裸足のギボン  Barefoot Gi-Bong 
 原題:裸足のキボン 맨발의 기봉이(メンパレ キボンイ) <2006>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×

×

×


裸足のギボン

南海の美しい海が見える閑静な田舎タレンイ村には、幼い頃に高熱病にかかり、年 齢 は40歳だが知能は8歳で止まった汚れない老いた独身男キボン(シン・ヒョンジュン)が暮らしている。

キボンが世の中で一番愛するものは母ちゃん(キム・ スミ)で、一番得意なのは駆け足だ。町 内の雑用をした代わりに貰った食べ物を母ちゃんに早く持っていきたいばかりに心がはやり、靴も履かずに家へ走って帰り、温かい食卓を整える彼を見て町内の 人 々は彼を「裸足のキボン」と呼んでいる。

キボンは80歳の老母を手厚く面倒を見る孝行息子として町内中で評判だ。キボンの朝は、母 ちゃんのために温かい洗顔水を持ってくることから始まる。母ちゃん のためにオンドルにくべる木を採ってきて、洗濯も引き受ける。

母ちゃんにとって世の中で最も貴重で頼りになる息子が、まさにキボンだ。苦しい生活だが、彼 らの顔に陰はひとつもない。一日一日を感 謝しながら暮らす彼らは、常に明るく笑っている。

幼い時から駆け足だけには自信があるキボンは、偶然マラソン大会に参加することになり、一等に入賞 する。キボンの才能を見抜いたタレンイ村のペク里長(イム・ハリョン)は、キボンを「全国アマチュアハーフマラソン大会」に送りだそうと、キボンのトレー ナーを自任しなが ら本格的な訓練に入る。

キボンは一等を獲り、思うように食べ物を食べられない母ちゃんに入れ歯を買ってあげる決心をし、毎日町内を走る練習に邁進す る。

日本公式サイト:http://www.gibon.jp/

【予告編】
監督 クォン・スギョン <2006>裸 足のギボン

出演

シン・ヒョン ジュン(申鉉濬)

出演作品一覧

キム・スミ

<1996>コムタン、 <2003>オー!ハッピーディ、<2003>偉大なる遺産
<2004>スーパースター☆カム・サヨン、<2005>麻婆島(マパド)、<2005>大胆な家族
<2005>家 門の危機-家門の栄光2、<2005>ミスター 主夫クイズ王、 <2006>サンデーソウル
<2006>救世主、<2006>連理の枝、 <2006>裸足のキボン 、<2006>コン・ピルドゥ、
<2006>多細胞少女、<2006>家門の復活-家門の栄光3、<2007>麻婆 島(マパド)2、
<2007>止められない結婚、 <2007>チョンソルリへようこそ(特別出 演)、<2008>腹黒い母娘、
<2010>六連発強盗団
イム・ハリョ ン <2004>彼 女を信じないで ください、<2004>ビッグ・スウィンドル!  、<2004>ARAHAN アラハン、
<2004>小さな恋のステップ、<2005>トンマッコルへようこそ、<2006>裸足のギボン
<2006>ウォンタクの天使、<2007>ブラ ボー・マイ・ライフ、<2007>喧嘩 -ヴィーナス vs 僕-
<2009>仁寺洞スキャンダル、 <2009>私の愛、私のそばに、 <2009>グッドモーニング・プレジデント

キム・ヒョジ ン

<2003>千 年湖、<2004>誰にでも秘密 がある、<2005>家門の危機-家門の栄光2
<2006>ダメ男の愛し方(生、ナル先生)、<2006>裸足のキボン
<2009>五感図 segment 4 <終わりと始まり>

タク・チェフ ン

<2004>誰に でも秘密がある、<2005>家門の危機-家門の栄光2、 <2006>裸足のキボン
<2006>恋愛、その耐えられない軽さ、<2006>家門の復活-家門の栄光 3
<2007>キム館長 対 キム館長 対 キム館長、 <2007>私の生涯で最悪の男、
<2007>幼い王子(星の王子さま)、 <2008>夕べのスキャンダル

<< HOME

【レビュー&ネタバレ】
2006年4月韓国公開、観客動員数は約200万人のまずまずのヒット作。
2008年3月日本公開。

<キボン>ではなく、<ギボン>と邦画タイトルに。
英題に準じたんすかね。ったく。

最近つまんない映画続きで、久々に見ごたえのある映画を!と選んだ映画。
ストーリーは陳腐で、期待ほどではありませんでしたが、
韓国映画らしさと、肩肘張らずにゆるーい笑いを楽しめます。

