仁寺洞スキャンダル─神の手を持つ男─    Insadong Scandal  
 原題:仁寺洞スキャンダル 인사동 스캔들(インサドン スケンドゥル)  <2009>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×

×




400年前に消えたある絵の復元プロジェクトが、全国民の関心の中、世の中に 公開される。復元に成功すれば韓国最高額で競売されることに間違いない安堅(アンギョン)が描いた<壁岩図>。

その絵を手に入れた美術界の大御所ギャラリー<秘門>のペ・テジン会長(オム・ジウォン)は、ゴッド・ハンドを持つという復元専門家イ・ガンジュン(キ ム・レウォン)をスカウトし、400億ウォン に値する<壁岩図>の復元作業に乗り出す。

しかし、鬼神のような手腕で何でも書き写すイ・ガンジュンと、望む絵ならば詐欺だろうが、殺人だろうが、あらゆる手段を駆使して手に入れてしまうペ・テジ ンの 胸中には、互いに異なる打算が存在する。

<壁岩図>の完全な姿が現れるつれ、大韓民国美術界の隠れた高手たちが登場する。

美術界に顔が広い<仁寺洞の生き字引>クォン・マダム(イム・ハリョン)。
国内最高のグレードを誇る贋作工場ホジン社の社長(コ・チャンソク)。
一時、美術複製時代を風靡した国宝級複 製技術者パッカ(ソン・ビョンホ)。
美術界の実権を掴む国会議員を始め、日本巨大美術コレクション。
そして金の臭いを嗅ぎつけて群がる謎のチンピラ... サンボク(マ・ドンソク)、クン ボク(オ・ジョンセ)、コン・スジョン(チェ・ソンヒョン)まで。

また、彼らを追跡するソウル市警文化財専門担当班のカン刑事(キム・ビョンオク)とチェ刑事(ホン・スヒョン)との終わりの見えない絵画戦争一勝負。

騙そうとする者と騙される者。
信じる者と裏切る者。
守ろうとする者と奪おうとする者。
<壁岩図>に絡む、痛快な詐欺の一勝負の終わりは どこなのか。

公式サイト: http://www.insadong-movie.com/

【予告編】

監督 パク・ヒゴン <2009>仁寺洞スキャンダル

出演

キム・レウォ ン(金來元)

出演作品一覧
オム・ジョン ファ(厳正化) 出演作品一覧
イム・ハリョ ン <2004>彼 女を信じないで ください、<2004>ビッグ・スウィンドル!  、<2004>ARAHAN アラハン、
<2004>小さな恋のステップ、<2005>トンマッコルへようこそ、<2006>裸足のギボン
<2006>ウォンタクの天使、<2007>ブラ ボー・マイ・ライフ、<2007>喧嘩 -ヴィーナス vs 僕-
<2009>仁寺洞スキャンダル、 <2009>私の愛、私のそばに、 <2009>グッドモーニング・プレジデント
ホン・スヒョン <2001>バ ンジージャンプする、<2008>宿命、 <2008>映 画は映画だ 、<2009>仁寺洞スキャンダル
<2010>カモメ(釜山プロジェクト”CAMELIA”:日本編)

<< HOME

【レビュー&ネタバレ】
2009年4月韓国公開。観客動員数は、約120万人。
同時期に公開された7級公務員と、渇き Tirstに、全て観客を持っていかれた感じですね。
だって、レベルが違いますもん。

キム・レウォンとオム・ジョンファの華麗な騙し合いというような前フリで話題になりましたが、
話題だけだったかな、という感じ。
やっぱり新人監督の映画は、危険がつきもの。
犯罪モノなのに、ドキドキ感やスリルがまーったくない。
とにかくテンポも悪い。
”絵画の復元”という専門映画なので、よけいに大変。

とにかく、進む方向がまったく見えないのだ。
”敵”がいて、”敵”を追い詰めるのか、
”悪事”を、共に働くのか、
いったい、何が目的なのか?
そもそもは、”秘門”の会長ペ・テジンは凄腕のギャラリー経営者。
そのペ・テジンに雇われるガンジュンは、”廃人”と呼ばれるほど落ちぶれた復元専門家。
ガンジュンの正体もわからず、
単に金に困り、テジンの金儲けの片棒を担ぐようにしか見えない。
テジンと契約し、復元を始めてからも、単に純粋に復元をしている様子。
それから、少しずつガンジュンには”他の目的”があることが、徐々に判明していくが、
そのテンポが遅すぎて、ドキドキも、ハラハラもできず、
”他の目的”が何かかも、なかなか明らかにならないので、感情移入のしようがない。
結局、”犯罪モノ”には、”悪”と、”善”という対なる関係が必要で、
ガンジュンの狙いがわからずに、どうして映画を楽しめよう。
最後の”アっ”というどんでん返しを狙ったのでしょうが、驚きもしません。
それならば、最初からガンジュンの目的を明らかにし、
”ガンジュン”に感情移入し、どんどん仲間が増え、絆が深まり、
最後には”悪”を追い詰める展開の方が、ずっとドラマティックで感動的。
これが”痛快”ってもんです。

前半は、なーんにもわからなく、退屈なだけ。
この映画大丈夫か?と、心配なほど。

劇中では、女刑事ハンギョンが、ガンジュンを”悪”として追っていて、
ガンジュンがまるで”悪”のような存在になってしまっている。
ハッキリ言って、テジン vs ガンジュンだけで、刑事の存在はいらなかったのでは?
何の意味もない。

まったく痛快さのない犯罪映画。
目には目、歯には歯をちょっ と見習ってくださいませ。
きっとこの映画も、”悪”を追い詰め、絆を深めていく映画にしたかったのでしょうけど、
心があったかくなったのは、ラストの数分でした

ハッキリ言って、観客を中途半端に騙したことにより、
その過程でのガンジュンらが苦労した”犯罪のからくり”が”偽り”となってしまい、逆にガッカリです。
”いい意味で騙された”のではなく、”欺かれた”感じですね。


犯罪映 画としては破綻してますが、

韓国映画としては、かなり好きです。
それというのも、ガンジュンに関わっていく人間たちの関係が愉快で、温かいのです。
特にラストは最高ですね。
このラストだったから、この映画も不満で終わらずにすみました。
こうして絆が深まり仲間となっていくのも、韓国映画だからこそ、と感じます。

犯罪映画としては破綻してますが、映画そのものは、そこそこ楽しめます。
一応100万人以上動員してますので、それなりに魅力はあるのでしょう。
期待しなければ、まぁまぁの映画です。
”東洋画の復元”という、”専門映画”なので、
復元方法を垣間見れるのは、この映画の一番の醍醐味かもしれません。

