二つの顔の猟奇的な彼女  Two Faces of my GirlFriend
 原題:二つの顔の彼女 두 얼굴의 여친(トゥ オルグレ ヨチン) <2007>

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二つの顔の彼女

大学7年生のプー太郎。金は一銭もなく、他人が食べ残した菓子を拾って食べる最 高凡人クチャン(ポン・テギュ)。腹がへり、床に落ちていた財布から3千ウォン(約300円)を取り出し、飯を買って食べるが、それさえも財布の持ち主の <アニ>(チョン・リョウォン)に見かってしまう。

その日からずっとクチャンの前に現れて、とんでもない行動を日々行うアニ。クチャンの歴史的な面接試験があった日、アニはクチャンに電話して 叫ぶ。「キチガイ女(미친년)と、一度だけ言って!」

別れた彼氏を忘れられず次々と事件を巻き起こす彼女に、愛など信じない童貞クチャンは、しきりに心が傾く。クチャンの生涯初めてのキスが成し遂げられよう とする瞬間、アニは急にパッチリ目を開けると、ク チャンの舌に噛み付き叫ぶ。「この野郎!」

アニではなく、体の中にいる別の人格の<ハニ>だという彼女。不良たちと1対4でも、やすやすと片づけて、ともすると悪口を浴びせる彼女のために、クチャ ンの顔にはアザが絶えない。しかし、自分が多重人格ということを知らないアニは、クチャンのアザができた顔を見て「どこで怪我したの?」と、問いただすば かりで、クチャンは当惑するばか りだ。そんな状況にも拘らず、愛らしいアニにますます溺れるクチャンは、ハニが出てきた時少しの間耐えればいい、まるで二股かけている気分だと冗談を言う ばかりだが、ある日、突然現れるハニの秘密に再び慌てふためく。

【予告編】

監督 キム・ソンフン <2006>放 課後の屋上、<2006>退勤後の屋上(制作中止)、<2007>二つの顔の猟奇的な彼女

出演

ポン・テギュ

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チョン・リョウォン 出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
2007年9月韓国公開。 観客動員数は、約71万人。
猟奇的な彼女のニオイが プンプン。
フタを開けてみれば、やはり猟奇的な彼女の 模造品。
タイトルの[彼女]ですが、日本語に訳すと猟奇的....も、二つの顔の...も、同じ「彼女」になってしまいますが、
猟奇的.... は [그녀(クニョ)]で、
二つの顔... は、[여친(ヨチン)]です。
[여친]とは、ガールフレンド(日本での彼女)を表す[여자친구]の短縮形。
猟奇的...は、「あの女性」的な[彼女]ですが、こちらは[恋人]という意味の[彼女]です。



模造品かと思ったら、邦題まで模倣しやがった!
最悪!




破天荒な女の子をヒロインにした三流ラブコメ。
それなりに楽しめます。
なのに、なぜこんなに興行が振るわなかったのか........
それは、キャラクターに魅力がなかったからでしょう。
チョン・リョウォンの演じるヒロインは、思いっきり猟奇的 な彼女の二番煎じ。
ポン・テギュの演じる主人公も、猟奇的な彼女の チャ・テヒョン。
強い女と、それに振り回される優しい男。
このシチュエーションは、模造品に対する嫌悪感しか沸きません。
真似ても、新たに魅力的なキャラクターとなってくれればまだよいですが、
まったく魅力を感じません。
何においても中途半端で、猟奇的な彼女の ような爽快で突き抜けた感がありません。、
ポン・テギュ演じる優しいダメ男も、ハンパすぎ。
胸を震わすような、感動がありません。
この程度の男なら、そのヘンにゴロゴロゴロゴロ。

キャラクターが魅力的でないからか、二人のラブストーリーも引き込まれない。
二人が惹かれあうことにも納得できず、
二人がそんなに惹かれあっていたことさえも、感じれず。
いつのまに好きになっていたんだ???くらいな。
なので、感動的なラストには結びつかず。
愛着のない二人に、何を感じろと?
二人の恋を応援する気にもなれない。

泣きの評価に「△」がついているのは、チョン・リョウォンとポン・テギュの恋に泣けるのではありません。
チョン・リョウォンと、チョン・リョウォンが忘れられない昔の彼との恋に泣けるのです。
物語が反転し、過去の回想シーンになった途端、胸がしめつけられて涙がポロポロ。
あまりにもせつなくて、悲しくて.....
映画を観終わるまで、その悲しみから抜け出せませんでした。
なので、逆にチョン・リョウォンとポン・テギュにはうまくいって欲しくなくなってしまったわけです。

