強敵   Les Formidables  
 原題:強敵 강적 (カンチョク)<2006>

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組織生活を清算し恋人のミレと一緒に小さなラーメン屋を経営する スヒョン。他の人々のように平凡に生きたかった彼の素朴な夢は、兄弟も同然の組織同期ジェピルの最後の願いを断り切れず一瞬にして崩れる。誰かに よって殺人の濡れ衣を被って投獄されたスヒョンは、復讐を決意し脱獄するため自殺を図り警察病院に護送される。

所轄区域でカツアゲしたり、酒に溺れた生活を送るソンウ。強力係刑事という履歴が面目を失ったならず者だ。潜伏勤務中に勤務地を離脱するという決定 的な過ちで相棒が命を失う事件が発生し懲戒を受けた彼は、同僚たちから人間以下の扱いを受ける。その上人生の唯一の希望である息子チョルスに臓器提 供者が現れたが、手術費がない。

相棒の葬式に行ったソンウは、折りしも脱出したスヒョンの人質になってしまう。殉職手当を貰い息子の手術費を用意しようと決心したソンウにとって、ス ヒョンはむしろ希望になる。しか,スヒョンには、自分を殺さなければ一緒に自殺すると飛びかかるソンウが手にあまるだけだ。結局スヒョンは、自分の寃 罪を晴らすために手伝ってくれれば、必要な金を与えるとソンウに提案する。

スヒョンの話全ては信じられないが、かといって、これといった手立てのない状況のソンウは、やむを得ず48時間の同行を許諾する。しかしスヒョンを捕ら えるための警察の包囲網が狭まるにつれ、ソンウまでスヒョンを陥れた犯人に追われるようになり、誰かもわからない誰かが、二人を標的にし喉笛を締め てくる。
【予告編】
監督 チョ・ミノ <2001>ジャ ングル・ジュース、<2004>20のアイデンティティ、 <2006>強敵、<2009>10億

出演

パク・チュン フン(朴重勲) <1993> トゥ・コップス、<1996>トゥ・コップス2、<1999>NOWHERE  情け容赦なし、<2000>不朽の名作、
<2001>セイ・イエス、<2003>黄山平野、<2004>あぶない奴ら ~TWO GUYS~、<2004>天軍、
<2006>強敵、<2006>ラジオスター、 <2009>TSUNAMI-ツナミ-、<2010> 私のヤ クザみたいな恋人、
<2011>逮捕王
チョン・ジョンミョン <2002>アーユーレディー?、<2004>20のアイデンティティ
<2005>台風太陽~君がいた夏~、<2006>強敵、 <2007>ヘンゼルとグレーテル、 <2010>青い塩
ユ・イニョン <2004>僕 の彼女を知らないとスパイ、<2006>強敵、 <2008>待 ちくたびれて、<2008>父とマリと私
【ハ・ソンウ】
鍾路署刑事
パク・チュンフン
【イ・スヒョ ン】
脱獄囚
チョン・ジョンミョン
【ハン・ミレ】
スヒョンの恋人
ユ・イニョン
【ハン・ジェピ ル】
常務
チェ・チャンミン
【パク・ポン チュン】
鍾路署班長
チェ・ミョンス
【ファン刑事】
ソンウの部下
ファン・ソクチョン
【ファン・ジョ ンチェ】
正生保育院(孤児院)院長
オ・スンテク
【ソ理事】
ジョンチェの右腕
キム・ジュンギ
【カン・ジョル ミン】
殺人鬼
キム・ジュンベ
【クラブ歌手】
ソンウの友人
ムン・ジョンヒ

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【レビュー&ネタバレ】
2006年6月公開。動員数は約34万人。
へぇー、こんなもんなんだ... と、驚かされるほど面白い。

息子の手術費で窮地に追い込まれた刑事と、寃罪を晴らすために復讐を覚悟した脱獄囚が、
人質と人質犯という関係で出会うハードボイルド・アクション物。

mocaはこってこてのハードボイルドものは苦手。
でも、この映画はハードボイルドというほどでもなく、義理と男気と情を見せてくれるアクション映画。
に、近いかな?
ちょーっと、ハードボイルドを気取っている感はありますが.....

