甘い人生  A Bittersweet Life 
 原題:甘い人生 달콤한 인생(タルコマン インセン) <2005>

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甘い人生

ソウルの空に島のように浮いている、とあるホテルのスカイラウンジ。そこは、 冷 徹で明敏な完璧主義者ソヌ(イ・ビョンホン)の小さな城だ。

彼は、「なぜ」と尋ねない寡黙な義理とスキのない仕事ぶりで、ボスのカン社長(キム・ヨンチョ ル)の絶対的信頼を獲得し、スカイラウン ジの経営を任されるまで7年の歳月を捧げた。

ルールを破った者は、理由を問わず処断する冷酷なカン社長。そんな彼には他の人々に話せない秘密が一つある。若い恋人ヒス(シン・ミナ)の存在だ。

彼女に 別の男ができ たという疑惑を持ったカン社長は、ソヌに彼女を監視し、事実ならば始末しろと命令する。

ヒスを尾行し始めて3日目。ヒスと男が一緒にいる現場を急襲するソ ヌ。しかし、ヒスに哀願され、彼は二人を放してやる。それが最善の選択だと信じての行動 だ。だが、この選択により、ソヌは組織全体を敵に回してしまうことになる。

【予告編】
監督 キム・ジウン(金知雲) <1998>ク ワイエット・ ファミリー、<2000>反則王、 <2003>箪笥、<2005>甘い人生
<2008>グッド・バッド・ウィアード、 <2010>悪魔を見た

出演

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧

シン・ミナ

<2001>火 山高、<2002>マ ドレーヌ、<2005>甘い人生、 <2005>野獣と美女
<2005>サッド・ムービー、<2008>最強☆彼女(制作2006年)、<2008>GO GO 70s
<2009>キッチン~3人のレシピ~、<2009> 今、このままがいいです、<2009>10億
キム・ヨンチョル <1981>白い微笑、<1988>業、<1989>その後も長い間、 <1989>逃げた話、<1991>成熟した外出、
<1992>皆が殺したかった女、<2000>純愛譜、 <2005>甘い人生、<2007>あいつの声
<2007>マイ・ファーザー

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【レビュー&ネタバレ】
2005 年4月、韓国、日本で公開された(時期はちょっとズレてます)「甘い人生」でございます。
韓流ブーム絶頂期。
イ・ビョンホン人気も凄まじいもので、皆が今か、今かと待ちわびていた作品でございます。
この映画はノアール(風)映画でございます。
ノアールというより、裏社会を描いたアクション映画という感じでしょうか。
この映画にストーリーを求めちゃいけません(笑)
イ・ビョンホンのキレのいいアクションを楽しむべし。
とにかくイ・ビョンホンの得意とする足技のアクションは溜息モノ。
そして、彼はノアールによく似合うのよね。
それ以外に、イ・ビョンホンファン以外の方が満足できるものがあったのでしょうか・・・・・
孤独な男の哀愁・・・・
それがたまらない方もいらっしゃるかもしれませんが・・・・
moca的には、特別出演した<神話>のエリックの方が
おいしいところを持っていっちゃったように思います(笑)
最後の最後で、めちゃめちゃクールでかっこいいじゃない・・・・
いったい誰が主役よ(笑)
同じく特別出演のファン・ジョンミンも、いい味だしてるわー
シン・ミナちゃんのキャスティングは、きっとほとんどの方がミスキャストだと思われたと・・・・
ヤクザのボスの愛人には、いろんな意味で足りなすぎ・・・・
ソヌが人生を見誤ってしまうほどの魅力も、足りなすぎ・・・・
けれど、シン・ミナちゃんを敢えてキャスティングしたのは、ミスキャストと思えるからじゃないかしら?
ヤクザのボスの愛人に見合うような女性なら、ソヌは人生を見誤ったりしなかったと・・・
ボスやソヌの周りにいた女性は、「いかにも」という女性ばかりで、
だからこそ、ソヌにとってヒスは新鮮だったと・・・
この映画では見られないけれど、シン・ミナちゃんの笑顔は子供のように無邪気で愛らしくて・・・
だから、キャスティングされたんじゃないかしら・・・・・
けど、観客にとっては、やっぱりそれなりの女性を求めていたと。
このキャスティングを納得させるような描写がどこかに盛り込まれていたらよかったのだけれどね。
ソヌの舎弟のミング役は、オールインのイナの子役チン・グでございます
(チン・グって名前はどーよ・・・)
大きくなったわねぇ・・・・
彼も存在感のある俳優になりそうよね。

さて・・・・
この映画は、こう始まります。

ある弟子が先生に聞きました。
「先生、あの木の枝が揺れるのは、風が動いてるのですか?枝が動いてるのですか?」
先生はそこを見もせずに言います。
「何も動いてはいない。ただお前の心が揺れてるだけだ」

