私にも妻がいたらいいのに   I wish I had A Wife  I Wanna Hold Your Hand   
 原題:私にも妻がいたらいいのに  나도 아내가 있었으면 좋겠다(ナド アネガ イソスミョン チョケッタ)<2001>

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私にも妻がいたらいいのに

団地内の小さな銀行の入社3年目の課長代理キム・ボンス(ソル・ギョング)。職 場生活を始めて以来3 年間、い や、学生時代を含めれば23年間、一度も遅刻をしたことがない彼が、ある日無断欠勤を敢行する。

理由はたった一つ。突然故障で止まってしまった出勤途中の 地下鉄の中、 みんな誰かに携帯で電話をかけるのに自分にはそんな人がいないことに気づいたからだ。

しかし、ボンスはまだ知らない。銀行の真向かいの学習塾にボンスを見 つめて小さな愛を育てている27歳の女性チョン・ウォンジュ(チョン・ドヨン)がいることを。

ボンスと ウォンジュは毎日思いがけずに顔を合わせている。ラーメン屋で、銀行で、バス停留場で。ある夜、ウォンジュが一人残って試験を採点している時、塾の蛍光灯 が切れてしまい、退勤するボンスに助けを求める。ボンスはウォンジュの真意を量り切れず、ウォンジュの「お礼に夕食でも」の申し出を断ってしまう。

それで も二人は、これまでのようにどこかで思いがけなく顔を合わせ、いろんなことが起きるが、ボンスはまだウォンジュの存在を認識できない。ある日、銀行の監視 カメラの映像を見ていたボンスは、音声を録音できないカメラに向かって自分の名前をせつなく呼んでいる女性の姿を発見する...

【予告編】

監督 パク・フンシク <2000>私 にも妻がいたらい いのに、<2004>初 恋のアルバム~人魚 姫のいた島~、<2005>逆 転の名手
<2005>愛してる、マルスンさん

出演

チョン・ドヨ ン(全度妍)

出演作品一覧

ソル・ギョン グ(薜景求)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
面白い!
という映画ではなく、恋愛の過程を穏やかに描いた名作ね。
ソル・ギョングは野暮ったくも、笑うとまだ可愛らしさが残っている頃で、
まだ「かっこいい」と、思わせる時代のもの。
チョン・ドヨンはひっ詰め髪にメガネという、冴えない女性を演じているわ。
「恋愛」がドキドキやトキメキであり、
映画はドラマティックに描くものだけれど、
この映画は、本当にどこにでも有り得そうな恋物語を、
地味に、穏やかに描いているわ。
「平和」「平穏」そんな言葉がピッタリのラブストーリーね。
「結婚」というのは、こういうものなんだろうなぁ・・・と感じさせる穏やかさ。
映画館で観るよりも、
家でゆったりくつろぎながら観るのがよさそうな作品ね。
↑【ミュージックビデオ】を観て、興味が沸かなかったら
観るのはオススメしないわ。
花占いやら、天気予報やら・・・
未来を予測する小道具もちょっとステキ。

冒頭で、ボンスの子供の頃の映像が出てくるのだけれど、
その途端、「うわー、ノスタルジックー」と、mocaの心は躍ったわ。
mocaはノスタルジックな韓国映画の映像が大好きなの。
mocaの大好きなノスタルジックな雨の映像に感嘆の声を上げたけど、
2001年にしては、ちょっとノスタルジックすぎじゃ?という感じ・・
mocaはわりと好きだけど。





ではでは、ちょこっとストーリーを。
銀行に勤務して3年目。29歳(日本では28歳)のボンス(ソル・ギョング)は、
まだ見ぬ未来の妻へ向けてビデオレターを収めていた。
「来年、いや、再来年かも。僕の妻になっている君に、感謝しています。
一緒にこの映像を観れたらいいなと思います」

