グエムル-漢江の怪物-  The Host 
 原題:怪物 괴물(クェムル) <2006>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×


グエムル-漢江の怪物-
日ざし溢れる平和な漢江河川敷、父ヒボン(ピョン・ヒボン)が経営する漢江の売 店、ぐっすりと昼寝を してい たガンドゥ(ソン・ガンホ)は寝耳に聞こえる「パパ」という声にむっくり起きあがる。今年中学生になった娘ヒョンソ(コ・アソン)が怒っている。取り出す のも恥ずかしい旧型の携帯電話と、父兄参観授業に酒の臭いを漂わせながら来た叔父ナミル(パク・ヘイル)のせいだ。ガンドゥは悩んだ末こっそり貯めてきた 小銭が いっぱい入ったカップめん容器を取り出して見せる。「お前の新しい携帯電話のために貯めてるんだ」と。しかしヒョンソには目障りなだけ、ちょうど始まった 叔母ナムジュ(ペ・ドゥナ)の国体アーチェリー競技に熱中し てしまう。

そこに怪物が現われた。ちょうど漢江河川敷でスルメの配達に出ていたガンドゥは、見物客の人々の中で異様な光景を目撃する。これまで見たことも 無い何かが漢江の橋にぶら下がって動いている。人々は不思議がって携帯電話やデジカメで必死に撮影している。しかしそれもつかの間… 正体不明の怪物は川原に上がって来て人々を踏み潰し、無差別に噛み付き始める。あっという間に阿修羅場へと変わる漢江河川敷。ガンドゥも一歩遅れて娘ヒョ ンソを連れて必死で逃げ出すが、悲鳴を上げて逃げまどう人々の中で、しっかり握っていたヒョンソの手を離してしまう。その瞬間怪物は待っていたかのように ヒョンソをひったくり悠々と漢江に消える。
 
どこかにいるヒョンソを必ず捜さなければ。突然の怪物出現で漢江は全面閉鎖され、都市全体は麻痺する。一瞬で家と生計、そして最も大切なヒョンソま で・・・全て を失ってしまったガンドゥ一家… 金も無くコネも無い彼らを助けてくれる人はいない。けれども、漢江のどこかにいるヒョンソを探し出す。

日本公式サイト:http://www.guemuru.com/
【予告編】


監督 ポン・ジュノ(奉俊昊) 作品一覧

出演

ソン・ガンホ (宋康昊)

出演作品一覧

ペ・ドゥナ (裵斗娜)

出演作品一覧

パク・ヘイル (朴海日)

出演作品一覧

ピョン・ヒボ ン(邊希峰)

<2000>ほえる犬は噛まない、<2001>火山高、 <2002>菊 花の香り、<2003>ぼくらの落第先生
<2003>殺人の追憶、<2003>吹けよ 春風、<2004>オー!マイDJ、 <2004>シシルリ(時失里) 2km 、
<2004>ラブリー・ライバル (女 先生vs女生徒)、<2004>20のアイデンティティ
<2005>公 共の敵2、<2005>クライング・フィスト(拳が 泣く)、<2006>グエムル~漢江の怪物~
<2006>コン・ピルドゥ、<2006>明るい家族計画(きちんと生きてみよう)、<2007>里長と郡守、
<2007>ザ・ゲーム、<2009>キングコングを持ち上げ る(友情出演)、
<2009>ペントハウス エレファント(特 別出演)

コ・アソン

<2006>グ エムル~漢江の怪物~、<2007>楽しき人生、 <2007>ラヂオ・デイズ、<2009>冬の小鳥
<2009>結婚式の後で

<< HOME

【レビュー&ネタバレ】
2006年7月韓国公開、9月日 本公開「グエムル-漢江の怪物-」でございます。
かなり話題になってはいたけれど、どーもビミョーな匂いが・・・
でも、観てみれば、思った以上に面白かったわ。
ストーリー的にはたいしたことはないのよ。
でも、あのCGの怪物にはかなり恐怖を味あわせられるし、
豪華な俳優陣の演技に引き込まれてしまうのよ。
mocaはピョン・ヒボン씨が大好きなので、嬉しいわー
今回も、期待を裏切らずに情のある威勢のいい父親を演じてくれています。
好きだからこそ、mocaにはちょっと辛い映画でございました。ホント泣かされます・・・
ソン・ガンホも凄いわよねぇ・・・・
ちょっと頭の足りなそうな情けない父親を見事演じておりますわ。
コ・アソンも、まだ若いのに将来期待できそうな子ね。
あまりにも不細工で最初は驚いたけど、笑うとめちゃめちゃ可愛いし、いい目をしてるのよね。
ペ・ドゥナはちょっと勿体なかったわ。
別にいてもいなくてもいいような・・・ペ・ドゥナじゃなくても、いいような・・・
それでも、この役者陣でなければ、ここまで引き込まれることはなかったと、確信するわ。
夢の中で、ヒョンソが家族にどれだけ愛されていたか、感じたわ。
だからヒョンソは、あの過酷な状況下で、他人であるセジュを守るような優しさと潔さを持った少女に成長したのよね。

