シュリ  Swiri 
 原題:シュリ 쉬리(スィリ) <1999>

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シュリ

国家一級秘密情報機関OP(Ocean Park)の特殊秘密要員ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)と、彼の親しい同僚要員イ・ジャンギル(ソン・ガンホ)。彼らに重要な情報の提供を申し出た 武器密売商のボス、イム・ボンジュ(ソン・ホギュン)が彼らと接触する寸前に道で無惨に狙撃される。

現場に残った2 発の弾皮からジュンウォンは直感的に特殊8軍団所属の最高の狙撃手イ・バンヒの存在を感知する。既に何回も政府要人を狙撃してジュンウォンの執拗な追跡を 避けて潜伏していたバンヒが、1年ぶりにまた活動を再開したのである。

死んだボンジュの背後を調べるジュンウォンとジャンギル。その過程でバンヒがボン ジュを通じて国防科学技術研究所で開発された新素材液体爆弾CTXを確 保しようとしたことを知る。彼らは急いで研究所に向かうが、一歩先んじたイ・バンヒが担当研究員を殺害した後であった。

一方、北から侵入したパク・ムヨン (チェ・ミンシク)と特殊8軍団の精鋭要員らは、軍団司令部から移送中だったCTXの奪取に成功する。一歩遅れてジュンウォンらはCTXの行方を追いかけ るが、パク・ムヨンが仕掛けた罠にかかり、辛うじて命をとりとめる。

【予告編】

監督 カン・ジェギュ(姜帝圭) <1994>恐怖特急、< 1996>銀杏のベッド、< 1999>シュリ、<2004>ブラザーフッド
<2010>マイ・ウェイ

出演

ハン・ソッ キュ(韓石圭)

<1995> ドクター・ポン、<1996>銀杏のベッド、<1997>ナンバー3、< 1997>グリーン・フィッシュ、
<1997>接続、<1998>八 月のクリスマス、 <1999>シュリ、 <1999>カル、<2002>二 重スパイ
<2004>スカーレット レター、<2005>ユゴ 大統領有故、 <2005>ミスター主婦クイズ王
<2006>恋の罠、<2006>殴打誘発者たち、 <2006>愛すると きに話すこと、<2008>目には目、歯 には歯
<2009>白 夜行-白い闇の中を歩く、<2010>2階の悪党

ソン・ガンホ (宋康昊)

出演作品一覧
チェ・ミンシ ク(崔岷植) <1998>ナンバー3、<1998>クワイエット・ファミリー、<1999>シュリ、<1999>ハッピー・エン ド
<2001>ラブ・レター ~パイランより~、 <2002>酔画仙、<2003>オールド・ボーイ
<2004>ブラザーフッド(特別出演)、 <2004>春 が来れば、<2005>親切なクムジャさん
<2005>クライング・フィスト、<2008>ヒマラ ヤ、風が留まる場所、<2010>悪魔を見た

キム・ユンジ ン(金允珍)

<1997>殺す話、< 1999>シュリ、<2000>燃ゆる月、<2001>イエスタディ 沈黙の刻印
<2002>アイアン・パーム、<2002>密愛、<2005>6月の日記、 <2007>セブンデイズ
<2010>ハーモニー、<2010>心臓が脈打つ

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【レビュー&ネタバレ】
韓国映画といえば、シュリ。
韓国映画を世界に広めるきっかけとなり、衝撃を与えたのはこの作品でしょう。
韓流ブームの前に韓国に興味を持ったという方は、シュリがきっかけになっている場合が
多いのではないかと思います。
621万人を動員し、未だ歴代記録8位を保持しているシュリ。
この映画が果たした役目は大きいと思います。

せつないストーリーに、音楽。
そして、南北分断の悲劇という・・・想像を絶する悲しみ・・・
南北問題のいろはさえも知らない日本人には、衝撃が大きくて・・・
ラストは、涙なくしては見れません。
じっくり観ると、拙い部分や陳腐さも浮き彫りになったりするかもしれませんが、
細かいところは言及せず楽しんで欲しいですね。

音楽を担当したのは、イ・ドンジュン。
ロスト・メモリーズの鎮魂歌は ぜひ聴い てみて欲しいです。

日本人は、誰もが主人公はハン・ソッキュとキム・ユンジンだと思ってませんか?
mocaもそうですが。
どのポスターにはキム・ユンジンは写ってませんし、
主役はハン・ソッキュと、ソン・ガンホ、チェ・ミンシクなわけですね。
キム・ユンジンのインパクトが大きすぎたのでしょう。
主役が食われちゃってるという感じでしょうか?