ある日、出勤途中で地下鉄が1時間近く立ち往生してしまう。
周りの人々はみな誰かに携帯で電話しているが、
自分一人だけ電話する相手もいずに、寂しさを感じてしまう。
親友ボンタク(ソ・テファ:サジュン@アウトライブ)に こぼすが、
「俺に電話したらいいだろう?」と、
ボンスの言わんとしていることを理解できない。
「そういうことじゃないよ。ま、お前も俺と同じだがな」
と、ちょっと自分を励ますが、
ボンタクまで来月結婚するという。
ボンスの寂しさはますます募るばかり。

一方、ボンスの勤める銀行の真向かいにある学習塾に勤める
27歳(日本では26歳)のウォンジュ(チョン・ドヨン)。
勘違いで恋に落ちては振られてしまう冴えない女性。
泣いている生徒に声をかけてみれば、
「みんなが先生に似てるって言うの」と・・
思いもよらぬ発言にノックアウトされ、
ウォンジュの乗ったバスの隣りに止まったバスの中から
愛らしい子供に手を振られ、ウォンジュは結婚への想いが募る。

ある日、残業して試験の採点をしていたウォンジュは、
蛍光灯の明かりが消え、
偶然窓の下を通りかかったボンスに助けを求める。
銀行でのボンスの働きぶりを知るウォンジュは、
密かにボンスに好意を抱いていたが、
人の良いボンスにとっては、いつもの親切にしか過ぎなかった。

ある日ボンスは、タクシーに乗っているところを追突され、入院する。
ウォンジュは、休んでいるボンスが心配であり、会えないことがちょっと寂しい。
ボンスの窓口の植木に何気なく水をやり、去って行く。
一方ボンスは、学生時代の友人テラン(チン・ヒギョン)に偶然再会する。
離婚したというテランを、ボンスは慰める。
心機一転。ボンスは引越しをする。

ようやく出勤してきたボンス。
同じエレベーターに乗り合わせたウォンジュは、
「病気だったんですか?」と、声をかける。
しかし、突然エレベーターが故障し、二人は閉じ込められてしまう。
救出を待ちながら、エレベーターの中で読書をするが、
ボンスはいつのまにか眠ってしまう。
眠っているボンスの靴に、自分の靴をこっそりくっつけるウォンジュ。
まるで肩を並べて歩く恋人のように。

ボンスは再会したテランと食事をする。
どういうわけか、目覚めるとベッドにいるテランに、ボンスは舞い上がる。
合鍵まで渡し、テランにゾッコンのボンスの人生は薔薇色だ。
そんなある日、毎日コツコツ溜めた500ウォン玉(50円玉のようなもの)
を持って銀行にやってきたウォンジュ。
しかし、その小銭を落としてバラ撒いてしまう。
小銭を受け取ったボンスは、「124枚で62000ウォン」だと言うが、
ウォンジュは「127枚あった」と言って引き下がらない。
ここで落としたんだから、どこかに必ずあるはず。
だから、63500ウォンで記帳してくださいというウォンジュに、
ボンスは自分の財布から1500ウォンを取り出して、
63500ウォンで記帳してやる。

テランとの順調な交際にボンスは未来を夢見る。
彫刻アーティストであるテランは、ボンスに融資の相談をする。
銀行にテランを紹介し、融資を受けさせてやるボンス。

ウォンジュがバスに乗っていると、ボンスが駆け乗ってきた。
疲れたボンスは居眠りしてしまい、傘をバスに忘れたまま降りてしまう。
ボンスの忘れた傘を差しながら、ウォンジュは幸せを噛み締める。

交通規制中の街の中で、またもやボンスとウォンジュは顔を合わせる。
急いでいるボンスは、規制を潜り抜けようとするが、
すぐに戻ってくると、ウォンジュの手を掴み、一緒に規制を潜り抜け、失踪する。
ボンスに手を握られたウォンジュは、夢心地だ。