この映画は、怪獣映画、娯楽映画・・・ではありますが、
それよりも、問題提議映画であり、ブロックバスター映画ですわね。
かなり社会や政府への批判を風刺しているわ。
というよりも・・・反米映画?(笑;)
随所で、父ヒボンがお金を握らせようと(ワイロ)したり・・・
この世はお金・・・
けど、ガンドゥ一家はコネも金もない中で、自分たちでヒョンソを救おうと怪物に立ち向かうの。
怪物の持つウィルスに感染されたとして・・・政府はガンドゥ一家を捕らえ、まるで人体実験のようにあらゆる検査を施すの。
その上、<エージェント・イエロー>という化学兵器を散布して・・・
この科学兵器はあらゆるウィルスを絶滅させると謳っているけれど、
人体にかなり危険な影響を与えるの。
妊婦や心臓疾患の患者等にとっては、致命的となるような・・・
けれど、ウィルスなど存在しておらず、
ウィルスで死亡されたとした米兵ホワイト下士は、手術中のショック死だった。
ヒョンソを救うために逃亡したガンドゥ一家を捕獲するために、政府は懸賞金を出し、
それにつられたナムルの友人は、ナムルを助けるフリをして近づき、裏切る。
最初は、一緒に反政府運動で戦った同士というものは、深い絆で結ばれているのね・・・
なんて思ったのに、懸賞金のためだと知ってガッカリよ・・・
これが人の世なりけり・・・
赤の他人を救うために怪物に勇敢に立ち向かったホワイト下士。
そして、いつもは不甲斐なくて兄弟からも見下されているようなガンドゥが
ホワイト下士と一緒に怪物に立ち向かったり・・・
きっといろいろと考えさせられるわ・・・
事の始めとなる・・・怪物を生み出した医師がアメリカ人というのは、思いっきり笑ったわ。
けれど、それだけじゃなく・・・
ホワイト下士からウィルスが発見されなかったのに、「ウィルスは存在する」として、
ガンドゥの脳を無理矢理検査する医師もアメリカ人だし、
人体に危険な影響を及ぼす<エージェント・イエロー>を散布するよう韓国政府に干渉するのもアメリカ政府で・・・
韓国人って本当にアカラサマで笑っちゃうわ・・・

アメリカ人医師は、部下の韓国人医師に、誇りまみれになった劇薬の瓶が目障りだとして、
流し台に流させるの。しかも、相当な量を・・・
韓国人医師は、下水溝は漢江につながっている・・・劇薬を下水に流すことは違法だと制止するけれど、アメリカ人医師は、「漢江はとてつもなく大きな川だ。 これくらい大丈夫だ。君も漢江くらい大きな心を持ちたまえ」と言って、捨てるよう命じて・・・
結局、その劇薬が原因で突然変異した<怪物>が生まれてしまうのよね。
最初はマグカップに入るくらいの小さな怪物が、釣り人に発見されるのだけれど、
取り逃がしてしまって・・・
数ヵ月後、怪物は凶暴な怪獣となって現れる。
あの時に捕獲できてれば・・・と、誰もが思ったでしょう・・・・

ちょっと頭の足りなそうで、不甲斐ない父親ガンドゥだけれど、娘のヒョンソは溺愛していて・・・
mocaはこんな父親がいたら・・・と思うわ。
人間にとって一番大切なのは愛情・・・愛情があれば何もいらない、そう思わせられたわ。
そして、ガンドゥの父ヒボンも韓国の父の代表のような父で・・・
ヒョンソを救うために準備した車や銃、下水溝の地図やらで、100万円以上もかかって・・・
財産の全てをも失って・・・
そのシーンが一番たまらなかったです・・・
mocaが助けてあげたい・・・
悲しい思いをさせるのが、辛くてたまらなかったわ・・・
彼が死ぬシーンは、たまらなく辛くて・・・
あのシーンは、名場面だと思うわ・・・
ガンドゥたちに「早く行け!」って、逃がす時のあの表情・・・
そして、あまりにも呆気ない死・・・
「弾はあと1発残ってる」って、ガンドゥが父に銃を渡すのだけれど、
弾の数を数え間違えたと、父に怪物が向かってきた瞬間にガンドゥは気づいて・・・
父は空砲を撃ち、怪物に捕まって・・・
あの時は、複雑な心境だったわ・・・
ガンドゥの愚かさを責めたくもなったし・・・