【イ・ガンジュ ン】
復元専門家
キム・レウォン
【ペ・テジン】
ギャラリー"秘門"会長
オム・ジョンファ
【クォン・マダ ム】
顔料専門家
イム・ハリョン
【チェ・ハギョ ン】
女刑事
ホン・スヒョン
【チャン・ソク チン】
ペ・テジン右腕
キム・ジョンテ
【サンボク】
ガンジュンの仲間
マ・ドンソク
【クンボク】
ガンジュンの仲間
オ・ジョンセ
【コン・スジョ ン】
ガンジュンの仲間
チェ・ソンヒョン
【カン刑事】
ハギョンの相棒
キム・ビョンオク
【パク班長】
ハギョンの上司
イ・ボンギュ
【黒田】
日本巨大美術コレクター
白竜
【パッカ】
国宝級複製技術者
ソン・ビョンホ

キム・レウォンは、”好青年”よりも、”カリスマ”のあるキャラクターが好きです。
この映画でも、さすがキム・レウォン!と言わんばかりの自然な演技力とカリスマを発揮しています。
キム・レウォンは、”国民的俳優”と言っていいのではないでしょうか?
キム・レウォンが嫌いな人って、どのくらいいるのでしょう。

そして、オム・ジョンファもハマリ役でしたね。
たどたどしい日本語のセリフだけは勘弁して頂きたかったのですが......
それ以外はパーフェクト!

そして、mocaのだーいすきなオジさん俳優イム・ハリョン씨
いいですねー
ピッタリのキャラクターでした!まさに”韓国のオジさん”という感じ。

ホン・スヒョンは、刑事役には違和感ありすぎですね......
タフな役は似合わない。

”悪役専門”と言われているキム・ビョンオクが刑事なのも笑えますが、
これがまた、違和感ないんです。

チェ・ソンヒョンの美しさは、目の保養になりました。
元アナウンサーで、タレントに転身したそうです。
これが初めての本格的演技なのでは?アナウンサーより、女優であるべき人。

白竜は、よく韓国映画に出ますが、なんであんなに日本語の発音がヘンなのでしょう。
(ちなみに、友情出演です)

そして、この映画には、こ の人が!というような俳優が多数 ” 友情出演” しております。
ビックリです。

まず、グッド・バッド・ウィアードな どのソン・ビョンホ。
映画は映画だ正しく生きようアンティーク~西洋骨董洋菓子店~な どのコ・チャンソク。
ラストにも登場の、長安の古美術商のクァク社長には、チ・デハン。
テジンが固執する”肖像画”の画家、ソン・テスには、サマリアな どのイ・オル。
私設競売主には、ドラマ【スポットライト】の殺人犯、チョン・ジン。

豪華なカメオ陣ですよね。友情出演っていうのがスゴい。
mocaの好きな俳優さんばかりで嬉しい。
特にコ・チャンソク最高!
ギャラやってくれ!



↓  結末までネタバレしますので、ご注意を ↓




400年前に安堅が描いたという<岩壁図>が、
京都でみつかった。
クォン・マダムは、その絵を入手するために
金策に走っていた。
だが、誰かがその情報を美術界大物である
”秘門”の会長テジンに漏らしてしまい、
一足先にテジンが手に入れてしまう。


由緒ある”大韓オークション”
名画が次々と出品される。
しかし、そのうちの1枚が贋作である可能性が出てきた。
オークションは一旦休憩になり、
”大韓オークション”のスタッフにより、
復元専門家のガンジュンが、鑑定の依頼を受ける。
ガンジュンの目利きにより、その絵は贋作だと判明。
しかし”大韓オークション”は、その絵をそのまま
オークションに出品してしまう。


<壁岩画>を手に入れたテジンは、
名のある鑑定士を次々と呼び、
中国からまで鑑定士を呼び鑑定を依頼した。
そして、誰もが”本物”であると鑑定する。
競売にかければ、”400億ウォン”は下らないという名品を、
たったの”30億ウォン”で手に入れたのだ。
テジンは、ほくそ笑む。

しかし、誰が復刻を?
「1人だけいるわ。廃人だけど、腕は確かよ」
テジンは言い放つ。



その頃ガンジュンは、臓器を売るほどの借金を
賭博で作っていた。


ハウスで博打を打っていると、突然襲撃される。
相手は、”秘門”のペ・テジン会長と、チャン室長。
ガンジュンは、チャン室長に押さえ込まれ、
ナイフを突きつけられる。
「初対面なのに、礼儀を知らないな」
ガンジュンは言い放つ。
「復元を頼みたいの。
何度も連絡したのに、返事1つよこさないのね」
テジンは言い放つ。
「絵は、随分前に辞めたんだ」
ガンジュンは言い放ち、
借金のかたに愛車のキーを預け、出て行く。
「それが、壁岩図でも?」
テジンは言い放つ。
その瞬間、ガンジュンは驚きで硬直する。
壁岩図....
それは、美術に関わる者であれば、
誰もが魅了される一枚だ。


テジンは、碧眼図をガンジュンに見せる。
有名な鑑定家を招いて鑑定済だと。
「これをどこで手に入れた?」
ガンジュンは尋ねる。
「この町では誰もが
そんな風に野暮ったい聞き方をするの?」
テジンは侮蔑する。
「筆遣い1つで、全てが崩壊する」
ガンジュンは言い放つ。
「怖いの?剛花屏風事件のせい?」
テジンは、ニヤリと笑う。
「あんたには関係ないだろ」
ガンジュンは言い放つ。
「臓器まで賭けてるそうだけど?」
テジンは、軽く脅す。
「今度は、金で吊ろうってのか?」
ガンジュンは、「うん」とは言わない。
「この場で、他に選ぶ余地があって?」
ガンジュンは答えない。
「10億。契約金3億を先払い」
ガンジュンは、とうとうテジンの依頼を引き受ける。
テジンは尋ねる。
復元に、どれほどの時間がかかるかと。
「1年」
ガンジュンは答える。
「明日から始めて」
テジンの要求に「そうしよう」と、ガンジュンは受け入れる。
そして、チャン室長を一発殴りつけると、
「以後、俺の前で顔を上げるな」
と、言い放ち、去って行く。
その頃、日本の巨大美術品コレクターの黒田が、
壁岩図の情報を入手していた。
「京都でみつかったそうじゃないか!何やってた!」
黒田は部下を叱責する。
部下は、復元を担当するガンジュンの資料を見せる。
「剛花屏風を復元したのは、こいつだったのか」
黒田は意味深な発言をする。
テジンは、壁岩図の価値を最大に吊り上げようと、
マスコミに大々的に発表する。
「壁岩図は、400億の価値があるそうですが?」
記者の質問に、テジンは答える。
「壁岩図の価値は、金額では表せませんわ。
復元が完成したら、国に寄贈するつもりです」
と、テジンは心にもないことを口にする。
贋作を制作し、贋作を国に寄贈し、
本物は、競売にかけるつもりだ。
復元を開始するガンジュン。
ガンジュンは、壁岩図が描かれた
朝鮮 世祖1年に思いを馳せる。
当時、山水画家の安堅が「夢遊挑源図」という
安平大君(世宗の第3王子)の夢を絵に描いたことから、
「安堅、君が私の夢をこのように描いてくれたから、
私も、君の夢を見てみたい」と、
そうして描かれたのが、「壁岩図」だった。
ガンジュンは、その思いを筆に託し復元に取り掛かる。

