女子高の怪談4 ヴォイス Whispering Corridors 4 : Voice |
原題:女高怪談4:声 여고괴담4:목소리 (ヨゴクェダム4:モクソリ)<2005> |
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監督 | チェ・イグァン | <2005>女 子高の怪談4-ヴォイス-、<2006>彼女はきれいだった、<2009>黄金時代 segment 1 遺言 LIVE |
出演 |
キム・オクビン | <2005>女
子高の怪談4-ヴォイス-、<2005>ハノイ
の花嫁、
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2006>阿娘(アラン)[特別出演]、 <2006>疾走(未公開)、<2006>多細胞少女、 <2008>1724 妓房狼藉事件、<2009>渇き Thirst、 <2009>女優たち、<2011>高地戦 |
ソ・ジヘ |
<2005>女 子高の怪談4-ヴォイス- 、<2007>マイ・ボス マイ・ヒーロー3 |
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チャ・イェ リョン |
<2005>女
子高の怪談4-ヴォイス-
、<2006>殴打誘発者たち、<2007>特別市の人々(未公開)、 <2008>ドレミファソラシド(制作2006年) |
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【レビュー&ネタバレ】 |
2005年7月韓国公開。観客動員数は、約40万人。 韓国人は、とりあえずキャーキャー悲鳴をあげれればよいのだと確信。 ストーリーの破綻したホラーよりも、完成度の高いホラー要素の少ない作品の方が断然動員数が少ない。 いかに次々と残虐に殺されるかが、コリアン・ホラーでは重要なのだ、絶対。 この作品はホラーというよりも、心理的スリラーと言った方がいいほどホラー要素が少ない。 そして、完成度は非常に高い。 女子高という特殊な舞台での友情も鋭く描かれ、多感な少女の情感も繊細に描いている。 なんといっても、破綻したコリアン・ホラーのイメージは全くない。 正統派の恐怖映画だ。 ただ、少し残念なのは観客に納得させるために説明がちになってしまった面だろうか。 それでも、最後までじっくり楽しめる。 ストーリー重視の方にはお勧めしたい作品。 なんといってもイイのがキム・オクビン。 清純で、か弱く、儚げで物憂い気な女子高生から、悪魔の顔を持った少女の顔まで演じこなす。 二重人格ともいえる別人のような設定を見事演じきった。 これだけ可愛くて、演技もできて、ここぞ!という時には脱げる潔さを持った女優。 mocaの一番の注目株。 ↓ 結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ)↓ ヨンオンとソンミンは無二の親友。 美しい歌声を持つヨンオンは、放課後遅くまで歌の練習に励んでいた。 親友ソンミンの誘いを断るほどに。 ソンミンが帰宅した後、一人歌い続けると、自分の声に見知らぬ声が混じっていることに気づく。 恐ろしくなり、慌てて音楽室を出るヨンオン。しかし、エレベーターの前で倒れてしまう。 ヨンオンの首元に突き刺さる楽譜。喉からは、血が染み出て..... 翌日、ヨンオンは自分の体の実態がないことに気づく。 自分に格別に関心を寄せていた音楽教師ヒヨンに話しかけても気づかない。 唯一、ヨンオンの声を感じ取ったのが親友のソンミン。 姿は見えないのに声だけ聞こえる... ソンミンはその事実を受け止められず倒れてしまう。 ようやくヨンオンの存在を認めたソンミン。 ソンミンはヒヨンがヨンオンの居所を知っていると睨む。しかしヒヨンは素知らぬフリだ。 