ファム・ファタール  Open City 
 原題:無防備都市 무방비도시(ムバンビドシ) <2008>

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国内最高のエリート刑事で構成され、各種凶悪事件を引き受けて処理する韓国の FBI<広域捜査隊>。その中でも、最高の検挙率を誇る広域捜査隊のベテラン刑事チョ・テヨン(キム・ミョンミン)に、調査中の連続殺人事件の代わりに、 最近猛威を振っているヤクザと関連した企業型スリ事件を専門に担当しろとの上部指示が下る。

なぜかスリ事件だけは引き受けたがらないテヨン。彼には、スリ と関連した消せない記憶が残っている。

華麗な容貌と神技に近い手の技術を誇る国際的企業型スリ組織<三星派>のリーダー、ペク・チャンミ(ソン・イェジ ン)。彼女は、最近出所した伝説的なスリの大母カン・マノク(キム・ヘスク)を迎え入れ組織を拡張しようとするが、引退を決心したマノクを説得することは 容易でない。

潜伏捜査中だったテヨンは、偶然敵対するスリ組織に襲われたチャンミを助け、二人は初対面で互いの魅力に惹かれるようになる。一寸先も予測で きない二人の危険な出逢いは、このようにして始まる。

【予告編】

監督 イ・サンギ <2008>ファ ム・ファタール

出演

キム・ミョンミン

<2001>鳥肌、<2003>Mirror 鏡の中、<2007>リターン、 <2008>ファム・ファタール
<2009>私の愛、私のそばに、 <2010>破壊された男、<2011>朝鮮名探偵:トリカブトの秘密

ソン・イェジン(孫藝珍)

<2002> 醉画仙(チファソン)、<2002>永遠の片想い、 <2002>ラブストーリー
<2003>君に捧げる初恋、 <2004>私の頭の中の消しゴム、 <2005>四月の雪、<2006>ナンパの定石
<2008>ファム・ファタール 、<2008>妻が結婚した、 <2009>白 夜行-白い闇の中を歩く
<2011>不気味な恋愛

キム・ヘスク(金海淑) 出演作品一覧
ソン・ビョンホ <1999>ユ リョン(幽霊)、<2001>ラブ・レター ~パイランよ り~、<2001>フラワーアイランド、
<2001>インディアン・サマー、 <2002>オアシス、<2002>密愛、<2003>TUBE(チューブ)
<2004>木浦(モッポ)は港だ、<2004>大統領の理髪師、<2004>R-POINT
<2004>スパイダー・フォレスト 懺悔、<2005>お母さん、 <2005>美しき野獣
<2006>吸血刑事ナ・ドヨル、<2007>光州5・18、 <2007>正しく生きよう、 <2007>ファム・ファタール
<2008>GP506、<2008>グッド・バッド・ウィアード、 <2008>ちょっと水ください、
<2009>仁寺洞スキャンダル(友情 出演)
シム・ジホ(沈知浩) <2005>秘蜜、<2007>ファムファタール、<2008>霜花店(サンファジョム)-運命、その愛

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【レビュー&ネタバレ】
2008年1月韓国公開。
観客動員数は、約160万人。
って...........  えっ゛
観終わった後、これは興業失敗だろうなぁ...... と思ったら、アラ、ビックリ。
やっぱり韓国では驚くようなことがよくあるわね。
韓国人と日本人の感覚も違いますし、mocaの感覚もね。
正直、レベルの低い映画だと思いますわ。
<親子間の確執>と、<敵対する男女のせつない愛>なんていう
大きなテーマを2つも盛り込み中途半端に。
いったいどこに行きたいやら、最後の最後までわからず。
新人監督のお試し作。
火曜サスペンスや土曜ワイドの方が面白い。
感動シーンを盛り込むために、無理矢理こじつけて.... 別にマノクを売る必要ないじゃん。
あんなタレコミせず、とっとと一人逃げ出せよ!
(↑未見の方には理解できないよう省略してます)
ラストの回想シーンも、いったい何のためにあるやら.........
脚本ひどい、ソン・イェジンの演技が未熟。
彼女の心理がまったく伝わらず。
キャラクター設定もメチャクチャ。
子供の手術代をスったヨンスたちを叱り飛ばし金を送り返させたりして
スリでも筋の通った奴と思わせきや、ただの性悪女。
とにかく、主演3人の誰にも感情移入ができないのが一番痛いところでしょう。
キム・ミョンミンはハマリ役でしたのに。

警察とスリの攻防戦を面白おかしく描いてくれたら、
それだけでも楽しめたでしょうに.... 残念。

別の意味で楽しめるのが、
日本輸出を意識したのか、日本ネタ炸裂。
冒頭はいきなり大阪のシーン。
しかも、なんちゃっ て大阪。
自動改札機もヘンだし、あのポスター、ダサすぎ!
なんて思ってたら、釜山の開業前の地下鉄で撮影したそうでございます。
ソン・イェジンも度々日本語しゃべってます。

