トンケの蒼い空 Mutt Boy |
原題: 糞犬 똥개(トンケ) <2003> |
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監督 | カク・キョンテク | <1998>
ドクターK、<2001>友へ チング、<2002>チャン
ピオン、 <2003>ト
ンケの蒼い空、 <2005>タイフーン、<2007>愛、<2008>目には目、歯には歯、<2011>痛み |
出演 |
チョン・ウソ ン(鄭雨盛) |
出演作品一覧 |
【レビュー&ネタバレ】 |
いったい何が描きたかったんだろ
う? というような、意味不明な映画。 それでいて、観終わった後に清々しく温かい余韻を与える不思議な作品。 オツムの足りないアウトローの奮闘記。 とでもいえばよいのか。 「トンケ(糞犬)」と呼ばれ、夢も希望もなく、 毎日だらだらと生きる青年の物語。 こんな青年にも、抱える悩みやアイデンティティ、正義感、 そして、仲間を想う気持ちがあるということだろうか。 そんな文学的要素もありつつ(あるのか?) かるーく、肩に力をいれずに観れる映画です。 コメディタッチよね。 ケンカしたり、仲間と悪ふざけしたり、風俗に行ったりと、 そんなバカらしい生活がほとんど。 「トンケ」 という言葉は、日本人はどう受け止めていいものか。 そのまま訳せば「糞犬」 けれど、韓国では昔からなじみのある愛称。 決してバカにするためだけではなく、 親しい仲になった相手のことを「トンケ」と呼んで愛情を示したりと、 なんだか、ややこしい。 舞台になるのは、慶尚南道の密陽(ミリャン)市。 釜山のちょっと北に位置する都市。 訛りといい、風景といい、ちょっと韓国に行きたくなる気持ちを掻きたてられるわ。 韓国好きにはけっこう楽しい。 チョン・ウソンは当時30歳。 けれど、高校生も違和感がない(笑) イメージチェンジをはかったのかもだけど、こういう役も、けっこうハマるわね、 チョン・ウソンの父は、<箪笥>の姉妹の父、キム・ガプス。 妹としてやってくるジョンエには、 ドラマ<マジック>や、<スカーレット・レター>のオム・ジウォン。 チョン・ウソンの愛犬トンケを食べ、犬猿の仲のジンムクには、 <僕の彼女を紹介します>で、チャン・ヒョクを撃 ち殺してしまった刑事、キム・テウク。 チョルミンは幼い頃に母を亡くし、父と二人で生きてきた。 近所をフラフラと歩き、物乞いのように食べ物を恵んでもらっていたことから 「トンケ」と呼ばれるようになる。 ある日、チョルミンが寂しくないようにと、父は一匹の犬を与える。 チョルミンは、自分の分身のような犬に「トンケ」と名づけた。 時が流れ─ チョルミンは高校生になり、サッカー部に入部するものの、万年補欠。 皆にバカにされる対象でしかなかったチョルミン。 しかし、チョルミンには、親友トンケがいた。 がある日、サッカー部のジンムクたちが、トンケを殺し食べてしまったのだ。 (韓国には、犬食文化があります) 怒り狂ったチョルミンは、ジンムク達を半死になるほど殴り、高校を退学になる。 仕事もせず、家の家事をする程度で毎日フラフラしているチョルミン。 そんな彼にも、仲間ができる。 チョルミンと同じように高校中退になった者ばかりの <MJK(ミリャン・ジュニア・クラブ)>の連中。 MJKに決闘を挑まれるものの、チョルミンはあっさり勝ってしまう。 その日以来、なぜかチョルミンもMJKのメンバーに。 仲間たちと廃車場で働き、つるんで遊びにでかけ、 騒々しく楽しい毎日を送るチョルミン。 そんなある日、父が一人の女の子を連れてくる。 スリの常習犯ジョンエ。 身寄りのないジョンエを、父は引き取ったという。 他人が家に入り込み、しかも、自分のものであったTVなども奪われ チョルミンは面白くない。 一方ジョンエも、頭の悪そうなプー太郎チョルミンになじめない。 しかし、ある日派手な服装でスクーターに乗るジョンエをみかけたチョルミンは、 ジョンエの後を追い、転倒してしまう。 そんなチョルミンに手を差し伸べ、スクーターの後ろに乗せるジョンエ。 この時から、二人は淡い恋心のような感情を抱き、 少しずつ距離が近づき始める。 風俗に行ったチョルミンは、裸のまま焼け出され、 服を届けに行ったジョンエは、風俗嬢の友人に 「あいつとやったのか?」と、激しく追求し、嫉妬する。 そんな頃、街では実力者の代議士ドンマンが高速道路建設のため、 あくどいやり方 で住民を立ち退かせようとしていた。 その中には、チョルミンの仲間のテットクの父親もいた。 ある日、ビニールハウスで行われていた賭博の取り締まりに 父はチョルミンを同行させ(いつも捜査を手伝わされている)乗り込む。 テットクの父は無実の罪を着せられ、土地も奪われてしまう。 チョルミンは、テットクの父を助けてくれと懇願する。 黒幕はドンマンで、ドンマンを逮捕しろと。 しかし、父は取り合わない。 怒ったチョルミンは父を非難するが、父は「出て行け!」と、言い放つ。 「だったら、もっと早く言えよ!」 と、チョルミンも家を出て行ってしまう。 しかし、父もドンマンの悪事を暴こうと慎重に捜査していたのだ。 そんな折、かつてチョルミンの愛犬トンケを食べてしまったジンムクが ドンマンの手下となり、テットクを袋叩きにしたことから、 トンケはMJKのメンバーと自分の手でドンマンを倒そうと決意する。 ま、結局トンケはトンケで、 最後はちょっと心温まる展開に。 いつも「自分のせいで母が死んだ」と苦しんでいたけれど、 母体が危険なのに、産むことを決めたのは父だということもわかり、 チョルミンは自分の存在に意味を見出したり、 テットクの父を助けようとする父の温かさが見えたり、 ジョンエとのほのかな恋も、これから進展しそうな雰囲気で、 よくわからないながらに、清々しい気持ちになれるわ。 |
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