THE KISEI 寄生  Unborn but Forgotten 
 原題:白い部屋 하얀 방(ハヤン パン) <2002>

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THE KISEI 寄生 白い部屋

20代半ばの独身女性である放送局PDスジン(イ・ウンジュ)は、取材で出会っ たチェ刑事(チョン・ ジュノ)から、到底説明できない奇異な死と、その事件の発端であるインターネットサイトの話を聞く。

そんな中、スジンにも見知らぬメールが送られてきて、 スジンは知らぬ間に事件に巻き込まれる。

また、恋人である放送局アンカー、イソク(ケ・ソンヨン)との関係が周囲に明らかになることで、二人の関係もぎく しゃくし、ますます重くなるストレスと葛藤の中、スジンにも死の兆候が見え始める。

事件の共通点は、死んだすべての女性が、あるサイトにアクセスしたこ と。そして、妊娠していなかったのに、みな身ごもった状態で死んだこと。

これらの兆候を発見したスジンは、まもなく死ぬという切迫した恐怖の中で、事件の 糸口を解くために1308号に入ることを決意する。

【予告編】
監督 イム・チャンジェ <2002>THE KISEI 寄生

出演

(故)イ・ウンジュ (李恩宙)

<2000>秘 花 スジョンの愛、 <2001>バンジージャ ンプする、 <2002>THE KISEI 寄生
<2002>永遠の片想い、 <2003>愛と、死を見つめて、<2004>オー!マイDJ、<2004>ブラザーフッド
<2004>スカーレット・レ ター

チョン・ジュ ノ(鄭俊浩)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
なぜイ・ウンジュはこの作品に出 演したのでしょうか?
一応、名の知れた女優の仲間入りしたとしても、
ヒット作がなければ、ホラーにかけるのでしょうか???
それにしても・・・
↑のポスターは酷すぎじゃありませんこと?
別の意味で怖いわ。

この作品は、ホラーというよりも、ミステリー色が濃く、
ミステリー映画はとかち観客を置いて一人歩きしてしまいがちになるけれど、
この映画は、観客も一緒に謎解きに参加でき、わかりやすいわ。
ただ、後半になると突然わけがわからなくなりますわ。
そして、ホラー色が強くなる・・・
ホラーというのは、要するに
「わけがわからないこと」を言うのかしらね。
mocaが推測するには、
あまりにもつまらない作品になりつつあることに気づき、
慌てて軌道修正したのでは?と思うわよ。
この映画は、監督が脚本を書いたのではなく、脚本家が書いた作品。
それを監督が手を加えて、わけがわからないものにしてしまったのね。
あまりにもラストに違和感を覚えて、
ラストだけシナリオを読んで・・わかったわ。
シナリオは筋が通っているし、ミステリー風の終わり方。
けど、映画では意味のわからないホラー風に終わっているの。
けれど、シナリオ通りだと・・・確かにつまらないわ(笑)
まるで火曜サスペンスか土曜ワイド劇場!
どっちもどっちね・・・

試行錯誤で手を加えて、失敗した駄作・・・
mocaにはそうとしか思えないわ。

冒頭というか、タイトルバックというか・・・
これはかなり怖いし、気持ち悪いわ・・・
ちょっとスプラッターも入って・・・
けど、そこだけなのよね。
mocaはホラーは大嫌いだけれど(怖いから)、
こんな中途半端なのも、価値がないわよね・・・
ホラーとしても失敗。
ミステリーとしても失敗。

中絶を題材にしたホラーっていうのも・・・
ちょっと抵抗あるわ・・・
<中絶>に対するメッセージなのかもしれないけれど、
ホラーにしてしまうのは、ちょっと不謹慎に感じるのよね。
男性監督だからできたのかしらね・・・
ちょっと無神経すぎじゃ?

それにしても、最後に出てくる女の子は可愛いわー
劇中で出てきた人形にそっくりじゃない?
あの、微笑んだ表情から、笑みが消える瞬間の見事なこと!
ブラボー!