女性でも楽しめると思いますよ。
ストーリーがしっかりしてますから。
どちらかといえば、男性好みの映画ですが。

パク・チュンフンのハマリ役。
それがこの映画で一番の成功でしたね。
やっぱりパク・チュンフンはこうでなきゃ!
まぁ、破天荒で型破りの刑事。
この点は、公共の敵のカン・チョルジュンに似た キャラクターですね。

そして驚かされたのはチョン・ジョンミョン。
今まで、ナイーブな役どころしか見てこなかったのでイメージが固定化してました。
こんなタフで男っぽい役ができるとは!!

とにかく痛快な映画です。
ちょっとラストはもっとスッキリと終わらせて欲しかったような気はしますが........

頂けないのが導入部。ウザい!!
タイトルまで辿りつくまで、相当な時間がかかります。
いちいち出演者紹介みたいに画面が止まるのもウザ!!
ですが、ウザくてもキチンと観ましょう。
丁寧に描かれていない部分が、この導入部をしっかり見ていないと理解できないからです(笑;)

ハチャメチャな刑事に、義理と情に厚い冤罪の脱獄犯。
そしてその脱獄犯を愛する恋人。
恋人には雪の女王のユ・イニョン。
これまたハマリ役。そして女傑でカッコいい。
元ヤクザの女は、これくらい度胸と思い切りがなきゃいけません。
憧れますな。

「笑い=×」になっていますが、おかしくて笑える映画ではありません。
しかしウェットに富んでいるというか、笑えるほどではなくも、面白いのです。
こういう面白さがmocaは好き。
獣医のシーンが面白く、心が温かくなるような一番のお気に入りのシーン。



↓  結末までネタバレ。ご注意を ↓(DVD発売済ですので、簡潔に)


とある場所で、ヤクザらがもめごとを起こしていた。
借りた金を滞納したため担保を押さえるということだ。
ファン・ジョンチェらはイチャモンをつけ、暴力で押さえ込もうとする。

その頃、鍾路署強力犯の刑事ハ・ソンウは、その問題のビルの前に相棒のチェ刑事と共にいた。
しかしソンウは、職務中にチェ刑事だけを残し、近くのクラブへカツアゲしに行ってしまう。


ビルの前で待機していたチェ刑事。
すると、窓からキム・ジュンマンと殺人鬼カン・ジョルミンが落ちてくる。
慌てるチェ刑事。
チェ刑事はジョルミンに止まるよう呼びかけるが逃げてしまう。
ジョルミンの後と追うチェ刑事。

一方、ファン・ジョンチェらは相手を殺害してしまう。


ファン・ジョンチェの右腕であるソ理事は、殺人の目撃者であるキム・ジュンマンを黙らせるため、
常務のハン・ジェピルに電話する。
「すぐに始末します」
ジェピルは告げるが、ヤるのはジェピルではなく、
ジェピルと孤児院で育ち組織に同期で入ったイ・スヒョンにヤラせろと命じられる。
スヒョンは既に組織生活を清算し、恋人とラーメン屋を営んでいた。
スヒョンはそれでも、親友であり、ラーメン屋を開くための金を貸してくれたジェピルのため、
「最後だぞ」と、頼みを受け入れる。


殺人鬼ジョルミンを追っていたチェ刑事は、逆にヤラれてしまい殺害される。
現場を離れていたソンウは戻ってきてチェ刑事の後を追うが、既に遅かった。


「騒ぐと殺すぞ」
スヒョンはキム・ジュンマンを脅し、そのまま持っていたナイフで腹を刺し逃走する。


しかし執拗に追いかけてくるキム・ジュンマンの手下たち。
逃げられないと悟ったスヒョンは、検問中の刑事に「人を刺した」と自首して手下らから逃げる。


鍾路署で顔を合わせるスンウとスヒョン。

スヒョンには、臓器移植をしなければ助からない息子がいた。
カツアゲなどの汚職に手を染めるのは、手術費のためだった。


ジェピルは憤りながら、ファン・ジョンチェの孤児院へやってくる。
スヒョンが逮捕されたのに、見殺しか!と。
しかし、元々ジョンチェはスヒョンを見捨てるつもりで今回の件をスヒョンにヤラせたのだった。


