ヘンゼルとグレーテル   Hansel and Gretel  
 原題:ヘンゼルとグレーテル 헨젤과 그레텔 (ヘンジェルグァ クレテル)<2007>

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ウンス(チョン・ジョンミョン)は、幼い頃に生き別れた母親に会いに行く途中、 事故で気を失う。深 い夜... 森で目覚めた彼の前に突然現れた少女。ウンスは惹かれるように彼女に着いて行き、三人の子供が住んでいる<楽しい子供たちの家>に向かう。

絵本から抜け出たような家は、おもちゃと菓子でぎっしり埋まった子供たちの天国だ。しかし電話は不通で、森はいくら彷徨っても出口を探せない。

外部との往来がないのに、いつも豊かな食卓。屋根裏から聴こえてくる奇異な泣き声。子供たちが教えた通りに行ってみても、迷路のように元の場所に戻る森。

ウンスは説明できない出来事の中に、子供たちの秘密があることを感知する。子供たちを恐れた子供らの両親は、メモ一枚を残し たまま消え、子供たちは釈然としない弁解だけを並べる。

数日後、あたかも子供たちの計画であるかのように、また道に迷った大人たちが子供たちの家へ訪ねてきて、ウンスの不安と疑問は、より一層深まる。
【予告編】
監督 イム・ピルソ ン <2004>南 極日誌、<2007>ヘンゼルとグ レーテル

出演

チョン・ジョンミョン <2002>アーユーレディー?、<2004>20のアイデンティティ
<2005>台風太陽~君がいた夏~、<2006>強敵、 <2007>ヘンゼルとグレーテル、 <2010>青い塩
ウン・ウォンジェ 出演作品一覧
シム・ウンギョン <2004>多黙 安重根、<2007>ヘンゼルとグレーテル、<2009>不信地 獄、<2010>ありがたい殺人者
チン・ジヒ <2005>チェロ ホン・ミジュ一家殺人事件、<2007>ヘンゼルとグレーテル、<2008>星から来た男

【ウンス】
チョン・ジョンミョン
【マンボク】
ウン・ウォンジェ
【ヨンヒ】
シム・ウンギョン
【ジョンスン】
チン・ジヒ
【ビョン執事】
パク・ヒスン
【ヨンシク】
キム・ギョンイク
【スジョン】
チャン・ヨンナム
【ギョンスク】
パク・リディア

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【レビュー&ネタバレ】
2007年12月公開。動員数は約31万人。
日本では、韓国映画ショーケース2008で公開。
どうして見向きもされないのか謎。
あたたかくて、せつない良い映画なのに....
ホラーだと思わせつつ、ファンタジーなのがいけなかったのかしら。

これは ホラー 仕立てのファンタジー。

ホラーはホラーでも、心理的ホラーというべきでしょうか。
ナイトメア・ビフォア・クリスマスが愛されるように、この映画の魅力はわかる人にはわかると思います。
大人になれない人間たちを描く悲哀。
愛されずに育ち、愛されたくて、すがるような想いで愛を待ち続けていた。
愛する人が愛してくれない。
愛する人が離れていく。
その寂しさ。
三人の子供たちを通して、改めて実感しました。
どんなに求めても、求めるものが手に入らない。それは愛....
けれど、気づかないだけで、愛はそこにある。

心が温かくなるような、せつないような....
そこはかとなく漂うせつない余韻に胸が痛みながらも、温かい涙が流れるようなラストです。
心が満たされている人には、わからないかもしれません。
温かいけれど、悲しい....

とにかく、クォリティが高いと思います。
筋立てがしっかりしています。
南極物語のように、斬新な映画です。予想 もしなかった結末が待っています。

チョン・ジョンミョンはこの手のフンナムを演じさせたら最高ですね。
そして、シム・ウンギョンちゃんがとにかく可愛い!
太陽の女のキム・ジスの子役ではまったく感じなかったのに...
そして、mocaのお気に入りのチン・ジヒちゃん!
本当に、この子は可愛い!愛らしい!
なんといっても演技上手。
演技上手なのは、長男役のウン・ウォンジェも同様。
ベテラン子役とも言える三人が見事です。
やはり韓国の子役は素晴らしい。

