ウォンタクの天使 Holy daddy |
原題:ウォンタクの天使 원탁의 천사(ウォンタゲ チョンサ) <2006> |
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監督 | クォン・ソングク | <2006>ウォ ンタクの天使 |
出演 |
イ・ミヌ |
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ハ・ドンフン(ハハ) |
<2005> マ
イ・ボス マイ・ヒーロー、<2005>恋愛術士、
<2006>ウォ
ンタクの天使、 |
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キム・サンジュン(金尚俊) |
<2000>ア
ナーキスト、<2001>マ
イ・ボス マイ・ヒーロー、<
2006>マ
イ・ボス マイ・ヒーロー2、 |
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イム・ハリョ ン | <2004>彼
女を信じないで
ください、<2004>ビッグ・スウィンドル!
、<2004>ARAHAN アラハン、 <2004>小さな恋のステップ、<2005>トンマッコルへようこそ、<2006>裸足のギボン、 <2006>ウォンタクの天使、<2007>ブラ ボー・マイ・ライフ、<2007>喧嘩 -ヴィーナス vs 僕-、 <2009>仁寺洞スキャンダル、 <2009>私の愛、私のそばに、 <2009>グッドモーニング・プレジデント |
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アン・ギルガン | 出演作品一覧 |
【レビュー&ネタバレ】 |
レベルが低いわよねぇ・・・ 2006年の作品も、<韓流ブーム>に浮かれ、 バンバン新人監督の作品を世に送り出した頃の作品が多いわよね。 だから、2005年、2006年頃の作品には要注意よ。 もちろん、新人監督でも、唸るようなよい作品もあるけれど、 そのほとんどは、実験につきあわされるような、低レベルのものばかり。 この作品も、コメディーとしてもっと面白いものにできたはずだし、 ヒューマン・ドラマとしても、もっと胸に迫る感動を描けたはず。 少しも持ち味を生かせず、俳優たちが可哀想だわ・・ 唯一、ハ・ドンフンだけがこの映画を盛り上げているわ。 ハ・ドンフンは、<ハハ>といえばご存知の方も多いことでしょう。 <ハハのテンテンクラブ>とか。 普段は<ハハ>として、コメディー系タレントとして活躍しているわ。 このハ・ドンフンが、笑いだけではなく、 表情一つで、心情を見事表現し、泣かせてくれるわ・・・ ただ、やっぱり・・・ 40代の心を持った18歳の少年を演じるには、 ちょっと役不足かな、とも思うけど。 主演は、人気グループ<神話>のイ・ミヌ。 ソロで<M>という名前で活躍中。 彼の歌う姿を観たい方は<Last,First Kiss>のMVをどうぞ。 <緊急措置19号>は、演技というほどでもなく、一瞬の出演のみ。 なので、初の演技挑戦とも言える作品。 この圧倒的人気を誇るイ・ミヌの主演にも関わらず、動員数は40万人ほど。 金城武のキュート版というか・・・ 美形という表現には当てはまらないけれども、 セクシーで、キュートで・・・目が離せない。 演技力は・・・ 演技力の必要もそうないような役どころでよかったかと・・・ でも、いろんなキャラクターが似合いそうな貴重な存在なので、 役者としても頑張って欲しいわぁ。 そして、<トンマッコルへようこそ>で、哀愁とせつなさで 胸を打つ演技を披露した イム・ハリョン씨 あれ以来、大好きになってしまって・・ すごく楽しみにしていたのに、出演はほんのわずか・・・ しかも、彼の持ち味が全然生きてない・・・ けれども、あのわずかな出演だけで、 観る者をせつなくしてしまうあの存在感はすごいわ・・・ そして、もう一人。 <マイ・ボス マイ・ヒーロー2>で、 キュートで、クールで、魅力溢れる親分を演じたキム・サンジュン。 これまた出演を楽しみにしていたのにー この映画は、役者を殺すだけなんじゃ? キム・サンジュンの後ろに映っているのは、 彼の子分役、イ・ハンウィ。 <春 のワルツ>のスホ父ですね。 そして、天使役のアン・ギルガン。 日本ではイマイチ認知度が低いけれど、mocaのだーいすきな俳優さんです。 彼も結局、キム・サンジュンの体に乗り移ってしまうので、 出演はほとんどございません。 もったいない・・・ そして、mocaにとっての嬉しいサプライズ。 <口笛姫 (特殊工作員-ヒドゥン・プリンセス- 北朝鮮+韓国 VS CIA ) >で、 チ・ソンのバンド<ノーフェンス>のヴォーカル、スイルを演じていたト・イソン。 映画もドラマも、出演作がほとんどなく、次回出演を心待ちにしていたのだけれど。 イ・ミヌを脅して試験問題を盗ませる卑怯な同級生役。 なんだか、久しぶりに見たらフツーになっちゃったような・・・・・ そして、イ・ミヌが密かに想いを寄せる幼馴染パク・ヒョンジョン。 チョン・シアちゃん、この子が可愛いのよ。 ハン・ガインにどことなく似ていて、かなりの美しさ。 23歳くらいで高校生役はけっこう普通だけれど、この子はちょっと違和感。 写真写りが悪いのか、写真だとあの美しさがわかりにくいのよ。 