<刑事モノ>の映画なんて、韓国には飽きるほどありまして、
その中で差別化するには.....
と、<スリ>を扱った作品にしたそうです。
確かに、<スリ>に関する作品ってそうあるものではないので、
その辺は面白いかもしれませんね。
とはいっても、それだけのために映画を観るほどのスゴイネタはございません。
ちなみに、今回よく出てきた<スリ用語>での役割は以下の通りでございます。

기계(キゲ:機 械) 人々の財布や金 をスリ取る技術者
바람(パラム: 風) 機械がスる時そ ばで犯行を助ける役目
안테나(アンテ ナ) 見張り役。機械 が危険に晒されれば、ナイフなどの武器で機械を助ける

劇中で<会社>と言っておりますが、これも<スリ用語>で、
3~4くらいで組織するスリグループのことだそうです。
<社長>はグループのリーダー。

で、今回清純派のソン・イェジンが<男の人生を狂わす魔性の女>を演じ、
初の悪役にチャレンジするわけですが......
ナンパの定石と同じじゃん。芸ないな。
魔性じゃねぇよ、魔性じゃ。
安っぽい媚び女。
↓こんなんで落ちるか!キム・ミョンミン!(注:落ちたのはテヨンです)


ソン・イェジン好きにはたまらない生唾モノなのか知りませんが、
アンチ・イェジンには、イライラ不快指数120.ってトコですね。
今回、ソン・イェジンの評判がどうだったか知りませんが、
女優としての株を上げたどころか、演技力不足が明らかになったのでは?

最近ちょっと嫌いになったハ・ジウォンですが、
こういう役を演じさせたら素晴らしい。
ハ・ジウォンはやっぱりスゴいなぁ.....と、ちょっと感心。
ソン・イェジンにも徹底的に<悪>を演じて欲しかったですね。
キレイなままの悪役なんて、甘すぎね。

とにかく、なんで敵対する二人が恋に落ちるのかも納得できず。
なので、ラストもせつなくねえ!

ストーリーも内容もお粗末で、残るはアクションか!
キム・ミョンミンのアクションがウリらしいですけれど、えっ゛
アクションは<やらせ>ですけど、<やらせ>なのがバリバリ見えるアクションって....
面白いわけねーぞ。

しかしっ!すごいのがいたぞ!!

セクシーでクール、でもって、華麗。
もー シム・ジホのシーンばっかり、何度観たことやら!
すっかり惚れました。



シム・ジホといえば、ドラマ<ガラスの華>でキム・ハヌルの弟ジソクを演じた男の子。
だったのにー
こんなイイ男になっちゃってー
いやぁ、顔自体はブーなことも多いとも思います。
けど、なんなの、このかっこよさは!

アクションもかっこいいですけれど、何をしててもかっこいいのよ!
河原でソン・イェジンにタバコを差し出すシーンには、メロメロ。
最近の記事を見て、シム・ジホかっこよくなっちゃったなぁ.....と思っておりましたが、
こんなにとは..... もう、一人シム・ジホ祭り。
シム・ジホの妖艶な史劇が観たいなぁ....なんて思ったら......
次回作<双花店>でチョ・インソンのライバル役にキャスティングされたそうで....
それも納得よ。
考えるのは一人じゃあないってことねぇ。
美少年の集まりである部隊で繰り広げられる同性愛モノですが、似合いすぎて恐ろしい。

【チョ・テヨ ン】
広域捜査隊
キム・ミョンミン(김명민)
【ペク・チャン ミ】
スリ組織三星派リーダー
ソン・イェジン(손예진)
【カン・マノ ク】
テヨンの母(伝説のスリ)
キム・ヘスク(김해숙)
【オ・ヨンス】
広域捜査隊班長
ソン・ビョンホ(손병호)
【チェ・ソン ス】
三星派(アンテナ)
シム・ジホ(심지호)
【ホン・ギテク /ホン・ヨンテク】
スリ組織双子派リーダー
キム・ビョンオク(김병옥)
【イ・ウォン ジョン】
三星派(風)
ト・ギソク(도기석)
【ソン・ヨン ス】
三星派(機械)
パク・キルス(박길수)
【チョ・スヒョ ン】
テヨンの姉
ユン・ユソン(윤유선)


カメオでこんな方も出ています。



左:サマリアホリデー光州5・18のイ・オル(特別出演)
右:僕の彼女を紹介しますのキム・ジョンテ (友情出演)



ソン・イェジンの母に、ドラマ<兄嫁は19歳>のキム・ミニ母、
<明朗少女成功記>の社長、イ・ヘスク(特別出演)

スリの元締めは、ロスト・メモリーズの 長老、チョ・サンゴン。
テヨンの親戚の男には、キ ム・ギチョン

双子派の双子兄弟は、親切なクムジャさんの伝道師キム・ ビョンオク。


* * *

ストーリーです。


7年の刑期を終え出所した伝説のスリ師、カン・マノク。
出所を迎えたのは、昔の仲間ペク・チャンミとソンス。
チャンミは新しい組織を結成するに当たりマノクを迎え入れようと
7年間マノクに差し入れを続けてきたのだった。
しかしマノクは足を洗うことを決意しており、その決心は命を賭けるほどの固いものだった。