そして、パク・ヒスン
またもや悪役ですが、悪役だってかっこいい!!しょうがないんですよ、ベタ惚れですからぁ(笑)
観るほどに好きになってしまうのよん。

で、チョン・ジョンミョンの恋人役なのが特別出演のコ・ジュニ。
キツネちゃん、何してるの?を思い出しますな。



↓  結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ) ↓


ウンスは危篤の母の元へと向かっていた。
運転中、恋人のヘヨンと通話していたウンス。ヘヨンは妊娠したのだ。
ヘヨンはウンスの態度に腹を立て電話を切ってしまう。
慌ててヘヨンに電話をかけようとした途端、
道に落ちている何か(子供たちが置いたぬいぐるみだと思いますが)を避けようと、
ハンドルを切り損ねて車は横転してしまう。

ウンスが目覚めると、そこは真っ暗な森の中だった。
暗闇に光る一つの光。それは、森の中の家に住む少女ヨンヒが照らすランプだった。


ヨンヒに案内されヨンヒの家を訪れるウンス。表札には、「楽しい子供たちの家」と。
家の中はおもちゃやお菓子で満たされ、童話のような世界だった。


物珍しげにウンスを観察する家族。
母は子供たちを紹介する。長男のマンボク13歳、末っ子のジョンスン7歳、そして13歳のヨンヒ。
ウンスは電話を貸して欲しいと尋ねるが、父は数日前から断線していると告げる。
しかし怪しいことに、父の足は何かに脅えるかのように震えていた。


翌朝。まるで誕生日ケーキのような朝食。
ウンスがマフィンをほうばれば、三人の子供たちも同じようにマフィンを食べ、
ウンスが水を飲めば、同じように水を飲み真似するのだった。


電話はまだ直らないかとウンスは尋ねる。実は事故に遭った歳に大事な通話をしていたと。
母親が危篤だと語るウンス。
子供達が心配にウンスを見るので、「大丈夫、仲もよくなかったし」と、ウンスは平然を保つ。
「オンマはいいものだよ」
マンボクが告げる。
「大人になればわかる。母親と親しい者もいれば、そうでないものもいる」
ウンスは告げる。
ウンスの言葉を聞いたマンボクは激怒して怒鳴りつける。
「オンマは世界で最高のものだ!」


ウンスは出発する。ウンスを見送る家族ら。
しかしウンスは森に迷い、結局また家族らの元へ戻ってくることに。


夜中、父と母の口げんかが聞こえ、気になったウンスは立ち聞きしてしまう。
「永遠にここにいるつもり?もう限界よ」
「子供たちに聞かれたら大変よ」
どうも会話の内容がおかしい。その時、廊下にヨンヒが現れる。


ヨンヒは夢遊病なのだとマンボクは説明する。


翌朝、ウンスが目覚めると子供たちが泣いていた。
両親が自分らを残して出て行ってしまったと。
「用を済ましてきます。数日の間、子供たちをお願いします」
と、ウンスにメモを残して。


しかしウンスは、この家に留まっているわけにはいかない。
ウンスはマンボクに、森を抜ける近道を教えてもらい、出発する。
「いい人だよね」
「今のところはね」
ウンスの後ろ姿を見送りながら、ヨンヒとマンボクは会話する。


マンボクに教えてもらった通りに進んでも、結局森からは出られなかった。
ウンスは、またもやこの家に戻ってくることに。


ヨンヒは嬉しそうにウンスに駆け寄る。
「よく考えてみてよ。電話がつながらないのにどうやって知らせるの?修理は呼んでないよ」
マンボクは告げる。
「電話機はどこだ!」
ウンスは探し回るが、電話機すらなかった。


夜、ヨンヒらはお絵かきを楽しんでいた。
ウンスがヨンヒの描いた絵を見ようと取り上げると、マンボクが声を荒立てる。
「僕らのものに一切触れるな」と。


マンボクは家を出られないから案内できないと、ウンスのために出口までの地図を描いてくれた。
その地図を辿って進むウンス。


すると向こうから一組の男女が。
「この先は進めない、雪が降っているから」
二人はウンスに向かって忠告する。
そして、「あっちの方に家があると聞いた」と告げる。
その言葉を聞いたウンスは驚く。
誰に聞いたのかとウンスが尋ねると、男女の後ろからマンボクが現れる。
しかも、ウンスのことを
「삼촌(サ ムチョン:叔父さん)」と呼ぶの だ。
「これは子供らの策略だ!」
ウンスは感知し、男女にも来た道を戻るよう忠告し、男女が来た道を慌てて進んでいく。

赤い花(葉?)が咲き乱れる中に、壊れた赤い電話機が....