過去の恋が忘れられず.....
ここも猟奇的な彼女にソックリです が、猟奇的な彼女がすぐさま新しい恋 に向かえなかったのに対し、
この映画は、あれほどまでに悲しくせつない恋なのに、すぐさまポン・テギュとの恋に向かってしまうのは
納得できなすぎです。

胸に響くセリフが詰まった映画ですが、
「愛とは、ホルモンの分泌によるもので、彼のホルモンの分泌が君より先に終わったんだ」
だなんて.....
これ、私の名前はキム・サムスンのセリフぢゃーん!!
セリフまで盗作かよ。
「神様は、欠陥品を作ったらリコールすべきじゃない?」
なんてセリフも、どこからか盗んだんでしょうね...
いいセリフなのに。mocaもリコールされたい。

監督は、<放課後の屋上>のキム・ソンフン。
<放課後の屋上>はキム・ソンフンの脚本ですが、今回はファン・イノという聞いたことない人。
キム・ソンフンは、<放課後の屋上>の続編、<退勤後の屋上>を撮る予定でした。
制作発表までしたのに、制作中止に。
<放課後の屋上>も、動員数は約80万人程度で、ヒットではありませんからね....
200万人を超えていたら続編制作できただろう.... というポン・テギュのお言葉です。
恐らく、<退勤後の屋上>の代わりに、この映画が制作されたのでしょうね。

ヒロインのチョン・リョウォンは、
キレイな女優さんに出演してもらえればヒットできる!
と、ポン・テギュ自らオファーしたそうです。

猟奇的な彼女とは違っ て、今回は多重人格の女の子のお話です。
チョン・ジヒョンが乱暴な女の子の影に可愛らしさをチラホラ覗かせる魅力的なキャラを演じたのに対し、
チョン・リョウォンは、全く別人... 二役を演じているわけです。
乱暴な女の子ハニは説明するまでもなく、そのまんま。
愛らしいアニという女の子は、ちょーーーブリっこ。
クラス中の女子から嫌われるタイプ。
けど、この手のタイプが好きな男にとっては、たまらなく可愛らしい女の子。
mocaが見てても、うわぁ、可愛いわぁ....と思ってしまうほど。
ただ、チョン・リョウォンはそんなに可愛いと思わないのよね........
今回、遠目では、思 いっきり蒼井優でしたが(笑)

【チョン・ク チャン】
ポン・テギュ
【アニ/ハニ/ ユリ】
チョン・リョウォン
【イ・シフ】
キム・テヒョン
【チョンユン】
キム・イングォン
【クチャンの 母】
キム・ヘオク
【クチャンの 姉】
イ・ヘウン

チョン・リョウォンの昔の彼を演じるのは、友情出演、雪の女 王のキム・テヒョン。
三枚目のキャラばかりを演じているキム・テヒョンが、正統派のイイ男を演じるのは新鮮。
ちょっとギコチなさを感じなくもありませんが。
とにかく、二人の恋の回想シーンだけは、見て欲しいですね。



クチャンの後輩、海洋少年団の三人組がまた、イイ味出してます(笑)



さて、い きなり結末ネタバレです。

単に破天荒な女の子に振り回されているだけの映画なので、
ストーリーなんて、ないんですよ(^-^;;

昔の彼が忘れられないというアニに、振り回されながらも惹かれていくクチャンなわけですが.....
アニは彼の部屋に忍び込み新しい彼女への婚約指輪まで盗んでしまう。
仕方なくクチャンはアニにつき合い、彼の部屋に指輪を返しに忍び込むわけですが、
「彼が帰ってきた!」
と、慌てるアニにクローゼットに押し込まれてしまう。
アニが隠れていることとも知らず、元彼シフは、新しい彼女と愛おしそうにみつめる。
「南極に行ってもやっていけるのか?この前の登山で骨折したくせに」
「フーフーしてくれたら大丈夫」
彼女の腕の傷跡に息を吹きかけるシフ.....
そんなシフを見て深く傷つくアニ。
そんなアニをクチャンは慰めるが、「耳がいいなぁ、俺なんにも聞こえなかったよ」と不思議がる。