家門の栄光>シリーズで有名なテウォン・エンターテイメン トの作品。
テウォンといえば、シン・ヒョンジュン、チェ・ジウ。
そして、この作品に出演している、キム・スミ、タク・チェフンもお馴染みの顔ですね。

テウォンの作品はこんな感じ。

ファースト・キス(キスしましょうか?)>、 <フェイス>、<誰にでも秘密がある>、
<誰が彼女と寝たのだろうか?>、<逆転の名手>、 <Nowhere 情け容赦なし>、<暴力サークル>、
無影剣 SHADOWLESS SWORD>、 <最後の贈り物...帰休>、<黒水仙>、<連理の枝>、<
キム館長 対 キム館長 対 キム館長>、 <菊花の香り>、<アウトライブ ~飛天舞~

なんとなく作風に共通性がありますわよね。
で、この作品。
精神薄弱児(と呼ぶのでしょうか?)のマラソンランナーといえば、
韓国で大ヒットした(日本では大コケ)<マラソン>を 思い浮かべるハズ。
しかも、どちらも実話を元にしていると.....
どうしても比較してしまうことでしょう。
ですが、<マラソン>は実話をリアルに描いたヒューマ ンドラマですが、
この作品は娯楽映画でございます。
感動もなく、深い心の葛藤などもなく、
楽しく笑い、ちょこっと泣き、心洗われるエンターテインメント。
やはりテウォンですね。
ただ、ちょっと物足りない感が.......
ラストの山場とも言うべきマラソン大会が、ちょっと感動や見所が薄すぎでしたね。
ヒットはしたものの大ヒットに結びつかなかったのはそのヘンにあるのでしょう。
やはり新人監督ですね。

作品としてのレベルや面白さはいまひとつですが、
シン・ヒョンジュンが最高のキャラクターを生み出したこと、
キム・スミはさすがで、シン・ヒョンジュンとの親子のやりとりはコミカルであり温かい。
イム・ハリョンも演技力はイマイチでも、こういった情の深い昔かたぎの里長にはピッタリで、
キム・ヒョジン演じる写真店の店員も、人間としてのあり方を考えさせられる人物。
どうしてもヒロインという顔でないことには納得いきませんが。
とにかく、ストーリーは陳腐なんですが、そこに生きる人々が好きになることでしょう。
こんな温かい村で暮らせたら....
きっと夢見ることでしょう。
キボン親子を見ていると、障害を持った子供を育てることも不幸ではないように思えます。
純粋に母を想い続けることを、大人になると忘れてしまいますから。

ただ、シン・ヒョンジュンは気持ち悪くて笑えます(笑)
彼を観るだけでも一見の価値あり?!
演技派のチョ・スンウと対抗したら絶対に勝てませんが、
シン・ヒョンジュンの演じる精神薄弱児は愛嬌があって独特です。

【オム・キボ ン】
シン・ヒョンジュン(신현준)
【キム・ドンス ン】 キボン母
キム・スミ(김수미)
【ペク里長】
イム・ハリョン(임하룡)
【ヨチャン】
タク・チェフン(탁재훈)
【ジョンウォ ン】
キム・ヒョジン(김효진)
【茶房(タバ ン)マダム】
ト・ジウォン(도지원)

テウォン.... 家門シリーズといえばこの人!
コン・ヒョンジンが特別出演。
山の頂上まで出前させられるという、彼にピッタリの1シーン。



同じく特別出演で、ドラマ<クァンキ>のオ教授、<シンデレラ>、<僕らのバレエ教室>のト・ジウォンが。


では、簡単にストーリーを。



年老いた母と二人で暮らすキボンは、 体は40歳、知能は8歳

タレンイ村で暮らすキボンは、幼い頃の高熱のせいで、知能が8歳で止まってしまった。
孝行息子のキボンは、「靴が磨り減るから」と、毎日裸足で村中を走り、
「裸足のキボン」と、村内で有名だ。

お母ちゃんは大丈夫?不調を訴える母 を心配するキボン

キボンの母が消化不良を起こし病院へ。
歯がなくて物をしっかり噛めないことが原因だった。
キボンは<入れ歯>の存在を知るが、「お金がたくさん必要だ」と言われ諦める。

