悪魔を見た  I Saw The Devil 
 原題:悪魔を見た 악마를 보았다 (アンマルル ポアッタ) <2010>

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国家情報院警護要員スヒョン(イ・ビョンホン)は,フィアンセのジュヨンが残忍 に殺害され、自分 が最も大切な人を守れなかったという自己恥辱感と怒りから、最も残忍な復讐を決意する。

スヒョンは、連鎖殺人鬼チャン・ギョンチョル(チェ・ミンシク)が犯人であることを知り、死ぬ程の苦痛だけを加えることを繰り返すという、凄まじい報復を 始める。

しかし、悪魔よりさらに悪辣な殺人魔チャン・ギョンチョルは、生まれて初め出会った対等なライバルの出現を楽しんで反撃に出る

公式サイト:http://isawthedevil.jp//

【予告編】 





【キム・スヒョ ン】
イ・ビョンホン
【チャン・ギョ ンチョル】
チェ・ミンシク
【チャン班長】
チョン・ググァン
【オ課長】
チョン・ホジン
監督 キム・ジウン(金知雲) <1998>ク ワイエット・ ファミリー、<2000>反則王、 <2003>箪笥、<2005>甘い人生
<2008>グッド・バッド・ウィアード、 <2010>悪魔を見た

出演

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧
チェ・ミンシ ク(崔岷植) <1998> ナンバー3、<1998>ク ワイエット・ファミリー、<1999>シュリ、 <1999>ハッピー・エン ド
<2001>ラブ・レター ~パイランより~ 、<2002>酔画仙、<2003>オールド・ボーイ
<2004>ブラザーフッド(特別出演)、 <2004>春 が来れば、<2005>親切なクムジャさん
<2005>クライング・フィスト、<2008>ヒマラ ヤ、風が留まる場所、<2010>悪魔を見た

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【レビュー&ネタバレ】
キム・ジウン監督×イ・ビョンホン× チェ・ミンシクの話題作。
早くも日本公開が決定。

2010年8月公開。観客動員数は、約183万人。
ヒットに結びつかなかったのには、中身に問題有り。
完成度は非常に高し。
なのに、何ゆえ?
完璧すぎることが、逆に欠点に。
この手のスリラーに必要な緊迫感が薄い。
何もかもが都合よく運んでいくのだ。
映画はシナリオがあるものだけれども、劇中の展開にもシナリオがあるように筋道通りに展開する。
ただの快楽犯でしかない連続殺人鬼が、被害者の名前や住所を記憶しているなんて、
呆れるし、シラケますね。
完璧すぎて、面白みに欠ける映画。
しかも、単純。
ただの「追いかけごっこ」の映画でしかない。
あらすじを見てください。なんて簡潔なんでしょう。
このあらすじが、映画の内容を物語っております。
前作、グッド・バッド・ウィアードも、 そうでした。
非常にあらすじが簡潔。
グッド・バッド・ウィアードの 大ヒットで味をしめたのか、
それとも、観客が求めている映画とは、単純明快な映画だということを悟ったのか、
前回は「地図」を追い求めての追跡劇、今回は「復讐」のための追撃劇。
しかし、監督の思惑は外れたようです。
前作、グッド・バッド・ウィアード は、キャラクターの魅力、アクションの魅力、そして、爽快感がありました。
ストーリーは単純で破綻している部分もありながらも、多いに笑えました。
しかし、この映画は、復讐のために犯人を追撃するだけの映画です。
大ヒット映画、チェイサーも、同様に単純な追撃 劇。
韓国の観客が求めているものは、単純にスリルを楽しめること。
それは間違いないようなのですが、この映画には、何かが欠けている。
単なるアクション映画でしかない。
キャラクターの魅力もない。
犯人を追いかけ、痛めつけ、それの繰り返し。
それが見ていて楽しいか?
あまりにも、「ひねり」がなさすぎ。

「復讐は得るものがない」「復讐は復讐を生む」などの教訓は、今更語ることでもないでしょう。

イ・ビョンホンは気の毒ですね。
この映画では、ただのアクション俳優でしかありません。
婚約者のセリフに、「モクソリ チョア(声がステキ)」とありますが、声が本当にステキ。
韓国俳優の中で、イ・ビョンホンの声が一番好き。
そのせいで、萌香の難聴は悪化したのですが...
あまりにもイイ声過ぎて、ヘッドホンでガンガン繰り返し聴いたせいです...
皆様もご注意を....