インパクトが薄いから、すぐに消えてしまいそうな気もするけれど・・ ↑この肩の出し方不自然すぎ。 さてさて、映画の方ですが・・・ 全てにおいて、次の展開が読める、読める・・・ あまりにも安易すぎじゃ? 笑いにおいても、泣きにおいても・・・ これはシラケルわ。 この映画の軸は、 親子の和解と、 40代の心を持った18歳の高校生のギャップ どちらも中途半端。 笑いについては、↑予告編が全て。 これで「面白い!」と思えなければ、きっと笑えないでしょう。 40代の心を持った18歳。 それはファーストフード店に行って 「プルコギバーガー」と言われ、 「ハンバーガー屋で焼肉食うのか?」 程度の、寒い笑いで終り。 誰かに乗り移ったというよりも、 架空の人物としてこの世に蘇ったような設定で、 普段はどこで寝泊りしているの? お金はどこから湧いてくるんだ? など、 細かいところばかりが気になって・・・ それほどまでに、物語に入り込めていないということで・・・ ウォンタクとの心の交流もいまいち無理矢理で、 突然現れた息子の友人を連れて家族旅行に行くというのも、 無理ありすぎ・・・ このタイトルも、なんだかよくわからない・・・ <円卓の天使>として紹介されていることが多いけど、 確かに<원탁(ウォンタク)>を訳せば<円卓>だけれど、 これはただ単に主人公の名前が<ウォンタク>で、 そのウォンタクの天使という意味なんじゃ? <円卓>は家族の団欒の象徴みたいなものだから、 その意味で<円卓>を使ったことも考えられるけど、 それなら・・・ ヘンなところで凝らないで、もっと相応しいタイトルにして、 主人公の名前も別にしたらよいのに。 英題の「ホーリー・ダディー」でよかったのに。 「フライ・ダディー」みたいだけど。 と、ボロクソですが・・・ ラストでは、mocaはボロボロ大泣き。 けど、そんな人間はmoca一人だったり? というのも、哀愁帯びたおじさんの悲しい顔を見ただけで、 胸がしめつけられちゃう人だから・・・ おじさんフェチなのよね、きっと・・・ そんなおじさんの悲しい表情・・・ 息子を想う気持ちが垣間見れただけで、 mocaは泣いてしまうので・・・ そして、なんといっても、その父はイム・ハリョン씨 ツボにハマっちゃったのよね。 冒頭の、息子の写真をみつめて哀愁漂う父の姿を見ただけで、 mocaの涙腺は緩んじゃったくらいですので・・・ 愛憎・・・ その憎しみは、根底に<愛>があったからこそで、 その氷を溶かすには・・・ やっぱり<愛>しかないのよね。 ストーリーをかなり簡潔に。 ちょーネタバレですので、ご注 意を。 出所を明日に控えた服役中のヨンジュ(イム・ハリョン)。 しかし、キック・ベース・ボールの最中に、鉄柱に後頭部を強打し亡くなる。 迎えに来た天使に「息子と友達になりたい」と、願い出るヨンジュ。 天使はその言葉を聞き、ヨンジュを18歳の少年ハ・ドンフン(ハ・ドンフン)にしてやる。 そうして、もう一人の死亡者ソクチョ(キム・サンジュン)を迎えに行った天使。 しかし、その病院の看護婦アギョン(ソン・ジョンミン:ソン・ホミンの姉) が気になってしまった天使は、ソクチョの体を借りこの世に蘇る。 ひたすらウォンタク(イ・ミヌ)を追いまわし、仲良くなろうとするドンフン。 一方天使は、アギョンに付きまといデートをする。 ウォンタクが学校に試験問題を盗みに入ることを知ったドンフンは、 「もう悪いことはやめろ!」と、説得する。 そんなドンフンに耳も貸さず、ウォンタクは学校に忍び込むがみつかってしまう。 ウォンタクを逃がそうと、ドンフンはウォンタクを追いかける教師に飛びかかる。 一人捕まったドンフン。 どんなに棒で叩かれても、ウォンタクの名を吐かないドンフン。 そんなドンフンを見たウォンタクは、居た堪れなくなり名乗り出る。 退学になったウォンタク。 ウォンタクの母は絶望し、列車に飛び込もうとする。 「お母さんまで死んだら、ウォンタクはどうなるんですか!」 と、ドンフンは必死に説得する。 ドンフンの熱意に負けた母は、自殺を思いとどまる。 そして、ドンフンはウォンタクと母と三人で、家族写真を撮ろうと言い出し、 家族旅行へと誘う。 その場所は、ヨンジュと母の思い出の場所だった。 久しぶりに親子水入らずの時を過ごす。 しかし、ドンフンは天国へ旅立たねばならなかった。 一方、天使は・・・ アギョンと楽しい時間を過ごしていた。 天使もアギョンとの別れをせねばならない。 実は・・ 天使も元は人間で、アギョンは人間であった天使の娘だった。 この世に別れを告げるヨンジュと天使。 ウォンタクは、ヴォイスレコーダーに残されたヨンジュのメッセージを見つける。 「愛してる。私の息子・・・」 それを聞いたウォンタクは、ドンフンが父であったと、 最期に自分に会いに来たのだと悟る。 昔の父の若い頃の写真、その姿はドンフンそっくりだった。 ドンフンとは、父の友人の名前。 「ようやく好きになったのに・・・」 ウォンタクは涙を流す。 そして、別れる前に撮影した家族写真。 そこに写っていたのは、ドンフンではなく、ヨンジュの満面の笑みだった。 泣き崩れるウォンタクと母。 時が流れ─ ウォンタクはパン屋をオープンした。 生前の父からの手紙に 「パン作りを教えてもらっている。出所したら真面目に生きるから・・・」 その父の意思を汲むかのように。 ウォンタクは、空をみつめ微笑む。 |
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