ではでは、ストーリーよ。

TV局のPD(プロデューサー)スジンは、
デジタル犯罪専門のチョ刑事の密着取材を行う。
彼が追っていた事件は、怪奇な事件だった。
あるサイトにアクセスした人間が次々と死んで行くのだ。
しかも、妊娠もしていないのに、妊娠した状態で死んでいるという・・・
被害者たちはいずれも、
「自分が死ぬのを見た」と、証言していた。

スジンは恋人イソクの子供を妊娠していた。
イソクはニュースアンカー。
もしこの事実が明るみに出れば、
スキャンダルとなり、彼は番組を降ろされる。
スジンは、中絶することを決意する。
「産婦人科」をインターネットで検索すると、
「聖メアリ産婦人科」と書かれた見知らぬメールが届いた。
何の気もなしにクリックすると、
「聖メアリ産婦人科」のサイトが開いた。
スジンは、住所を控え、翌日その病院を訪ねる。
しかし、その住所には、「スヨン産婦人科」が建っていた。
おかしいと思いつつも、中絶手術を受けるスジン。

チョ刑事は、問題のサイトのアクセス者をチェックしていた。
そこにスジンの名があるのに驚愕する。

スジンのPCに、まやもや例のメールが届き、
サイトにアクセスすると、
またもや「聖メアリ産婦人科」のサイトが・・・
今度は、PCから光が放たれ、
スジンはまばゆいばかりの真っ白な部屋に導かれる。
赤ちゃんを抱いた女性。
肩をたたき呼びかけるが、それはスジンそのものだった。
自分が死ぬのを見てしまったスジン。
驚き覚めやらぬスジンに、チョ刑事から電話が入る。
「君も例のサイトにアクセスしてしまったんだね・・・」

チョ刑事は、サーバーから例のサイトを削除するよう
ホスティング会社に依頼するが、
何度削除してもすぐに復活してしまう。

サイトの背景になっている肖像画が、
事件のあった1308号室にあったことに気づいたスジンは、
1308号室に赴く。
そこで、上の階の住人オ・ヨンエが
部屋の様子をうかがっていたことに気づく。
オ・ヨンエも、例のサイトにアクセスした人間の一人だった。
しかも、彼女は事件のあった1308号室に移りたいと言っているのだと。
スジンは、オ・ヨンエに会いに行く。
オ・ヨンエは、あのサイトにログインした瞬間違和感を感じた、
悲壮感と嫌悪感が入り混じった感情を感じたと話す。
あのサイトには、絶対に何かあると。

チョ刑事は、あることに気づく。
被害者は、サイトにアクセスしてから15日後に死んでいるのだ。
スジンがアクセスしてから一週間が経っていた。
愕然とするスジン。
思い悩んだスジンは、1308号室に移り住むことを決意する。

大きな物音を聞きつけ、音のした方へ向かうスジン。
そこは、私物が残されたまま空き家になっている部屋だった。
そこに落ちている油絵を見て、
スジンは、あの肖像画の作者と同一人物の絵だと気づく。
その作者を探すスジン。
孤児で自閉症気味だったユシルの肖像画だと突き止める。
ユシルは、行方不明だった。
しかも、子供を流産し、そのまま行方不明になったのだ。
ユシルが入院していた産婦人科の、当時の看護婦から、
ユシルが子供の遺体を執拗に欲しがり、
仕方なく引き渡したと聞かされるスジンとチョ刑事。

スジンが妊娠していることを、TV局の上層部に知られてしまう。
イソクはスジンに中絶を強要するが、
「下ろしたくてもどうすることもできないのよ!」と、突っぱねる。
スジンの後を追って1308号室にやってきたイソク。
例の肖像画を見て、後ずさりする。
「こんな絵捨てろ!」と、肖像画を無理矢理外そうとするイソク。

浴室の天井から血が滴り落ちる夢を見たスジンは、
天井の蓋を開け、その先につながる道を辿っていく。
その先には、たくさんの人形が飾られた小部屋があった。
そこで、赤ちゃんの遺体(ユシルの遺体も?)を発見する。

遺体を埋葬するスジンとヨンエ。
「これで彼女も安心して眠っているはずよ」
と、ヨンエは語る。
(と話していることは、ユシルは死んだということよね?
で、それを知っているということは、ユシルの遺体もあったのよね?)