それでは、もっと詳しくー

怪物に連れ去られたヒョンソ。
ガンドゥたちは合同葬儀で悲しみに暮れ・・・
住み慣れた家、生活の糧、そして命よりも大切な娘のヒョンソを奪われ、抜け殻のようになっていたカンドゥの携帯電話に、ヒョンソの声から電話が・・・信じ られないガンドゥ。
「大きくて深い下水道にいるの。助けて!」と・・・
ヒョンソが生きていることを知ったガンドゥたちは、ガンドゥを精神病だとして取り合わない警察を当てにせず、自分たちでヒョンソを助けようと立ち向かう。

大きな下水道とはいっても、漢江付近の下水道は数え切れないほどだ。
一つ一つ必死に探し回り、そんな中、怪物が姿を現す。
怪物に向かって銃を向けるヒボン、ガンドゥ、ナミル・・・その時、巡回する警察がやってきた。

ナミルの上着の裾が風になびい てカッコよかったわー

警察に見つかってしまっては、ヒョンソを探すことができなうなってしまう。
ヒボンはガンドゥたちを逃がし、一人怪物に立ち向かうが、怪物に襲われ命を落としてしまう。
ナミルは、携帯電話会社に勤める反政府運動で共に闘った先輩に連絡をする。
ヒョンソの携帯電話の通話記録から、現在地を割り出すためだ。
しかし、先輩はナミルを助けるためではなく、懸賞金のためにナミルをおびき寄せたのだ。
ナミルは反政府運動時に培った知恵で、難を逃れ、ヒョンソの居場所も突き止める。

ナミルがクリップをコンセントプラグにはめ込み、停電させるシーンは圧巻でかっこよかったわー
今までは、酒に溺れるプー太郎でどーしょもないイメージだったのに。
携帯電話会社に勤めるのは難関中の難関で、いわゆるエリート。
ナミルに、「年収は700万円くらい?」と聞かれ、それはカード代程度だ、と答えるのよ。
ということは・・・年収はその数倍。
そんな富裕層である人間なのに、懸賞金のためにナミルを売ろうとするという・・・
しかも、懸賞金に税金はかかるのか?と、どこまでも強欲で・・・
これが人間の本性であり、その対称としてガンドゥ一家が描かれているのよね。

ナミルは警察に追い詰められ、陸橋の上から飛び降りて・・・
意識を取り戻すと、そこにはホームレスの男(ユン・ジェムン)が・・・その男に助けられたのだ。
ナミルはヒョンソのいる元暁大橋に向かう。男もナミルに着いてくる。
タクシーの中で火炎瓶を作る二人。
その頃、ナムジュも漢江を泳ぎ渡り、元暁大橋に向かっていた。

そろそろ結末までネタバレする わよー



一方、ヒョンソは怪物に連れ去られてきた遺体から服を剥ぎ取り、それを結んでロープを作っていた。ロープを地上に取り付けることに成功し、ヒョンソと同じ ように生き延びた少年セジュに「助けを呼んでくる」と言って、ロープをよじ登り脱出を試みるが、怪獣に捕まってしまう。
ガンドゥはヒョンソのいた下水道まで辿り着くが、そこにはヒョンソの姿はなかった。
ロープの中にヒョンソの衣服を発見したガンドゥは、血相を変えてヒョンソの行方を追う。
怪物は、<エージェント・イエロー>の反対運動が行われている川岸に現れた。
怪獣に銃を向ける警官を必死に制止するガンドゥ。
その時、<エージェント・イエロー>が散布された。
散布された化学兵器によりもがき苦しむ怪物。
ガンドゥは怪物の口の中から、ヒョンソとヒョンソに抱かれたセジュを救出するが、
ヒョンソは既に息絶えていた。
悲しみに打ちひしがれるガンドゥ、ナミル、ナムジュ・・・
ナミルは怪物を火炎瓶で攻撃する。
その時、橋の上に人影が・・・
ホームレスの男が上から灯油を怪物に浴びせかける。
ナミルは狙いを定め火炎瓶を投げようとするが、落として割ってしまう。

なんだよー ナミルー!!

足元で燃える火炎瓶を、悔しげにみつめるナミル。
ナムジュは、火の中で燃える火種を矢の先に突き刺し、怪物を射る。
怪物は全身炎で包まれ、もがき苦しむ。
川の中へ逃げ込もうと突進するが、ガンドゥが怪物の前に立ちはばかる。
鉄パイプを怪物の口の中に突き刺し、怪物は息絶える。

時が流れ──

ガンドゥは、漢江のほとりで売店を営んでいた。
そばで眠るセジュ。
ガンドゥは甲斐甲斐しく食事を用意し、セジュを起こす。
二人で和やかに食事をする。まるで親子のように・・・






<< HOME

inserted by FC2 system