カル  Tell me Something 
原題:テル・ミー・サムシング 텔 미 썸딩 (テル ミ ソムディン) <1999>

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カル

ソウルで2件のバラバラ殺人事件が発生する。初めの死体には腕が、2番目の死体 には胴がない。

特別捜査班が設けられチョ刑事(ハン・ソッキュ)が事件を担当するが、捜査は一向に進展しない。唯一の手がかりは、死体切断の精巧さから推測できる医学的 知識と死体から発見された防腐剤ヘクサメディン。そして数日後、さらに3番目の死体が...

解剖検査医のク検視(アン・ソクファン)は、歯の治療歴からこの犠牲者の身元を割り出す。犠牲者の身元引受人チェ・スヨン(シム・ウナ)に会ってわかった 驚くべき事実。3人の犠牲者は、すべて彼女の過去と現在の恋人だった。

スヨンはフランス留学後、博物館の遺物復元室に勤める美貌の才媛。有力な容疑者は、彼女を欽慕する同僚のギヨン(ユ・ジュンサン)。ギヨンのヘクサメディ ン購入が明らかになり、チョ刑事は彼を連行するが、取調べ中にスヨンが襲撃を受け、釈放されたギヨンは姿をくらます。消えたギヨンの家で3番目の犠牲者の 心臓が発見されるが、彼は4番目の死体となって発見される。

スヨンと何度も会ううちに、少しずつスヨンに対する想いが募っていくチョ刑事。 彼を5番目の犠牲者として予告する犯人。犯人は果して誰なのか。

【予告編】

監督 チャン・ユニョン(張允炫) <1997>接続、<1999>カル、<2004>サム~Some~、 <2007>ファンジニ 映画版

出演

ハン・ソッ キュ(韓石圭)

<1995> ドクター・ポン、<1996>銀杏のベッド、<1997>ナンバー3、< 1997>グリーン・フィッシュ、
<1997>接続、<1998>八 月のクリスマス、 <1999>シュリ、 <1999>カル、<2002>二 重スパイ
<2004>スカーレット レター、<2005>ユゴ 大統領有故、 <2005>ミスター主婦クイズ王
<2006>恋の罠、<2006>殴打誘発者たち、 <2006>愛すると きに話すこと、<2008>目には目、歯 には歯
<2009>白 夜行-白い闇の中を歩く、<2010>2階の悪党

シム・ウナ (沈銀河)

<1995> サランヘヨ あな たに会いたくて、<1996>ボーン・トゥ・キル、 < 1998>八月のクリスマス
<1998>美術館の隣りの動物園、<1999>イ・ジェスの 乱、< 1999>カル、<1999>イ ンタビュー

ヨム・ジョン ア

<1999>カル、<2002>H[エイチ]、<2003>箪 笥、 <2004>ビッグ・スウィンドル!(犯罪の再構成)
<2004>ラブリー・ライバル(女先生vs女生徒)、 <2004>20のアイデンティティ(異共)
<2005>サッド・ ムービー、<2005>少年、天国へ行く、<2007>な つかしの庭(古い庭園)
<2007>里長と郡守、<2007>私の生涯で最悪の男、<2009>チョヌ チ(田禹治)

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【レビュー&ネタバレ】
<8月のクリスマス>のコンビ、 ハン・ソッキュとシム・ウナが再びタッグを組んだ作品。
翌年の作品とは思えないわ。
シム・ウナ、8月のクリスマスではキレいっぽいけれど?という感じで・・・
まだ垢抜けてなかったけれど、この作品では、まさに'美貌の才媛'という感じ。

<箪笥>とまったく同じ部類に入るこの作品。
<箪笥>が嫌いな方にはオススメできないわ。
明らかにはなっていないけれど、シム・ウナは精神を病んでいるといってもいいし、
多くの謎が残ったまま幕を閉じるわ。
犯人だけは明らかにはなるけれど・・・・・・・
ただ、それもあまりにもわかりにくくて、ラストの展開が理解できない方もいるのでは?

moca的には、どの殺人では誰が実行犯で・・・とか、そんな細かい謎はどうでもよいのよ。
ストーリーを左右する大事なポイントさえわかればね。
どれだけ多くの謎を解くか・・・そういった方のお役には立てないと思うわ。

というわけで・・・のっけからどんどんネタ バレしていっ ちゃいますわよ。


この映画の重要なキーワードになるのが2枚の絵。
といっても、「オフィーリアの死」はそれほどでもないかしらね・・・・
絵の謎は解けたかしら?
「カンビュセス王の裁判]という絵は、冒頭で映し出される絵のことよ。
監督が、この絵が映画の製作動機になった・・・と語っているくらいだから、
どれほど重要なものかおわかりになるでしょう?