ウンスは、結局森からは出られない。
ウンスは子供らの家の中に怒鳴り込んでくる。
「どうして俺を帰してくれないんだ!」と。


ウンスはテレビを見ていて不審に思う。
チャンネルを変えても同じ番組しか映らないのだ。
しかも、他の番組が映ったかと思えば、時期外れのクリスマスのニュースだ。
恐る恐るテレビの裏側を覗き込むと、テレビのコンセントは抜けていた。
訝しげに子供らをみつめるウンス。


雪の中で出会った男女。ピョン執事と名乗る男の妻が部屋の中を物色していた。
「ここからは、何も持ち出せない」
ウンスは忠告する。
ウンスはマンボクらの部屋を何気なく物色する。
そこには、「ヘンゼルとグレーテル」という絵本があった。
ペラペラとページをめくると、マンボクらの写真が貼り付けられていた。


「また僕のものを触ってる!」
マンボクが声を荒立てる。
マンボクに対し、ウンスも怒りを露にし、腕を掴む。
すると、マンボクの怒りと共に腕から煙が出て燃えるように熱くなった。
驚くウンス。
それを見ていたヨンヒはその場を取り繕う。
「ウンス오빠、外で雪だるまを作ろう。マンボク오빠を怒らせないで。ね?」と。


そして、夜。
屋根裏から聞こえる不審な声...
屋根裏へ上ると、家を出て行ったはずの母親が見るも無残な格好で脅えていた。
しかも、自分は子供らの本当の母親ではないという。
子供らが夫をどこかへ連れて行った。どこにいるのかもわからない。
日が沈んでから、自分はここへこっそり隠れていたのだと。
この家も森と同じく迷路だと。どうやっても元に戻る方法がないと、母親だと言っていた女は告げる。


ピョン執事の妻の指輪がなくなった。
ピョン執事の妻は、ヨンヒらを問い詰める。しかし、ヨンヒらは知らないと告げる。
「このアジュマ嫌い。もう我慢できない」
ジョンスンがマンボクに告げる。
怒ったピョン執事の妻はジョンスンの頬を叩く。


ジョンスンを叩いた女に怒ったマンボクは、念力でシャンデリアを女の上へ落下させる。


「この家で、いったい何が起きているんだ」
ウンスはヨンヒに尋ねる。
「もう出発しないと、本当に...」
ウンスは告げる。
「오빠は、そんなに私たちが嫌い?どうして離れようとするの?このままここで暮らすことはできないの?」
ヨンヒは告げる。


マンボクは屋根裏から聞こえる物音に不快になった。
母と言っていた女の絵をノートに描くと、怒りと共に真っ赤に塗りつぶした。
夜。ウンスが女を捜しに行くと、女は人形にされ壊れていた。


「何か話を聞かせて」
と、ウンスにせがむジョンスンとヨンヒ。
ウンスは語り始める。
ある国に王様がいて早くに亡くなった。王妃は王子を天使たちの宮殿へと送った。(孤児院で育ったんだね)
だが、宮殿の主人は天使たちを嫌っていた。彼は理由もなく天使たちに罰を与えた。恐ろしい人だった。
王妃は王子を捜しに来たが、捨てられた記憶が王子を以前のようには戻れなくしていた。
王子は大人になると宮殿を出た。そして隣国の姫に出会った。
姫は愛する王子の子を宿した。
だが、それを知ったその日王子は、王妃が危篤だと知る。
王子は深い森を突き進み王妃の元へと向かったが途中で馬車が横転してしまった。
倒れている王子に一人の妖精が近づいた。
怪我をした王子は妖精と共に魔法の城へ向かった。絶対に出られない... 魔法の城に...

