■ 第4話
■ ハン・テウン/ハン・ドゥック(ヒョンビン)、キム・ボラ(ソン・ユリ)、ソ・ゴヌ(イム・ジュファン)、イ・スンニ(ユ・イニョン)
演出:イ・ヒョンミン(ごめん、愛してる)
脚本:キム・ウニ、ユン・ウンギョン(冬のソナタ)
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ボラはドゥックを連れ、チュンシクの勤める売り場にやってくる。
「いらっしゃいませ」
ドゥックの顔を見て、チュンシクは表情が固くなる。
「ハン・ドゥックが私の運転手になったって知らなかったの?何を驚いてるのよ」
ボラはしれっと言う。
「知ってますとも。ドゥックをよろしくお願いします」
チュンシクは愛想を振りまく。
「それはこいつの心がけ次第ね。あんた、こいつに靴を選んでやって」
ボラはさらりと言い放つ。
「え?」
チュンシクは耳を疑う。
「聞こえないの?私の運転手に似合う靴を選んでやってって言ったのよ」
「あ・・・ どんな靴がいいかな」
チュンシクは文句も言えず、言われるがまま靴を見繕う。
「チュンシク、いいよ。靴は必要ない」
黙って聞いていたドゥックも、さすがに黙っていられない。
「必要かどうかは私が決めるわ。
あんたは感謝して、大人しくしてればいいの」
ボラは見下したような目で言う。
「いらないって言っただろ」
ドゥックも譲らない。
「おかしいわね。3000万ウォンはしっかり受け取っておいて、
靴は受け取らないってこと?なに?気分悪い?
それならすぐにお金を返したら?」
ボラはチクチクとドゥックを攻撃する。
ドゥックは何も言い返せない。
「その金は会長が貸してくれたんでしょう?
なんでお嬢さんがそんなことを?」
見兼ねたチュンシクがボラにつっかかる。
「おまえは黙ってろ」と、チュンシクを止めると、
おまえが何でここに連れてきたかはわかってるよ。
十分わかってるから、もうやめろ」
ドゥックは冷静に言う。
「あら、何の話? 私はホントにあんたに靴を買ってあげに来ただけよ」
ボラはしれっと言う。
「チュンシクの前で恥をかかせたかったんだろ?
これくらいでいいと思うけど、まだ不足か?」
ドゥックは腹だたしさを抑え、ボラを諭す。
「友達の前で顔をつぶされたくないってこと?
いいわ。それくらいのプライドなら守ってあげる」
ボラはドゥックを睨み、店を出て行く。
ボラの攻撃は止むことはない。
ギュウギュウのエレベーターの中で、
「3000万も借金した理由は何?」と、これ見よがしに尋ね、
驚いて振り返る乗客たちに、
「この人、お金のために私の運転手をしてるんです。
大金をどこで使ったのか気になって」
と、しれっと言う始末。
「俺を雇ったのは会長だ。早く乗れ」
そんな少しも揺るがないドゥックに腹を立て、
運転席に乗り込み、車を壁に激突させる。
案の定、ドゥックはオ室長にこってりと絞られる。
「だから覚悟しろって言ったでしょ。これは手始めだから」
ボラはニヤリと笑う。
ドゥックは借りたお金を母に届けるが、
「こんなに簡単に持ってくるんなら、1000万と言っておけばよかったよ」
と、冷たくあしらわれる。
「母さんが漬けた大根キムチが食べたいんだけど、冷ご飯でもないかな」
ドゥックはめげずに甘えるが、
「厚かましいやつだね。 ちょっと金を持って来たら、もう息子面かい?
おまえに食べさせるご飯なんてないから、さっさと帰りな!」
母はドゥックを怒鳴りつける。
ドゥックは深く傷つく。
一方ボラは、ゴヌに交際を申し込まれる。
困ったボラは、思わず嘘をつく。
「昔からすっごく好きなお兄ちゃんがいて、その人以外は好きになったことがないし、
これからもそうです。中学一年の時、家出した時に出会ったんだけど、
つまらないお見合いで出会ったゴヌさんとは、比べ物にならないでしょ?