カンプセス王の裁判
[カンビュセス王の裁判] David Herald

カンビュセス王はペルシアの王で、この絵は15世紀にダビッド・ヘラルドにより描かれた絵よ。
カンビュセス王は、最も公正な人間でばければいけない裁判官シザムネスが、
賄賂を受け取り、不正な裁判を行ったことの罰として、
生きながらにして皮を剥ぐ公開処刑を行ったの。
犯さざるべき罪を犯した人間には、後々人々が不正腐敗を忘れぬよう
残虐な方法で刑罰に処した・・・
父親として犯さざるべき罪を犯した父親ヨンフンは、罰として処刑された。
それにより、父親を殺されたオフィーリアのように、スヨンは狂ってしまったの。
オフィーリアは父親を殺され、スヨンは自分で殺したというのが本当のところだと思うけれど、
ヨンフンは誰かの手によって殺害されたという線もないわけじゃないと思うわ。

邦題は<カル>だけれども、原題の<Tell me something>の方が、
この映画の大事な部分を忠実に表現していると思うわ。
この原題に、謎の1つが隠されている・・・
劇中ではまったく触れられない<動機>が、この原題から解けると思うわ。

<接続>が、意志疎通 の不在、喪失感の中で希望を語る映画とす れば、
<カル>は、極端な断絶の悲劇を強調した映画」だと監督は語っているわ。
対話と断絶・・・そして、それが招いた悲劇。
これがこの映画のポイント。
スヨンは、どこにでもあるような父親の愛、父親との会話を求めていたのよ・・・
<Tell me something>
これは、長年スヨンが父ヨンフンに対して求めていたものであり、
ヨンフンが死んだ後も、ずっと求め続けていたの。
それ故に、自分を愛した男たちの体を縫合し、理想の父親を作ろうという狂気に陥ってしまった・・・

監督が何を描きたかったのか、感じることができたかったかしら?
それ以外は、物語を展開させるためのおまけのようなもの・・・moca的にはそうでしかないわ。

スンミンが幼い頃スヨンの
隣家に住 んでいた男の子(のような女の子)という ことも、
スンミンがスヨンに愛情(異性愛)を抱いていたことも、観ていればわかるわ。
スヨンはその男の子は自分を助けるために火事で死んだと思っているとチョ刑事に話したけれど、
スンミンはスヨンに、「本当に自殺するつもりだったの?あんたはそんなタマじゃないわ」と言い放つのよね。
スヨンはスンミンがその男の子だって知っていながら、
スンミンに殺人を助けてもらうために自殺を図り、スンミンに近づいた。
スヨンがそんな女だとは、劇中からまったく感じられなく・・・
「そんなタマじゃない」
じゃあ、どんなタマ?そんな部分が観てみたかったなぁ・・・と、思うわ。

冒頭で墜落死した男の子のことが、なかなかわからなかったのよね。
だから、オ刑事がその事故の目撃者だった少年が、ヨンフンの絵を売りにだしたことを掴んでも、
mocaにはなんのことやらさっぱり(笑)
クライマックス。
スンミンが連続殺人の犯人であるとされ、スヨンはパリへと旅立ったけれど、
ギボンが撮ったスヨンの家の隠しカメラの映像を観ていたチョ刑事は、そこで初めて真実に気づく。
映像の中で、スヨンがみつめていた金のボタンを見て・・・
チョ刑事、それだけでわかっちゃうの?すごいわー
冒頭で墜落死した少年の上着に付いてたボタンだなんて・・・
それだけで、スヨンが人体切断が行われていたアパートにスヨンがいたってわかっちゃうの?
すごいわー
で、それからそのアパートに向かうなんて・・・
遅すぎないか?
それだけの洞察力があったら、もっとさっさと真実を明らかにできたでしょー
しかし、写真に映っていたスヨン、スンミン、ギボン、そして、殺害された3人のスヨンの恋人たち。
これだあれ?
mocaはバラバラに された男の顔なんて覚えていなかったわ よー
もっとインパクトのある顔の俳優にして欲しかったわー
スヨンが旅立つ前にチョ刑事にプレゼントした水槽を、
写真の中で皆が手にしているのは面白かったわ。
自分も殺されていたかも?コワ・・・
チョ刑事に愛を感じていた=殺さずに済んでよかった。
そんな感情が、スヨンの心の中にもあるのね。
それとも、チョ刑事に出会って、スヨンが少しずつ正常に戻り始めたのかしら?

最後の別荘。
こんな展開になるのなら、スヨンと以前訪れた時に<これは鏡>と、もっと強調して欲しかったわ。
写真に写っていた巨大な水槽を見て、アレは鏡じゃなく水槽だったのか?
と、気づくチョ刑事ってすごいわー

mocaは名探偵コナンの方が好き。





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