後悔なんてしない No Regret |
原題:後悔しない 후회하지 않아(フフェハジ アナ)<2006> |
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監督 | イソン・ヒイル | <2006>後 悔なんてしない、<2009>脱走 |
出演 |
キム・ナムギル(イ・ハン) |
出演作品一覧 |
イ・ヨンフン | <2006>後 悔なんてしない、<2008>GP506、 <2008>走れ自転車、<2010> 解決士 | |
キム・ドンウク | 出演作品一覧 | |
キム・ジョンファ | <2003>僕
の彼女を知らないとスパイ、<2004>マッサージ、
<2006>後悔なんてしない、 <2007>青 い自転車 |
【レビュー&ネタバレ】 |
2006年11月公開。観客動員数は、約4万人。 一言で言えば、ゲイ映画。 韓国で初めてカミングアウトした映画監督の映画ということでも話題に。 最初は見向きもされなかったが、クチコミで徐々に広がった。 インディーズ映画で4万人とは、脅威であるのは確かであろう。 日本では、2007年4月に悔いなき恋 -NO REGRET-と して、 アジアン・クイア・フィルム&ビデオ・フェスティバルで先行上映。 クイアとは、ゲイ、レズ、バイセク、トランスジェンダーなどの、 セクシャル・マイノリティーのことだそうだ。 2008年8月に正式公開され、 好評につき、9/6から9/19までアンコール上映が決定。 GP506でのイ・ヨンフンの不思議な魅力に魅 了され、 予告編での、なんとも言えないせつなさが頭から離れず、 とうとう手をだしてしまいました。 せつなく、胸締め付けられるような名作を期待しておりましたが、 ちょっと違ったようです。 面白い映画ではありません。 よい映画というには微妙ですが、 国際映画祭などで認められてもおかしくないような映画です。 そういった類の映画です。 ゲイが素材であるということとは別に、 万人ウケするような映画ではありません。 ミニシアター映画などが好きな方向けの、文学的雰囲気の映画です。 やっぱり、インディーズ映画という感じ。 どう間違っても、全国公開はありえない。 mocaはゲイに対して偏見はありませんが、 その行為を映像で目にするというのは、また話が別です。 見るまで、うろたえておりました。 ですが、ぜーんぜんへっちゃらでしたね。 直視できないだろうと思っておりましたが、思いっきりガン見してました(笑) なんだろう、この美しさは....... 気持ち悪さなんて一切ありません。 うーん、ちょっと目から鱗。 それどころか、久々にドキドキしちゃって(笑) 男が女を抱きしめたって、すこーしもドキドキしなくなってしまいましたが、 男が男を抱きしめるって、新鮮だからかしら..... フツーの恋愛モノみたいに見ている自分が不思議。 何かに目覚めちゃったかしら???(笑) この映画は、素材がゲイというだけで、純粋な青春グラフティー。 最初はジェミンを拒み続けていたスミンが、ジェミンを受け入れてからの幸福な日々が美しい。 ↑のポスターで使われているシーンは、ぜひ見て欲しい。 二人が本当に幸せそうで、清々しい気持ちになります。 イ・ハンの表情が最高。 ようやく身も心も結ばれた翌日に二人で行った海。 二人のしぐさ、行動... どれをとっても、胸がキューンとしてしまう。 ’恋’の素晴らしさを、久々に味わいました。 ジェミンのスミンへの扱いが、男らしくてドキドキだし、 スミンのジェミンへの甘えが、可愛らしくてほのぼの。 イ・ヨンフンは決してイケメンではないと思います。 ですが、なぜこんなに人を惹きつけるのでしょうね。 今回もイ・ヨンフンオーラ全開。 演技なのか、素なのか.... イ・ヨンフンが本物のゲイにしか見えないの.... 目つき、しぐさ、言葉.... これ、演技なの? 陰毛が見えるほどの熱演には、頭が下がる思い。 イ・ハンは、TVドラマの方が有名ですね。 (カン・チョルジュンから、本名のキム・ナムギルで活動) 頑張れ!グムスンやら、恋人などでおなじみ。 