そんな時、クラスメイトのチョアがソンミンに声をかける。 チョアは犬とオオカミの時間だと、意味深な話をして立ち去る。 ヨンオンは過去の思い出の世界へと引き込まれていた。 そこには、まだ生存中の母に甘えるヨンオンがいた。母と一緒に春川(チュンチョン)に行きたいと。 そしてまた、ヒヨンに寄り添うヨンオン。 「先生はオンマと同じ香りがする」と。 ソンミンはヨンオンとヒヨンを訪ねる。しかしヒヨンは絞殺死体となって発見される。 教室では続けて欠席しているヨンオンの噂でもちきりだ。ヨンオンは音楽教師とデキていると。 それを聞いたソンミンは憤る。気晴らしに屋上に行くと、そこにはチョアが。 「ヨンオンは死んだの?」 チョアの言葉にソンミンは驚愕する。 「私もヘンな声を聞いたの。幼い頃から聞こえた。ある日わかったの、それが死者の声だと」 チョアは語る。 ソンミンはチョアに尋ねる。ヨンオンが消える前から、おかしな声を聞いたかと。 チョアは聞こえたと答える。 やはり、ヨンオンが聞いた謎の声は存在したのだ。 ヨンオンの声は愛する者にしか聞こえない。ソンミンがヨンオンを忘れたら、ヨンオンは消えてしまう。 チョアはソンミンに告げる。 「あの写真のオンマはキレイだった」 ヨンオンは懐かしむかのように語る。 「私も見てみたい」 ソンミンの言葉にヨンオンは首を傾げる。 「うちへ来た時に見たでしょ?」と。 しかしソンミンはヨンオンの家に行ったことはないのだ。ヨンオンが嫌がるために。 チョアは、ヨンオンの言葉を信じないようソンミンに忠告する。 死者は自分の都合のいいように記憶を作り変えると。 そんな時、ヨンオンの遺体がエレベーター通路から発見される。 ヨンオンの遺体は、喉元が裂けていた。 ヨンオンが生きていると信じていたソンミンは、遺体を見てヨンオンの存在が怪奇に感じるようになる。 そして、ヨンオンの家で顔を切り抜かれたヨンオンの母の写真を見て、ヨンオンがわからなくなる。 自分はヨンオンの何を知っていたのだろうかと。 ヨンオンは過去の記憶をたどっていた。 「先生はあなたの声が好きなだけ。先生を返して!」 ヨンオンに向かって叫ぶ一人の女生徒。 ソンミンは、ヨンオンが成仏するよう見送ることを決意する。 自分が忘れれば、ヨンオンは消える。 ソンミンの気持ちを知ったヨンオンは、悲しみに涙を流す。 ヨンオンの声を一切聞こえないフリするソンミン。 「あの子の声、私の声にそっくりだった。お願い!調べて!」 ソンミンはヨンオンの声に思わず立ち止まってしまう。 ヨンオンやチョアが聞いた声の持ち主は、自殺したヒョジョンという女生徒のものだった。 ヒョジョンはヒヨンに想いを寄せ、学校中の噂になりエレベーターの中で自殺を図ったのだった。 ヒョジョンの声は、ヨンオンの声にそっくりだった。 ヨンオンを殺したのは、ヒヨンを奪ったヨンオンに嫉妬したヒョジョンだった。 しかしヨンオンは、予想外の事実をも知ることになる。 自分の人生の重荷でしかない母を自殺に追いやったのはヨンオンだった。 それだけではない。 ヒヨンを殺したのもヨンオンだった。 それは自分を殺したヒョジョンへの復讐。 ヒヨンが死ねば、同時にヒョジョンも消えるということだった。 事実から目を背けたいヨンオンと、それを受け止めるよう促すもう一人のヨンオンの葛藤。 ヨンオンは、いったい何を求めているのか。 「声をとりもどしたい....」 ヨンオンはそう思った。しかし、ヨンオンの深層心理は認めない。 本当はどうしたいのか。 「生きたい....」 ヨンオン、ヒヨン、チョアと、あい続く死によるショックで一ヶ月の療養を終え学校に戻ったソンミン。 ロッカーの鏡に向かって囁くソンミン。 「ソンミン、愛してる」 それはヨンオンの声。 母に甘えるソンミン。 「オンマと春川(チュンチョン)へ行きたい」 END |
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