チョ刑事は、肖像画の影に男の顔が描かれていることに気づく。
そんな中、ヨンエが事件の被害者と同様に、
妊娠した状態になって殺される。
事件はまだ終わってはいなかった。
「次は私の番だわ」 身震いするスジン。

あなたをもう見捨てたりしないわ。
また私の中に誕生したら、心から喜ぶわ。
ただ愛されたかっただけなのよね。

スジンは一人物思いにふけりながらつぶやく。
スジンは、ベビー用品を買い揃える。

今までの私は、彼女たちと同じように自分も死んでしまう・・・
自分の死のことばかり考えていた。
恐怖に負けて、お腹にいた赤ちゃんのことなんて、
すっかり忘れていた。
私には、母親になる資格がなかったんだわ。
赤ちゃんは私の子供だったのに・・・
自分のせいじゃないと、無責任すぎたわ。
自分を許せない。
もし叶うなら、一度見捨てたあの赤ちゃんを産みたい。
産んで愛してあげたい。

スジンは肖像画に向かって、涙ながらに語りかける。
その時、肖像画の目から涙がこぼれ落ちる。

肖像画の影に描かれていたものが、
ニュースアンカーのイソクの顔だと気づくチョ刑事。

そろそろ結末ですわよー
未視聴の方はUターンをー


スジンの部屋にイソクがやってくる。
「まだ遅くない。子供を下ろせ!俺の人生を台無しにするつもりなのか!」
と、スジンの髪を掴み殴り倒すイソク。
ハサミで肖像画をメッタ刺しにし、
「なぜお前も俺の人生を台無しにしようとするんだ」
と、つぶやく。
スジンは、イソクがユシルの恋人だったことを悟る。
スジンに襲い掛かるイソク。
その時、スジンのお腹がどんどん膨らみ、
赤ちゃんが子宮から這い出てくる。
信じられない光景に驚愕するイソク。
狂ったようにハサミを赤ちゃんに振り下ろそうとした瞬間、
銃声が鳴り響く。
イソクは、チョ刑事の撃った銃で死ぬ。
スジンは、「私の赤ちゃんはどこ?確かに産んだのよ!」
と、チョ刑事に必死に訴える。

時が流れ─

街を歩くチョ刑事。ふとある記憶が蘇る。

(回想)
背中を叩かれ振り向くと、 そこにはユシルが・・・
「お茶をご馳走してくれな いかしら?」
と、チョ刑事をナンパする ユシル。

愕然として振り向くチョ刑事。
そこには、小さな女の子が立っていた。
チョ刑事に向かって、ニヤリと微笑む少女。

END


というわけで、まったくよくわからないラストでございました。
この映画の英題は、「Unborn but Forgotten」
「生まれていない。しかし、忘れられた」というような意味です。
中絶して殺され、自分のことを忘れてしまった赤ちゃんの恨み・・・
それがこの映画のテーマ・・・
っていうより、ネタ的な感じですが・・・
この映画で言いたかったのは、それだけなのよ。
それ以外はおまけ。
けど、それだけじゃ映画にならないから。
取ってつけたストーリーが、ちょっとお粗末。

元々のストーリー・・・シナリオは、ラストが全く違います。
イソクを殺すのはチョ刑事ではなく、
スジンのお腹から這い出てきた赤ちゃんなのよ。
赤ちゃんの目がキラリと光り、赤ちゃんに睨まれたイソクは、
そのまま息絶えるという・・・
更にお粗末な結末・・・
そして、スジンたちは湖に花を手向け・・・
水平線の向こうに赤ちゃんを抱いたユシルが浮かび上がる。
これでユシルもようやく安心して眠れるわね・・・
そして、
(赤ちゃんは)
ただ愛されたかっただ けなのよね。
という、スジンの言葉。
シナリオでのラストは、映画では他のシーンに使われています。

けど、これじゃ・・・
火曜サスペンス+土曜ワイド劇場+チンケなホラー
ということで、
ラストのスジンの言葉・・・
この映画で語りたかった唯一のテーマは
さっさと先にしゃべらせ、
イソクはチョ刑事に殺させ・・・
あたかも、チョ刑事が事件に関わっていたかのように見せるという・・・
ユシルがチョ刑事を昔ナンパしていたことも、
最後の女の子も、シナリオにはまったくありません。
とってつけたストーリー。
流行りのホラー風に仕上げるための。
だから、いくら考えても謎は解けません。






































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