※夢遊挑源図は、安平大君の暗殺後行方不明になっておりましたが、日本で発見されました。


テジンは、パートナーである社長達を呼び集めた。
「贋作が出る度に、私が金の処理を?」
テジンは、社長らを叱責する。
「わかってるわよね?
1社でもヘマしたら、共倒れになることを?」
そう言ってテジンは、社長らに覚書を書かせる。



その頃、テジンが密売している東大門の秘密取引現場が、
文化財専門担当刑事らに潜入される。
誰かが密告したのだ。
関係者は、全て逮捕される。
朝鮮500年頃の陶磁器が密輸されるところだった。

しかし逮捕された者は、
誰一人として黒幕の名を吐きはしなかった。





一方、釜山の秘密取引現場では、
何事もなく取引が完了した。
チャン室長は、約束の金を受け取り、
仁寺洞まで戻る。
しかし、その時、何者かに車を追撃され、
チャン室長は襲撃され、
たった今、釜山で黒田グループから受け取った
陶磁器の代金を全て持ち去られる。
仮面を被ったその男、
なんと、イ・ガンジュン。
ガンジュンは、何者?そして、狙いは?


湾岸で開かれる施設オークション。
そこに、ガンジュンは、警察を装い乱入する。
「ソウル警察文化財担当、ここにいる者全員逮捕する!」
皆が騒然となって逃げ回る。
ガンジュンらは、競売にかけられていた絵画や、
落札された絵画の代金を回収し、
競売主と客を軟禁し、立ち去っていく。

(ガンジュンは”壁岩図”の件で
メディアに散々顔出ししているのに、
美術関係者や愛好家にバレないんでしょか)

ガンジュンは、回収した金をマネーローダリングし、
競売にかけられていた贋作らは、
贋作工場のホジン社が描いたものだと断言する。
身を隠しているホジン社を探し出すつもりだ。
そして、”大韓オークション”で、贋作が出品された
”ヌードの女”の本物の持ち主を訪ねる。
持ち主の教授は、2千万ウォンで買ったという。
「これが本物だ!と主張したところで、
”大韓オークション”に太刀打ちできるわけがない。
どうせ、こっちが偽物だと言われるのがオチだ」と、
持ち主は泣き寝入りしていた。
ガンジュンは、2千万ウォンで買ったというその絵を、
5千万ウォンで買い取る。

ガンジュンは、”贋作”を作る者、売る者、買う者たちを、
徹底的に追い詰め、
本来の作者に、価値相当の金を戻そうとしているようだ。
それだけではない。
ガンジュンの本来の目的とは?


テジンは、東大門の陶磁器密輸の現場を押さえられ、
自分の元へ捜査の手が及ばぬよう、
先手を売って警察に情報提供をし、
雑魚である”一味”を一網打尽に逮捕させる。
テジンは、東大門での損失がいかに大きかったか、
怒り狂い、チャン室長を叱責する。
「黒田や陶磁器のことまで警察に暴かれたらどうする!」
テジンは、チャン室長に命じる。
「チョン・テスの件と、壁岩図の件が決着つくまで
大人しくしてなさい。
ことが済めば、密告者をみつけ抹殺してやる」
テジンは言い放つ。
東大門の陶磁器の密売の情報が漏れたことで、
パートナーである社長たちも、疑心暗鬼になっていた。
「誰が裏切った?一旦、パイプを切らなくては?」
社長らは、口々に不満を漏らす。
「一番の被害を被ったのは、私よ」
テジンは言い放つ。
「この損失は、次回に埋めて差し上げます」
テジンは、皆を黙らせる。
女刑事ハギョンとカン刑事は、
クォン・マダムの店を訪れる。
「東大門の密輸のこと、知ってるでしょう?」
ハギョンは、問い詰める。
クォン・マダムはシラを切る。
20年も前の悪事を持ち出され、
クォン・マダムは不愉快になる。
「ただでさえ、壁岩図のことで腹が煮えくり返ってるのに、
こいつは!」
「壁岩図?」
それを聞いたハギョンとカン刑事は興味津々。
「壁岩図は、元々は俺のもんだったんだ!」
クォン・マダムは怒りを露にする。
「あれは、俺が最初に京都でみつけたんだ。
俺が金策に走ってる間、誰かがペ会長に漏らし、
あの女が30億ウォンで横取りしてったんだ!」
クォン・マダムは訴える。
しかし、カン刑事は相手にもしない。
「時価400億は下らない絵を30億だと?」
カン刑事もハギョンも鼻で笑う。
「それはそうと、イ・ガンジュン知ってるでしょ?」
ハギョンは尋ねる。
「奴のせいで、半年も道端で違反切符を切らされたわ」
ハギョンは、ガンジュンへの恨みつらみを並べる。
「俺もアイツのせいで、最近気が狂いそうだ。
壁岩図を復元すると、あれやこれや求めてきて、
ペ・テジンの下にいると、そいつまで調子に乗るのか?」
クォン・マダムも愚痴をこぼす。
そこへ、他でもない本人ガンジュンが現れる。
「復活したようね?」
ハギョンは嫌味をぶつける。
「人間、祝福されることもあるもんだ」
ガンジュンは、あっさり答える。
「もう刑事辞めたのかと思っていたのに、まだいたのか」
更に、嫌味を付け加える。
ガンジュンは、クォン・マダムに顔料の追加を頼み、
去って行く。
「また会いましょう」
それは、絶対にガンジュンの首の根を掴んでやるという
ハンギョンの通告。
「もう、会わないようにしよう」
ガンジュンは、笑顔で去って行く。
ハンギョンは、未だガンジュンが怪しいと睨んでいた。
東大門の一件も、奴が絡んでいるのでは?と。
ハンギョンは、ガンジュンが賭博で多額の借金を背負っていることまで調べ上げていた。
「臓器を賭けるほどの借金なら、
ペ・テジンと組む以外、他に方法はない」
ハンギョンは言い張る。
だが、カン刑事は相手にしない。