今はハーバード大学でMBAを取ってるんだけど、
もうすぐ帰ってくるから、帰ってきたら紹介しますね」
ドゥックはジャンスに呼ばれる。
「ボラは、風の前のロウソクのような子だ。
あの子を見ているといつも不安になる。
今は元気なようだが、いつまた何か起こらないか、心配でならない。
私は商売人だ。損をする商売はしない。
どういう意味かわかるな?」
ジャンスはドゥックをみつめる。
「私はただの運転手じゃないということですね」
ドゥックは答える。
「おまえに投資した以上、元は取らないとな。しっかりやってくれ」
ドゥックの答えに、ジャンスは満足そうだ。
帰ろうとするドゥックをジャンスは引き止める。
「囲碁はわかるか?」と。
わざと碁石を散らし、困った素振りを見せるジャンス。
ドゥックは、あっという間に、元通りに並べてしまう。
ジャンスは、ドゥックの資質を知り、感嘆する。
ドゥックは病院までボラを迎えに行く。
黙って車を運転するドゥックにボラは尋ねる。
「どこへ行くつもりなの?」
「学校」
ドゥックは間髪入れずに答える。
「は?学校?誰が学校へ行けって言ったのよ。すぐに引き返して。
ちょっと!ハン・ドゥック。私の言葉が聞こえないの?早く引き返しなさい!」
ボラは怒鳴り散らす。
「ダメだ。これからはパーティー、デパート、バーには行けない。
学校と図書館以外は、全部出入り禁止だ」
ドゥックはサラリと言い放つ。
「あんたがなんで私に指図するわけ?」
「不満があれば直接会長に言え。俺は指示通りにしてるだけだから」
ドゥックは相変わらず冷静だ。
ボラは「止めて!」と怒鳴り散らし、
埒が明かないと、ドアを開け飛び降りようとする。
「何をするつもりだ!」
ドゥックは慌てて車をとめる。
さっさと車を降り去って行くボラの腕を掴むドゥック。
「気は確かか?車も見ないで飛び出してどうする?どこ行くんだ?」
ボラはドゥックを殴ろうとするが、その手を掴まれる。
「殴られるのは一回で十分だ」
ボラはドゥックを睨みつける。
「借金の分は働かないとな」
ドゥックは言い放つ。
ボラはドゥックのスネを蹴って走り去る。
ドゥックの母はジムを訪ねる。
館長から話を聞く母。
「ドゥック・・・、ここではそう呼ばれています」
と、館長。
「ドゥック?親がつけた名前がありながら、なぜ別の名前を名乗ってるんですか?」
母は唖然とする。
「ご存知じゃないですか。ドゥック・・・いえ、テウンはあの頃ずいぶん苦しんでいました。
辛かった思い出を忘れたくて・・・」
館長は居た堪れない。
「全て忘れたくて、名前も捨てて母も捨てて暮らしてきたと?」
母は切り返す。
「テウンは、ずっとお母さんの事を捜し続けてきました。
あいつは、家を出て初めの一年は死んだも同然でした。
気持ちの整理がついて、お母さんを探した時には、もうおられなくなっていた。
あの日、あいつはずいぶん泣きました。
お母さん。あいつを許してやって下さい。
自分のせいで友達が死んだと言っていたが、
若いあいつには、どれだけ辛かったことか」
館長の言葉に、母は目を潤ませる。
「母親よりテウンの気持ちをご存知のようだから、一つだけお聞きします。
あの子はここで何をして暮らしているんですか?」
「ボクシングです」
館長は答える。
「ボクシングですって? ボクシングをしてるんですか?
うちのテウンがどんな子供か、ご存知でしょう?あの子がボクシングを?
ここに来たのは間違いだったようです。それでは」
母は立ち上がる。
「お母さん。このままお帰りになってどうするんです?せめて、顔だけでも見て・・・」
館長は必死に引き止める。
「結構です。あの子の顔を見に来たんじゃありません。
私が来たということも話さないで下さい」
母は帰って行く。
ボラはファッションショーに来ていた。
トゥンナムからファッションショーを観に行ったと聞いたテウンは、
ソウル中のショーを訪ね歩き、ようやくボラをみつける。
「ボラ!」
「本当にしつこいヤツね。なんでここにいるってわかったの?」
ボラはさっさと逃げ出すが、先日の財閥の子息と鉢合わせしてしまう。
「あの日のこと、覚えてるだろ?ずっとこの日を待ってたんだよ」
男は腕をまくる。
ボラは引き返そうとするが、後ろにはドゥックが・・・
「私もこの日を待ってたの。この前のことも謝りたかったし、
あの時は気づかなかったけど、こうやって見るとあんたってイケてるじゃない。素敵よ」
ボラは男の肩に手をを回す。
ニヤける男。
「悪いんだけど。これからデートなの」
ボラはドゥックに告げると、男と去って行く。
「おまえ、思ったよりホットなんだな。めちゃくちゃ気に入った。
いい所へ連れてってやるよ」
男は上機嫌だ。
「結構よ。勝手に好きなところへ行けば?」
ボラは冷たくあしらい、男を怒らせてしまう。
ボラを無理矢理車に押し込める男。
そこへドゥックが現れ、殴りつける。
「どうしてやろうか? 警察に突き出すか、
じゃなきゃ財閥の息子が、よそ様の大事な娘を拉致しようとしたって
新聞の一面にデカデカと載せてやろうか?」
ドゥックは睨みを効かす。
「今度ボラの前に現れたら、殺す」
「もし俺が行かなかったらどうなってたと思う?怖いと思わないのか?」
ドゥックは問う。
「私もこんなことになるとは思わなかったのよ」
ボラは面目がない。
「バカか?お前からデートに誘ってその気にならない男がいるか?