ヨンヒは自己弁護するかのように尋ねる。
「妖精たちは、王子を帰したくなかったんでしょ?そうでしょ?」
ウンスは答えずに話を続ける。
王子が姫の元へ行かなければ、お腹の子供は死ぬかもしれない。
病気の母親の面倒も看られない。

その時、マンボクが現れる。
「だけど妖精たちは想像するだけで何でもできた。王子は既に妖精たちを可愛がっていた。
そして、ずっとずっと幸せに暮らしました。終わり」
マンボクは告げる。
そしてジョンスンのネックレスに指輪をつないでやる。
「向こうで拾った」と。
それは、前に指輪を失くしたと騒いでいたピョン執事の妻の指輪だった。
血相を変えるウンス。
「だが、王子は妖精らの恐ろしい秘密を知ってしまった。それに、妖精らが善良でないことも」
ウンスは告げる。
「王子は何度も逃げ出そうとしたんだよね。それで怒った妖精らは王子の足や腕を切り落とした、あんな風に」
マンボクは頭と胴体しかない石造を指差す。
恐ろしくなるウンス。


ウンスはピョン執事に人形にされた女を見せようと屋根裏に連れて来る。
しかし、女の姿は消えていた。
ピョン執事は宝石の詰まった箱を見つけ、ほくそ笑む。
「今思いついたが、この家をあの方に差し上げたい。そして私は本当の執事となるのだ」
ピョン執事はつぶやく。
「この家には何かある。後悔するぞ」
ウンスは忠告する。
「天使は悪魔と同じように騙すのさ。万が一、天使があの方の事業を邪魔するならば、元の場所へ帰せばいい。
知ってるだろう?天国」
それを聞いたウンスは愕然とする。
「あんた、いったい何者だ!!」
ピョン執事は、ウンスを脅す。邪魔すればお前も.... と。


ウンスは何気なく冷蔵庫を覗く。すると、見覚えのある生地が。
ここに来た日の翌朝、父と名乗る男が着ていた服と同じ生地だった。
その生地をめくると、生肉の塊が。恐れおののくウンス。
もしや、この肉は....


ウンスはパン屑を撒きながら森の中を歩く、すると木に人面が。
いなくなったピョン執事の妻が木と同化していた。
恐ろしくなるウンス。
すると、マンボクが現れる。マンボクは森の中のドアを開け、中へ入っていく。


マンボクが去った後、ウンスもドアの中へと入り込む。
そこには、「待ち望んだオンマ、アッパ」と書かれたノートがあった。
ウンスが連れてこられたように、ヨンヒが二人の男女を案内し家に連れて来る絵が描かれていた。


そして、男の手が鍋で茹でられる絵が描かれている。


そして、人形にされ殺された母親。
このノートの中の出来事は、全て真実なのだ。
ウンスは驚愕する。


そこへヨンヒがやってきた。
ヨンヒのために暗い部屋の中へロウソクを灯してやる。
しかし驚くことに、ヨンヒの顔が年寄りのように老いていた。恐れおののくウンス。


ウンスは、三人の兄弟の記録簿をみつける。
何と、マンボクは1959年生まれ、ヨンヒは1960年生まれ、そしてジョンスンは、1965年生まれだった。
恐ろしさのあまりに走って逃げ出すウンス。


しかし、行き着いた先は絶壁の断崖だった。絶望するウンス。

一方家では、ピョン執事はジョンスンを人質に取り、この家の登記簿を出すよう要求していた。
「俺は幼い頃、オヤジを天国に送ってやった。俺に迷惑をかけるから」
ピョン執事は語る。
「お前も俺のようにやったのか?両親を」
ピョン執事はニヤリと笑う。
マンボクの怒りが爆発する。念力で柱をピョン執事の上に落下させる。
それでもピョン執事は、執拗に三人の子供をナイフで傷つけようとする。
「あの方の家を悪魔から取り戻してみせます」
マンボクが背中をピョン執事に切られる。
マンボクの怒りは頂点に達し、念力でピョン執事の首を絞め始める。
そこへウンスが飛び込んでくる。
「マンボク!やめろ!」


「ここでいったい何があったんだ」
ウンスは声を荒立てる。
ヨンヒが静かに語り始める。

私たちは、ずっとずっと前からここで暮らしていたの........