テジンは、”秘門”で、チョン・テスの自画像展を開催した。
しかし、その最中に”火災”を偽造して、
チョン・テスの自画像が盗まれた。
仕組んだのは、イ・ガンジュン。
ガンジュンは、仲間であるサンボク、クンボク、スジョンを実行犯にし、自分は指揮を執った。
盗まれたチョン・テスの自画像が収められていた額縁を前に、テジンの腹は煮え繰り返る。






チョン・テスの自画像が盗難に遭い、
ハギョンやカン刑事らが捜査に乗り出す。
ハギョンは、真っ先にガンジュンを疑ってかかる。
事件の最中、ガンジュンはどこにいたと。
ガンジュンは、復元作業室にいた。
「火災報知器が鳴り、大騒ぎだったのに逃げなかったのか」
ハンギョンは問い詰める。
「報知器が鳴れば直ちにドアロックがかかり出られない。
しかも復元作業室は最も安全な場所なのに、
わざわざ出る必要が?」
ガンジュンは答える。
「本物の火災でも、逃げずにいるのかしら?」
ハンギョンはガンジュンを最後まで疑ってかかる。

テジンは、何としてもチョン・テスの自画像画を取り戻すつもりだった。
「今回のことは宣伝効果を狙って?」
と、テジンが仕組んだことだと思い込んだ
”秘門”の館長問いかけに、テジンは激怒する。
「奴らは必ず闇ルートに出す」
テジンがそこまで一枚の肖像画に
執着する理由は何なのか。

一方、女刑事ハギョンは、班長に訴える。
「チョン・テスの自画像画盗難事件は、
ペ・テジンとイ・ガンジュンが手を組んで隠した」と。
班長はハギョンを叱責する。
「いい加減にしろ。あちらは被害者だ!」
しかしハギョンは引き下がらない。
テジンとガンジュンが手を組んだことからして怪しいと。
班長は、ハギョンを怒鳴りつける。
「剛花屏風の時も、
天上寺とイ・ガンジュンがグルだと言い張りヘマをし、
俺とカン刑事は、お前のせいで
始末書まで書かされたんだぞ!
お前を大目に見て、あの程度で済ませたんだ」と。


テジンはクォン・マダムを脅し、チョン・テスの自画像画の行方を捜すよう命じ る。
チョン・マダムの情報で、埠頭の私設競売に出されることが判明。テジンはすぐさま会場に向かう。
チョン・テスの自画像画は、どんどん値が吊りあがる。
「10億」
テジンの入札額を聞き、チャン室長は驚きを隠せない。
そこまで大金を払ってまでの価値が?
無事落札したテジンの表情は、どこか曇っていた。


私設競売主は、ガンジュンの仲間らと手を組んでいた。
「テジンとガンジュンは、ほんとはグルなんじゃ?」
と、私設競売主は疑ってかかる。
そんな競売主を脅して黙らせるサンボク、クンボクら。
そして、最近身を潜めてしまった、贋作工場のホジン社の行方を教えるよう、競売主を脅す。







天上寺。
そこは、孤児だったガンジュンが育った場所だ。
ガンジュンは、”復元家”として、世界中に名を広めた
”剛花屏風”の記事らを焼き捨てる。
もう、”復元家”としては、戻れない.....
そう覚悟を決め、過去と決別したのだった。


天上寺に飾られていた”剛花屏風”
それは、何者かによって、盗まれてしまったのだ。
絵が飾られていた場所を、
痛恨の思いで眺めるガンジュン。

孤児として、天上寺で育てられたガンジュン。
サンボク、クンボク、スジョンらも、その仲間だった。
孤児だったガンジュンにできることは、
絵を描くことだけだった。
才能1つを信じ、孤児らを食べさせていくために、
贋作作りに手を染め、金を稼いだ。
そんなガンジュンを”贋作描き”から、
”東洋一の復元家”として育ててくれた。
復元家となったガンジュンは天上寺に戻り、
せねばならなかったことがあった。
難しくて、誰も手の出せなかった
”剛花屏風”の復元だ。
それが、自分を守ってくれた人々への
初めての恩返しだった。
”剛花屏風”は、ガンジュンにとっては、
特別の思い入れのある作品だった。

屏風のあった場所に立ちすくむガンジュンを、
天上寺の尼は諭す。
「消えてしまった絵のことは、もう忘れなさい」と。
ガンジュンは尼に、
「孤児たちの学費と生活費に」と、金を渡す。
「あんた、まだ”パッカ”という人と会ってるんじゃ?」
尼は心配する。
”パッカ”とは、人間国宝級の複製技術者だ。
ガンジュンは、心配しないよう告げ去って行く。


戻ってきたチョン・テスの自画像画を、
穴が開くほどみつめるテジン。
テジンは、チョン・テスとの間に秘められた過去があった。
まだ若き頃のテジン。
画家を目指していたチョン・テスは、
絵だけで食べていくことなど到底できない、
ただの”複製技術者”にしか過ぎなかった。
食べていくために、
テジンはチョン・テスの絵を勝手に売った。
「絵を出して!お金を貰ったら、絵は渡すものなの!」
テジンは怒鳴りつける。
「金は、お前が勝手に受け取ったんだろ。絵は渡せない」
チョン・テスは突っぱねる。
「あんたは、どう転んでもたたの複製屋。
金になるなら、何でも描けばいいのよ!」
テジンは、チョン・テスを侮辱する。
「お前のようなクズには、俺の絵は渡せない」
チョン・テスは言い張る。
テジンはチョン・テスを殴りつける。
「金で、世界だって買えるのよ!」


過ぎた日の思い出に浸るテジン。


テジンはガンジュンに
チョン・テスの自画像図の贋作を描かせ、
本物とすりかえる。
 「そんなに大切なのに、手放せるのか?」
ガンジュンは言い放つ。
「ソン画伯の絵は、余白が多く奥深い。
その上、余白のトーンも常に暗い。
俺なら、他の色を使う。赤とか、白とか」
ガンジュンの言葉を、テジンは否定する。
「それが、ソン画伯の魅力よ」と。



テジンはチョン・テスの自画像を、
日本の黒田の元へ持ち込む。
「君の取り分として、30億受け取った。
チョン画伯の最後の作品だ。相当の値がつくだろう」
黒田は語る。
「ありがとうございます」
テジンは礼を言う。