人を見る目がないのか?見てわからないか?」
ドゥックは窘める。
「わかった。わかったからもうやめて。こうなったのはあんたのせいよ。
あんたが追い回すからイライラして、困らせてやろうと思ったのよ。」
だからこれ以上私の心配するふりしないで。少しもありがたくないんだから」
ボラは怒鳴り散らす。
「俺のこと、そんなに嫌いか・・?あんなヤツについて行くほど、俺が嫌いなのか?
俺が辞めるよ。そうした方がよさそうだ。会長には俺から話すから」
ドゥックは去って行くボラに呼びかける。
「勝手にしなさいよ。あんたが辞めようが関係ないわ」
ボラは冷たく言い捨てる。
ドンピルが入院したと聞き、ドゥックは病院に駆けつける。
鼻血が止まらないというドンピルに、
医者は「単純外傷でしょう。眼科で診てもらってください」と告げる。
「もう一度見ていただけませんか?
鼻血がずっと喉に流れるって言うのは、僕が思うに・・・
鼻血がすごく薄いのは脳髄液が流れ出てるかもしれないと思って」
ドゥックは医師に告げる。
「鼻水と混じれば、鼻血も薄まりますよ。行こう」
医師はゴヌに呼びかけ、行ってしまう。
「頭蓋骨骨折の可能性はありませんか?
頭に衝撃を受けたんです。単純外傷だと決めつけるのは・・・」
ドゥックは引き下がらない。
「ちょっと。あんた、頭蓋骨骨折が何なのかわかってるのか?
あんた一体何なんだ?あんたは医者か?」
医者は怒り出すが、ゴヌが窘める。
「申し訳ありません。すぐに精密検査をしてみますから、心配せずにお待ち下さい」
ゴヌはドゥックに頭を下げる。
翌朝、ドゥックは辞めることを伝えに会長に会いに来る。
「会長はどちらにおられますか?お話があって・・」
ドゥックは家政婦のスンジャに尋ねる。
ボラは昨晩、ドゥックにもらったスズランの花をみつめながら
「俺のことそんなに嫌いか?」というドゥックの言葉を気に病んでいた。
「あんた、ここで何してるの?出勤したら車を磨かなきゃダメじゃない。
もう出かけるからすぐに準備して」
ボラはドゥックを呼び止める。
唖然とするドゥック。
「何してるの?運転しないの?」
ボラはスタスタ出て行ってしまう。
「ボラ。キム・ボラ!」
ドゥックはボラの後を追う。
「どうしてあんたが勝手に辞められるの?
あんたは黙って働いてればいいのよ。私がクビだって言うまでね。わかった?
勘違いしないでね。私は損をするようなことは絶対しないだけ。
3000万ウォンも払ったんだから、元はとらないと」
ボラはしれっと言う。
ドゥックは笑う。
「な、何笑ってるのよ?」
ボラは食ってかかる。
「いや。おまえの言うことがあんまり会長に似てるもんだからさ。
ところで朝っぱらからどこへ行くんだ?」
「学校・・」
ボラは、こそっと言う。
「は?」
「学校も知らないの?学校へ行くのよ」
ボラはツンケンと言い放つ。
ドゥックは唖然とする。
学校の図書館でレポートを書くボラ。
「ところであんた、父さんにどうしてお金を借りたの?
