オアシス  oasis 
 原題:オアシス 오아시스(オアシス)<2002>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×

×

×

×

×


オアシス

ひき逃げ事件を起こしたジョンドゥ(ソル・ギョング)が、2年6月の刑を終え刑 務所から出所する。 その間に宿替えしていた家族を訪ねるが、みな露骨にわずらわしい表情をみせる。

ある日、被害者の家族を訪ねたジョンドゥは、たまたま古くてみずぼらしいア パートの居間に置物のように一人ぽつんと残された障害者のコンジュ(ムン・ソリ)と 目が合う。

ジョンドゥは、不思議な感情でまた女を訪ねる。

ジョンドゥは、女を相手に紛らわしい欲情を感じるが、女は恐れに歪んだ身振りをする。ジョン ドゥは、女が奇麗だと思い、それで触ってみたかっただけだった。

ある夜、悪戯のような電話がかかってくる。電話の主は、意外にもあの女だ。コンジュは、重 度脳性マヒの障害者だった。兄夫婦が引越 した日、面識のない男の影が見えた。行動が不自由な彼女にとって最も耐え難いことは、部屋の中にかかったオアシスの絵に夜ごとちらつく影だ。

ある日、コン ジュのアパートに男が入ってくる。コンジュは、男を見たこと、その男が自分の体を触ったこと、痛かったことまで、すべて生まれて初めて のことだった。

男が消えた後、コンジュはオアシスの絵と夜と一人という事実が耐えれない程に怖かった。何を思いついたのだろうか。コンジュは、 かろうじて身を処し、電話をかけ始める。愛、オアシス。ジョンドゥとコンジュは、はじめて愛を知るようになる。

あらゆる人が嫌う男ジョンドゥと、世の中か ら疎外された女が描き始める愛は、粗雑でならない。電話で話し始め、デートをし、ジャージャー麺を食べたり しながら、二人は徐々に感情を交わし始める。

コンジュは、愛の中では健常者となり笑って話し、ジョンドゥは、愛の中では愛する女を胸に抱く落ち着いた 男だ。二人は、オアシスの絵の前で踊って愛を分かちあうが、運命は時に残酷に交錯する。

【予告編】

監督 イ・チャンドン(李滄東) <1997>グリーンフィッシュ、<1999>ペ パーミント・キャンディー、<2002>オ アシス
<2007>シークレット・サンシャイン、 <2010>詩

出演

ソル・ギョン グ(薜景求)

出演作品一覧

ムン・ソリ

<1999>ペ パーミント・キャンディー、<2002>オアシス、 <2003>浮気な家族、<2004>大統領の理髪師、 <2005>愛してる、マルスンさん、 <2006>チ・ジニ×ムン・ソリ 女教授<2006>家 族の誕生
<2008>私たちの生涯最高の瞬間、 <2008>謝罪(制作2005年)、<2009>飛べ、ペンギン、
<2010>小さな池

<< HOME

【レビュー&ネタバレ】
これはスゴイ映画だと思う。
既成概念や、価値観を思いっきり覆される。
ただ、’好き’か、’嫌い’かといえば、まったく別。
mocaはかなり苦手。
北野作品はスゴイとは思うけれど、観たいとは思わない・・・ということと同じ。
mocaが映画に求めるのは、’ドラマティック’、’ロマンティック’なもので・・・
あまりにも生々しくリアルで、引いてしまう・・・
痛いのだ・・・
それが狙いなのかもしれないけれど、
主人公二人に共感できずじまい・・・
元々興味がなくて・・・手出しせずだったのだけれど、



↑の雰囲気がよいので、観てみようかなぁ・・・と思ったのが間違い・・・

簡単に言えば、’あらゆる人間が嫌う男’と、
’世間から阻害された重度障害者の女’のラブストーリー。
ムン・ソリは、知らない人が見たら
’本物の障害者?’と勘違いしてしまうほどの白熱の演技。
だからこそ、リアルであり、
’ドキュメンタリー’を観ているような感覚になってしまう。