壁岩図は、日本に持ち出されていて幸いだった。
朝鮮人のやり方だったら、戦争で焼けていただろう。
黒田は語る。

井戸茶碗を見せ、
「これは、朝鮮の晋州の釜で焼かれた何でもない茶碗だ。
しかし、それが日本に渡って、
豊臣家に代々受け継がれたこの茶碗は、
100億ウォンは下らない。
大事なのは、誰が作ったかは関係ない。
誰が持っているかだ。それが価値ということだ」
黒田は語る。
「壁岩図も、日本に渡れば、
200億、いえ、300億は越えるもの。時間の問題ですわ」
テジンは告げる。
「日本に渡ったら、二度と韓国には戻らないぞ」
黒田は告げる。
「韓国人は、国立博物館に飾られるレプリカを見るだけで
喜んでいますわ」
テジンは言い放つ。
「壁岩図を韓国で復元すると聞いて不安だったが、
あの剛花屏風を復元したイ・ガンジュンなら....」
テジンは黒田の言葉を遮る。
「彼は、ゴッドハンドで有名ですから」
テジンは言い放つ。
ガンジュンがいつまでも心から消せない
失われた剛花屏風は、黒田の元にあった。
剛花屏風は、テジンが天上寺から盗んだのだ。
「彼は、剛花屏風がここにあるとは、思いもしないだろう」
黒田は言い放つ。
「知ることはありません。永遠に」
テジンは告げる。
「壁岩図の公開後、イ・ガンジュンをどうするつもりだ?」
黒田は尋ねる。
「咲いた花は、枯れる前に摘み取るべきでしょ?」
黒田とテジンは、ほくそ笑む。
ホジン社の行方が掴めた。
江原道の山奥に身を潜め、贋作工場を継続していた。
ガンジュンらは、贋作工場に乗り込む。
ホジン社は警察らに追われ片田舎に逃げ、
注文も途絶え危機に陥っていた。
スジョンらは、ホジンらが陥れられていることを悟らせる。
韓国で腕のいい贋作工場は10は下らない。
なのに、いつもホジン社ばかりが警察に目をつけられる。
しかも、5回連続で。
おかしくないか?ずっと、ホジン社ばかり狙われる。
社長も、妙に納得した。
捨てた絵、飛ばした絵、数百枚....
金に換算すれば... 何億?
その上、夜逃げで身を隠し、逃亡ばかり。
マヌケなのか、純粋なのか。
客は減る一方、サツには定期的に狙われ、
なぜだ?気にならないか?
ガンジュンは社長に尋ねる。
ガンジュンは、ことの真相を社長に暴露する。
女刑事ハギョンと、カン刑事は、
またもやクォン・マダムの店にやってきて、
東大門とチョン・テスの情報を出せと居座る。
「最近、東洋画の贋作を見かけないな」
カン刑事は、何気なく口にする。
クォン・マダムは、鼻で笑う。
「墨や紙は、一旦数百年寝かせることを知らんのか?」と。
「墨はそうだとしても、何百年前もの紙がどこに?」
ハギョンは、話にならないという物言いだ。
「中国に行ってみろ。
紙は金で買い、墨は全て数百年になる代物だ」
クォン・マダムは言い張る。
そして、クォン・マダムは、語り続ける。
「しかし、本当に入手困難なものは、
朝鮮王朝で作られたものだと。
朝鮮王朝は、既に白紙を使っていたんだ。
だから、質が違う」
カン刑事は、興味なさ気に答える。
「白紙は、どれもみな同じに見える」と。
クォン・マダムは、熱弁する。
「木が違う、木目も違う。
職人が違えば厚さも異なる。
水が違えば、色合いも異なる。
朝鮮白紙を手に入れたら、鑑定500年は下らない」
ハギョンは横槍を入れる。
「そんなものがどこに?」
クォン・マダムは、あっさりと答える。
「作ればいいだろう」と。
クォン・マダムは、朝鮮白紙について熱弁する。
「朝鮮時代には、宮中で使った紙がとても貴重だった。
実録を作る前に、資料として使った紙は
リサイクルしただろう?それを”歳沙”という。
とても清らかで冷たい水で、さっと洗う。
すると、紙に書かれていた墨が抜ける。
その紙は、現代で言うなら一種のラミネート紙だ。
そして”歳沙(세초)”した紙を壷に漬け、そっとほぐす。
次は、整形して乾かす。
そして、落葉とどんぐりを煮た水で色を付け、
幾重にも重なった奥深い山中、
寺、家屋、洞窟....
長年に渡り人気の全くない所を隅々まで探す。
そこに数百年溜まったホコリを。
そのホコリを持って来さえすれば、
成金達にとっては、まさにロトだ。
これがポイントだ。
数百年にもなるホコリ。
分析器だ、測定器だ、あらゆる装備を駆使しても、
見分けることができない。
まさに、朝鮮時代の白紙だ。
更に奥義がある。最高の技術だ」






クォン・マダムは、ティッシュペーパーを取り出す。
1枚のティッシュペーパー。
しかし実際は、2枚の紙を合わせて1枚になっている。
ティッシュペーパーを2枚に分けて見せるマダム。
「本来の絵が元絵。 そして、もう1枚が、裏打ち。
元絵を掛け軸に重ねた時、簡単に破れぬよう
全く同じ紙で”裏打ち”を、元絵の後ろに張り付ける。
最近の絵は全て、こうして創られる」

そして、新たにティッシュペーパーを取り出す。
「これは、元絵と裏打ち、合わせて1枚だ」
そう言いながら、2枚が重なったままのティッシュペーパーに、マジックで試し描きをする。
そして、ティッシュペーパーをはがし、2枚にする。
すると、”裏打ち”の役目をする側の紙にも、
染料が染み込み、絵が移ってしまう。
元絵を手に入れ、偽の複写手本... 裏打ちの作業に入る。
これが”サンバク(상박)”だ。 東洋画複製の最高峰!」
クォン・マダムは興奮しながら語る。
「全く同じ絵ができるのか?」
カン刑事は尋ねる。
「いや、もう人手間必要だ」
クォン・マダムは答える。
「会陰水。これが、これがまさにマジックだ。
会陰水を裏打ちに撒いてやれば、
元絵と全く同じように、絵に魂が宿る。
サンバクが本命なら、会陰水は大穴だ。
わしも一度だけ見たが....
人間国宝級の複製屋がいる。
キム・ホンド(美人図に登場しますね)が蘇っても、
自分の絵かどうかもわからない」
「パッカのことか?奴は今どうしてる?」
カン刑事は尋ねる。
「手が、あんなことになって以来、身を隠してしまった」
クォン・マダムは、所在は知らないと答える。
「ペ・テジンめ、極悪人だ。
あんな奴が人間文化財なのか?」
クォン・マダムは怒りを露にする。