インパクトの弱い顔立ちですが、これからが楽しみな俳優の一人ですね。 あの目つきが妙にSexyで、思わずヤラれてしまいそう。 この映画は、この二人以外はほんの端役。 この二人に絡んでくるのが、コピプリでブレイクしたキム・ドンウク。 スミンが育った孤児院で親しかった(友情を超えて)後輩との二役。 スミンはこの後輩に恋心のようなものを抱いていたのは明らか。 タイトルバックで映し出される二人のキラキラした青春の日々が、あまりにも美しい。 後輩への淡い想いを抱いているスミンの前に現れたゲイバー入門者。 その後輩にそっくりで、同じく孤児。 スミンは自分の家に住まわせるほどの親切ぶりを発揮。 カラムに対しても、好意を抱いているのでしょうけれど、 ちょっとしたタイミングのズレで呼び込む悲劇が、あまりにも悲しい..... カラムの報われない恋が一番せつなかったわ。 キム・ドンウクが、これまたキュートで可愛いのよねぇ。 この映画を見て、男女間の恋愛よりも、 同性同士の恋愛の方がずっと一途で純粋なのではないかと思わされたわ。 そこには、駆け引きも、打算も、一切存在しないと。
驚いたのが、キム・ジョンファの出演。 有名俳優など出演しないインディーズ映画ですからねぇ。 正直、キム・ジョンファのヒロインというのは見たくないんです。 美しすぎるほど美しいけれど、ヒロイン顔じゃないのよ。 彼女は脇役でこそ力を発揮できると思うの。 キライなんじゃなく、ヒロインだと感情移入がまったくできないのよね...... 後悔なんてしない、青い自転車の助演は、 叫びたくなるほど嬉しかったわ。 キム・ジョンファのマネージャーと、この映画のプロデューサーが知り合いで、 彼女は出演を快諾したそうよ。 驚くのは、元々この役は私たちの生涯最高の瞬間の ムン・ソリにオファーしていたということ! 太王四神記で、ペ・ヨンジュンとさえ「叔母と甥っ子みたいだ」と言われたのに、 イ・ハンが相手じゃ、それこそ「親子みたい」では? この役はキム・ジョンファだからこそ、少ない出演分量でもインパクトがあったのだと思うわ。 彼女でこその存在感。 そして、ちょこっとだけで残念ですが、ウェディングドレス姿、美しかったわ。 あのドレス、超お似合い。 そして、珍しい方が出演。 イ・ハンの母は、ペ・ドゥナの実母、キム・ファヨン。 演劇俳優なので、映画で見ることはほぼないですね。 子猫をお願いにも出演しています。 今回同様、知り合いに頼まれての出演のみでしょうか。 さ て、これからはネタバレしますのでご注意ください。 ラストが、ラストが納得いかないのよ。 リアリティーという面でいったら、あのラストは相応しいのでしょう。 ですが、白黒つけなきゃ気がすまない上に、 ドラマティックな展開が大好きなmocaちゃんにとっては、不満で仕方がないわ。 予告編を見て、スミンが車から撒く遺灰はジェミンのものだと思ってたし.... カラムが一番ドラマティックだったわけよね.... カラムが屋上部屋の下からスミンに電話したシーンには、思わず涙が..... 悲しくて、せつなくて.... 元々スミンはカラムに好意を抱いていたのだろうし.... カラムが好きな人ができたという時に言葉を遮ったのは、 失恋し、これ以上傷つきたくないからよね? なのに、実はその人はスミン本人だった.... あの時それがわかっていれば..... カラムにしろ、ジェミンにしろ、自分の気持ちに正直になっていれば.... ジェミンも、ようやく全てを捨てる覚悟で婚約者にカミングアウトする。 けれど、そんなことはスミンが知るはずもなく..... 無事助かったからよいものの、あのまま死んでいたらと思うと恐ろしいわ。 ジェミンがゲイでありながらも、ヒョヌと寝るのは、 ジェミンがバイだと言いたかったのか、それとも、ゲイでも女と寝れると言いたかったのか。 mocaにとっては未知の世界で、わかりません。 あんな風に傷つけられて、mocaならビンタどこじゃ済ませられません。 「あんた、自分勝手もたいがいにして」 と、ビンタ一発かませる彼女には惚れ惚れ。 |
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