悲歌
 原題:甘浦悲歌 감포비가(カムポビガ) <2000.7.5>

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ソンス(パク・ヨン ハ)は、母がいつも聞いていた歌を思い出に成長する。ミスン(パク・ウネ)の部屋から流れる思い出の歌を偶然聞いたソンスは、ミスンが家政婦として働いて いる家に下宿する。愛し合うようになった二人だが、ソンスの父親に反対され結局別れを迎える。中年になったソンスは、妻と一緒にミスンとの思い出の場所’ 甘浦(カンポ)’を訪れ、そこで働いているミスンと再会する。

演出

イ・ヨンジン

<2000>悲歌

脚本

チョン・ソンヒ

<2000>悲歌 、<2005>ファッション70s、<2007>ム ニ ※いずれもTV ドラマ
出演 パク・ヨンハ 出演作品一覧

パク・ウネ

<1998> チャン、<2000>彼が駅で降りた、 <2000>悲歌、 <2000>REC 【レック】、
<2001>HEAVENヘブン、<2005>ふたつの恋と砂時計、<2006>ある日突然 最初の話─ 2月29日
<2006>ひまわり、<2008>アバンチュールはパリで

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【レビュー&ネタバレ】
2000年7月5日に、KBS 'ドラマシティ' で放送された1時間枠の単発ドラマ。
チョ・インソン 短編ドラマコレクション(少女漫画のようにラブミーテンダー)と同様に
パク・ヨンハ 短編ドラマコレクションとして、KBS メディアから発売されている。
同時収録は、茶の香り
悲歌というよりも、原題の<甘浦悲歌>というタイトルがピッタリ。
甘浦とは、慶州の近くの港町。

これもよい作品ですね。
静かに優しく流れる時間.....
その中で愛し合う二人。
妾の子という心の傷を抱え、家政婦との身分違いの恋に突き進む良家に生まれた青年。
パク・ヨンハは、一昔前の良家の子息という役柄が似合いますね。
ただ、今まで見た中で一番イケてない。
肥えているのか???
顔が豚っぽいのよ...

パク・ウネも、元々どうしても顔が好きになれなくて....
チャングムのヨンセンはよかったけれど、メローのヒロインは見たくない。
ただでさえそれなのに、甘浦で再会した時の顔がひどすぎる........
きっと、それは誰しも思うことでしょう....
誰の提案だか知りませんが、何事にも限度があるということです.....
ちょっとひくわよね。
ドラマどこじゃないわ。

パク・ヨンハの父は、その2年後に冬のソナタで親子共演するチョン・ドンファン。
これまた、老人のようなメイクでやりすぎです.....
10代の父にしては老いぼれすぎでしょう...
パク・ヨンハの実母には、少女漫画のようにのパ ク・ジヨン。
あちらでは、見事なアジュンマぶり。
同年の作品だなんて信じられない!!

悲しく、優しく、考えさせられるドラマ。
人間の幸せって、なんだろうと....
身分違いの恋では、人間は幸せになれない.....
それは、このドラマを見ていても納得してしまうような気がする......
結婚は、生活ということ。
別の女性と結婚した主人公。
忘れられない初恋があり、優しく弱いソンスにとって、尻に敷かれているような女性との結婚も
悪くないように見えてしまう。
それでも、いくら身分が違っても、ソンスとミスンは幸せになれたと思う。
ソンスはミンスの知らない世界を与えさえすれ、傷つけたり不幸にはしない人だから。
ドラマの幕が閉じる時、
ソンスの悲しみが自分のことのように胸が痛むであろう。
人間の幸せとは何なのか?
最も望むことを捨ててまで、生活水準を保つことなのか?
毎日息をして、眠り、ご飯を食べ....
その繰り返しが生きること。
それだけのための人生は空しく、悲しい......
けれど、それが人生なのだろうか。

言葉を交わし、見つめあい、手をつないで道を歩く.....
そんな二人の純愛が、心に染みる。
結ばれなかったからこそ美しいのか.....
それでも、きっと純粋な恋がしたくなるに違いない。
忘れ去ってしまった初恋。
このドラマでもう一度味わうのもいいかもしれません。

パク・ヨンハ演じるソンスは、田舎の良家に生まれた青年。
父は一度も会わぬままに親の勧めた相手と結婚し、
ある日劇場で出会ったソンスの実母に初めての恋をし、家に呼ぶ。
しかし、歌手であったソンスの母は自由な人で、家の中に閉じこもってはいられなかった。
何度引き戻しても出て行ってしまう。
そんな母との思い出は、部屋の中で母が聴いていた蓄音機から流れるメロディ。
そのメロディと共に、ソンスは成長してきた。

