SSU  Blue  
 原題:ブルー 블루(プルル) <2003>

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SSU

潜水分野で世界的な名声をとどろかしている大韓民国海軍所属の特殊潜水部隊 SSU(Ship Salvage Unit)。

幼い頃から無二の親友であるキム・ジュン大尉(シン・ヒョンジュン)とイ・テヒョン大尉(キム・ヨンホ)は、SSUを率いていく将校であり、 最高の潜水実力を競うライバルだ。

ある日、イギリスのエバーデン潜水学校に留学していたカン・スジン少佐(シン・ウンギョン)が、SSUの新しい訓練隊長 として赴任する。彼女は、ジュンとテヒョンのSSU同期であり、ジュンの過去の恋人。つらくて厳しい時間と幸せな瞬間を共にした三人には、命と同じくらい 大切な友情と、隠された愛があった。

いよいよSSU部隊最大の作戦である海軍合同訓練ミンク作戦が始まる。しかし、作戦途中<韓半島艦>が深海に不時着す る大型事故が発生し、カン・スジン少佐を中心にしたSSU部隊員たちは、不時着した艦艇内の生存者らと海軍の先端探査装備USMを探すために深海潜水艇 DSRVに乗る。

無事に<韓半島艦>に進入し、生存者らを確保した救助チームは、本部への復帰を試みるが、深海潜水艇の乗船人数の定員オーバーでカン・ス ジン少佐とイ・ギョンイル中士(リュ・スヨン)が<韓半島艦>に残ることになる。

そんな中、<韓半島艦>は、再び深海187mに沈没する。ジュンとテヒョ ンはカン・スジン少佐とギョンイル中士を助けるために、深海救助歴史上前例がない187mの深海へと向かう。

【予告編】

監督 イ・ジョングク(李廷国) <1996>チャンネル69、< 1997>手紙 The Letter、<2000> 散策、<2003>SSU

出演

シン・ヒョン ジュン(申鉉濬)

出演作品一覧

シン・ウン ギョン

<2001>花 嫁はギャングスター、 <2001>これが法だ、 <2002>恋する婚活プランナー
<2003>SSU、<2003>花 嫁はギャングスター2、<2005>ミスター主 婦クイズ 王、<2005>6月の日記
<2010>氷雨

キム・ヨンホ <1999>新 装開店、 <2003>SSU、 <2004>ま わし蹴り
<2008>アバンチュールはパリで、 <2008>プ チトマト、<2008>美人図、 <2009>父、山
<2009>19-Nineteen、<2010>家 を出た男たち、<2010>8番目の感情

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【レビュー&ネタバレ】
まさに韓国版<海猿>ね。どちら かといえば、<海猿>の方が面白かったわ。
同じ潜水艦モノでは、 <ユリョン>の方が面白いし。
韓国海軍の全面協力ということで、スケールの大きな作品に仕上がっているわ。
映画では、クライマックスで水深187mの海へと救助に向かうのだけれど、
この映画の完成当時、韓国海軍SSUが、
水深150mでの北朝鮮の潜水艦を引き上げるという新記録を打ち出したばかりで、
187mという深さは想像を絶するものがあるのでしょうね・・・
前半まではテンポもよく、青春チックでなかなか楽しめるし、映画らしい映画で期待してたんだけれど、
後半の見せ場に入った途端にパワーダウンしてしまったわ。
そこがヒットしなかった原因なのでは?
この映画のキーポイントが少しわかりづらいのね。説明不足。
男性俳優陣の顔が似たり寄ったりで区別しづらい上に、そのセリフがどうつながっていくのか・・・
何を巻き起こすのか・・・、どんな思惑なのか・・・
その辺が観てる側にイマイチつたわりにくいのね・・・
その上、ラストの事態がまったく飲み込めない・・・
無理やり納得させられるしかなくて、話に入り込めないわ。
ストーリー自体は単純なのだから、その辺を丁寧に描いて欲しかったわ。

この映画の監督イ・ジョングクは、名作<菊の花の香り>の監督。
そして、総製作指揮は、<シュリ>、<ブラザーフッド>のカン・ジェギュ監督。
この面々なら、期待もするでしょう。
けど、もう一歩のところで名作にも成り得たでしょうに、残念だわ。
イ・ジョングクは、こういった大作モノではなく、<ラブストーリー>だけに留まるべき監督なのかもしれないわね。
ただ、ラストのほんの一瞬で、mocaは大泣きしてしまったの。
予想通りの展開で、お涙頂戴のシナリオにちょっとウンザリしつつ見ていたのだけれど、
いい意味で裏切られて・・・
涙が出る前に息ができなくなって苦しくなるという・・・久々の衝撃に出会ったわ。
それはただ単に、mocaがかなり斜めから観ていたからかもしれないけれど・・・