写真店のジョンウォンはキボンの写真 を店内に飾っている

写真を撮ることが大好きなキボン。(ではなく、店員が好きだからか?)
写真店のジョンウォンは、キボンの写真を店に飾り(青基調で美しいです)、
文字を教えてやったりと、キボンに優しく接する。

偶然走ったマラソン大会で優勝してし まうキボン

街中を歩いている途中、マラソン大会に遭遇するキボン。
選手が落としたゼッケンを拾って届けようと選手を追いかけたキボンは、選手を追い越して優勝してしまう。

走れと言ったら走れ、休めと言ったら 休むんだ!

自分の村に有名人がいないことを他の里長にバカにされたペク里長は、
キボンをマラソン大会に出場させ、優勝させようと目論む。
キボンは優勝賞金で母の入れ歯を買ってやろうと、里長と共にトレーニングを開始する。

トレーニング中に倒れるキボン。キボ ンは心臓が悪かったのだ

快調にキボンのトレーニングは進んだ。
「もしや、優勝してしまうのでは?」
村中の者がキボンの快走を喜んだ。
がしかし、ある日キボンは走っている途中で倒れてしまう。
「こんな心臓でマラソンだと?」
医者はすぐさま止めさせるよう里長に言い放つ。
心臓病で亡くなったキボンの父。恐らくキボンも父の遺伝だろう。
このまま走ればキボンも死ぬ。
里長は悩みに悩み決断する。
心を鬼にして、キツい言葉でキボンが走ることを制止する里長。
そんな里長の本心を知ってしまった里長の息子ヨチャンの心境も複雑だ。

おじさんは死んだりしません!お母さ んを残して死にません

里長というパートナーを失ったキボン。
ジョンウォンはキボンのトレーニングに同行することに。
「キボンは走ったらダメだと言っただろう!」
里長はジョンウォンを叱るが、ジョンウォンはキッパリと言い返す。
「おじさんは死んだりしません。お母さんを残して死にません」
ジョンウォンの言葉でまたもや里長は苦悩する。
「おじさん、入れ歯は私が買ってあげますから止めましょう」
里長には啖呵を切ったものの、ジョンウォンもキボンが心配でならない。
しかしキボンはそんなジョンウォンの言葉にも耳を貸さない。

キボンは初めてのピストルの音に驚い てしまい最下位に

村人たちの声もあり、里長はキボンを大会に出場させることにする。
村人たちの声援を胸にソウルへと旅立つキボン。
しかし、初めてのピストルの音に驚いたキボンは出遅れ、最下位になってしまう。

悪い夢を見たんだ。わしが行ってやら ねば!キボンの身を案じる母

南海でキボンの吉報を待つ母。
しかし悪い夢を見た母は、キボンの身を案じソウルへ向かおうとする。
「ソウルは広いんだ。みつからないよ」
必死に制止するヨチャンだが、決意が固いことを知り仕方なくキボンの母をソウルへ連れて行く。

↓ 結末ネタバレ。ご注意を↓

休めと言ったら休め!里長は必死にキ ボンを制止するが.... 

快調に飛ばし先頭をキープしたキボン。
「もしや優勝!?」
応援に駆けつけた村人たちは期待に胸躍る。
しかし折り返し地点を過ぎる頃、キボンの心臓が痛み出してしまう。
いつになってもゴールへ現れないキボン。
主催者はキボンの到着を待たずに会場を撤収し始めてしまう。
キボンを心配した里長はキボンを探しに。
フラフラしながらも、走るキボンの姿をみつけた里長はキボンを制止する。
「休めと言ったら休めと言っただろう!頼むからやめてくれ」
里長は涙ながらにキボンを止めるが、キボンは聞く耳を持たない。
倒れながらも何とか完走するキボン。
そこへ母が。
優勝することができなかったキボンは複雑だ。
「お母さんにメダルをかけてやりなさい」
里長はキボンを優しく諭す。
キボンの胸にかけられた完走賞のメダル。
しかし字の読めない母は、「さすがうちの息子。優勝すると思ったよ」と、大喜びだ。
だが、誰しもがそんな母の言葉に微笑み頷く。


真新しい入れ歯をはめ、硬い氷を噛み砕く母。
入れ歯は誰が買ってあげたのかは秘密。






<< HOME

inserted by FC2 system