そんなある日、ソウルのある家から流れてきたメロディを聴いたソンスは驚愕する。
「母だ!」
そう思って、勝手に家の中に入り、フスマを開けるソンス。
しかし、そこにいたのは母ではなく、その家の家政婦ミスンだった。
大学受験に失敗し、ソウルで下宿生活をすることになったソンスは、
ミスンが家政婦をするその家に、無理矢理引っ越してしまう。
純粋で気立てのいいミスンに惹かれていくソンス。
読み書きができないミスンに、ハングルを教えてやるソンス。
そうするうちに、二人は愛し合うように。

ある日、ソンスを訪ねてきた父。
一目で二人が愛し合っていることを悟り、田舎で縁談があるとソンスを連れ戻す。
「世の中には、出会わない方がいい縁もある」
そうして、ソンスの母とのなれそめを聞かせる父。
そして、結婚は現実だと。
しかしミスンを諦められないソンスは、勝手にソウルへ戻り、ミスンにプロポーズ。
二人はソンスの実家へ挨拶に訪れる。
ミスンを快く思わない父。
そして、ソンスの養母も、ミスンを諭す。
「女は自分に見合った人と暮らすのが幸せ」だと。
ミスンは、ソンスが眠る間に、一人家を出て行く。


ソンスの父や養母が言うことにも一理あるのでしょう。
特にソンスの父にしてみれば、自分の経験もあることですから。
頭ごなしに反対しているのではなく、
ソンスの養母と結婚したことが間違いではなかったと実感しているからこそでしょう。
他のドラマのように横暴なわけでもないんです。
人生についての悟りの境地に達したような立派な方です。
失敗も責めるわけではない。
そして、ソンスの養母は、本当に立派な人だと思います。
時代が違うとはいえ、あんな立派な女性がそうそういるものでしょうか。
いくら顔も見ずに結婚した相手とはいえ、自分の夫が別の女性を愛し、家に連れ、
子を作り、その子を我が子として育てるのです。
夫の愛人を受け入れ、共に暮らし、
ソンスを自分の子のように愛し、それだけでなく、ソンスの実母の存在も尊重する。
ソンスの母だと。
本当に立派な女性。
ソンスしか子がいないので、子ができない体だったのかもしれないけれど、
実の子のように愛する姿に、胸が震えます。
こんな女性と結婚したなら、ソンスの父も自分の過ちに気づくことでしょう。
人生は惚れた腫れたじゃない。
自分の伴侶となるべき人を選ぶべきだと。
対して、ソンスの実母は、息子よりも自分の夢と自由が大事で、
幼い息子に酒を飲ませたり、
ソンスの継ぐはずだった領地も自分のものにしたりと、ろくなものじゃない。
ソンスが結婚した女性も、夫を尻に敷くような強さはあるものの、
分別があって、出来た女性。
きっとソンスの人生は不幸ではないでしょうけれど、
あまりにもせつない。

出て行ったミスンを追いかけ、そのまま甘浦の民宿で過ごす二人。
楽しい一時を過ごし、ソンスのために食事を作るミスン。
一つもおかずのない食卓で、「一番おいしい」と笑うソンス。
ミスンはそれを思い出に、ソンスが寝てる間に一人出て行ってしまう。
それ以来、ミスンを探し出すこともできず、ソンスは別の女性と結婚する。
結婚してから10年。
尻を叩いて、叩いて、ようやく初めての旅行に連れてきてもらったと笑う妻。
行き先は、ミスンとの思い出の地、甘浦。
偶然にも、そこでミスンと再会するソンス。
(ミスンも結婚しています)
変わってしまった二人の姿から、過ぎ去った年月の重みを感じる。
もう戻れない二人。
ソンスの帰り際、ミスンはソンスの妻に蓄音機を渡す。貰ってくれと。
前に働いていた家の奥さんが亡くなる時に下さったのだと。
その人は歌手だった。
ミスンの話に言葉を失うソンス。
ソウルに戻り、自宅で食事を取るソンス。
蓄音機を飾りながら、妻はソンスに声をかける。
「あら、傷があるわ」
そう、それは幼い頃にソンスがつけた傷。
その蓄音機は、ソンスの母のものだった。
蓄音機が結んだ縁。
そして、愛しながら離れてしまった二人の女性、産みの母と、ミスン。
ソンスは涙をこらえきれず、嗚咽する。





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