インディアン・サマー  Indian Summer 
 原題:インディアン・サマー 인디안 썸머(インディアン ソムモ) <2001>

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インディアン・サマー

スーツ姿にスニーカー。熱血弁護士のジュナ(パク・シニャン)は、 国選弁護人として夫殺しの罪に問われているシニョン(イ・ミヨン)の弁護を引き受ける。だが、シニョンは救済の手を拒絶し、自ら命を断とうとさえする。彼 女が理解できないジュナ。それでも、彼女の無実を信じて奔走し、証拠不十分を勝ち取ったのだが・・・・

<インディ アン・サマー>とは、晩秋に訪れる小春日和のこと。

監督 ノ・ヒョジョン <2001>イ ンディア ン・サマー

出演

パク・シニャ ン(朴新陽)

<1996>ユリ、<1997>プワゾン、 <1997>モー テルカクタス、 <1997>手紙 The Letter、 <1998>約束
<1999>ホ ワイト・バレンタイン、 <2000>キリマン ジャロ、<2001>インディアン・サマー
<2001>達磨よ、遊ぼう、 <2003>4人の食卓、<2004>ビッグ・スウィンドル! 
<2004>達 磨よ、ソウルに行こう、<2007>ま ぶしい日に

イ・ミヨン (李美妍)

<1997>モー テルカクタス、<1998>囁く 廊下~女校怪談~、<1999>我が心 のオルガン
<1999>ラブストーリー オープン・ エンディッド編、< 2001>インディアン・サマー、 <2001>黒水仙
<2002>純愛中毒、<2005>タイフーン、<2007>肩ごしの恋 人

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【レビュー&ネタバレ】
2007年、ようやく日本公開。5月25日には、DVD発売も決定だそうです。

せつない大人のラブストーリーでありつつ、
<法廷ドラマ>としても楽しめるわ。
ラストでは、誰もが「なんでー!」と、叫びたくなることでしょう。
ひたすら愛する人を信じ、すべてを投げ打つ深い愛。
そして、夫から暴力を受け、籠の中の鳥だった薄幸のヒロイン。
驚きの真実。
もっと早く公開されてもよかったと思うわ。
「一瞬」が「永遠」であるというのは、美しすぎて、そして、せつないわ・・・
mocaは、この映画好きです。


夫殺しの嫌疑をかけられ、
弁護士との面会も頑なに拒み続け、
ひたすら死刑を待つ人妻シニョンに、イ・ミヨン。

シニョンの無実を信じ、
すべてを投げ打って彼女を救おうとする熱血弁護士ジュナにパク・シニャン。

ジュナを支援する情の深い事務長に、
ドラマ<真実>のチェ・ジウ父、<春の日>のチョ・インソン父、チョン・ヨン。
シニョンの夫に、<美しき野獣>のヤクザ、ソン・ビョンホ。


では、ストーリーです。

夫殺しの嫌疑で逮捕されたシニョン。
彼女は弁護士との面会も拒み、黙秘を続け、死刑を言い渡される。
そのシニョンの新しい弁護人となったのが、熱血弁護士ジュナ。
なぜそんなにも死刑を望むのか・・・
事件に不可解な点が多いことに気づいたジュナは、
シニョンの無実を信じ、捜査を開始する。
何度も何度も拘置所に足を運ぶジュナ。
「生きる希望を持たせないで・・」
と言いながらも、そんなジュナに、シニョンも心を開き始める。

そして、裁判の日。

被告人シニョンと、被害者ジョンフンが使った電話料金の領収書を提出するジュナ。
97年4月以降、3年間発信止まり状態で基本料金だけ賦課されていた。
被告人シニョンが、外部に助けを求めたくてもできない状態だった。
そして、家のどこからも、
被告人が着替えたというジョンフンの血痕が残った服は発見されなかった。
被告人の黙秘権と裁判を拒否する行動らは認めます。
しかし被告人は、逮捕という方法を通じてしかその家を出ることができず、
その瞬間から、いや、それ以前から<生きること>を諦めていました。
保護を受けなければ生きられない家の中に監禁されたまま、
自らは何も選択することができない状況の中で
生きているすべての日々が被告人にとっては死でした。
そんな被告人に沈黙は最善の選択でした。

ジュナは、証拠不十分でシニョンを釈放させる。

久しぶりに街に出て、自由を満喫し、笑顔を見せるシニョン。
そんなシニョンを、ジュナは愛し始めていた。
「あの家には戻りたくない」
というシニョンと、一緒に過ごすジュナ。
シニョンはすっかりジュナに心を開き、
小さい頃の夢などを話し、優しい時間を過ごす。

↓これから観るつもりの方は、 この先読むべからず↓


しかし、思いもよらぬ展開が二人を待っていた。
事件当日の夜明けに、シニョンがカバンを持って出て行くのを目撃したという少年が現れた。
ジュナは全てを投げ打ってでもシニョンを助けるつもりだった。
偽造パスポートで、シニョンを海外へ逃がそうとするジュナ。
しかし、そのせいで乱闘事件を起こし、留置所にまで入れられてしまう。
そんなジュナを見かねた事務長は、ジュナに手を差し伸べる。
「事務長生活20年。女性証人に生理用ナプキンを買ってあげた事はあっても
仕える弁護士様に、豆腐を差し入れるのは初めてですね。
金曜日の夜明け4時です。
船に乗れば案内してくれる人がいますから。
女性一人頼んでおいたから、きちんと教えてあげてください」