日本大阪での荒稼ぎを終え、韓国国内で新会社(新しいスリグループ)を設立したチャンミ。
仲間のヨンス、ウォンジョン、ソンスを連れ街に繰り出す。

韓国のFBI、広域捜査隊の刑事テヨン。
ある日、テヨンの元に配属された新しい班長は、昔の上司オ・ヨンスだった。
オ班長は、大阪で荒稼ぎし韓国で暗躍するスリグループの検挙をテヨンに指示するが、
テヨンは受け入れない。
昔からテヨンはスリに関する事件にだけは関わりたがらなかった。
それというのも、テヨンの母は伝説のスリであるカン・マノク。
母のことが心の傷になっているテヨンは、スリの事件を避けていた。


チャンミは仲間から離れ一人繁華街を歩いているところを、敵対する双子派に襲われる。
別件の潜伏捜査をしていたテヨンだが、
女が殴られているということに耐えられず、チャンミを助けに割り込む。
テヨンは見事、双子派を一網打尽。
チャンミの怪我の治療をしてやるテヨンだったが、
「事情を聞かせて欲しい」
と警察手帳を出したところ、目を離した隙にチャンミは消えていた。

チャンミからの誘いを断り、マノクはホームレスになり暮らしていた。
糖尿を患うマノクは治療も受けられず、悲惨な有様だった。
そこへ現れたチャンミ。
「おばさんは私を悪人にするのね。私たち、助けてと言えないような間柄?」
チャンミは札束の詰まった紙袋を差し出すが、マノクは断る。
「なんで?スリで盗ったカネだから?」
チャンミはマノクにつっかかる。

マノクはテヨンの姉スヒョンの元を訪ねる。
最近亡くなったテヨン兄弟の祖父であり、マノクの父。
少しでも親孝行がしたいと、金を持ってきたのだった。
そこへ帰宅したテヨンは、マノクの姿を見て逆上する。
「あんたの金なんて貰ったら、爺さんが浮かばれない」
と、金を突き返すテヨン。
マノクを無理矢理追い返そうとするが、それを見ていたスヒョンが発作を起こす。
スヒョンは母がスリだと知った日、母の実家で自殺を図り、その後遺症が残ってしまったのだと
テヨンはマノクに残酷な事実を突きつける。
「もう会いに来るな。来たら、その日が俺たち3人の命日だ」
テヨンはマノクを突き放す。

捜査線上にチャンミの名前が挙がる。
チャンミの顔を見たテヨンは愕然。あの日消えた女だったからだ。
テヨンはチャンミを訪ねるが、チャンミははぐらかす。

チャンミはテヨンを利用し、嘘の密告で敵対するグループ明洞派を落としいれ
その縄張りを手に入れる。
チャンミを疑うものの、チャンミの魅力に惹かれてしまうテヨンは、一夜を共にしてしまう。


敵対する双子派のボスは、チャンミに暴行しようとするが
抵抗するチャンミにノ咽喉を刺され、死んでしまう。
困り果てたチャンミは、最も信頼する仲間ソンスに死体遺棄を手伝わせるが、
「これで俺たち同じ船に乗ったな。墓場まで持っていく二人の秘密ができたんだから」
それはチャンミに想いを寄せるソンスにとってはチャンミを引き止める道具でしかなかったが、
チャンミに「邪魔者が出来た」という危機感を抱かせる。

↓ 結末ネタバレ。ご注意を↓

チャンミはマノクの元を訪ねる。
マノクはチャンミから受け取った金で食堂を開店させ、新たな人生を歩もうとしていた。
しかし、チャンミはマノクを脅す。
「あんたの息子の性格少し知ってるけど、この店の資金をどうやって手に入れたか知ったら、
大変なことになるんじゃ?」
そう言って、最後に一度だけだからと、スリを手伝わせる約束をさせる。


テヨンは チャンミの密告でスリグループ摘発のため張り込みをしていた。
しかし、目の前に現れたのは、マノクだった。
驚愕するテヨン。
マノクは何とか逃げ出すが、結局テヨンにみつかってしまう。
そこへマノクを助けるためにソンスが現れるが、テヨンを庇いマノクが刺されてしまう。
「私の息子なんだー!」
必死にソンスを止め、テヨンを庇うマノク。
そして、マノクはそのまま息を引き取る。
「私が悪かった。ごめんよ.....」
と詫びながら。


テヨンの元に姉スヒョンがマノクの遺品を持って現れる。
その日誕生日だったテヨン。
マノクはテヨンに贈るために腕時計を買っていたのだった。
その箱に隠された写真。
それは、チャンミと一夜を共にした日に失くした写真だった。
すべてはチャンミの仕組んだことと、ようやく気づくテヨン。
テヨンはチャンミを追って港へ向かう。
ヨットで日本への脱出目前だったチャンミをみつけたテヨン。
「私はただ、生きたかっただけ」
チャンミは悪びれもしない。
「どうせ無期懲役。刑務所で老いて死ぬのはイヤ。
このまま行かせるか、ここで終わりにして」
チャンミはヨットのエンジンをかける。
鳴り響く銃声 ──

END

というわけで、ラストは7年前の回想で終わるわけですが、
このシーンをラストに持ってくる意味がわからない。







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