三人三色  Influenza
 原題:デジタル三人三色:インフルエンザ 디지털 삼인삼색 : 인플루엔자(ティジトル サミンサムセク : インプルルエンジャ ) <2004>

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漢江の橋に佇み、監視カメラに映し出 される男チョウ・ヒュクレ(ユン・ジェムン)。商売に精を出すもうまくゆかず、ホームレスになってゴミをあさるようになる。ある日、銀行のATMでひった くりをして以来、彼の行動は凶暴化していく。
監督 ポン・ジュノ(奉俊昊) 作品一覧

出演

ユン・ジェム ン

<2001>ジャ ングル・ジュース、 <2004>天国からのメッセージ、<2004>三 人三色 'インフルエンザ'編
<2004>20のアイデンティティ、<2005>南極物語、 <2005>ユア・マイ・サンシャイン
<2006>ロマンス、<2006>卑劣な街、<2006>グエムル~漢江の怪物~、<2006>熱血男児
<2007>あいつの声、<2007>優雅な世界、<2007>肩ごしの恋人、<2007>テハンとミングクさん、
<2008>グッド・バッド・ウィアード、 <2009>影の殺人、<2009>チャウ、 <2009>母なる証明
<2010>暴風前夜

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【レビュー&ネタバレ】
2000年以来、毎年3人のアジ アの映画監督に依頼して制作するデジタル映画。
2004年。韓国のポン・ジュノ、香港のユー・リクウァイ、日本の石井聰亙が選出された。
3人の監督によるオムニバスで、ポン・ジュノは28分の短編を制作。
リアルとフィクションの境界線がわからなくなる......
そんな映画。
最初はドキュメンタリーなのかと思うけれど、
主演のチョウ・ヒュクレは、南極物語の隊員の一人 や、卑劣な街でチョ・インソンに殺される兄貴分。
吠える犬 は噛まない親切なクムジャさんの コ・スヒも出演している。
ドキュメンタリーと錯覚してしまう映画。ということ。
CCカメラという監視カメラのみで撮影されたという、異例な作品。
これはちょっとすごいかも。
かと言って、楽しめるかといえばそうではない。
こんな退屈な映画... 見てられん...
mocaは、「すごい映画」には興味ないんです......
真の映画好きが唸るような映画なのかもしれませんが、一般ウケはしませんね。
韓国でも、葬り去られているような作品ですから........

この映画は、チョウ・ヒュクレという男が漢江(ハンガン)の橋の上に
危なげにたたずんでいるシーンから始まる。

まるで、ペパーミント・キャンディーのよう。
彼がこうなるまでの経緯とは?

人間とは弱いもあり、怠慢でもあり、けれど、良心のかけらくらいはある。
人によって多少の差はあっても、人間は根本的なところは大差はないのでは?
それは、極限に達した時に現れる。
自分の中で抱え切れなくなった時、人間の精神、身体.. 様々な部分に現れる。
この映画の主人公ヒョクレは、自分の中に抱えきれなくなった辛さが徐々に
暴力的に現れていくパターン。
受け入れきれず、受け止めきれず、耐え切れず......
悪を悪とも感じなくなり、他人の痛みなど考えられなくなる。
というよりも、暴力的になることで快感を得る...鬱憤を晴らすような面もあるのかもしれない。
こういった変化は、ヒュクレに限ったことではない。
人間なら誰しも、環境によりこうなってしまうことが考えられるということだ。
それを否定する人は、一度極限まで落ちてみるといい。
以下は、ポン・ジュノ監督のインタビューの引用です。

2000年、韓国の不景気は相変わらずで、私達の日常の一部にさえなっていました。
不景気によるヒステリーで憂鬱になった人々の間 に広まった暴力は、トレンド=インフルエンザとなったのです。
最も恐ろしい部分というのは、暴力そのものではなく、人が暴力に対して無感覚になってしまうということ。


環境によって変わってしまった彼らを弁明するのではなく、
悪環境がどんどん進み、人間もどんどん変化していき、
国が崩壊していってしまう危険性だって考えられる... 
一人一人が真剣に今どうすべきかを考える必要性がある、ということではなでしょうか。

狂気に陥ってしまった人間はまだ数えるほどであっても、
良心のかけらも失ってしまった人間は、その辺を歩けばうようよいる。
何かをしようとすれば、そういう人間に接してしまうほどの確立なのだから、恐ろしくて何もできなくなる。
それらに接すれば、こちらの心にも影響を及ぼしてくる。
まさにこれがポン・ジュノの言う’感染’というものなのかもしれない。
誠意とか、誠実とか、どこへ消えてしまったのだろう...
この世は病んだ人間ばかりが溢れ、一見幸せそうに見えるが、恐怖の世界だ。




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