我が心のオルガン  The Harmonium in My Memory 
 原題:我が心のオルガン 내 마음의 풍금(ネ マウメ プングム)<1999>

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我が心のオルガン

60年代の初め。江原道の山里の村に住む17歳の少女ユン・ホンヨン(チョン・ ドヨン)は、晩学の小 学生。ある日、道の曲がり角でサンリ小学校に赴任する21歳の独身教師カン・スハ(イ・ビョンホン)と偶然出会い、<お嬢さん>と初めて呼んでくれた彼を 愛すようになる。ホンヨンの担任をすることになったスハ。ホンヨンがスハに提出する日記帳は、慎ましい愛の告白で満杯だけれど、スハはホンヨンの気持ちを 考えず返してしまう。スハは、同じ日に赴任した美しい同僚教師ヤン・ウニ(イ・ミヨン)に好感を持っており、ホンヨンの期待とは異なり、子供たち間ではス ハとウニの噂が出回る。しかしウニは、ソウルの婚約者と共にサンフランシスコに留学するため学校をやめてしまう。スハは失恋の痛みで苦しがるが、ホンヨン の胸は喜びで一杯だ。

【予告編】

監督 イ・ヨンジェ <1999>我 が心のオルガン、 <2004>20のアイデンティティ

出演

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧

チョン・ドヨ ン(全度妍)

出演作品一覧

イ・ミヨン (李美妍)

<1997>モー テルカクタス、<1998>囁く 廊下~女校怪談~、<1999>我が心 のオルガン
<1999>ラブストーリー オープン・ エンディッド編、<2001>インディア ン・サマー、<2001>黒水仙
<2002>純愛中毒、<2005>タイフーン、<2007>肩ごしの恋 人

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【レビュー&ネタバレ】
特にドラマティックでもなく、
心温まるヒューマンドラマでもなく、
どこにでもあるような日常を描いている。
とはいっても、時代設定は60年初期と、ノスタルジーを感じる映像で、
また、ヒロインが17歳の小学生というのも、
当時では有り得るのかもしれないが、物珍しい。
大きな感動があるわけでもなく、期待しすぎるとガッカリするだろう。
けれど、観終わった後にはちょっと心が温かくなる。
退屈と感じる人も恐らくいるでしょう。
当時の人々の生活の大変さや、
人間として大切なこと、幸せなこと、そんなことが垣間見れるかもしれないわ。

映画の軸となるのは、17歳のホンヨンが教師に寄せる淡い恋心。
エンドロールまでしっかり見てください。

チョン・ドヨンが17歳の小学生を演じていることに誰もが驚くでしょう。
これがまったく違和感がない。
教室の他の生徒たちとまったく違和感がないのだ。
チョン・ドヨンは当時25歳くらい。
イ・ビョンホンはチョン・ドヨンの一学年上で、イ・ミヨンはチョン・ドヨンと同学年。
これはけっこう驚く。
そして、過激なセックスシーンを演じたハッピー・エンド が、
同時期制作で、同年公開というのだから、腰を抜かしそうだ。

イ・ビョンホンも21歳の新米教師という設定だが、
髪を短く刈り上げ、これまた違和感がない。
イ・ミヨンはイ・ビョンホンより年上の25歳という設定だが、年上に見えるから不思議。
元々イ・ミヨンは、演技力はすごいと思いつつも好きになれなくて、
けど、この映画のイ・ミヨンは本当に可愛い。
男なら誰でも好感を持つでしょう。

チョン・ドヨンの母を演じるのは、
<冬のソナタ>のペ・ヨンジュン母、ソン・オクスク。
60年代の田舎の冴えない母役と、まったくイメージが違う。
チョン・ドヨンを終始叱っているような母だけれど、母の愛の深さを感じさせる。
父親がいないのはなぜだろう?
あんな生まれたばかりのような赤ちゃんがいるのに。

校長は、<愛と、死をみつめて>のアン・ジェウクの 父。チョン・ムソン。
唯一の独身男性教師のイ・デヨンがわりと好き。
紅一点の女教師は、ドラマ<悪い女たち>や、
<クライング・フィスト>で、チェ・ミンシクの奥さんのソ・ヘリン・・・
とは気づかないわ・・・
教師陣や下宿先のおばさん、生徒の母・・・
平凡な日常の中に楽しさを感じるわ。
スハも若いのにいい先生で、生活が苦しい生徒のために
自分の弁当を食べさせたり、クレヨンを買い与えたり・・・
目が覚める想いだったわ。


ストーリーとしては、
17歳の小学生ホンヨンが、スハに思いを寄せて・・・
スハが’この村の子たちは小学校を卒業しても中学に行けない子がほとんど。
せめて手紙くらい書けるようにしてやりたい’と、文章力を高めるために始めた日記
その日記に、スハへの想いを子供らしい正直さで書き連ね、
スハが思いを寄せる美人教師に嫉妬し、悪戯したり、登校拒否したり、
そんなホンヨンを初め、子供たちに振り回される純情教師の奮闘記でもあるわ。
たまたま廊下にいたホンヨンをつねっただけで、
’先生はどうして私をつねったのだろう?気になって眠れない’と、
ホンヨンは毎日毎日書いてくるから、スハもたまらない。
ホンヨンとしてみれば、’スハは私が好きだからつねったのかも?’と思っているのだが・・・
嬉しくて、嬉しくて、山の中で大声で叫ぶほど。(↑のポスターのシーン)
けれど、スハは美人教師ウニに関心があるようで、
二人がいつも交わしている’LP’という謎の言葉が気にかかって仕方ない。
LPというのは、’LPレコード’のことで、
音楽好きの二人は、レコードを貸し合っていた。
面白くないホンヨンは、’ウニは25歳だというけれど、老けている。
本当はもっと年上のはずだ。厚化粧で気持ち悪い。
年下の男をたぶらかして結婚する気なのか?結婚は年上とするものだ’などと
日記に書いてくる。
ウニが婚約者と留学するために学校をやめると知れば、
’最高に気分がいい。機嫌のいい私は、バケツ3杯の水を使って教室を磨き上げた。
おめでたい話なのにカン先生はなぜ怒っているんだろう’
などと日記に書いてくる。
失恋の痛手に苦しんでいるスハは、さすがに腹を立て、
掃除の時間、ホンヨンに意地悪く注意をする。
それでも、スハが好きなホンヨン。
スハに怒鳴り込んできたボムスの母の手に噛み付いてスハを庇ったり、
スハが生徒に壊されたレコードを買いに町まで行ったり、
学校の火事では、ナンヒを助けるために火の中に飛び込んだスハを助けようと
必死に一人バケツに水を汲んで走る。

↓結末↓


しかし、二人に別れの時がやってきた。
’人を教えるには、人間として未熟だ。農業でもする’とスハは学校を辞める。
’行かないで’と叫ぶ子供たち。
ホンヨンは買ったLPを他の生徒にことづけで、遠くからスハを見送る。

時が流れ─

スハの結婚写真。
いつかホンヨンが贈ったLPを聴く妻。
ここは冒頭の続き・・・
妻が昔を回想していたことになる。
その妻とは・・・
ホンヨン。
妻の顔は写らないが、どう考えてもチョン・ドヨンの雰囲気で、
エンドロールの中で流れる写真も、
チョン・ドヨンにしか見えない。

小学生と生徒とはいっても、実際4歳の年の差だから、驚くこともなく、
子供心に一途に想い続けたホンヨンの想いがスハにも届いたのだろう。




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