マイ・ブラザー  My Brother  
 原題:うちの兄貴 우리 형(ウリ ヒョン) <2004>

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マイ・ブラザー

1990年代後半。トンソン男子高校の同じクラスに、年子のキム兄弟が在学中 だ。ハンサ ムな顔に喧嘩まで強い「喧嘩1等級」の弟ジョンヒョンと、限りなく人がよくて明るい「内申1等級」の兄ソンヒョン(シン・ハギュン)。 口唇口蓋裂で生まれた兄だけを、幼い時から偏愛してきた母のために17年目の交戦中だった兄弟は、ある日、近隣地域で最高の女ミリョン(イ・ボヨン)に同 時に一目惚れしたこ とで2ラウンド目に突入する。

これまで我慢してきた感情が爆発して争った日、ソンヒョンは、これまで弟にできなかった話をする。

「ジョンヒョン。お願いが あるのだけれど、一度でいい から<兄さん>と呼んでくれないか?」

生まれて一度も兄を兄と呼ばなかった弟と、弟が自分の初恋の人とつきあうのが羨ましかっただけに、自分にだけ向け られた母の愛が負担になり、弟に申し訳なく思う兄。しかしジョンヒョンは、ソンヒョンを<兄さん>と呼ぶことはなかった・・・

日本公式サイト:http://www.my-brother.jp/

【ミュージック・ビデオ】

監督 アン・グォンテ <2004>マ イ・ブラザー、<2008>目には目、歯 には歯

出演

ウォンビン (元斌)

出演作品一覧

シン・ハギュ ン(申河均)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
ウォンビンの入隊直前の作品。
この映画を観たのは随分前な感じが・・・入隊してそんなに時間が流れているのね・・・
なんとなく温かくて、なんとなく悲しくて、、なんとなく笑える・・・
肩に力を入れず、構えず、ゆるりと観れる映画。
mocaは韓国映画らしくて好きよ。
すごくいい映画だと思うわ。
兄弟愛、親子愛・・・韓国の情を感じるわ。
mocaは、
母さんが2枚で100 円のパンツを履いてるって知ってるか?
というセリフが一番好き。
せつないほど息子たちへの愛を感じるわ・・・

この映画を観た時には、イ・ボヨンの存在を知らなかったので、
後でヒロインがイ・ボヨンだと知ってビックリ。
<ラストダンスは私と一緒に>のスジン。卑劣な街の ヒョンジュでございます。

ソンヒョンと(シン・ハギュン〉とジョンヒョン(ウォンビン)は、年子の兄弟。
ソンヒョンが
兎唇で手術をしたために、高校の同じクラスで学んでいた。
気が弱くおとなしい兄 は、学年のトップ。
そして、うまく言葉で伝えられない分、詩に才能を発揮していた。
一方弟は、喧嘩に明け暮れる毎日。
周りが兄ばかり大切にしていることが気に入らず、ますます粗暴になっていく。
文芸部に入れば女子高との交流ができると知ったジョンヒョンは、
詩に興味などなかったが参加することにした。
そこには撞れのマドンナ、ミリョン(イ・ボヨ ン)がいるからだ。
しかし、不良グループのリーダー、オクスは
「ミリョンは俺のオンナだ!」と言いがかりをつけ、決闘が飴まっ た。
ジョンヒョンが危機に陥った時、大人しいソンヒョンがオクスに飛びかかる。
殴られても蹴られても、ソンヒョンはオクスの足にしがみついて離れない。
喧嘩には勝ったものの、母(キ ム・ヘスク〉が学校に呼び出される。
ひたすら頭を下げる母だったが、帰り道で
「一人が殴られたら、二人で殴り返しなさい。それが兄弟というもんだ」
母は二人を叱るどころか、褒め称えるかのような言葉をかけた。

この母がいいのよねー
キム・ヘスクはさすが!とい う感じね。母親No.1だ わ。
韓国では、兄・姉が弟・妹を 守り、面倒を看、下の者は上 の者を敬う・・・と思ったら、
一概にそうとはいえないの ね。
兄弟がいたら、一度は味わっ たであろう悔しさ・・・
ジョンヒョンの気持ちもよく わかるわ・・・

詩の発表会が近づき、ミリョンを落としたいジョンヒョンは、ソンヒョンのノートを盗み見する。
「四つ葉のクローバー」というタイトルの美しい詩と、ミリョンの似顔絵が描かれているのを見て、
兄もミリョンに密かな想いを寄せていたことを知る。
発表会 当日。
「僕が1枚の葉になって、あなたを四つ葉のクローバーにしてあげます…」
と朗読し、やがて2人は付き合い始める。
海辺 で二人はキスをするが、ソンヒョンは偶然目にし、呆然となった。
しかし、兄の詩を利用してミリョンの心を掴んだことで、
兄に後ろめたくなり、結局ミリョンと別れてしまう。

ソンヒョンは母の望み通りソウル大学医学部に合格する。
母は、医者の母が金貸しじゃいけないと、食堂を始めるために店を借りた。
医者の弟がプータローじゃいけないと、ジョンヒョンは浪人生として予備校に通わされる。

そんなある日、不動産屋が金を持ち逃げしてしまう。
ジョンヒョンは荒れ狂ったように怒鳴り込む。がしかし、失った金は戻ってこない。
母のために、兄を想う母のために・・・
ジョンヒョンはミリョンの兄ヨンチュン(チョン・ホビン)の事務所へと向かう。
危険を承知で、借金の取り立てを始める。

