地上満歌  Elegy of the earth 
 原題:地上満歌 지상만가(キルロドゥレ スダ) <1997>

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地上満歌

不遇な家族史の陰から抜け出すことができず、絶望という刑罰の中をさまよう天才 音楽家クァンス(シ ン・ヒョンジュン)。

毎夜ハリウッドの映画社に自分のシノプシスをファックスで送り、世界的スターへの夢を育てる無名の俳優チョンマン(イ・ビョンホ ン)。

そしてバイオリンを専攻する音大生だが、大学を休学してアルバイトをする楽器店でクァンスと思いがけず出会った後、献身的な愛に陥るセヒ(チョン・ ソンギョン)。

映画と音楽を愛する彼らは、お互いを抱きしめ、絶望の果てから 'こだま' になって帰ってくる希望の賛歌を歌う。

監督 キム・ヒチョル <1997>地 上満歌

出演

シン・ヒョン ジュン(申鉉濬)

出演作品一覧

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
イ・ビョホンの日本での人気によ りDVD化された作品ですが、
主演は、シン・ヒョンジュンです。
イ・ビョンホンに感情移入して観ていると、
ラストでは、やるせなくなります・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっとそれは可哀想・・・・・・・・・
シン・ヒョンジュン中心にご覧下さいませ。

まず驚くのが、その映像の古さ・・・・
まるで昭和の映画のよう。
もちろん、昭和後期のモノではなく、一昔前。
そして、ヒロインもまた古臭いのよねぇ・・・
ヒロイン、セヒ役は、チョン・ソンギョン。
一昔前の女優さん。
韓国って、こういうチェ・ガンヒ顔が好きよね。

そういったことを軽く流せば、
けっこうよい作品だと思うのよ。
面白い。
今の映画とはちょっと違う感じ。
シンプルだけれど、美しい映画だと思うわ。
ミニシアター映画っぽくもあるけれど、
イ・ビョンホンのキャラクターでどんどん惹きこまれるわ。
イ・ビョンホンは無名の俳優役・・・
というよりも、出演作自体一本もないようだけれど、
すごいパワーと情熱を持っていて、
ちょっと主役のシン・ヒョンジュンを食ってしまう勢いよ。
当時、イ・ビョンホンはまだ売れてなかったから、
それがちょうど彼にリンクする感じがするわ。
今とは一味違う、彼の情熱的な演技が見られるわ。

この映画の酷いところは、やりすぎ。
シン・ヒョンジュンの酔った姿も、
イ・ビョンホンの酔った姿も、やりすぎ。
その反面、サラリと流しちゃうような適当さも。
いきなりシン・ヒョンジュンとチョン・ソンギョンが恋に落ちて・・・
えー
と、いう感じ。

この映画がいい・・・と思うには、
すべてイ・ビョンホンの熱演のおかげだと思いますが・・・
そして、シン・ヒョンジュンが作る曲も美しい。
この映画の音楽担当は、<シュリ>のイ・ドンジュン。

あまりにも無残な興行成績のため、
韓国のサイトにはほとんど情報なし・・・
1997年の作品ということで、その当時はまだ
韓国ではネット全盛期でもなかったのかしらね。


ストーリーは、

不遇な家族史の影から抜け出せない、
天才音楽家クァンス(シン・ヒョンジュン)
その不遇な家族史とは・・・
酒を飲んでは暴力をふるい、
自宅に女を引っ張り込んで浮気するような
ロクデナシの父を持ったクァンス。
幼い頃、浮気現場を目の当たりにした母は狂乱し、
父親は母親を殴りつけた上に殺害してしまう。
その父を、更に兄が殺害してしまう。
その衝撃で、兄は半狂乱になり、狂ってしまう。
その兄をずっと面倒看てきたクァンス。
しかし、その兄は自殺してしまう。

兄を見送った後、酒浸りになり町を彷徨うクァンス。
兄の遺灰をトイレに流し、写真を燃やすクァンス。
しかし、その時、
そのトイレでは女性が殺害されていた。
酒場で酒を飲んでいる時、クァンスは警察に連行される。
その酒場でアルバイトをしていた無名の俳優チョンマン(イ・ビョンホン)。
チョンマンはクァンスの鞄をみつけ、持ち去る。
その中には、楽譜が。
その楽譜を友人に演奏してもらったチョンマンは、
クァンスの天才的な才能に惹かれてしまう。
毎晩、アメリカの映画社に自分の書いたシナリオをFAXし、
映画を製作することを夢見ているチョンマンは、
クァンスを自分の映画の音楽担当にさせようと決める。