この映画は、<チャンネル69>で顔を合わせたイ・ジョングクが
シン・ヒョンジュンにシナリオを持ち込み、一緒に作ろうということになったという。
それから、完成までは4年間かかったそうよ。
シナリオ自体も、1年間かけて練り直したと・・・そこまで手をかけたのに、ちょっとお粗末ね・・・
俳優陣は、シン・ヒョンジュンは熱演ね。
男性陣は、シン・ヒョンジュンとリュ・スヨン以外は区別がつかなくて困ったわ。
名前も区別しにくいこと・・・
シン・ウンギョンは、男顔負けの将校でありながら、内面に可愛らしさを秘めているという役柄らしく、
シン・ウンギョンしか考えられない・・・とあったけど、逆にmocaは、シン・ウンギョンが演じることが考えられないわ・・・
どーしても、ヒロイン向けのお顔でないと思うのですが?
彼女の顔が苦手なのよね。魔女みたいで。
リュ・スヨンは、SSUのアウトロー、イ・ギョンイル2曹。
(劇中で描かれてはいないけど)、失恋して自暴自棄になってしまったらしいわ。
素行の悪い人間が送られる<軍事教育隊>に送られてしごかれて帰ってきたシーンから始まるわ。
ラストはちょっと衝撃・・・
イ・ギョンイル2曹にはカタルシスは感じなかったけれど、悲しい結末でございました・・・

では、ストーリーをちょっと詳しく・・・


キム・ジュン大尉(シン・ヒョンジュン)と、イ・テヒョン大尉(キム・ヨンホ)は、
幼い頃からの無二の親友で、何をするにも一緒。
SSUに入るのが夢であったテヒョン(キム・ヨンホ)と離れたくないから・・・
という、ふざけた理由でSSUを志願したジュン(シン・ヒョンジュン)。
けれど皮肉なことに、テヒョン(キム・ヨンホ)は
何をやってもジュン(シン・ヒョンジュン)に勝てないという劣等感に苛まれるようになる。
そして、SSU同期のカン・スジン(シン・ウンギョン)に初めて出会った日、
ジュン(シン・ヒョンジュン)はテヒョン(キム・ヨンホ)に
「見ろよ、あの女可愛いぞ」と声をかけるが、テヒョンはその日からスジンに恋をしてしまう。
そんなことも知らず、
ある日の訓練で、スジンが転んだことにより
競技に負けてしまったことを怒ったジュン(シン・ヒョンジュン)は、スジンを罵倒する。
悔しいスジンはジュンに戦いを挑む。
「女は殴れない」と、躊躇するジュンに何度もパンチを浴びせるスジン。
ジュンは思い余ってスジンにパンチを浴びせてしまうが、
顔面を直撃してしまい、スジンの前歯が折れてしまう。
そのことをきっかけに、ジュン(シン・ヒョンジュン)と、スジンは愛し合うようになる。
しかし、ある日テヒョン(キム・ヨンホ)の日記を読んでしまったジュン(シン・ヒョンジュン)は、
テヒョンがスジンに初めて会った日から、スジンを愛していることを知ってしまう。
テヒョンのために身を引く覚悟をしたジュンは、スジンを遠ざける。
スジンはイギリスの潜水学校に留学することになり、ジュンとスジンの恋は完全に終わりを告げる。

そして、スジンが<少尉>に昇進し、韓国へと帰国する。
キム・ジュン大尉(シン・ヒョンジュン)はイギリス行きも頑なに断り続け、スジンを避け続けてきた。
そんな
キム・ジュン大尉(シン・ ヒョンジュン)の本意を、
イ・テヒョン大尉(キム・ヨンホ)も、カン・スジン少尉も知らない。
キム・ジュン大尉(シ ン・ヒョンジュン)をまだ愛してい るスジンは、ジュンに会うことが辛い。
キム・ジュン大尉(シ ン・ヒョンジュン)は、
軍医のキム・スヨン中尉(ソ・ジノ)とつき合っているかのように、スジンに見せつける。

SSU最大の作戦である<ミンク作戦>が始まることになる。
これは未だ記録されていない水深150mの救助を達成することにより、
昇進を目論んだチェ・ヒョンス中佐の陰謀。
ミンク作戦を成功させるために、SSU隊員たちは過酷な訓練を強いられる。
ミンク作戦が
チェ・ヒョンス中佐の 陰謀だと見抜いたキム・ジュン 大尉(シン・ヒョンジュン)は、
チェ・ヒョンス中佐に 抗議する。
水深187mという深海救助歴史上前例のない試みであるにも関わらず、まったく前準備がない。
その上、天候も最悪で、これではSSU隊員は死ににいくようなものである。
隊員の命を守るため、
キム・ジュン 大尉(シン・ヒョンジュン)は、
チェ・ヒョンス中佐を殴り怪我を負わせる。
そのことにより、
キム・ジュン大尉 (シン・ヒョンジュン)は
営倉(軍の拘置 所のようなもの)に拘束され、除隊が決まるが、
ミンク作戦も、その日は中止となる。
営倉に面会に行ったテヒョンは、「お前は隊員の命を救ったと満足だろうが、
これで俺の長年の夢を打ち砕かれた」と、ジュンに言い放つ。
ジュンにいつか勝ちたい、という夢だ。
ジュンにかっこいいところを持っていかれ、テヒョンはもう勝つ機会を失ったと。