スヒョンはキム・ジュンマンを刺した容疑でなく、あの日ファン・ジョンチェらが殺害した相手の殺人罪という
濡れ衣を被せられ殺人者となった。
スヒョンの恋人ミレも、悲しくても手の施しようがない。


スヒョンは食器を割り、破片を食べて自殺を図る。
もちろん、脱獄するための計画だ。
救急車で警察病院へ搬送されるスヒョン。


その頃、チェ刑事の葬儀が行われていた。
「お前の代わりに俺が死ねば良かったのに!」
ソンウは叫び暴れる。


スヒョンは見事脱獄に成功する。
しかし運が悪いことに、葬儀帰りのソンウ(病院内で葬儀をしたのですね)とエレベーターで鉢合わせしてしまう。
そしてそこに館内放送が。
スヒョンが脱獄し、監視員の制服を着ていると。
それを聞いたソンウは同乗の男を訝しがる。顔を覗き込むソンウ。
「お前は、この前の!」
ソンウにバレた。慌てて逃げ出すスヒョン。


スヒョンはソンウを人質にし逃走する。
しかし仲間はソンウが人質に獲られてしまっては、銃を撃つこともできない。
しかしソンウは自分を撃つように言い放つ。
ソンウは死にたいのだ。
唯一の希望である息子の臓器提供者が現れたというのに、手術費がないのだ。
殉職すれば殉職手当で手術ができる。ソンウはそう考えていた。


ソンウを人質に捕り、無事逃げ延びたスヒョン。
しかし動き回ったため、手術の跡が開いて出血してしまう。
ソンウは動物病院にスヒョンを連れ込む。
獣医に無理矢理開いた傷口を縫わせるソンウ。
しかしTVのニュースでスヒョンが脱獄犯だと知った獣医はすぐさま出て行くよう促す。
しかし別れ際、スヒョンにカーディガンを渡してやる。


ソンウはスヒョンを警察へ連行する。
「悔しくて戻れない!」
スヒョンは拒む。
「じゃあ、どうする?これで俺を殺して逃げろ」
ソンウはスヒョンに銃を渡す。
「金のためか?」
スヒョンは問いただす。さっき車の中で金の話をしていただろうと。
「胸糞悪い」
と、スヒョンはソンウを殺すことを断る。


ソンウは息子の病院へスヒョンを連れて行く。
人工透析の管をたくさんぶら下げたソンウの息子が痛ましい。
「どこが悪いんだ?」
スヒョンは心配する。
「あれがないと死ぬんだ。気がすんだか!この野郎!」
ソンウは声を荒立てる。
「オンマは?」
スヒョンは尋ねる。
「何が知りたいんだ!」
ソンウは憤る。
「一人残して死んだら、無責任だろう。この野郎が」
孤児であるスヒョンには、両親のいない辛さを誰よりも知っていた。
必要なだけ金を用意するから逃がしてくれるよう告げる。


スヒョンはジェピルを呼び出す。
「誰が殺ったんだ?お前か?」
ジェピルは首を横に振る。
「じゃあ、誰だ?」
スヒョンは怒鳴りつける。
「スヒョン、もう忘れろ」
ジェピルは冷静に言い放つ。
その言葉に憤ったスヒョンはジェピルを殴る。
殴り合いになる二人。
「どうしてこうなったんだ?俺たちが一度でも思い通りになったことがあるか?」
ジェピルは冷静に尋ねる。
「俺は、死んでも思い通りに生きてやる!!」
スヒョンは怒鳴る。
そしてスヒョンはジェピルに金を用意してくれるよう頼み込む。


スヒョンは、ミレにも金を無心する。
なんとしても金を用意するとミレは断言する。
「お金なら、また稼げばいいんだもん」と。

一方ジェピルは、スヒョンに肩入れするジェピルが邪魔になったファン・ジョンチェの手先ジョルミンにより
殺害されてしまう。
(ひどいよー)


