僕の彼女はサイボーグ  Cyborg Girl 
 原題:サイボーグ・彼女 싸이보그 그녀 (サイボグ クニョ) <2008>

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20歳の誕生日。祝ってくれる友達もいないジローは、街で“彼女”と出会う。最 高に楽しい一日を過ごすが、誕生日が終わる頃、彼女は姿を消してしまい、それから会うことはなかった。

1年が過ぎ... 去年と同じように一人で誕生日を祝っているジローの前に、“彼女”は現れた。必ずまた会えると信じていたジローは喜ぶが、再会した彼女 は何だか去年と違うような…。実は、“彼女”は未来から送り込まれたサイボーグだったのだ!

日本公式サイト:http://cyborg.gyao.jp/

【予告編】

監督 クァク・ジェヨン(郭在容) <1990>雨降る日の水彩画、<1991>秋の旅、<1993>雨降る日の水 彩画2、
<2001>猟奇的な彼女、 <2002>純愛中毒(脚本)、<2002>ピアノを弾く大統領(脚本)、
<2003>ラ ブストーリー、<2004>僕の彼女を紹介します、 <2006>デイジー(脚本)、
<2008>僕の彼女はサイボーグ(日本映 画)、<2008>最 強☆彼女(制作: 2006年)

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【レビュー&ネタバレ】
2008年5月31日公開。
彼女シリーズ第3弾であり、最終章と言われている本作品は、日本での映画化となった。
観客動員数、約52万人
「大ヒット!」という文字をよく目にするが、少しも大ヒットではない.........
興行収入から見ても大赤字。
12億円の制作費をかけ、興収は約6.5億円
 
綾瀬はるかのプロモーションビデオ

とも言われるが、それも頷ける。
作品の稚拙さに比べ、綾瀬はるかだけが異常に可愛すぎるからだ.........
まさに’萌~’なんでしょう。
映画の完成度が高ければ、綾瀬はるかもそれなりに評価されたでしょうけれど、
可愛さだけが取りだたされるだけとなりました。
もし、この映画を韓国で映画化するとすれば、誰がキャスティングされたのでしょう。
やはり彼女シリーズなので、チョン・ジヒョン?
チョン・ジヒョンなら、綾瀬はるかよりも映画はよくなったでしょう。
ですが、この役はやはり綾瀬はるかのハマリ役であると思います。
こんなに可愛いサイボーグは誰にも演じられないでしょう。


時空を超えたラブストーリー

という、とってもロマンティックな、女性好みの作品。
シナリオはよかったのでしょう。
ですが、意図した感動を表現しきれなかった感じですね。
複雑な構成のため、観客だけが置いてけぼりではないでしょうか。
意表を突くどんでん返しには言葉を失いますが、
心震わす感動が味わえなかったことが、とにかく残念。
名作になり損ねた名作。
ジローの20歳の誕生日に出会った彼女との最高の1日を、
観客も彼女に惹かれてしまうほど強烈に描いて欲しかったですし、
その後1年間、ジローが彼女のことをどれだけ思い続けてきたかが伝わらなければ、
感動のラストにはならないでしょう。
1年後。彼女と再会し同居生活が始まり、ジローは彼女に惹かれていくということですが、
ジローが惹かれる彼女の魅力が少しも伝わりません。
サイボーグである彼女の心に、少しずつ感情が芽生えていく過程を丁寧に描いて欲しかった。

ジローにしても、’心優しい’というキャラクター設定のようですが、全く感じれず。
彼女に対するせつない想いも伝わらない上に、
彼女の心が伝わらないとキレてしまう.....
まるで’思い通りにならないとすぐキレる現代の若者像’のような不快さが残るだけ。
もしチャ・テヒョンが演じていたら......
こんなシナリオでも、彼の持ち味で観客を納得させてしまったかもしれませんね。
猟奇的な彼女が、キャ ラ、俳優共に素晴らしかったことを改めて思い知らされます。
小出恵介も、思ったより悪くなかったんですが.......

ジローの幼少時の過去へ旅するシーンなど省いて、
もっと二人のラブストーリーに力を入れて欲しかったですね。
映画自体は賛否両論でしょうけれど、ラブストーリーとしては失敗でしょう。
あの二人にハマれた方であれば、せつなく感動的なラストを味わえたでしょうけれど。
あのラストは納得できないわ。
二人の間にそこまでの愛情が芽生えていたと思えないのに、全てを捨てて過去に戻るかしら。

少しも満足できない映画でしたが、何度か観たくなると思います。
クァク監督作品好きの方なら、’面白い’’つまらない’だけではない何かがあることがわかるでしょう。
一種のマニア向けかもですね。