帰郷したソンヒョンに、ヤクザまがいの仕事を知られ、兄弟は激しく対立する。
荒れた心を静められぬまま仕事に向かったジョンヒョンは、荒れ狂ったように暴れる。
その店は、精神薄弱児である幼馴染ドゥシクの母が営む店。
泣き叫ぶ母と子を殴り、店の中を滅茶苦茶に壊すジョンヒョン。
壊せば壊すほど、虚しくなっていくだけ。
ジョンヒョンはヨンチュンの元へ行き、辞めさせてくれるよう申し出る。
落とし前をつけなければいけないことはわかっていたが、それでも心は軽くなった。
一人屋台で飲んでると、ソンヒョンが目の前に座る。
二人はいろんな話をした。
「一度でいいから<형(ヒョン:兄貴)>って呼んでくれないか?」と、
ソンヒョンは照れながら言った。
心が通い合ったかのような優しい時間が流れる。
けれども、いまさら
<형(ヒョ ン)>と呼ぶのは気恥ずかしい。

ソンヒョンは母と酒を酌み交わす。
「一人は可愛い息子、一人は夫の役目をさせてしまった。ジョンヒョンには可哀想なことをした」
という母の言葉を聞き、ジョ ンヒョンに伝えるソンヒョン。
わだかまりが消えた兄弟、親子。

明日の始発でソウルにソンヒョンが戻るという夜。
母の歯痛を止めるために鎮痛剤を買いに出たソンヒョン。
そして、雨が降ってくる。
兄を迎えに出るジョンヒョン。
そこへヨンチュンが立ちはだかる。
半死状態になるまでリンチを加え、立ち去るヨンチュン。
そこへドゥシクが通りかかる。
血まみれのジョンヒョンを見て、恐れおののき逃げ出すドゥシク。
ジョンヒョンが力を振り絞り立ち上がり、何とか歩き出すと
頭を殴られ血まみれになったソンヒョンが横たわっていた。

ソンヒョンはいつもジョン ヒョンが着ていた偽バーバー リーのコートを着て出かけ、
薄暗い雨の中、ドゥシクはソ ンヒョンをジョンヒョンだと 信じて疑わず、
ブロックで殴り殺してしまっ たと・・・
この展開にはビックリした わ・・・
自分の身代わりで死んでしま うなんて・・・
せっかく和解したばかりなの に・・・
あまりにもせつない展 開・・・
ジョンヒョンの苦しみと後悔 は相当なものよね・・・
けど、すべては金を持ち逃げ した不動産屋が悪いのよ。
あまりにも理不尽な世の 中・・・
あんまりだわ・・・
因果応報・・・それならば、不動産屋が痛い目に遭わなきゃなのに・・・

失意のどん底であるジョンヒョンと母。
そこへ、母へバラの花束が届けられる。
生きていればソウルにいるはずのソンヒョンからだった。

어머니(オモニ:お母さん) 誕生日おめでとう ソンヒョンだよ。
いつも一緒だったけど 、
家を離れているせいか、昔が懐かしいよ。
覚えてる?
어머니(オモニの誕生日に、兄弟で 作ったワカメスープ。
作り過ぎて一週間ずっと食べたよね。
神様はすべての人間の面倒を看れないから
母親を地上に送るんだって。
だとしたら、
어머니(オモニは手のかかる息子に 会ってしまったね。
어머니(オモニの人生を奪ったのは 僕たちだ。
でも、世話を焼かせた子ほど親孝行するものだよ。
任せてね。
僕が親不孝したら、ジョンヒョンに怒られる。
ジョンヒョンは元気?
会いたいな。
僕はいつも、あいつに申し訳なかった。
어머니(オモニを独り占めし て・・・
어머니(オモニ
これからはジョンヒョンに優しくしてね。
今そばにいるのはジョンヒョンだから。
어머니(オモニ・・・
いや、엄마(オンマ:ママ)
ずっと僕もそう呼んでみたかった。
大好きだよ。
僕たちのそばで幸せに長生きしてね。
いつまでも見守ってるから 。

またもや予想外の展開で、 涙、涙よ・・・
自分はその頃ソウルにいるから、誕生日に届くように注文しておいたのね・・
故郷に帰った時に花屋に・・・

こ の手紙がまた泣かせるわ・・・
この監督、一作目だなんて驚 きよ。次回作に期待しちゃう わ。
母親に溺愛される兄が羨まし かった弟。
母に言いたいことを何でも言 え、喧嘩できる弟が羨まし かった兄。
兄のように愛されたい弟と、
弟のように
엄마(オンマ) と呼んで甘えたかった兄。
なんだか、気持ちがすごくよ くわかって・・・せつない わ・・・

現像に出した写真を取 りに行った時、「誰が撮った写真です か?」と、聞かれ、
우리 형(ウリ ヒョン:うちの兄貴です」と誇らしげに答えたジョンヒョンの姿。
そして写真のソンヒョンの笑顔・・・
高校生時代、藤棚に寝転がりながら、
二人で青空を眺めていた時に言いかけてやめた言葉を、ひとり呟く。
「형(ヒョン)。もう、鉛筆を唇にはさんで練習しなくてもいいよ。ヒョンは十分にきれいな発音だから・・・」
ジョンヒョンは前向きに生きていくことをソンヒョンの写真と青 い空に誓う。
一度もソンヒョンを<형(ヒョン)>と呼んだことがなかったジョンヒョン。
一度でいいから<형(ヒョン)>と呼ばれたいと願っていたソンヒョン。
この世から去って、初めてソンヒョンのことを<형(ヒョン)>と呼ぶジョンヒョン。
このラストは、温かくて・・・優しくて・・・せつなくて・・・
すごくステキなラストよね。







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