皮肉じゃないから話してみて。ホントはどうして借りたのか」
ボラは携帯電話のゲームに夢中になりながら問いかける。
「母さんが急に金が必要になって、それで借りたんだ」
ドゥックは答える。
「つまり自立してない母親ってことか」
ボラはサラリと言う。
「おい!何てこと言うんだよ」
ドゥックは怒鳴る。
「ごめん。あんたのお母さんを侮辱するつもりはなかったのよ」
ボラは申し訳なさそうに照れ笑いする。
「とにかく、あんたのお母さんはいい方よ。
夫も何もかも捨てて、浮気して逃げ出したどこかの母親に比べたら・・」
ボラは何か言いたげだ。
「何の話だ?」
「そういう母親もいるって話よ」
ボラは立ち上がる。
「どこへ行く?」
「本を探すの。使えない本ばかり持ってくるんだから」
ボラはブスくれる。
「俺も手伝うよ」
ドゥックはボラを追いかける。
本を探しに行ったきり戻らないドゥックを捜しに行くボラ。
学会誌を読みふけるドゥックを見つけ、そばに腰を下ろす。
ボラに気づくドゥック。
「ぴったり1時間17分待ったわよ。あんた、仕事さぼってるってわかってる?」
ボラは呆れる。
「ごめん。もうそんなに経ったのか?」
ドゥックは素直に謝る。
「一体何読んでたの?数学学会誌?なんであんたが?」
ボラは訝しがる。
「け、経営数学のレポートだっていうから・・・」
言葉を濁すテウン。
「あとは提出すればいいだけよ。出して来て。
私を待たせた代償は払わなくちゃね」
レポートを渡すと、ボラは帰って行く。
図書館を出るとゴヌが現れる。
「ボラさん!」
「忙しいから」と、勝手に電話を切っておいて、じらす作戦だ。
「どなた・・・かしら?」
ボラは、さっきの電話に腹を立て、冷たくあしらう。
「喜んでくれると思ったのに、なんでそんなに冷たいんですか?」
ゴヌはすねる。
「とてもお忙しいお医者様が、うちの学校にどんなご用ですか?」
それでも、ボラは冷たい。
「どうしたんですか?ポラさんを助けようと、手術も変更して駆けつけたのに」
「私、勝手に電話を切るような礼儀知らずな人とは、お話しない主義なんです。
それにレポートは書き上げましたから。では、さようなら」
ボラは立ち去る。
「ここまで来たのに、置いてけぼりですか?」
ゴヌはボラの後を追う。
「イヤだって言ってるでしょ。しつこいわね」
「そんなこと言わずに、食事にでも行きましょうよ。ね?」
ゴヌはボラの手を掴む。しかし、その手をねじ伏せられる。
「ちゃんとした大人がこんなことしちゃダメでしょう?
嫌がってる女にしつこくつきまとって」
ドゥックは言い放つ。
「おい、おまえ誰だ?放せよ」
ゴヌは痛みに悲鳴をあげる。
「そんなこと知らなくていいよ。このままさっさと消えてください。
じゃなきゃ警察に行きますか?」
ドゥックは更にねじりあげる。
「このっ!」
ゴヌはドゥックを振り返り、唖然とする。
「あっ、昨日病院で・・・だよね?」
「はい・・・」
二人は顔を見合わせる。
「あなたたち、知り合い?」
ボラは意味がわからない。
「大丈夫ですか?」
ドゥックは尋ねる。
「ああ、はい、なんとか。それにしても偶然ですね。
ボラさんの運転手だとは知りませんでした」
ゴヌは言う。
「ゴヌさん、今日は運が良かったと思ってくださいね。
ドゥックはね、私の運転手になる前はボクサーだったんですよ」
ボラは高慢な態度で言う。
「ボクサー?医大生かと思ってたけど」
「何の話ですか?」
訝しがるボラを遮るドゥック。
「とにかく、申し訳ありません。ボラのお知り合いとは知らなくて」
「そういうこともありますよ。
とにかくボクサーだったら、心強いですね。
これからもポラさんをしっかり守ってください。今日は抜きで。
今日は食事に行ってくれるでしょ?」
ゴヌはボラに問いかける。
「私がどうして?」
ボラはしれっと言う。
「大事な手術も変更して来たのに、ボラさんがいつもそんなだったら傷つきますよ」
ゴヌはごねる。
「あんた、今日は先に帰って。
私はゴヌさんと’最後の晩餐’に行ってくるから」
ボラはドゥックに告げると、立ち上がる。
「かわいい所があるでしょ?
あ、そうだ。ドゥックさんが頭蓋骨骨折だって言ったこと、その通りでした。
僕の友人の誤診、許してくれますよね?」
ゴヌはドゥックにこそっと語る。
「ゴヌさん、何してるの!」
ボラは怒鳴る。
「はいはい、行きますよ!