人間の本質を鋭く描いた作品です。

観客は、普段’その男を嫌い’、’女を阻害する’立場にあるでしょう。
けれど、この映画を観ていると、
我々の方が’嫌われ’’阻害されるべき’人間であるように思えてしまう。
観客と同じ目線にあるのが、コンジュの家族と、ジョンドゥの家族だ。
二つの家族は、自分たちの方が’まとも’で、
コンジュやジョンドゥが世の中のお荷物だと考える。
ジョンドゥのような人間が周りにいたら、きっと関わりたくないだろう。
けれど、尺度を変えれば・・・
ジョンドゥの方が純粋で、汚れがなく・・・
我々の方が汚れている・・・ズル賢いだけだ、と思わされてしまう。
ジョンドゥの家族も、コンジュの家族も本当にひどい。
けれど、彼らは我々の代表者なのだ。
mocaだったら、とてもあんなことはできない!と思うけれど・・・

ジョンドゥは周囲の厄介者だけれど、
兄が起こした死亡事故で、身代わりで刑務所に入ったのに、
出所してみれば、家族は姿を暗ましていたのだ。
(まぁ、その前に暴行、強盗未遂の前科があるのだが・・)

コンジュはといえば、障害者のために用意された新築マンションに、
兄家族は引っ越して行き、
コンジュは一人古びたアパートに一人残されるのである。
普段の生活は隣人の奥さんに金を払って押しつけて。
国はそんな家族が現れないよう、定期的にマンションを巡回し、
障害者本人がそこで暮らしているか確認するのだが、
その時だけ、コンジュは連れてこられるのである。
そんなひどい扱いを受けても、コンジュは文句一つ言わないのである・・・


この映画はリアルでありながらファンタジーだ。
ラストの’残酷な結末’は、ある意味’幸福’なのだ・・・
二人が愛し合うことはいい。
心から祝福を贈りたい。
だが、世の中はそれほど甘くない。
しかし、あのジョンドゥがコンジュを抱えながら、世の中を渡っていけるとは到底思えない・・
これが現実ならば、もっと過酷な結末が待っているはずだ。


二人の愛はお互いに、疎外される社会のなかで生きる “希望の光”となる。
コンジュの部屋の壁に掛けられた’オアシス’の絵。
二人がこの“オアシス”の世界に入り込む幻想シーンは、
二人の心と心が最も通い合う安らぎの世界でもある。
監督の天才的気質を感じる。


ストーリーとしては、
出所したジョンドゥは、被害者の家に挨拶に行き、重度障害者コンジュを見かける。
コンジュが気になるジョンドゥは花束を持ち、再びアパートを訪ねる。
そして、コンジュと話しているうちに、
ジョンドゥはコンジュを抱きしめ、服の中に手を入れ乱暴しようとするが、
コン ジュはショックで気絶してしまい、未遂に終わる。

そして、夜中。コンジュはジョンドゥに電話をかける。
’どうして 私を気に入ったの?’と。
翌日、ジョンドゥは、再びコンジュを訪ねる。

「コンジュは姫という意味ですね」
「ジョンドゥは昔の将軍の名前ね」
「これから、姫様とお呼びします」
「では、私は将軍と呼ぶわ」

そうして、二人は普通の恋人のようにデートを重ねる。
初めての愛に陥る二人は、愛の中では健常者となり、
ジョンドゥと楽しく会話するコンジュがおり、
愛する女性を胸に抱え、落ち着いた男性ジョンドゥがいる。
二人はようやく、自分の居場所をみつける。

しかし、二人の行く先には残酷な事件が待っていた。
’抱いて’というコンジュを、ジョンドゥは優しく抱くが、
そこにコンジュの家族が現れ、コンジュをレイプしようとしていると思い込み、
ジョンドゥは逮捕されてしまう。
ここでまた、コンジュの兄は最悪。
妹の心配をしているように見えるけれど、目的は慰謝料だ。

ジョンドゥは警察から脱走するが、結局捕まってしまう。
時が流れ、コンジュにジョンドゥから手紙が届く。

 姫様、愛しい姫様。将軍でございます。
 お元気でいらっしゃるでしょうか?私も毎日元気でございます。
 臭い飯も食べてます。
 臭い飯とオサラバして、豆腐が食べたいです。
 シャバに出たら、美味しいものご馳走致しまする。






<< HOME

inserted by FC2 system