日本映画であって、韓国映画

あまり期待せず見始めたのですが、広がる世界はまるで韓国映画でした。
ノスタルジックでレトロ、ロマンティックな映像美。
日本で撮っても、こんなに美しいなんて!
異国情緒溢れる神戸の街があまりにも美しく、ため息が出るばかり。

ジローが時計をみつめていたトアロード、
彼女が未来から降り立った明石町筋、
服を失敬した大丸神戸店、
道を挟んで並んで歩いた浪花町筋、
二人が逃げ込む南京町、
二人が食事した旧居留地十五番館、
伊武雅刀が映し出されるミント神戸ビジョン、
ジローが投げ飛ばされる噴水は、東遊園地

ジローの住むアパートも、ツタの絡まる洋館風な屋根部屋。
まさに韓国映画!まさにクァク・ジェヨン!




あらゆるモノが美しく、ファンタスティック。
日本映画でありながら、韓国映画のテイスト満載。


ネ タバレしていきます。ご注意を。



強くて可愛い彼女

クァク監督の作品ならば、強くて可愛い彼女はお決まり。
但し、この映画の’彼女’はサイボーグなのである。
強いのが当然。
そして、可愛いのは顔だけ。
多くの人々に愛される猟奇的な彼女の ヒロインは、
可愛らしく清純な顔に似合わない凶暴さ、
しかし一貫した哲学を持ち、愛の前においては一途な可愛らしい女の子であった。

だが、この映画のヒロインは、
デパートで万引きするわ、無銭飲食するわ、リンゴも盗むわ、
しまいには、ペットを殺して食ってしまう......
こういうヒロインは、moca的にはちょっとねぇ。


やはり、韓国で撮るべきだった?

演技力不足.... 以前に、台詞回しが不自然でおかしすぎる。
まるで舞台のよう... というか、学芸会。
元々シナリオは韓国語であったからか?
なんだか、韓国映画に出てくる日本人のようなしゃべり方なのだ。
不自然で違和感があり、これも映画に入り込めなかった原因の1つである。
綾瀬はるかの台詞回しは、元々ちょっとおかしかったけれど、
小出恵介までヒドイ有様。
それも含め、韓国で韓国俳優を起用し撮っていたら、
もう少し笑える映画になったと思えてならない。


韓国語のセリフは、監督の遊び心?

2133年の未来で、綾瀬はるかと吉高由里子の会話に韓国語が登場します。
DVDの字幕では(日本人なのに日本語字幕で見る人)
「ヨギ」 「マルナンダ」 となっておりますが、
「マルナンダ」という韓国語はおかしいでしょう???
「ヨギ」も「ここ」という意味ですから、間違いです。
字幕は信用してはいけないうようです。
正解は、「저기(チョギ:あっち)」と、「말도 안돼(マルド アンデ)」だと思います。
マルド アンドェは、「話にならない」とか、「信じられない」という意味で使います。
この場合は、「信じられない~」でしょう。

さて、なぜ韓国語のセリフを盛り込んだのか.....
2133年の未来では、日本と韓国の国境はなくなっているという願いが込められているのでは?
通貨も’円’ではなく、’キャップ’となっておりますので、
少なくとも、現在の日本はなくなっているように思われます。
韓国が日本に合併したのではなく、「’1つになった’という願い」と解釈するのが一番ではないでしょうか。


’彼女シリーズ’最終章

彼女シリーズは、’別れ’そして、’出会い’がテーマとなっております。

第一弾 猟奇的な彼女では、愛する彼 と死に別れた彼女の前に現れた
      彼とそっくりの男との出会い、そして別れ、再会。
第二弾 僕の彼女を紹介しますでは、愛する彼と死 に別れた彼女の前に現れた男性は、
      死んだ彼が、悲しみに暮れる彼女のために紹介した男性であったという話。
第三弾 僕の彼女はサイボーグでは、愛する彼女 と死に別れ悲しむ男の前に現れた彼女。
      時空を超えた壮大な出会いを描いています。


【出演者】

ジローの友人ケンタには、 桐谷健太
年老いたジローに、納谷六郎
未来の彼女の同級生、吉高由里子
クラブでジローと知り合った女に、阿井莉沙
立てこもり事件の教師に、佐藤めぐみ


そして、特別ゲストは豪華出演陣。
しかし松本莉緒は、’撮影に挑んだデザイナー役の伊武雅刀とインタビュアーの松本莉緒’という
ニュース記事を見なかったら全く気づきませんでした!彼女である意味がない..........

デザイナー 伊 武雅刀、インタビュアー 松本莉緒 無差別殺人犯 田口浩正
大学教授 竹中直人 駄菓子屋主人 蛭子能収
ジローの祖母  吉行和子 リポーター 小 日向文世
オークション主 催者 遠藤憲一 彼女の父 寺泉 憲





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