キム・ジュン大尉(シ ン・ヒョンジュン)が落としたネックレス を拾ったキム・スヨン中尉は、
ジュンがまだスジンを愛しているのではないかと疑問を抱く。
そのネックレスは前歯をコーティングしたもの。
いつか折れたスジンの前歯だと、スジンに確認したキム・スヨン中尉は、スジンにジュンの秘密を告げる。
ジュンに、いつか軍隊を辞める日まで、このことは秘密にしてくれと頼まれていたのだと。
ジュンは重度の潜水病で、潜水を続ければ命にも関わるという。
ジュンがイギリス行きや、潜水競技を拒んだのも、潜水病であることが原因だった。
キム・スヨン中尉は、ジュンが潜水病になるほど潜水に夢中になったのは、
スジンを忘れようと苦しんでいたためではないかと、スジンに告げる。
事実を知ったスジンは、営倉のジュンへ会いに行く。
ジュンは、このことは テヒョンにだけは言わないようにスジンに 口止めする。
「これからは、あなた の世話を私がする」
と、スジンはジュンを抱きしめる。

いよいよミンク作戦が実行される。
しかし<韓半島艦>は、検証されていない水位まで無理に下降したことにより浸水してしまう。
何とか浮上しようとす るが、岩礁に激突し、身動きが取れなくな る。
韓半島艦>の乗組員を救助するた め、
スジンを始めSSU隊員が深海潜水艦DSRVに乗り込み救助に向かう。
生存者を無事救助したものの、DSRVの定員が2名オーバーしてしまい、
スジンとイ・ギョンイル中士(リュ・スヨン)が<
韓 半島艦>で待機すること になる。
しかし、<
韓半島艦>は更に落下し、水深187mに沈没してしまう。
スジンとイ中士を救うため、イ・テヒョン大尉(キム・ヨンホ)たち4名が命を受けるが、
水深187mという救助は前例がないため、テヒョンたちは躊躇する。
名ダイバーであるキム・ジュン大尉(シン・ヒョンジュン)の力が必要だと判断され、
ジュンは除隊を撤回され、スジンとイ中士の救助へと向かう。

結末までネタバレしますわよ、 ご注意を。


韓半島艦>の中のイ中士はパニック状態にあった。酸素が持つのも約4時間。
救助隊員の減圧にも3時間を要する。
イ中士はスジンに銃を向ける。
自分の昇進のために隊員の命を犠牲にする将校に常々不満を抱いていたイ中士は、
将校を一人殺すのが夢だったと。

韓半島艦>はどんどん浸水していく。
イ中士はスジンに、「あとどれほど持ちこたえられるか?」と尋ねる。
スジンは「5分」と答える。
絶望したイ中士は、「いつか俺の助けてくれてありがとう。
ご立派な将校さんは、あと5分生きてくれ」と言い放ち、
自らの口内に銃を向け、拳銃自殺してしまう。

ジュンたちの賢明な救助により、スジンはDSRVに救助される。
しかし、DSRVと<
韓半島艦>の 切り離しができず、
ジュン(シン・ヒョンジュン)とテヒョン(キム・ヨンホ)が手動で切り離しを試みる。
窓から海の中のジュンを見たスジンは、「どうしてそんなところにいるの!」と、驚愕する。
DBRVの切り離しには成功するが、その衝撃でジュンとテヒョンの酸素ロープが絡まってしまう。
ジュンは、「俺はもう ダメだ。スジンを頼んだぞ」と
テヒョンに 告げると、血を吐いて意識を失ってしまう。
テヒョンは必死にロープを解こうとするが、ビクともしない。
ジュンのロープを切断し、テヒョンは浮上するよう指示が出る。
テヒョンは、「すまない。今度は俺の勝ちだ」と、ロープを切断する。
海中を緩やかに漂流していくジュンの姿を、泣きながらみつめるスジン。

しかし、漂流して行ったのはテヒョンの方だった。

END

最後がどうして一人しか助からないのか、状況がまったく掴めず・・・
しかも、「今度は俺の勝ちだ」と、友を見捨てるテヒョンにげんなりして観てたのよね。
泣くなんてとんでもない。
けど、流されていったのがテヒョンだと気づいた瞬間・・・
もう息ができないほど苦しくなって・・・
号泣というより、慟哭・・・?
「俺の勝ちだ」
というのは、今まで散々かっこいいところを持っていかれ負け続けていたテヒョンが、
ようやくかっこいいところを見せられた、というわけなのね・・・
こんな厚い友情・・・
日本では絶対に考えられないけど、韓国なら有り得そうな気がするわ・・・

イ中士が拳銃自殺してしまうのも、追い詰められた人間の衝動ということでいいのかしら?
「ありがとう・・・」って、その恩返しで、
少しでもスジンが生き延びられるようにじゃないわよね?
当て付けなのか、恩なのか、よくわからないわよ。
もう少しわかりやすく描いて欲しかったわ。

名作に成り損ねた名作、ちょっと残念ね。





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