ペパーミント・キャンディー Peppermint Candy |
原題:ハッカ飴 박하사탕 (パカサタン) <2000> |
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監督 | イ・チャンドン(李滄東) | <1997>グリーンフィッシュ、<1999>ペ
パーミント・キャンディー、<2002>オ
アシス、 <2007>シークレット・サンシャイン、 <2010>詩 |
出演 |
ソル・ギョン グ(薜景求) |
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ムン・ソリ |
<1999>ペ
パーミント・キャンディー、<2002>オアシス、
<2003>浮気な家族、<2004>大統領の理髪師、
<2005>愛してる、マルスンさん、
<2006>チ・ジニ×ムン・ソリ 女教授、<2006>家
族の誕生、 <2008>私たちの生涯最高の瞬間、 <2008>謝罪(制作2005年)、<2009>飛べ、ペンギン、<2010>小さな池 |
【レビュー&ネタバレ】 |
2000年1月韓国公開された
<ペパーミント・キャンディー>でございます。 韓国映画好きの方なら、必ず耳にしたことがあるでしょう。 ですが、実は日韓共同制作なんですね。 <名作>として、勧められる一作です。 だからといって、誰でも楽しめるわけじゃありません。 好きな人もいるでしょうけど、嫌いな方だっておりますわ。 mocaはどちらかというと、嫌いです。 心で感じれないから。 一人の男が、人生を狂わせられていく過程を、時間を遡りながら描いていくのだけれど、 その根底に何があったのか・・・ そうなるには、どんな理由があるのか・・・ それはとても興味深いテーマかもしれないけれど、 mocaにしてみれば、目新しくもなんともない。 確かに、どことなく懐かしさを感じる映像・・・そして、人間の心理・・・ 惹き込まれるものがあるわ。 そして、何よりソル・ギョングの演技が見事! 20歳の若者から、40歳の中年まで一人で演じているのだけれど、 その年齢もまったく不自然じゃないの。 その年齢、その年齢により、別人になっていくのよ・・・ 時間を逆に遡っているので、若返っていくような感じね。 そして、20歳の頃の純朴で誠実な自然を愛する青年・・・ 年齢だけれではなく、本当にその性質までをも見事に演じて・・・別人のようです・・・ ソル・ギョングにとっては、映画デビュー作。 その印象は強烈で、とても新人とは思えないわ。 この頃から大物の輝きを放っているのよね。 誰でも一度くらいは過去に戻れるなら、いつに帰りたい?と想像するわよね。 ホンホは、「帰りたい、戻りたい」と叫びながら列車の前に立ちはだかり・・・ 人生において、数度の岐路・・・ その選択の1つ1つが人生の歯車を狂わせ、 最後には、死ぬしか術がない崖っぷちへと追い込まれ・・・ 過去の選択・・・ それは、決して自分の意志だけではなく・・・ 残酷な運命の悪戯としか言いようもなく・・・ ヨンホが純粋で気の小さな心優しい人間であったからこそ、 狂ってしまった歯車。 真っ白なものほど、汚れやすいものだから・・・ この映画は、20年間を7段階に分け、遡っていきます。 ピクニック 1999年 春 ヨンホは鉄橋の上へと登りつめ、列車に向かって立ちはだかる。 「帰りたい!帰してくれ!」 3日前 1999年春 カメラ ラジオの告知コーナーで、20年前同じ工場で働いていた仲間たちで、 20年前と同じ場所にピクニックに行くという案内が流れる。 ヨンホは拳銃を密売人から買い取る。 突然ヨンホの前に現れた男に、自分の荒んだ生活を見せつけ、 自分をこんな境遇に貶めた株屋、高利貸し、裏切った共同経営者である友人、妻・・・ いったい誰を道連れにすればいいんだ?と、男に投げかける。 男はヨンホの初恋の相手スニムの夫であった。 男は、「スニムが貴方に会いたいと言っている」と、ヨンホを連れ出す。 スムニは、人工呼吸器で命をつないでいる危篤状態。 ヨンホは、ペパーミント・キャンディーをスニムに見せながら 「すまない、スムニ」と、泣きながら詫びる。 「これは、あなたのものだとスニムが言ってました」 病院を出ようとするヨンホに、スニムの夫が古いカメラを渡す。 ヨンホはカメラを売りに出し、中に入っていたフィルムを引っ張り出し泣き崩れる。 人生は美しい 1994年 夏 ヨンホは妻が不倫をしていることを突き止め、現場に踏む。 ヨンホも、会社の事務員と不倫をしている。 ヨンホはある男と偶然再会する。 トイレで隣り合った先程の男に尋ねる。 「人生は美しい、だろ?」 告白 1987年 春 ヨンホはある男(↑の「人生は美しい」で再会する男)を逮捕する。 男に拷問で告白を強要する。 拷問の苦しさに負け自白した男に、ヨンホは尋ねる。 お前の日記に「人生は美しい」と書いてあったが、そう思うか? 男は答えない。 祈り 1984年 秋 新米刑事のヨンホは、 未だ取り調べを経験したことがなく、 先輩たちにやってみるよう促される。 初めはぎこちなさがありつつも、すぐに暴力的な態度を見せるヨンホ。 取調べを終えると、ス ニムが面会に来ていることを知らされる。 「軍隊にも面会に行った」、と話すスニム。 ヨンホは、他人のように冷たい。 別人のようなヨンホに驚きながら、キムの優しい手が好きだと言うスニム。 その途端、ヨンホは食堂の女の尻を撫で回す。 傷ついたスニムは、ヨンホにコツコツ貯めた金で買ったカメラを渡す。 しかしヨンホは、スニムにカメラを返してしまう。 夜、食堂の女の部屋(後の妻) ヨンホと女は初めてSexしようとするが、行為の前に女は祈りを捧げる。 面会 1980年 5月 スニムが門衛の兵士に面会を求めるが、非常事態を理由に断わられてしまう。 そこへ出動命令が下る。 車で輸送される兵士達は、道を歩いているスムニを見て囃し立てる。 ヨンホは、スニムをただみつめるだけ。 夜、市街戦。 足を撃たれたヨンホの前に人影が・・・ 親戚に遊びにいった帰りの女子高校生だ。 戒厳令下で捕まれば大変なことに・・・ 許しを請う高校生に、「みつかる前に早く帰れ!」と叫ぶヨンホ。 ヨンホを探しにやってきた仲間たちにみつかる前に追い返そうと、銃で威嚇するが、 誤って女子高生を撃ち殺してしまう。女子高生を抱き、号泣するヨンホ。 ピクニック 1979年 秋 |
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