チェ・ミンシクは、「さすが演技派!さすがベテラン!」と、唸らせられる演技力。
ただ、印象深いキャラクターを生み出すことまではできませんでした。

ここのところ、チョン・ググァンが頭角を現し始めましたね。
作戦 -The Scam-での、「マサン 投創」は存在感がありましたね。
そして、義兄弟での「影」、ドラマ「悪い男(邦題: 赤と黒)」でのキム・ナムギルの父で海神グループ会長。
あっという間に、「会長役」を演じるほどに、大躍進です。
元々は演劇畑の俳優さんです。
映画にもチョコチョコ出演はしていたのですが、作戦 -The Scam-を 観るまでは印象にありませんでした。

moca注目の俳優チェ・ミョンスがチェ・ミンシクの友達(仲間?同類?)として出演しているのですが、
キャスト表に名前がなく、「おかしいなぁ...」と、調べてみたら、
「チェ・ムソン(최무성)」に改名したそうです。
もっとインパクトのある名前にして欲しかったな。覚えられまへん。


↓  結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ) ↓




強姦した後に殺害して楽しむ愉快犯のチャン・ギョンチョルは、
パンクしてレッカー車を待つジュヨンの車に近づき、襲い掛かり殺害する。
「お願い、助けて。お腹に赤ちゃんがいるの」
と、懇願するジュヨンを無残にも。




ギョンチョルは、ジュヨンの遺体をバラバラに切断し、河辺へ投棄する。
そして、偶然にもジュヨンの遺体の一部が発見されたことにより、ジュヨンの遺体が川から回収される。




ジュヨンの父は刑事で、しかも班長。
ジュヨンの遺体がみつかったのは、「天の助け」だと、ジュヨンの婚約者スヒョンに告げる。
そして自分は、刑事なのに遺体すら発見できない情けない父だと責める。
「君にもすまなかった」
チャン班長は、そう言ってスヒョンの肩を抱く。
ジュヨンの遺体が火葬されるのを見守るスヒョン。とてもではないが居た堪れない。
まだ、婚約してから一月も経っていなかった。




国家情報部要員のスヒョンは、マイクとGPSを仕込んだカプセルを後輩から入手する。
そして、捜査線上に挙がったジュヨン殺害の容疑者4名の情報を、チャン班長から入手した。




スヒョンは、一人一人の顔写真を携帯に収め、容疑者探しに乗り出す。




一人、二人と、容疑者を探し出し拷問するスヒョン。
しかし、二人とも犯人ではなかった。




そして、ようやく三人目で犯人のギョンチョルへとたどり着く。
その間も、ギョンチョルは強姦しては殺害を繰り返していた。




ギョンチョルのアジトで、スヒョンは女性らが身につけていたバッグや下着、靴、アクセサリーなどを発見する。




そして、側溝でジュヨンの指輪を発見する。これは、ギョンチョルが犯人だという紛れも無い証拠だ。
スヒョンは胸が押しつぶされそうな悲しみに襲われる。




スヒョンはギョンチョルを襲撃する。
血まみれになるほどギョンチョルを暴行し、マイクとGPSを仕込んだカプセルを飲み込ませる。




スヒョンはギョンチョルをワザと逃がし、GPSで追跡する。




逃走しながらも、次々と殺害や強姦を繰り返すギョンチョル。
強姦されかかった看護婦を救い、ギョンチョルを襲撃するスヒョン。
ナイフを振りかざすギョンチョル。
しかし、スヒョンは素手でナイフを受け止めた。驚愕するギョンチョル。




「これからが始まりだ。これからますます残酷になる」
と、ギョンチョルに忠告し、ギョンチョルの腱を切り裂くスヒョン。
ギョンチョルは、スヒョンが何者で、どうしてこのような目に遭わされるのかわからなかった。
そしてギョンチョルは、スヒョンと勝負してやると怒り狂う。




ギョンチョルを追うスヒョンの元へ、チャン班長から電話が。
「警察は、ギョンチョルをワシが追い回していると思っておる。警察もギョンチョルを手配した。
もう、これくらいで止めにしないか?もう十分だろう?止めて欲しいんだ....」
チャン班長は懇願する。
そして、ジュヨンの妹セヨンも、スヒョンを止める。
復讐から得るものはないと。

なんでギョンチョルとスヒョン の情報が警察に伝わってんのかしらね。
どっから情報仕入れてんのよ。 そんなに警察は優秀じゃあないでしょう。こういう細かいところが不満。




ギョンチョルは、友達のテジュの元へ身を寄せる。
テジュもギョンチョルと同類だった。
快楽殺人鬼。
テジュにスヒョンのことを語ったギョンチョル。
「相当惚れられたな。俺たちと同類だ。捕まえては痛めつけ、また放して繰り返し楽しむ」
テジュは告げる。




テジュはペンションを襲撃し、ペンションの若いオーナーの女性を殺害しようとしていた。
そこへスヒョンが姿を現し、テジュを襲撃する。
「おまえたちと、同じようにしてやる」と。