ボラさん、もうちょっとのんびりできないの?美人なのに」
ゴヌはボラを追いかける。
ボラのレポートを提出しに行く。
数学の問題を見たドゥックは、ペンを取り問題を書き込む。
「あ、経営数学のレポート?貸して下さい」
助手がやってきて、レポートを持っていってしまう。
「あ・・・」
ドゥックはジャンスに呼ばれる。
「どうして学校をやめた?」
ジャンスはドゥックに酒を勧める。
「なんとなく、勉強する意味がなかったので・・・」
ドゥックは言葉を濁す。
「勉強する意味がない・・・それでも学校を辞めるのは簡単じゃないだろうに。
何か事情でもあったのか?」
ジャンスは尋ねる。
「そんなことはありません」
ドゥックはまたもや言葉を濁す。
「そうでもないようだが?」
ドゥックは言葉に詰まる。
「そうだな。若い頃は迷うこともある。私もそうだった。
しかし、迷っても目標は持たなくてはな。
おまえの目標は何だ?世界チャンピオンか?」
ジャンスは穏やかに問う。
「ボクシングは好きですが、世界チャンピオンになるような才能はありません。
でも、いいボクサーにはなりたいです」
ドゥックは、まっすぐな目で答える。
「ボクシング以外に、何か才能があるとは思わなかったか?」
ジャンスは何か言いたげだ。
「思いませんでした」
ドゥックは動揺しながら、キッパリ言い放つ。
ジャンスはドゥックの本意を図りかねる。
「アメリカにいるっていうボラさんの初恋の人、元気にしてます?」
ゴヌの言葉に、ボラは言葉に詰まる。
「もう忘れちゃったの?韓国に戻ってきたら紹介してくれるって言ってたでしょ?
いつ会わせてくれます?ボラさんに会いたくて急いで帰ってくるんじゃない?でしょ?」
ゴヌはボラの嘘だと知りながら、突き詰める。
「そうよ、ウソです。初恋って言うより片想いだったんです。これでいい?」
ボラはヤケになる。
「片想い?じゃあ、好きだったのはホントなんだ」
「もちろん。どんなに好きだったか・・・」
ボラはすねる。
「なのに、どうして別れたの?」
ボラは言葉に詰まる。
「言いたくなかったら言わなくていいですよ」
ボラの辛い心情を察するゴヌ。
「別れたってほどのことじゃないんです。二度会っただけだから。
遊園地でまた会おうって言ったのに、連絡もなく来なかったの・・・」
ボラは遠くをみつめる。
部屋に戻ったボラは、思い出の品が詰まった箱を取り出す。
箱の中には、あの時のポケベルが・・・
メッセージは一件もない。
「あの時ずっと待ってたのに・・・
あのお兄ちゃん、今頃どこで何してるのかな」
ボラは一人つぶやく。
講義を受けるボラ。先日のレポートが返される。
「キム・ボラ?」
教授はボラの顔をマジマジと覗き込む。
「はい・・?」
ボラは訝しげに見返す。
「こんな立派なレポートは初めてだ。
経営科の学生がこんな証明をやりこなすとは驚きだな。
次の授業でこれを発表しなさい。いいね?」
言葉を失うボラ。
レポートを見返すと、身に覚えのない回答が書き込まれていた。
「医大生かと思ってたけど」
というゴヌの言葉。
「そんな英語じゃ、ニューヨーカーには通じそうもないな」
と流暢な英語を話していたドゥックの姿が頭をよぎるボラ。
「ハン・ドゥック。一体何者なの?」
ドゥックを問い詰めるボラ。
「写したんだ。数学学会誌だよ。俺が図書館で呼んでた本、覚えてないか?」
ドゥックは誤魔化す。
「自分で写したくせに、どこにあったか覚えてないの?」
学会誌を探すボラ。
「うん。悪いことしたな。見つからないよ」
ドゥックは困り果てる。
「発表、どうするのよ」
ブーブー言うボラ。
ドゥックはある本が目に付き、手に取る。
「そんな所で何してるのよ?」
「おまえ、この本読んだことある?」
ドゥックの読んでいた本は「雪の女王」だった。
ボアは頷く。
「じゃあ、雪の女王がどこに住んでるか知ってるか?」
「ラップランド・・・」
ボラはポソリと答える。
「知ってるのか。知ってる人少ないのに」
「あんたは?あんたはどうして知ってるの?」
ボラは訝しげにドゥックをみつめる。
「俺は・・・高校の時に家出して、その時出会った女の子が教えてくれた」
「え・・・?」
ボラは驚愕する。
「その子はラップランドに行きたがってた。
そこへ行けばお母さんに会えそうだからって。
お母さんを亡くしたんだ、ボラみたいに」
ドゥックはサラリと言う。
ボラは言葉を失う。
「ラップランドには雪の女王の宮殿があった。
そこは一年中氷と雪に覆われてて、自由と幸せの素敵なところだ。
その子が教えてくれたんだ。
ラップランド、そこに雪の女王が住んでるって」
ボラは驚きで目を見張る。
【一番下に、英語字幕ですが動画があります】
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【レビュー】
とうとうボラが気づきましたねー
ドゥックがあのお兄ちゃんだと。
そこでボラが、「あのお兄ちゃんなの!?」と言い出せば、
このドラマはジ・エンド!か?