シフが忘れられず、ストーカーのようにつきまとうアニ。
「明日、彼が南極に行っちゃうの。引き止めなきゃ」
アニはクチャンに告げる。
空港に向かったアニ。彼女と幸せそうにゲートに消えていく。
「行かないで!行かないで!」
シフに向かって泣き叫ぶアニ。
アニの声に振り向くシフと彼女。その彼女の顔は、アニの顔だった.........
「誰に向かって叫んでるんですか?誰もいませんよ?今日は悪天候で全便欠航になったんです」
空港職員はアニに声をかける。
その途端、アニは意識を失い倒れてしまう。
倒れたアニを迎えにきた姉。
姉はアニに優しく尋ねる。
「どうして空港なんかに行ったの?」
アニは答える。
「まだ、シフさんが生きてるような気がして............」


と、ここで物語が反転します。
このアニのセリフを聞いた瞬間、鳥肌が立ちました。
あまりにも予想外で......
そして、既に涙腺がユルユルに.......

アニというのも、多重人格の代理人格の一人だったわけで、
本当はユリという人格が、本物の人格なのです。
もちろん、ユリになった時には、クチャンのことは何も覚えていないわけです。
ユリをそんな多重人格にさせてしまったのは、愛する人の死。
自分を救うために死んでしまった愛する人。
それは耐えられなくても当然......
南極探検隊に加わったシフとユリは遭難してしまい、
倒れたユリを救うためにシフは救助を求め、そこで息絶えてしまうのです.....
シフのおかげで、ユリは救助されたのに......
防寒服さえも、ユリにかけてやっていたシフ。
ユリはシフが自分のために死んだという思いが拭えずにいた。

その頃、クチャンはTVでユリとシフのニュースを目にする。
二人が参加した南極探検隊の写真が映し出される。
そして、3年前に遭難したシフの遺体が発見され、本国に送還されると伝えた。

ユリに会いに行くクチャン。
そして、ユリの姉に全てを聞かされる。
ユリの多重人格の治療に、シフの遺体への対面が有効的だと話す姉。
しかし、病気が治れば、アニは消えてしまう......
クチャンの愛したアニも、アニの中のクチャンの記憶も......

遺体が送還される前日、クチャンはアニを海へ連れて行く。
海を見たことがないというアニのために。
「海には灯台があるものだと思った。そうだ、オッパが灯台になればいいんだぁ」
アニの言葉に、クチャンは懐中電灯を持って海に走り出す。
クルクル回りながら、灯台になりきるクチャン。
(このシーンは感動を狙っていたようですが、まったく感動できません)
アニはそんな優しいクチャンに泣きながら心の中で別れを告げ、空港へ向かう。
空港でシフの遺体と対面したユリ。
そして、治療を受ける。
「ダメだ!」
病院のベッドに横たわるユリに向かって泣き叫ぶクチャン。
しかし、アニの人格は消し去られてしまう。

時が流れ─

元気に公園をジョギングするユリ。
そんなユリを見守るクチャン。
クチャンを見ても、ユリは何の反応も見せない。

ユリは引越しのために荷造りをしていた。
ベッドの下から出てきたのは、クチャンが無くした携帯電話。
電源を入れるとクチャンの写真が待ち受けに!
(韓国人は自分の写真を待ち受けにする人が多いそうです)
それを見て笑い出す姉。

そして、ある日。ユリはクチャンに声をかける。
「おじさん、ストーカーでしょう?毎朝なんなの?」
クチャンは慌てて逃げ出す。

ユリに携帯電話を渡されたクチャンは言葉を失う。
「これ、18番の霊が持って.....」
そう、あの18番の幽霊がユリだったのだ。
二人は出会うべくして出会った運命だった。
(なんか、シラケル)
「チョン・クチャンさん」
ユリは姉から名前を聞いたと話す。
そして二人は口げんかになってしまうが、
クチャンが持っていたユリが好きな餅を仲良く食べだす。
昔ユリに教えてもらった食べ方だと、クチャンは話す。
「まだ変な泣き声がする。クルルと....」
それは、ユリとシフとの大事な思い出だった。
そして、アニとクチャンとの。
君が恋しい... と、クルルと泣く.......
「私、そんなことまで教えたんだ。気になるなら聞いてみたら?」
ユリはクチャンに耳を差し出す。
二人は仲良く耳を寄せ合う。
HAPPY END.



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