1999年の作品ですが、皆さんあまり変わっていないことがすごい。
ハン・ソッキュとキム・ユンジンなんて、ほとんど変わらない。
それに比べて・・・ソン・ガンホの変わりようったら・・・(笑)
まだ10年経っていないのに。
痩せてて、キリっと凛々しくて・・・・
昔もかっこいいけど、今もとってもステキ。
チョイ役で、キム・スロと、パク・ヨンウも出演しています。
パク・ヨンウは何度もアップになるほどの割と意味のあるキャラクター。
’コネ入社!’と呼ばれ雑用ばかり押し付けられる情報部員。
韓国では’落下傘(낙하사)’という言葉には、俗語で’コネ入社’や’天下り’という意味があるそうよ。
キム・スロは・・・・・・・・・・
’キム・スロを探せ!’状態です(笑)
ポカリスウェットの自販機の前で激しい銃弾を浴びて死んで行ったチェ・ミンシクの部下です。
爆弾を飲んで自害した女スパイは、キム・スロの実の妹だそうで、、、似てない・・・・

なんだかんだ、韓国映画好きにはいろいろ楽しめます。
ロケ地という楽しみ方もできますし、
この映画のロケ地もいろいろと話題で、中でもラストでキム・ユンジンが座っていたベンチは
’シュリベンチ’と呼ばれて、済州島の観光名所になっているそうよ。
’キッシンググラミー’という魚も有名になったわよね。
ちなみに、’シュリ’というのも魚の名前。
南北の国境に流れる川にしか生息しない魚だそうよ。
自由と統一の象徴で、映画では北のスパイの作戦名、コードネームとして使われているわ。

朝鮮についてよく知らない方(mocaも最初に観た時はそうでした)にとっては、
衝撃も大きいでしょうし、考えさせられる面もあるでしょう。
こういう映画を観ると、ついつい感傷的になって「早く統一して欲しい」と思ってしまうけれど、
統一できないのには、それなりに理由があるのよね・・・
ちょうど今朝、金大中(キム・テジュン)のインタビューを見ていて、
やはり統一の話題になって・・・「すぐさまできることではない(って何十年経った・・・?)」と言ってたわ。
韓国は北朝鮮の国民全員を受け入れられるほどの経済力はないし、
あまりにも国民性が違い、共存する難しさがある、と・・・

グァァァァン・・・・

という感じで・・・・ そんなこと、考えもしなかったわ・・・・
元は同じ民族なんだから、統一なんて難しいことではないと思ってた・・・
分断して50年を経て・・・・
完全に別の国になってしまっていたのね・・・
確かに、その言葉を聞くと・・・納得できるわ・・・・
韓国人と北朝鮮人、本当に別の国の人だもの・・・
似ている部分もあるけどね。ちょっと精神異常的なトコ・・・・

そして、韓国は北朝鮮全ての国民を受け入れるほどの経済力がない・・・
そう、統一するとなれば・・・その全ての比重は韓国にかかってくるのだわ・・・
「ハンバーガーにチーズ、コーラで育ったお前らにはわかるまい・・・」
というチェ・ミンシクのセリフがあるけれど、
あのセリフにも、ハンマーでガツーンと殴られましたが、
金大中の言葉にも、思いっきりガツーンとヤラれました・・・
mocaって、あまりにも浅はかで、考えなさすぎる・・・すべてが感情のままだわ・・・
そして、’南北統一’というのは、mocaが考えるような平和的なものではなく、
北の特殊8軍隊を始めとする北朝鮮の人民が考えるように、
韓国を滅亡させて、朝鮮半島を自分たちのものにする・・・的な統一を考える人もいるのね・・・
mocaにしてみれば、映画の中の世界だけど・・・
これは現実・・・
甘いことばかり考えていると、真実が見えなくなってしまうのね・・・
南北統一は、永遠に有り得ないような気になってきたわ・・・
せめて国交だけでも・・・と思うけれど、そうしたらそうしたで、大きな問題もたくさんなのよね・・・

南北の男女が引き裂かれて・・・・
なんてことは、映画やドラマの中でしか存在しないでしょうけれど、
離散家族については、可哀想で、せつないわ・・


さて、映画に戻って・・・・

南、、韓国の国家一級秘密情報機関OP(Ocean Park)の特殊秘密要員ジュンウォン(ハン・ソッキュ)と、
同僚のジャンギル(ソン・ガンホ)が、ある事件を追っていくという内容で・・・
まず、ジュンウォンらに’重要な情報’の提供を申出た 武器密売商のボス、イム・ボンジュが
ジュンウォンと接触しようとしたところで射殺される。
現場に残った2 発の弾皮から、ジュンウォンは直感的に
北の特殊8軍団所属の最高の狙撃手イ・バンヒの仕業だと睨む。
イ・バンヒはこの1年潜伏し姿を現さなかったが、
活動を再開したことから’何かある’と、ジュンウォンは感じる。
バンヒがボン ジュを通じて国防科学技術研究所で開発された新素材液体爆弾CTXを確 保しようとしたことを知り
研究所に向かうが、バンヒが担当研究員を殺害した後であった。
一方、北から侵入したパク・ムヨン (チェ・ミンシク)と特殊8軍団の精鋭要員らは
軍団司令部から移送中だったCTXの奪取に成功。