けれど、そんなわけにはいきませんね、ドラマだから(笑)
どんな展開になりますか・・
ポケベルを解約せずに持ち続けている・・
ボラの気持ちわかるわ・・・
しかし、ボラとゴヌは最高!
「じらすため」と、ボラの電話を勝手に切っちゃうゴヌもゴヌ。
しかも、「手術を変更してきた」なんて、平気で嘘つくし・・・・(笑;)
けど、そんな言葉に負けないのがボラ!
「どなた・・ですか?」なんて・・(笑)
医者で、かっこよくて、性格も悪くなく・・・
そんな人がいたら、みんな目の色変えてブリっこするのに、
「’最後の晩餐’に行ってくるわ」とか、冷たくて(笑)
この二人、最高のコンビなんですけどー!
ゴヌに好きな人がいると嘘をついて、
「その人、今どこで何をしてるんですか?」
って突っ込まれた時の「네?(ネ?)」って驚くボラがめちゃおかしい!
ソン・ユリ、チェゴ!
食事に誘えば、
「最近のご祝儀っていくらかかるか。一人じゃ元が取れないよ」
って、トルチャンチに連れて行くし(笑)
※韓国では一歳の誕生日に盛大にパーティーをします。それがトルチャンチ(돌잔치)
「ああいうの許せないんだ」
って、インチョンまで割り込みした車をおいかけて行っちゃうし(笑)
でも、あれは・・・
「連絡もなく来なかった・・・」
と悲しそうな顔をしたボラを元気づけるためだったのか?
とにかく、ボラ&ゴヌの会話が大好きー
二人のキャラが大好きー
そして、冒頭は、、、さすがのmocaでも「うわ・・・」と思うほどボラはイヤな女でしたが、
ゴヌが「可愛いところあるでしょう」と言うように、ホント可愛いところあるのよね。
素直じゃないのに、ある意味めちゃ素直!
「俺のことそんなに嫌いか?」と言ったドゥックの言葉で気を病んだり、
「傷ついちゃうな・・」と言われて、食事につきあったり・・
「なんてこと言うんだよ!」と怒られれば、素直に申し訳なく思ったり・・
ボラは、そういう子なんですよね。ホントは。
ドゥックも、そんなボラの可愛らしさに気づき始めたようで、嬉しいわ。
図書館で学会誌を読みふけっているドゥックを隣りに座って待ってるボラも好き。
「ちょうど1時間17分」なんて、そんなに長い間、そこで待ってたんかい!(笑)
「絶対損はしない性格なの」なんて言いながら、
「仕事サボってるってわかってる?」というボラの言葉は本気じゃないわよね。
だったら、1時間以上も待たずに、その場で叱ればいいんだし。
レポート押し付けて帰っちゃうけど(笑)
ドゥックの母は・・難しいわね・・
ドゥックの立場に立てば、
「母なんだから、息子が苦しんでいる時に’お前のせいじゃないよ’」と言うだけで、
ドゥックの苦しみを心から理解してあげれなかったのだから、
そこまで責める権利はないわ、と思うし、
あの時無理矢理自分の思うとおりにドゥックを縛り付けていたら、
ドゥックは自ら命を絶ってしまったことだって考えられるわ・・
母の立場に立てば、
あれだけドゥックのことを愛していた母の夢を踏みにじり、
一人置いて逃げたのだから・・責められても・・・とも思うし
けれど、あれだけ愛し合っていた親子だから・・・いつの日か・・・・
なによりせつないのは、今回もジョンギュの幻影が・・
ジョンギュの笑顔・・胸がしめつけられるわ・・
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