※クォン・マダムはこのように豪語しておりますが、
 X-Rayなどの放射線技術で、複製は見抜けるそうです。
ガンジュンは、人間国宝とも言える複製家パッカを尋ねる。
山奥に身を隠すように細々と暮らしているパッカ。
ガンジュンは、仕事を手伝って欲しいと頼む。
「なぜ、俺が手伝わなきゃならん」
パッカは、断る。
「自分の貸しを返してもらわなくていいのか?」
ガンジュンはそう言うと、札束の詰まったバッグを差し出す。
パッカは、自分の動かなくなった右手を見つめ、考え込む。


ガンジュンは、壁岩図の”元絵”に、
命がけで作った朝鮮白紙を重ね、
丹念に、”裏打ち”を作り出す。


(レウォン君の目、キレイですねー)

ガンジュンは、パッカの元へ
壁岩図の”裏打ち”を持参する。
”裏打ち”の紙を撫で、パッカは驚愕する。
「墨も正しく使わず、数百年物の裏打ちが、
こんなに曇るのか?
このレベルなら、ギリギリじゃ?」
ガンジュンは、言い放つ。
「だから、呼んだんじゃないか」
パッカは、自信がもてない。
「俺も、ここまでは経験がない」と。
「誤って使えば、会陰水は毒薬だ」
パッカは、告げる。
会陰水が合わなければ、紙が変色してしまうのだ。
「じゃあ、精力剤になるよう頑張ってくれ」
ガンジュンは、あっさり言い放つ。
パッカは、すぐさま会陰水を作る準備に取り掛かる。


幾度も幾度も失敗しては、
会陰水を調合し直すパッカ。
そして、ようやくガンジュンの作った朝鮮白紙が変色しない会陰水が完成する。
成功した喜びと充実感に満たされ、
安堵するパッカ。

いよいよ、壁岩図の”裏打ち”に、会陰水を撒く。
すると壁岩図は、絵に生命が宿ったように蘇る。
その素晴らしさに、皆感動してしまう。
パッカも、満足気だ。



壁岩図の複製図が完成した。
パッカはガンジュンに尋ねる。
「世界中の誰もが知っている絵を手に入れ、どうしようと?」
ガンジュンは答える。
「どうするかね。先に進まないと」
ガンジュンの言葉を聞き、パッカは驚愕する。
いったいガンジュンは何を考えているのだろうか。
いったい、どこまで行こうとしているのだろうか。
ガンジュンの行き着く先....
パッカは、不安に駆られる。



マンボク、スジョンらは、”秘門”のビルにある、
ガンジュンの復元作業室の壁を爆破し侵入し、
壁岩図の”元絵”と”裏打ち”をすり替える。






ガンジュンは被害者を装い、
わざと殴られ、怪我までするハメに。
「壁岩図は?」
テジンは、気が狂いそうだ。
「ちょうど蛍光乾燥機の中に入っており、無事です」
と、ガンジュンは嘘をつく。
壁岩図が偽物とも知らず、
テジンは安堵のため息を漏らす。


壁岩図の公開まで、残り5日。

テジンは黒田に電話する。
そちらに引き渡すのは、レプリカを作った後にして欲しいと。
しかし黒田は、レプリカは自分らで作成すると断る。
テジンは仕方なく、イベントが終わり次第送る約束をする。

ガンジュンは、ホジン社の社長にある依頼をする。
「手作業は終わった。
後は、機会作業だけだ。機械は揃ったか?」
ガンジュンは尋ねる。

カーテンを開けると、
そこには贋作描きが何人もキャンパスに向かっていた。
贋作描きが、機械。
同じ絵を、何枚も制作するのだ。



贋作の出来栄えを見て、ガンジュンはOKを出す。
ガンジュンの言葉に、みんな大喜びだ。
これで、全ての手はずは済んだ。
その瞬間、女刑事ハギョンらが情報を掴み、
工場へと向かっていた。

ハギョンらが工場へ到着した時、
そこは既に、もぬけの殻だった。
悔しがるハギョン。
ハギョンは燃えカスから、
「チョン・テスの自画像図」の
目の部分の焼け焦げを発見する。
「これは一体?」
ハギョンは、何が起きているのかさえわからなかった。
壁岩図の公開まで、残り2日。

そして、ようやく公開まで残すところ1日となる。

壁岩図は、昌徳宮で公開された。
多くのメディアや、観客が大勢押し寄せる。


テジンはステージに上がり、
復元を行ったガンジュンを紹介する。

「60年前に発見された張承業の書物を通じ、
400年前に生まれた壁岩図の存在が世間に知られました。
壁岩図は、世祖王より放免された
安平大君に捧げようとした絵であり、
生まれた時から隠さねばならない運命にあった。
世祖は、安平大君も含め、
大君の兄弟である王子らを流刑に処し、
死六臣を死に追いやった。
世祖は、安堅の才能を認め、
山水画家として、承華楼に滞在することになった。
そうしてようやく安堅は、
安平大君に見せられなかった
自身の夢である”壁岩図”をついに描き始めた。
狂ったように数日間、水すら口にせず描き続け、
そうして完成した”壁岩図”は400年もの間、
承華楼の闇の中で息を殺していなければならなかった。
朝鮮末期....
日本に侵略され日帝時代が始まり、
文化財は奪われました。
承華楼も例外ではなかったが、
”壁岩図”は誰にもみつからぬよう隠されていたため、
60年前に発見された張承業の書物を通じ、
その存在だけが知られ、昨年、発見されました。
以後、1年間復元に費やし、
本日を迎えることができました。
この昌徳宮で”壁岩図”を公開するには、
歴史的な重要な意味があります。
昌徳宮は、北漢山の地形をそのままに構築されました。
北漢山は、王を象徴する龍。
昌徳宮は、まさに龍の頭になります。
そして、龍の頭に目を作りました。
それが、芙蓉池になります。
まさに、龍の青い瞳。
青い芙蓉池を描きました。
”壁岩図”は、安堅が安平大君が王になることを祈った
安堅自身のせつない夢でした。
皆さんに、生まれたままのその姿で、
我々の前に現れる”壁岩図”を紹介します。