その上、秘密を知る目撃者であるキム・ジュンマンも、ジョルミンは殺害する。


ソンウらは漢江のたもとで、久々の心の休息を取る。
「あの時、형(ヒョン)に出会ってなかったらどうなっていたかな」
スヒョンはソンウをさりげなく初めて”형”と呼ぶ。
「今、형って呼んだか?형님(ヒョンニム)だろう?この野郎」
ソンウの言葉にスヒョンは笑う。
(このシーン好き)

スヒョンはミレから金を受け取るために、駅へ向かう。
ミレは尾行を巻くが、駅には刑事らが待ち構えていた。
金を受け取り立ち去ろうとするスヒョン。刑事がいるからだ。
「ねぇ、このままどこかへ隠れて暮らせない?」
ミレは必死に訴える。
しかし刑事が向かってきてスヒョンは慌てて逃走する。


息子チョルスの病院へ行くと、驚く言葉をかけられる。
「明日手術なので、今夜はゆっくり休ませてください」
呆然とするソンウ。
「さっき、サムチョン(叔父さん)が来て手術の手続きをしていきましたよ」
看護婦は告げる。


ソヒョンはソ理事の前に現れる。
車の前に立ちはだかるスヒョンを、そのまま轢こうとするが、スヒョンは車のフロントにしがみつく。
止まった車の窓をレンガで叩き割るスヒョン。
「俺も園長も、お前がおとなしくしてれば何とかするつもりだったのに、この野郎」
ソ理事は言い放つ。
「ジェピルが用意していたものだ。知らないフリするから、隠れて生きろ」
ソ理事はそう言うと、通帳と印鑑を投げ出す。


ソンウは、スヒョンとジュピルが育った孤児院に目をつける。


ミレはスヒョンに渡した大金のためにサロンで働いていた。
そこへ、隠れてスヒョンが客としてやってくる。
二人は店を出て、ホテルで久しぶりの再会の一時を過ごす。

しかしミレが目覚めると、既にスヒョンの姿はなかった。
メモと一緒には、受け取った金の代わりに小切手が。
「バカ!」
ミレは悔しくてたまらない。


スヒョンはソンウの前に現れる。
「俺を捕まえて、昇進しろ」
スヒョンは告げる。
「今戻ったら、全てが水の泡だ。真犯人を捕まえるまではダメだ」
ソンウはスヒョンを引き止める。
「真犯人が誰か知ってるのか?」
スヒョンは尋ねる。
「ファン・ジョンチェ。知ってるだろう?」
ソンウは告げる。
「知ってたらどうだ?もう諦めるって言っただろう」
スヒョンも譲らない。
そんな言い争いの間に、二人はソ理事らによって拉致されてしまう。


鍾路署の仲間の刑事らが救出に乗り出す。
しかし殺人鬼ジョルミンに悪戦苦闘してしまう。
「そいつだ!チェ刑事を殺したヤツは!」
ソンウは言い放つ。
その瞬間、仲間の刑事らは一斉にジョルミンに銃を向け殺害する。

しかし、今度はソンウがソ理事に人質に捕られる。


「1、2、3で一斉に撃て」
ソンウは仲間らに告げる。どうせ死のうと思っていたんだ、と。
「1、2、3...」
その掛け声と同時にスヒョンがソンウの椅子を蹴り飛ばし助ける。
その隙にソ理事は刑事らに撃たれるが、倒れる寸前にスヒョンに銃を向ける。
銃弾に倒れるスヒョン。
慌ててスヒョンに駆け寄るソンウ。
「ようやく終わったのに...」
ソンウはスヒョンを抱きかかえる。
「ヒョン、ありがとう...」
スヒョンは告げる。


ソンウは車でスヒョンを病院へ運ぶ。
「これからの人生に何かいいことあるだろうか?」
ソンウは尋ねる。
「あるさ」
スヒョンは答える。
「もっと楽しもうじゃないか!」
そう言ってソンウはスヒョンの手を握る。

END


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