・ジェムン。
無難なシナリオを無難に演じておりますが、面白みがありません。
ユン・ジェムンに至っては、過去の作品とは一風異なる新境地のキャラクターで、
そのダサさがちょっと可愛らしい新たな側面を見たという感じでしょうか。

タイトルの「肩ごしの恋人」とは...
恋愛を正面に見据えた生き方より、自分が目指す目標に向かって突き進んで生きていく中で、
気が付くと肩ごしに恋人が見える生き方の方が幸せになれ る。
ということを意味しているそうです。

現代に生きる女性のライフスタイル、恋愛、Sexを赤裸々に描く.....
そんな意図を感じられますが、中身はいまひとつ。
ジョンワンとヒスが二人でAVを観るシーンくらいが、目新しいところでしょうか。
あとはフツーにどこにでもある恋愛モノです。

1つ笑えるのが、度々ジョンワンの部屋に飾られた写真が写りますが、
それが福山雅治なんですね....
そう、出資者の1つがアミューズですから................
しかも、ラストは福山雅治のライブを見るために日本に行くという設定で.......
スポンサーはやりたい放題ね。


【ソ・ジョンワ ン】
写真作家
イ・ミヨン
【ユン・ヒス】
専業主婦
イ・テラン
【クォン・ヨン フ】
ジョンワンの不倫相手
キム・ジュンソン
【キム・ヒョン シク】
ヒスの夫
ユン・ジェムン
【マルコ】
モデル
マルコ
【キム・エリ】
ヒョンシクの愛人
キム・ファジュ
【キム・ジヨ ン】
ヨンフの妻
イ・へサン


ヨンフを演じたキム・ジュンソンは、香港生まれ香港育ちの韓国人。
かっこいいけど、すぐに顔を忘れそう。

マルコを演じたのはマルコ(笑)
4歳の時にスペインに養子縁組した22歳(日本では21歳)の学生という設定。
生みの親に会いに長期休暇を利用し韓国へ、
その間、モデルやバーでバイトをし、資金を稼ぐ。
原作では、高校生の設定だった崇の役どころでしょうか。
「孤児輸出国1位」という不名誉なレッテルを貼られている韓国だけあって
(1958年から2005年までで約20万人が海外に養子縁組された)
海外養子縁組の話は、ドラマや映画で頻繁に出てきます。
このマルコも、実際に海外養子縁組された人でしょうか?
イケメンではありませんが、アジア人にない魅力がありますね。
原作とは全く別物になっています。

ヒスの夫の愛人は... 原作と同じエリ!
韓国でも日本でも通用する数少ない名前。
しかし、22歳(日本では21歳)というには若すぎじゃ?まるで高校生。
しかも、可愛くねー
この子、乾パン先生とこんぺいとうの生徒役の子!
乾パン見て、見覚えあるんだけどぉ..... と、まったく思い出せず.......
思い出すのに随分時間がかかったわよぉー
乾パンでも「いつ出てたっけ?」というような子。
最終回のラストで、確か「ユナ」役?として紹介されてたわ。



↑この人、わかります?
ヒスの元カレ、ヨンジュ。特別出演のキム・ホンピョ。
<ラストダンスは私と一緒に>で、リュ・スヨンの手足となる友人ソック。
しかし、他に俳優いなかったのか?
しかも、特別出演...
監督の好みかい?(監督は女性)

* * *

ストーリー。


ようやく名の売れ始めた写真作家ジョンワン、32歳。
結婚する気などサラサラない。
1年半ぶりに男と寝ても、「急用ができた」と、シャワーを浴びる男をホテルに残し立ち去るクールさ。
親友ヒスとは何でも話せる仲。
面倒がなくて、女の扱いを心得ている既婚者の男が恋愛するには最高。
ヒスはジョンワンをそそのかす。
その夜のジョンワンの相手は、ジョンワンの会社の役員ヨンフだった。
ヨンフは会社のオーナーの娘婿。
しかし、そんなことはお構いなし。
「なぜ姦通罪がなくならないのかしら」
などと、ヌケヌケと口にする。

一方、夫とするSexは近親相姦みたいだと、セックスレスになったヒス。
夫が若い女と浮気している現場に遭遇しても、浮気されて夫が男に見えるようになると、
少しもたじろがないクールな女。
しかし、ある日夫の浮気相手エリから呼び出されたヒスは、激しく腹を立てる。
私から誘ったと思っているでしょうけれど、社長がしつこいから仕方なく付き合ったのだというではないか。
自尊心を傷つけられ、夫にも失望したヒスは、家を出てジョンワンの家へ転がり込む。

