ユリョン-幽霊- Phantom, The Submarine |
原題: 幽霊 유령(ユリョン) <1999> |
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監督 | ミン・ビョンチョン(閔丙天) | <1999>ユ リョン-幽霊-、 <2000>ナチュラル・シティ |
出演 |
チョン・ウソ ン(鄭雨盛) |
出演作品一覧 |
チェ・ミンス(崔民秀) | <1995>
サランヘヨ あなたに逢いたくて、<1996>インシャラ、
<1999>ユリョン-幽霊-、 <2000>リベラ・メ、<2001>花嫁はギャングスター、 <2002>ソウ ル(日本映 画)、 <2002>イエスタディ 沈黙の刻印、 <2003>清風明月、<2006>ホリデー、 <2006>花嫁はギャングスター3 |
【レビュー&ネタバレ】 |
タイトルから、<ホラー>と勘違
いされる方も多いかもしれないけれど、 これは<戦艦モノ>でございます。 韓国映画のアカデミー賞にあたる「大鐘賞」6部門を受賞。 <幽霊>という名の潜水艦に乗船した人々の戦いを描いているわ。 ある意味、<ホラー>より目を背けたくなるシーンも多いわ。 次々と乗組員が死んで行くけれど、その様は残酷で正視できないわ。 韓国では、<戦艦モノ>にSSUがあるけれど、 moca的には、比べ物にならないほど、こちらの方が面白いわ。 迫力とか、映像とかはおいておいて、 せつないラストに、大泣き。 けれど、これは思いっきり反日映画でございます!! 核を搭載した原子力潜水艦が日本を狙うのです。 不愉快というよりも、恐怖です・・・ しかも、この映画は主人公は孤立していて味方なし。 主人公以外全員、日本に核を打ち込もうとするんですから。 ただ、同じく反日映画と言われた韓半島と通ずるも のがあって、 「核では問題は解決しない」 という、反戦・ 反核映画であり、問題提議映画となっているわ。 あまり<反日>というものに目くじら立てず、 この作品の本意と向き合ってみてはどうでしょうか。 そして、日本人が失ってしまった <祖国への熱い想い>が、この映画には溢れているわ。 祖国を大切に想いながらも、 「どうするべきか」を見極める勇気というのは、とても尊いものだと思うわ。 この映画が、日本人の韓国への理解を深め、 韓国人の熱い反日感情を冷静にさせてくれればよいものだけれど、 そうはなかなかいかないものね。 この映画は、現実にも起こりうるテーマよ。 主人公のエリート将校チャンソク(431)には、チョン・ウソン。 対する副艦長(202)には、韓国のカリスマ俳優、 ドラマ<白夜3.98>で、カリスマ溢れるオーラを見せたチェ・ミンス。 ソル・ギョングは、ミサイル班将校(432) 料理長(981)には、<DMZ 非武装地帯 追憶の三十八度線> でも、 ホテル・ココナッツの料理長だったチョン・ウンピョ。 ストーリーは、あらすじの通りよ。 戸籍上は死亡者・・・シルミドのようね・・・ チャンソクは死刑囚だけれど、悪人ではなく、仲間を守るために気が狂った艦長を殺害したの。 なんだか、情け容赦なさすぎ・・・・・・・ そうして、<幽霊>の乗組員となったチャンソクは、ミサイル将校431となる。 この原子力潜水艦<幽霊>の任務とは、 「韓国軍の力を世界に見せ付けるため、日本に核爆弾を打ち込む事」 そして、この<幽霊>は、その後、自爆する運命にあった。 核爆弾を発射するスイッチは、厳重なセキュリティの中にあって、 副艦長は艦長を殺害し、自ら指揮を執るのだけれど、 艦長は死ぬ前にチャンソクにその鍵を預けていて・・・ チャンソクは<幽霊>の中で一人孤立していて、 唯一心を通わせる相手は料理長981 料理長はいつもポケットに忍ばせた家族の写真をみつめ、 とても情の深い人。 チャンソクは、「最も安全な隠し場所」として、鍵を料理長に預けていたの。 それを副艦長は知るのだけれど、料理長は鍵を死守しようと飲み込んで、 副艦長は料理長の腹を刃物で切り裂いて鍵を取り出すと・・ あまりにも惨すぎて正視できないわ・・・ それに、この料理長がすごく好きだったから、 この残酷なシーンは、涙が止まらなかったわ・・・・・ 以降は、チャンソクと、副艦長を始めとする乗組員たちとの激しい戦い。 チャンソクは、 「国際規約に違反する」 「結果的には我が国を滅ぼす自殺行為だ」 と訴えても、誰も聞く耳を持たない。 「復讐にはこれしかない」 と、乗組員全員が、日本への恨みを晴らそうとするのね。 最後、 「核では問題は解決しない」 と、チャンソクはようやく副艦長を阻止するのだけれど、 この<幽霊>の運命とは・・・ 時限爆弾により自爆すること・・・・・・・・・ 核発射を阻止しても、自爆することは変えられない運命・・・ あまりにも残酷で、せつない運命・・・ 涙が止まりませんでした。 |
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