ガンジュンの言葉と共に幕が開き、
”壁岩図”の姿が公開される。
会場は、感嘆の声と、拍手の嵐だ。

イベントが終わり、
チャン室長は”壁岩図”を日本に向けて密輸する。
テジンは、レプリカは日本で作成するから、
ガンジュンを始末するよう命じる。

しかしガンジュンも、着々と計画を進めていた。

クンボクとスジョンは、テジンの後ろ盾となっている
国会議員を罠にハメる。
スジョンに議員を誘惑させ、その証拠写真を押さえる。

そして日本では、
送られてきた”壁岩図”が偽物だと判明する。


”秘門”に戻ってきたテジン。
廊下の片隅に、絵を包んでいた梱包材が放置されているのを見て、顔をしかめる。
しかし、周囲には誰もおらず、諦める。





そして、ギャラリーに足を踏み入れたテジンは、
驚きのあまり声も出なくなる。
そこには、色とりどりの背景のチョン・テスの自画像画が
並んでいたからだ。
「俺なら、他の色を背景に使うだろう。赤とか、白とか...」
テジンは、いつかのガンジュンの言葉を思い出す。
これは、ガンジュンの仕業なのか?
それとも、チョン・テスの復讐?
テジンは、混乱に陥る。
テジンは、チョン・テスとの過去を振り返る。
金のために、チョン・テスのアトリエをクォン・マダムらと
襲撃し、アトリエにある絵を次々と持ち出したのだ。
「クォン・マダム、あなたまで....」
信じていたクォン・マダムにまで裏切られ、
チョン・テスは失意に陥る。
そして、今描いていた自分の自画像までも、
テジンに奪われる。
そして不運にも、ランプが倒れ、
油がこぼれ出し、残りの絵に火が全て燃えてしまう。
それを見て、発狂するほどに怒りと絶望で、
チョン・テスは、亡くなってしまう。
結局、チョン・テスの自画像画は、
彼の遺作となってしまう。

テジンがチョン・テスを殺したようなものだ。
テジンのチョン・テスの自画像図に対する執着は、
そこにあったのだ。
金のためには殺人も厭わない冷血な人間でも、
チョン・テスに対する愛情があったのだ。










我を忘れるほど混乱したテジン。
その時、黒田から電話が入る。
日本へ送られてきた”壁岩図”は偽物だったと。
炭素測定器で識別できないほど精巧な複製を送りつけてきた。本物はどこだ!これが明らかになれば、俺もお前も終わりだ!」
黒田の電話を聞き、テジンは血相を変える。
”壁岩図が消えた。してやられた....”
テジンは、気が狂ったように叫び声をあげる。
その頃、ガンジュンはアジトで、
長安の古美術商のクァク社長に約束の金を渡していた。
テジンが、北朝鮮の絵を数点買い込んだ店だ。
クァク社長までがガンジュンとグルだったのだ。



それだけではない。
今度はアジトにクォン・マダムが現れる。
クォン・マダムまでもが、ガンジュンとグルだったのだ。
「ペ・テジンのそばで毎日冷や冷やしたよ。恐ろしい女め」
クォン・マダムは愚痴を言う。
その時、テジンからガンジュンに電話が入る。

「そろそろ電話が来る頃だと思ってたよ。
いくつかプレゼントを残しておいたが、受け取ったか?」
ガンジュンは、余裕の表情で言い放つ。


「私の手で殺される前に”壁岩図”を持ってきなさい。
テジンは命じる。
「主導権を握ってるのは俺だ」
ガンジュンは言い放つ。
「200億」
ガンジュンは言い放つ。
「どうせ400億を手にする絵だ。
隠し持っている美術品を処分すれば済むはずだ」
ガンジュンは条件をつきつける。
「それと、もう1つ」
ガンジュンは、付け足す。
「剛花屏風。あれを天上寺へ戻すんだ」
ガンジュンは言い放つ。
ガンジュンの本来の目的は、これだったのだ。
剛花屏風を取り戻すこと。
そして、それを奪ったテジンへの復讐。
「あんた、私とヤリ合う気?」
テジンは脅す。
「俺は、全てを賭けたんだ。よく考えろ」
ガンジュンは、電話を切る。

そして、ガンジュンはクォン・マダムに命じる。
「社長らを集め、女刑事ハギョンを連れて来い」と。
「おい、正気か!」
クォン・マダムは声を荒立てる。
ガンジュンは、余裕の笑みを見せ去って行く。
クォン・マダムは、パートナーの社長らを集め説明する。
全ては、あの女が仕組んだんだ。
この前ガサが入ったのも、あの女が情報を売ったんだ。
北朝鮮の美術品も偽物だし、皆騙されてたんだ!
クォン・マダムの話を聞き、社長らは怒りで興奮する。
「それは本当なのか!」
そこへガンジュンが入ってくる。
「事実だ」
ガンジュンの登場に、社長らは唖然とする。
ガンジュンは、テジンのパートナーのはずなのに....
「10年来の付き合いのアンタらがここに集まっているのに、
義理もクソもないだろう」
ガンジュンの言葉に、皆黙ってしまう。
「汽笛は鳴った。乗るか、乗らないか決断しろ」
ガンジュンは、急きたてる。
真っ先に、娘の留学費のために一度だけ独断で密輸したが為に手を切りつけられた社長が、テジンとの覚書などの資料を差し出す。
それに続くように、皆、書類を差し出した。
ガンジュンは、書類を持ってハギョンの元へ向かう。
ハギョンはガンジュンに言い放つ。
「ペ会長は一発食らって錯乱状態らしいけど、
あんたは、こんなところでこうしてていいの?」と。
「30年間の仁寺洞の取引記録だ」
ガンジュンは書類を渡す。
「エサ?ペ会長を捕らえさせ、自分だけ逃げるための?」
ハギョンは言い放つ。
「俺にも1つくらい秘密があってもいいだろう?
俺は忙しい。ハウスで打ってるから、何かあれば来い」
そう言って、ガンジュンは去って行く。
そこへ、ハギョンへカン刑事から電話が入る。
「大韓オークションで競売された”窓際の女”だが、
キム画伯の珍品が手に入った。
太平グループの会長が、大韓オークションを告訴した。
大韓オークションは、贋作で詐欺を行っていたと。
絵は、亡くなったイ・ミョンフンの家の住所から届いた」
カン刑事は報告する。
「イ・ミョンフンって誰よ!」
ハギョンは尋ねる。
「ソン・テス画伯の本名だ」
それを聞いたハギョンは、ガンジュンが関わっていると睨み、すぐさま受け取った書類に目を通す。
テジンは美術品を全て処分し金を作った。
「”壁岩図”を受け取ったら、切り刻んで埋めて」
テジンは、チャン室長へ命じる。
この金の10%は、あなたへの報酬。
と、200億を持たせる。
剛花屏風も、今夜釜山へ着くよう手配した。
そして、ユン室長へ天上寺へ届けるよう
チャン室長に指示を出す。
テジンは怒りで震えていた。
「イ・ガンジュン。殺してやる、あの男....」

しかし、その頃、
スジョンがTV局へ、テジンの秘密を情報提供していた。


ハギョンは、ガンジュンから受け取った書類を突きつけ、
班長に直談判する。
「ここに証拠はあるじゃない!これ以上何が必要で?」
これがもしまた”誤認逮捕”だとすれば、
班長を始め、また懲罰の対象になりかねない。
班長は頭を悩ます。
「今回二人を逮捕できなければ、全てが水の泡になる!」
ハギョンは、激しく訴える。
班長は決断する。
「もう俺も知らん!おい、出勤だ!」
と、班長は刑事たちを総動員する。