酒を飲みながら、女二人でAV鑑賞。
ヒスは悔しくて、離婚するとジョンワンに訴える。
一方ジョンワンは、ヨンフに電話するも「食事中なので、後ほどかけなおします」と、すげなく切られ、
ただの友達に戻れない?と切り出す。
そんな時、ヨンフの妻が会社を訪れる。
全身シャネルで固め、ジョンワンをそれとなく見据えるヨンフの妻。
ヒスはジョンワンの話を聞き、まるで自分の夫の話のように聞こえ身につまされる。
「どうして男たちは美しい妻を置いて、ブサイクな女と浮気するのかしら」
と、ヒスは冗談でジョンワンを諭し、翌日、夫の待つ家へと戻る。

しかし家へ戻ると、夫はヒスの帰りを待ちわびるどころか、愛人エリを連れ込んでいた。
これにはさすがのヒスも傷つき、目いっぱい美しく化粧をし、愛人に対抗心を露にする。
離婚する。あんたにあげる。
とエリに突きつけるが、エリもいらないとすげなく拒む。
「ホラ、いらないって言ってるじゃないか。俺たちはそういう関係じゃないんだって」
と、夫は必死に弁明するが、
「この子がいらないっていうものを私が欲しいと思う?私がそんな女だと思う?」
ヒスは逆に逆上する。

夫の浮気問題で傷ついたヒスは、昔の恋人ヨンジュに電話をし、熱い夜を過ごしてしまう。
しかし翌朝目覚めてみると、現実に引き戻され逃げ帰ってしまう。
ジョンワンを伴い、夫に離婚届にハンを押させるヒス。

ジョンワンは社内でヨンフと手を握り合っているところを上司に見られてしまう。
窘められた上に、現実を突きつけられるジョンワン。
ヨンフには慰謝料を払う能力などない。
自分で慰謝料を払いながら、あいつと暮らす自信があるのかと。
そんな時、ヨンフの妻の母の誕生日だと、ヨンフ一家はスタジオに家族写真を撮りに現れる。
気まずいジョンワンとヨンフ。
ジョンワンはその帰り道、バイクで転び骨折してしまう。
病院に付き添うヨンフを冷たく突き放すジョンワン。
家まで送ったヨンフに対し、「どーもね」と激しくドアを閉めるジョンワン。
そんなジョンワンに対し、ヨンフも怒りに任せ車を発進。
ジョンワンはヨンフとの終わりだと悟る。

ヒスは生活するために就職することにする。
しかし、32歳で専業主婦だったヒスに仕事などない。
紹介されたのは、宅配会社だった。
プライドを傷つけられるヒス。
宅配会社で働き、自動車教習所に通い始めるヒス。
人生をリセットするのではなく、変えるのだ。
そんなヒスに対し、夫はいつまでもしつこく電話をかけてくる。
「ご飯は食べたのか?」と。
(韓国では大切な人に対し、まず、ご飯は食べたのか?と聞く)


↓ 結末ネタバレ。ご注意を↓


韓国へ生みの母を捜しにきたマルコ。
だが、会わずに帰るという。
そんなマルコを見て、ジョンワンはある告白をする。
自分の母親は妾だった。
幼い頃はずいぶん恨んだけれど、
この年になって初めて子供を育てるということがどれだけ大変なことかわかった。
母は勇敢な人だったんだ。
マルコの母も大変だったんでしょうねと、ジョンワンはマルコに話して聞かせる。
マルコに一緒に母に会いに行ってくれないかと頼まれ、ジョンワンは快諾する。
しかし、マルコの母は墓の中だった。
(韓国の貧しい人々が埋葬される集団墓地)

社会に出ることの厳しさを知り、ヒスは夫のぬくもりが恋しくなる。
考えてみたら、あなたのことが好き。
ダサくて、無愛想なあなたが。
私みたいな女には結婚が似合うみたい。
夫にもう一度結婚する?と、笑って切り出すヒス。

母が亡くなっていることで気落ちするマルコをなだめるジョンワン。
自然に二人は唇を重ね、体を求め合う。
そして、マルコは帰国する。
また会おうと、大事なカメラを残して。

二人は新たな人生を歩み始める。
男といることでより輝き、男を輝かすことができる。
幸せになるために戻るとヒス。
愛する人が現れても、そばにいるとか別れるとか考えず、常に見習うこと。
そして、自分を大切にするとジョンワン。






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