ずっとずっと昔、この場所は孤児院だった。
子供らは皆虐待され、ヨンヒは院長に性的虐待まで受けていた。


ある日、孤児院にサンタがやってきた。
三人は、サンタからお菓子と、ヘンゼルとグレーテルの絵本をもらった。
そしてサンタは告げる。
今日から、君らは想像するだけで... 願いさえすれば全て叶う、と。
三人は、皆を虐待する悪い大人.... 院長をまず殺した。
また同じように、悪い大人を殺さねばならない。


三人は、院長を殺した時と同じように、徐々にピョン執事へと歩み寄る。
憎しみと怒りを抱きながら。


ピョン執事は三人の子供らに打ちのめされた。
三人は今度はウンスに歩み寄る。
「一生... 永遠に一緒に暮らそう?ね?」と。
「お前らも、この呪いから解かれるんだ。ここから出るんだ。형(ヒョン)が助けるから。
ここを出て、大人になって... 友達も作って....」
ウンスは必死で諭す。
「大人は嫌い!」
ジョンスンは言い放つ。
「お前達もこのままでは、悪い大人と同じになってしまう」
ウンスは諭す。
「いいや、俺たちは違う。皆同じだ。俺たちが本当に好きになると、俺たちから離れようとする。」
マンボクは反論する。


ヨンヒは涙をボロボロ流しながらウンスに歩み寄り、ノートを渡す。
ノートには、「삼촌(サムチョン:叔父さん)との永遠の幸福」と書かれていた。
ウンスは思い出す。
ノートに書かれたことは現実になるのだと。
自分は永遠にここで生きることになる。
ウンスは愕然とする。
「ヘヨンに会いたい... 愛する者がそばにいない寂しさを、お前らが一番よくわかってるんじゃないか?」
ウンスはヨンヒを抱きしめ涙を流す。
「오빠は他の人とは違うと思ったのに。本当に好きでいてくれると思ったのに、どうして離れていくの?」
ヨンヒは涙ながらに訴える。
「今までは自分だけが不幸だと思っていた。ここからも離れようとしてばかり... だが、今は違う....」
ウンスは涙を流す。
「私たち悪い子じゃないわ。なのに、みんな悪い子だって言うの。そんなに悪いことをした?」
ヨンヒはポロポロと涙を流す。
 「ごめん... 本当にごめん... 全てのことが...」
何度も謝りながらヨンヒを抱きしめるウンス。


ヨンヒはウンスの耳元で囁く。
「ノートを燃やすの、早く!私たちの想像の中から記憶を消すのよ」
ウンスは慌ててライターでノートに火をつけようとする。
「형!永遠に俺たちを守ってくれるんじゃないの?」
マンボクはウンスに歩み寄る。
しかしウンスはノートに火をつけた。


炎の向こうに悲しげな三人が見える。
ウンスは気を失う。


気が付くと、事故現場に戻っていた。


時が流れ、子供も生まれすくすくと育っていた。
(中絶させようとしてたんだよね、親になる自覚がないのに無責任だと)


だがウンスは気になって仕方が無かった。
「あの場所での出来事が全て夢だったなら、子供達のことがこんなに心配にならなかった。
あそこは、どこだったのだろう」
ウンスは新聞記事のスクラップブックを広げる。
それは、あの森付近での事件、事故関連の記事だった。

  児童連続殺人犯人はどこに?
  犯人ピョン・ジワンの乗った逃走車両、37号線で発見
  連続犯は誰なのか?宗教団体の執事に偽装
  車両事故と失踪の37号線は死のロード

あの家での出来事は、全て現実であることを物語っていた。


ウンスはふと、ノートが落ちていることに気づく。
ページをめくると、幸せそうに三人で笑っている子供らの絵が描かれていた。
三人でも幸せだよ... そんな言葉が聞こえてくるようだった。


ウンスは絵を見ながら涙を流す。
窓の外では、マンボク、ヨンヒ、ジョンスンが雪の中家へ向かって歩いていた。

END

三人に、ウンスの愛が伝わったのよね?きっと... でも、せつないわよぉぉぉ



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