騒ぎを聞きつけ、ギョンチョルが銃を発砲し、スヒョンは逃走する。
そしてまたペンションに侵入し、テジュとテジュの女を痛めつけ、ギョンチョルを死ぬほど殴打し苦しめる。
翌日、テジュやギョンチョルらは救急車で病院へ搬送される。
ベッドに寝ていたギョンチョルは、スヒョンが自分にマイクを飲み込ませたことを知る。
(犯人の前で話すなよ)
そしてギョンチョルは、病院から逃走する。




その頃、オ課長がチャン班長の家を訪ねていた。オ課長に、スヒョンの写真を手渡すチャン班長。




ギョンチョルが、マイクを通じてスヒョンへ語りかけてきた。
「おまえが何者か当ててみようか?チャン・ジュヨン!そうだろ?ヨイド洞の。
おまえは間違いを犯した。俺を甘く見すぎていた。俺を殺さなかったことを後悔するだろうよ。
そうだ、チャン・ジュヨンが言ってたな。妊娠していると。知ってたか?
急げ!くそったれ!ジジイが死ぬぞ!」
真実を知り驚愕するスヒョン。
そしてギョンチョルは、「一仕事終えたら自首する」と、警察に電話する。




ギョンチョルはマイクとGPSを仕込んだカプセルを下剤を飲み、汚物の中からカプセルを取り出し、
偶然トイレにやってきたタクシードライバーに飲み込ませ、殺害する。
ギョンチョルの行方を見失ったスヒョンは、病院へ戻りテジュへ行方を問いただす。
「おまえは、まったく奴を理解していない。奴はやられただけやり返す奴だ。
どういう意味かわかるか?おまえの女... おまえの女の家族だ...
その後、自首してしまえば、おまえは狂うだろう?
だけどな、おまえの女もそう悪くはなかったはずだ。奴は俺と違って、殺す前に喜びを与えるからな」
テジュは嘲笑う。
怒り狂ったスヒョンは、「一生笑ってられるようにしてやる!」と、テジュの口を手で引き裂く。




スヒョンは、チャン班長の家へと向かった。
しかし、あまりにも遅れを取った。
焦ったスヒョンはオ課長に連絡し、チャン班長を守ってくれるよう頼む。
しかし既に遅かった。
チャン班長は顔を潰され、妹のセヨンは強姦され殺害された。




チャン班長の家にたどり着いたスヒョンを刑事らは責め立てる。
オ課長だけがスヒョンを庇い、チャン班長に会わせてくれる。




痛々しい姿のチャン班長。胸が潰される思いのスヒョン。
瀕死の状態でありながらも、スヒョンの手を温かく握りスヒョンを責めないチャン班長。




逃走したギョンチョルは警察に自首しにやってくる。




しかし、刑事らがギョンチョルを捕らえる前に、スヒョンがギョンチョルを車で連れ去ってしまう。




(ここはどこ?ギョンチョルのアジト?)
ギョンチョルを監禁したスヒョン。
「俺がおまえを甘く見ていたようだ。これから、それ相当にもてなしてやる」
そう言って、タバコの火をギョンチョルの額に押し当てる。




「この野郎!さっさと殺せ!」
怒鳴り散らすギョンチョル。
スヒョンは、今度はドライバーを頬に突き刺す。
「おまえが最も苦しんでる時に殺してやる。恐怖で震えている時に。それが真の復讐だろう?」
スヒョンは言い放つ。




「助けてくれ... 俺が本当に悪かった。犯した罪の罰は受ける。だから、これだけ遊べば十分だろう?」
何度も懇願するギョンチョル。
ギョンチョルの言葉に涙を流すスヒョン。しかしそれは芝居だった。
「おまえは既に俺に負けた。今まで弄んだつもりか?俺は苦痛など知らん。恐れ?そんなものも知らん。
おまえが俺から得られるものは何もない。だから、おまえは既に負けてるんだ。わかったか?」
嘲笑うギョンチョル。
「俺は、おまえが死んだ後も苦痛に苦しむことを望む」
そう言ってスヒョンは立ち去る。
そして、イヤホンを耳に当てる。マイクを仕込んだカプセルをギョンチョルの元へ置いてきたのだ。




スヒョンに呼び出されたギョンチョルの両親と息子がやってくる。
ドアを必死に開けようとする父ら。
しかし、なかなか開かない。
ギョンチョルの口に噛まされたロープとドアがつながっているのだ。
ドアが開けば、ギョンチョルの頭上からギロチンの刃が落ちてくる。
「ドアを開けるな!」
ギョンチョルは必死に叫ぶが、父らには聞こえない。
ドアが開く。




一瞬でギョンチョルの首はギロチンの刃に跳ね飛ばされる。
イヤホンから聞こえるギョンチョルの母らの声で、ギョンチョルの身に起こったことを確信するスヒョン。
復讐は終わった。
しかしスヒョンは号泣する。
復讐の果てにスヒョンが得たものは.....

END


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