テランの店を訪れたボンスは、
テランが大家から契約金を取立てられ困っているのを目撃してしまう。

休日、外出したウォンジュは、偶然ボンスと出会う。
ヤクルトの裏を前歯でかじって飲む方法をボンスに教わるウォンジュ。
「健康な前歯ですね。歯が強いと幸せになれる」
と、ボンスに褒められたウォンジュは、
その言葉に特別な意味があると、勘違いしてしまう。

銀行の振込用紙に
「一緒に食事でもどうですか?」と書き、
窓口に座るボンスに差し出したウォンジュは、
「冗談はやめてください」と、つき返されてショックを受ける。

ATMに備えられた、音声は録画されない監視カメラに向かって、
「ボンスさん。他に好きな方がいるんですね。
あなたと話せるようになって嬉しくて、つい勘違いを・・」
と、涙ぐみながら語りかけるウォンジュ。

そんなある日、テランへの融資の返済が滞っていると、
ボンスは同僚から催促される。
「俺が立て替えるからいいだろう!」と、ボンスは突っぱねる。
テランの店を訪ねるが、テランは逃げてしまった後だった。
テランにプロポーズまでしようとしていたボンスは、
自分が騙されていたことを悟る。

残業しながら防犯カメラの録画を見ていたボンスは、
ウォンジュが自分に向かって、涙ながらに語りかけているのを見つける。
ウォンジュにからかわれていたわけじゃないと気づいたボンス。
雨の中、学習塾の前でウォンジュを待ち伏せし、
「その傘に入れてくれないかな」と、声をかける。
自分も傘を持っているのに・・・
ボンスの本意を量りきれないウォンジュ。
怪訝に思いながら、相合傘でバス停まで向かうが、
「日曜、時間ありますか?君と一緒に話がしたいんだけど」
と、ボンスはウォンジュに切り出す。
ウォンジュは混乱し、先にバスに乗るようボンスに告げる。
ボンスも、ウォンジュがバスに乗るまで、
隣りに並んでバスを待つ。
時間が流れ・・
ウォンジュは「次のバスに乗りましょうか?」と、言う。

日曜日。二人はデートをする。
昔から知っていた仲のような、穏やかな時間を過ごす二人。


そろそろ結末ですわよ。ご注意 を。





ビデオレターに向かって語りかけるボンス。
「そろそろ君に本当のことを話さなければ。
君の事を好きに・・・」
まだ見ぬ妻へのメッセージから、
いつしか、ウォンジュへのメッセージと変わっていた。

自分の部屋へウォンジュを招待するボンス。
上手にリンゴの皮をむくボンスを見て、
「あなたが奥さんだったらいいのに」と、ウォンジュは言い出す。
「お手伝いさんじゃないんだから・・・」と、ボンスは切り返すが、
「同じじゃない。世の中の奥さんのほとんどはお手伝いさん扱いよ。
特にこの国では」と、ウォンジュは言い出す。
「君は本当にそう思っているの?」と、ボンスは驚く。
「僕は違うよ。絶対に」
というボンスの言葉に、ニンマリと笑うウォンジュ。

にわか雨に襲われる二人。
「にわか雨って、きつねの嫁入りっていうのよね」というウォンジュの言葉に、
「雨がやんだら、僕にも奥さんができたらいいな」と、ボンスは言い出す。
二人で、葉っぱで結婚を占う二人。
二人確実に結婚を意識し始める。
穏やかな優しい時間。

私って可愛い?窓口で免許証を見せた時
「可愛いですね」って言ったわよ。
「これも仕事だからな」
二人は手をつなぎながら歩いていく。

END

結婚って・・・こういうものよねぇ・・・
と、二人の未来が幸せだということを感じさせるわ。
ドキドキしたり、せつなかったり・・・そういうものは遠くにあり、
優しい時間と、優しい想い・・・
理想的なお似合いの二人。
ちょっと羨ましくなるわ。




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