ということで、事件の背景には’北’が絡み、目的は’新型爆弾CTX’
’CTX’は、地方都市一つラクラク吹き飛ばしてしまうほどの威力で、全部で10個が奪われている。
特殊8軍団の目的は?
そして、機密情報が漏れていた。裏切り者は誰だ?
そんなところが話の筋。


↓結末↓


裏切り者をおびき寄せるために、ジュンウォンたちは罠を仕掛ける。
そこへやってきたムヨン、バンヒたち。
激しい銃撃戦の末、ムヨンらは人質を取りながら逃げる。
ムヨンをジュンウォンの先輩の刑事グァノが追い、バンヒをジュンウォンが追う。
グァノはムヨンに刺し殺されますが、暗くてわかりづらい・・・
そして、バンヒを追いかけたジュンウォンは、衝撃の事実を知る。
変装したバンヒが入っていったのは、ジュンウォンの婚約者ミョンヒョンのアクアショップ。
バンヒの正体は、ミョンヒョンだった。

任務遂行に揺れるバンヒの心を知るムヨンは
「ここでやめておけ」と、銃を手渡し、バンヒはこめかみに銃を当てるが、弾が入っていなかった。
バンヒは別の銃で自害しようとするが、ムヨンはバンヒの頭を撫で、奮い立たせる。
ムヨンもバンヒを愛していたのよね。(ノベライズでもそう書かれています)

見所は、ラストでしょう・・・

南北の親睦を深めるためのサッカー試合。
そのスタジアムに仕掛けられたCTX
爆発寸前で何とか食い止め、それを知ったバンヒは韓国の大統領を射殺するために席を立つ。
しかし、そこへジュンウォンが現れ、バンヒに銃を向ける。
互いに銃を向け合うバンヒとジュンウォン。
バンヒは銃を大統領の方へ向きかえ発砲する。
ジュンウォンは、そのバンヒの頭に銃を撃ち込む。
防弾ガラスなので撃っても無駄なのに、バンヒが銃を大統領の車に向きかえたのは、
バンヒの葛藤をそのまま反映しているわ。
北の仲間と祖国を裏切りたくない・・・任務を全うしたかった。
恋人を殺したくない・・・ だから、殺す前に殺されたかった・・・・
殺すか、殺されるか・・・そのどちらかでしか終われない運命・・・
ならば、ジュンウォンに殺されたい・・・
そんな感じでしょうか・・・
ジュンウォンをみつめながら崩れ落ちていくバンヒに、涙が止まらないわ・・・
バンヒはそこまでジュンウォンを愛していたのに、ジュンウォンはどうなんでしょう・・・・
撃った後も別段悲しむ様子もなく・・・
’キッシンググラミー’のように、バンヒがいなくなっては生きていけない・・・
ジュンウォンは違うのかしら・・・
取調べで’死んだも同然です’って言ってたけれど、それが伝わってこなかったわ・・・
妊娠していたことを黙っていたのはなぜなのかしら・・・
自分が死ぬことがわかっていたから?
せつないわ・・・

スタジアムに入る前に、バンヒはジュンウォンに留守電へメッセージを残していて、

ジュンウォンさん・・・私、ミョンヒョン。今、競技場の前。
CTXはロイヤルボックス上のライトの中にあるわ。地下変電室からライトをつけるはずよ。
そして、私は・・・競技場西側の観客席の中央にいるはず。
お願いがあるの。ジュンウォンさん、私の前に現れないで。他の人をよこして・・・
ジュンウォンさんと一緒だったこの1年・・・それは私の人生の全て。
「私を理解して欲しい」なんて言わない。
ジュンウォンさん・・・・今、ちょっとだけでも逢いたい・・・・逢いたいの・・・


彼女のせつない切実な気持ちがすべて込められているわ・・・
死を覚悟してスタジアムに向かったのよね。
このメッセージを聞くと、任務を全うしたかったという気持ちはなくて・・・
ジュンウォンに殺されることだけが、彼女の目的だったのかも・・・





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