ガンジュンの元へと向かっていたテジンは、
車の中から街頭テレビジョンに映し出されたニュースを目にし、愕然とする。
「美術品不法複製、密輸、高位層公務員など関与疑惑
”秘門ギャラリー”ペ会長、壁岩図日本下取り疑惑」
テジンは、うろたえる。
そして、多額の賄賂を贈り後ろ盾になっているパク議員に
電話をかける。
「問題が生じてしまって... 
以前のように鎮めてもらえないでしょうか...」
テジンは頼み込むが、パク議員は怒鳴りつける。
「以前のように?何のことだ!」と。
それを聞いたテジンは、逆上する。
「あなた、私からどれだけ受け取ったと!?」
しかしパク議員は、電話を一方的に切ってしまう。
怒り狂うテジン。


実は、パク議員の隣りには、クンボクがいた。
以前、スジョンとのスキャンダル写真をネタに、
パク議員がテジンに手を貸さぬよう脅していたのだ。

テジンとチャン室長は、ガンジュンとサンボクの待つ
ハウスへとやってくる。
ガンジュンに金を渡すチャン室長。
ガンジュンは、チャン室長を呼び止める。
「俺のまで顔を上げるなと言っただろう!」
と、チャン室長を殴りつける。
ガンジュン、サンボク、チャン室長は、
殴り合い、もみ合いになる。
「早く、絵を!」
テジンは、チャン室長を急かすが、
チャン室長は、引き下がるわけにはいかない。
しびれを切らしたテジンは、
絵と金を奪い、一人その場から逃げ去る。

手ごわいチャン室長。
しかし何とか、チャン室長に打ち勝つ。





テジンは、絵と金を抱え、車に向かって疾走していた。
テジンに後ろからそっと近づく一台のバイク。
クンボクだ。
クンボクは、テジンの手から金を奪い逃げ去ってしまう。
テジンは挫けず、”壁岩図”の絵を抱え、車に乗り込む。
アクセル全開で疾走するテジン。



しかしそこに、女刑事ハギョンが現れた。
テジンに気がつくハギョン。
「逃がすものか!」
とばかりに、テジンの車に自らの車を激突させる。
とうとう連行されるテジン。
ハギョンは、ひとまず安堵のため息を漏らす。

その現場を、ガンジュンらが車で通り過ぎる。
ガンジュンは、連行されていくテジンを見ながら、
勝ち誇った表情を浮かべる。

ガンジュンは、刑務所にいるテジンに面会に訪れる。
トレードマークだった濃い派手な化粧もなく、
以前のテジンは、見る影もなかった。
余裕の表情でテジンを迎えるガンジュン。
「警察が調べたところ、あの壁岩図は、
サザビー測定不可能、
大英博物館 連帯測定未確認、
私に渡したものは、贋作だってことね?
本物の壁岩図はどこに?」
テジンは言い放つ。
「まだ気勢を張るんだな。
刑務所でも、相変わらず”ペ会長”なのか?」
ガンジュンは嘲る。
「壁岩図はどこよ、この野郎!」
テジンは逆上する。
「壁岩図?どこかにあるのかもな」
ガンジュンは、余裕の笑みを浮かべる。


紙を絞り、色を浮かし、香りを覆って、
”無い絵”を作るのに、馬鹿らしいほど働いたよ。
あの”壁岩図”は、
そもそもガンジュンが作り出した贋作だというのだ。
「笑わせないで!
京都からあの壁岩図を持ってきたのは私よ!」
テジンは言い張る。
「その京都に置いておいたのは、俺だ」


(なんか納得いかないわよね。ガンジュンの贋作を、
有名な鑑定士が本物だと鑑定したわけだし、
なぜテジンは測定機器にかけずにいたのか。
それに、そもそもガンジュンが作った贋作ならば、
パッカの手など借りずに、
”裏打ち”の複製を作ることはできなかったんですかね)
「あんたの情報網は敏速で、すぐに駆けつけた」
それを聞いたテジンは、愕然とする。
全てが、ガンジュンが仕組んだことだと......
「そして、あんたは、あちこちに恨みを買った。
パッカ.... ホジン社の社長.... クォン・マダム...
皆、すぐさま手を貸してくれた」
「俺にもあるじゃないか、剛花屏風。
おかげで俺は仁寺洞で、”天下の面汚し”となり、
 誤認逮捕までされた。涙が出るね」
 ガンジュンは、勝ち誇ったように笑って去って行く。
あまりにも大掛かりな詐欺にかかったことに、
テジンは、真実を受け止めきれない。
これが、今までの自分の犯した罪の代償だと...
テジンは、自らを笑うしかない。
500年前の安堅の絵として注目を浴びた”壁岩図”事件は、
警察の捜査の結果、”秘門”の前会長ペ・テジンと、
既に日本で検挙された闇市場ディーラー黒田と共謀し、
詐欺行為を行っていた模様です。
一方、この事件に関与したイ氏とされた人物は、
現在行方が掴めておらず、
ペ会長の不法資金200億は、
文化財団前に”寄付”として置き去りにされていた。

ニュースは、”壁岩図事件”に関して報道する。
そして、ここは中国、北京──
ガンジュンやクォン・マダムらは、
韓国にはいられなくなり高飛びしたのだ。
”200億を寄付した”ガンジュンを、クォン・マダムは責める。
「お前正気か?全額寄付だと?
俺はもう仁寺洞では糞だ。少しは俺に分けるべきでは?
俺を信じろだと?」
ガンジュンはそれでも言い放つ。
「そうだ、一生信じろ」と。
「また稼げばいいじゃないか」
ガンジュンは言い放つ。
「言葉も通じないのに?」
サンボクは聞き返す。
「今までも通じてなかったけど」
スジョンはイヤミを言う。
「北京、ここは詐欺の大国だね」
クンボクは余裕だ。

「リ室長!」
そこへ、誰かが呼ぶ声が......
ガンジュンは、声の方へと振り返る。

するとそこには、長安のクァク社長の姿が!
「通訳が来た」
クァク社長を見て、ガンジュンは笑う。
皆も、クァク社長を見て微笑む。


(クァク社長、かわいいー!)
「じゃあ、直ちに作業に入るのか?
でも、ここは北京。家賃も高いんじゃ?」
クォン・マダムは尋ねる。
「俺たちには、一発があるじゃないか」
ガンジュンは言い放つ。
笑顔で闊歩していくガンジュンら。

END



<< HOME

inserted by FC2 system