ジュナはシニョンを逃がそうとする。
「私が殺しました!」
と、ジュナに訴えるシニョン。
「生きたくて殺したなら、殺したのではないでしょう!」
と、ジュナはシニョンを諭す。
「本当に...私に逃げて欲しいのですか?」
シニョンはまだ、ジュナの自分への愛に気づいておらず、
その真意がわからない。

「こんな言葉...誤解しないでくれればいいが...
どう思うかわからないが... あなたを知りたいからです。
なぜ...その人と、その家でずっと暮したのか...
本当に..逃げることもできないくらい...恐ろしかったのですか?」

「行くところがなかったのです....」
シニョンは漏らす。

いえ、そうだったみたいです。
後で気づいた事実ですけど...
逃げたいと言って、誰でもそんなことができるわけはないようです。
帰る場所がどこにもない人は、逃げるということも贅沢ですよ。

「死んだあの人...以前に自殺をしようとしたことがありました。三度...」
一度目は、研修医の時代だったし、
一度は、自分ののために最初の子供が流産した時でした。
最期は... あの人が死んだあの日でした。

また子供ができたことが分かった時、
今回がもしかしたらチャンスかもしれないと考えました。
あの人から抜け出すことができるチャンスです。
それで、中絶手術受け、あの人に話したんです。
「お前は、ここから一歩も出る事ができない」
夫の手を泣きながら振りほどこうとするシニョン。
「また別のあの人を作る事より、また別の私を作る事がもっと恐ろしかった」

ターミナルの切符売場で立ち尽くすシニョン。
急き立てる窓口職員。
シニョンを押し出して、切符を買う他の客。
呆然と時刻表を見上るだけのシニョン。

「あの時わかったんです。夫の言葉の意味が。本当にどこにも行く所がなかったのです」

飼い慣らされていることに気づきました。
逃げたいと思うより、死にたいという考えの方が切実だったのです。
私は人間ではありませんでした。
直接殺したのではないけれど、本当にあの人が死んで消えたらいいと思いました。
けれど.. 今. .私生きたいです ..........
厚かましいけれど、生きたいです。
最初からやり直したいです。

涙を流すシニョンに、「できますよ」と、ジュナは答える。

今になってこんな話をするのが、どんな風に見えるかわからないけど...
なんだか話さなければならないという気がしました。
これから.. どうなろうとも、スッキリしました。
そんなシニョンに、ジュナは何としても救うことを決意を新たにする。
辞表を書くジュナ。


↓ 結末。キケン ↓



埠頭。
モーター音と共に埠頭を出る船。

そして、シニョンの裁判の日。
「2317号です」
という弁護人の声と共にドアが開く。
ジュナは驚愕する。
そこにはシニョンがいたからだ。
法廷に入り、,被告人席へ向かうシニョン。
ジュナを無視したまま、被告人席に立つ。
判事はジュナに告げる。
「通知が届きませんでしたか?被告人から弁護人交代の申し出がありました」
裁判は始まる。

被告人は、すべての裁判過程で黙秘権を一貫しました。
最後に尋ねます。ご主人を計画的に殺害した事実を認めますか?

はい。

死んだ夫にすまないという気持ちがありますか?

いいえ、ありません。

シニョンの言葉を聞いたジュナは異議を訴え、
傍聴席へと追いやられる。

被告人は、夫ソン・ジョンフンの頚動脈をメスで刺し、死ぬようにした事実がありますか?

はい。

「裁判官!今の被告人の陳述は事実と違います!ありのまま話します。シニョンさん.. 」
ジュナが暴れたために、裁判は宮廷となってしまう。

検察側、弁護人側、中にお入りなさい。
被告人も中にお入りなさい。
最後に言いたいことがあれば、言ってください。

シニョンはためらうが、「ありませんか?」という裁判官の声に口火を切る。

いつか...私を私の自由にすることができるそんな機会が来たら
私の中に残っているすべての記憶を一つ残らずキレイに消してしまいたいと思っていました。
そして今は... 
人々が... 幸せなある一部分のために、
すべての記憶を抱えながら生きて行くということが.. わかりました。
今日のために... 
私たちが今よりもっと不幸になり、ずっと今日の日を後悔することになっても
私も一度くらいは.. 誰かを愛してみたかったのです。
私にそんな資格があったら...
今日が、私に与えられた最後の奇蹟だったらいいです...

傍聴席で、そのまま目をとじるジュナ。
ジュナに向けて、かすかに微笑むシニョン。

そして、シニョンは中へと入って行き、ドアは閉じられる。
ドアがきっちりと閉じられるその瞬間まで、
みつめ合う二人。

冬の前に、再び一瞬熱い夏が訪ねて来て欲しいと願う人だけに
神さまがプレゼントした短い奇蹟。
インディアンの太陽を憶えると...
私が、その晩秋の奇蹟を憶えることのように....

ジュナは、シニョンの写真をみつめる。
明るく笑っているシニョンの制服を着た写真。
憶えている間...
愛は終わらない。




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