そして、この映画は、こう終わります。

ある日、弟子が目が覚めてからあまりにも悲しく泣いているのを見て、先生が尋ねます。
「悪夢でも見たのか?」
弟子は違うと答えました。
色々聞いたけど弟子は違うと答えながらこう言いました。
「違います。甘い夢を見ました」
先生が聞きます。
「甘い夢を見たのになぜ泣いておる?」
弟子が言います。
「それは叶わない夢だったからです」

この冒頭とラストのこのセリフが、この映画にとって重要なキーポイントとなってますわ。
では、ネタバレよー
この映画はストーリーなんて<あらすじ>程度のもの。
だから、バラすほどのネタもないのだけれど(笑)


絶対的な忠誠を誓い、絶対的な信頼を得ている組織のボスの若い愛人
チェリストのヒスに心が揺れてしまったソヌ。
ボスの命令に背き、ヒスを逃がしてしまったことから、
今度はソヌがボスに始末されることになってしまう。
残酷なまでの拷問。
この7年間、ボスに人生の全てを捧げてきたソヌにとって
この仕打ちは納得できない。
ソヌはボスへの復讐を決意する。
銃を手に入れる為、銃密売人の元を訪れるが、
不審に思われ、思いもよらず密売人たちを皆殺しにしてしまう。
脇腹を刺されて傷ついたソヌがボスの元へとがやってくる。
拳銃を向けながら「なぜ俺にあんな事をしたんですか?」 と、ソヌ。
ボスの口から出てきた言葉は、「オマエは俺を侮辱した」だった。
「そんなのは本当の理由じゃない」と、納得できないソヌ。
ボスは「一体どうして揺れてしまったんだ・・・」とソヌへ語りかける。
そこでふと、窓ガラスに映った自分の姿を見て、揺れている枝の映像が・・・
ソヌはボスの真意を悟り、ボスを撃ってしまう。
しかし、ソヌもオ・ムソン(イ・ギヨン)に撃たれてしまう。
ソヌは撃たれながらも立ち上がり、壮絶な銃撃戦を繰り広げる。
一方、銃密売人の仲間を殺されたテグ(エリック)がスカイラウンジへと刻々と迫っていた。
スカイラウンジでは、激しい銃撃戦により皆が死に、ソヌも瀕死の状態であった。
死ぬ間際にヒスへ電話を掛けるソヌ。
ヒスの声を聞き、ソヌはかすかに微笑を浮かべる。
そこへテグが現れ、テグに撃たれたソヌは息絶える。

ストーリーというほどのストーリーがないのに(笑)
ひじょーに解釈しづらい映画ですわね。
ソヌの回想シーンが入れ混じることで、
ソヌの見た「夢だった」という夢オチと解釈している人もいるみたいだけれど、
この映画は「一つの誤算により、人生を誤ってしまった男」のストーリーでございます。
ソヌの死に耐えられな い方はそう解釈するのも一つでしょう。
監督は、もっとわかり やすい映画にしようとしたのかもしれない ですが・・・
よけいにわかりづらく したという?(笑)
深読みする人が多すぎるのよね。
素直に観れば、監督の意図のまま、伝わったのに。

ボスに「どうして揺れてしまったんだ?」と尋ねられるシーンで、
揺れている枝の映像が入り込むけれど、
これは元々のシナリオにはなかったと思ったわ。
「何も動いてはいない。お前の心が揺れているだけだ」
という冒頭の言葉を、観客が思い出させるために設定したものだと思うけれど、
元々は、執拗に「なぜ揺れたんだ?」と繰り返し、
ヒスのために揺れたのか?と尋ねるボスの言葉で、
ソヌはボスの真意を悟るのよ。
最後にヒスに電話をかけ、ヒスの声を聞いて安心するシーンも、確かシナリオにはなかったわ。
ソヌの耳元に風が吹き抜け、ソヌは微笑む・・・
それだけだったと思うわ。
ソヌの心はヒスのために揺れたのではなく、
ソヌの心が揺れていたから、ヒスに心が揺れたのよね。
ソヌの心が揺れていると見抜いたボスは、
ソヌを試すためにヒスの件をソヌに任せたのだと思うわ。
というよりも、ソヌがヒスに揺れることを見越して・・・
ソヌを抹殺することを目的としてヒスを近づけたのかもしれないわね。
それを悟ったソヌは、ボスを撃ってしまう。
もしや、ヒスもグルで、ヒスにも騙されたのかもしれない。
そう思ったソヌは、最後にヒスに電話をするのかもしれないわ。
そしてヒスが電話に出て、ヒスの声を聞いたソヌは、ヒスに騙されたのではないと確信し、
微笑みながら死んでいくのね・・・・
ただ風が吹き抜けただけの方が、せつないけれどわかりづらい(笑)
ヒスへの電話になったことで、ロマンティックな最後になったわ・・・
甘い、甘い夢・・・・・




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