警察で、暴行を受けながら取り調べられるクァンス。
担当刑事はクァンスを林に連れ出し、銃を向ける。
「殺人犯イ・クァンス。取調中に刑事を暴行し、射殺される」
そう言って、刑事は自分の頭をガラスに打ち付けた。
目を疑うクァンス。
刑事を押さえつけ、何とか逃げ出すことに成功するクァンス。
鞄を返してもらおうと、チョンマンの元を訪れるが、
そのまま倒れてしまう。
チョンマンはクァンスを介抱し、クァンスの事情を知りかくまう。
そして、一緒に映画を作ろう!と、
クァンスに情熱的に語りかける。

一方、酒に酔ったクァンスが立ち寄った楽器店のアルバイト、セヒも、
クァンスが残していった楽譜を演奏してみて、その才能に惹かれていた。
クァンスは楽譜を取り戻そうと楽器店を訪れる。
そこでセヒに声をかけられ、食事に誘われる。
小奇麗になり、酒を一滴も飲まないクァンスに、セヒは驚く。
「俺はどう生きていけばいいんだ!」
と、酒に溺れ泣き叫ぶクァンスに、憐憫を感じていたからだ。
クァンスの事情を知ったセヒも、クァンスを信じた。
セヒは、クァンスに「会いたかった」と告げる。
キスをする二人。

警察は、執拗にクァンスを追っていた。
チョンマンのアパートもマークされ、追い詰められる。
その時、FAXが鳴った。
長い間待ち望んでいたシナリオの返事が来たのだ。
「あなたの才能に敬服します。近いうちに会いたい」
というものだった。
FAXはまだ受信を続ける。
警察はドアを壊し、潜入しようとしている。
危機一髪。FAXを最後まで受信し、二人は窓から逃げ出す。

山奥の廃屋で暮らすクァンスとチョンマン。
FAXを読み上げ、喜びに心躍るチョンマン。
しかし、そこには、
あなたの演技を一度拝見したい。
国内で出演された映画でいいので、送ってくださいと。
しかし、チョンマンには出演作は一つもなかった。
アメリカ行きの航空券を二枚手配し、
国内映画の、脇役でありながらも重要な役を得たチョンマン。
撮影を終えたその足でアメリカに向かうつもりだったが、
チョンマンの代役のスタントマンが渋滞で到着しない。
撮影は来週に延期だと。
それでは予定が狂ってしまう・・・
チョンマンは、自ら危険なスタントをこなすことを決意する。

その頃、クァンスは頭の中に旋律が浮かび、
壁一面に一気に楽譜を書き上げていた。

↓結末↓


ビルの屋上から、地上目掛けてダイビングするチョンマン。
しかし、飛び降りた際に、頭を打ち付けてしまった。
「人生には、立とうとしても、自分の力では立てないこともある。
そんな日が来ないといいけど・・・」
いつかのチョンマンの言葉がこだまする。
チョンマンはそのまま倒れてしまう。
血まみれで病院に運ばれるチョンマン。

一方、廃屋に刑事たちが潜入してきた。
クァンスは必死で逃げるが、逮捕されてしまう。

クァンスは死刑を求刑される。
クァンスに面会に行くセヒ。チョンマンの遺骨を持って・・・
セヒが持ってきたレコーダーには、前向きなチョンマンのメッセージが・・・
涙を流す二人。

廃屋を訪れたセヒ。
壁一面に書かれた楽譜を写し取り、レコード会社を回り続けるセヒ。
しかし、「殺人犯の曲を出せと?」と、すげなく断られてしまう。
セヒは、自費でレコーディングし、
方々のラジオ局へとテープを送った。
「無実の罪を着せられた友人が作った曲」だと。
そして、クァンスの曲は世間の話題になる。
例の殺人事件の真相を知る参考人が現れ、
クァンスを陥れようとした刑事は逮捕される。

町を歩いているセヒの前に、クァンスが現れる。
しっかりと抱き合うクァンスとセヒ。



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