彼らだけの世界  Kill the Love
 原題:彼らだけの世界 그들만의 세상(クドゥルマネ セサン)<1996>

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彼らだけの世界

アメリカ留学に適応できず犯罪組織の下手人になったラブ(イ・ビョンホン)は、 組織から鞄を伝達する 任務を受け韓国に帰ってくる。

組織の指示を待ちソウルの夜道をさ迷うラブは、偶然立ち寄ったナイトクラブで三流ダンサー、チュニャン(チョン・ソンギョ ン)と出会い、彼らは二人だけの愛の世界に陥る。

 ある日、ラブとチュニャンが過ごすホテルの部屋にラブの友人ペクチュン(ユ・オソン)が鞄を受け取りにやってくる。

監督 イム・ジョンジェ(林鐘宰) <1996>彼 らだけの世界

出演

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧

チョン・ソン ギョン(鄭仙景)

<1996>彼 らだけの世界、<1997>地上満歌

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【レビュー&ネタバレ】
イ・ビョホンの初期作品はつまら ないものばかりだけれど、
その中でもこの作品は、きわめつけ。
’二人だけの愛の世界に陥る’
それは、ただセックスに溺れる・・・ともいえる。
互いに埋められない寂しさを抱きながら生きている男女。
そこにあるのは’愛’ではなく、’情’や’依存’にしか思えない。
’寂しい’から・・・
ラストは、ちょっと衝撃を受けます。
それは最後にネタバレします。

ストーリーは、韓国の有名な古典文学のラブストーリー
春香伝(チュニャンデョンがモチーフになっ ているそうです。
ヒロインの名も、<チュニャン(春香)>です。
<春香伝>は、芸妓(娼婦のようなもの)を母に持った春香が、
貴族で役人の子息の夢龍に見初められ、
二人は契りを交わすものの、夢龍は父について都に戻らればならなくなり、
’必ず迎えに来る’という夢龍の言葉を信じて待ち、
その間、春香を見初めた好色役人に
’私には夢龍と契りを交わした夫婦だから’と、拒み、死刑を言い渡され・・・
夢龍は死刑の前日、ようやく春香の下へ戻ってくるが・・・

この映画では、<春香伝>と関わりがあるのは、
ラブ(イ・ビョンホン)が政治家の息子であり、チュニャンが娼婦の娘。
そして、変態のペクチュンに誘惑されるけれど、
自分には’ラブだけだ’と拒む。
ラブは父親に連れ戻されるが、チュニャンを愛しており戻ってくる。
そして、最後に二人がたどり着く場所が、
<春香伝>の発祥の地、全羅北道の’南原(ナムウォン)’だということ。
くらいでしょうか。
<春香伝>の春香ほどの、命をかけた一途な想いには届かず。

地上満歌でも腑に落ちなかったけれど、
なぜ、チョン・ソンギョンがヒロインなのでしょう・・・・
韓国人の美的感覚が本当に理解できない・・・
それに、この’チュニャン’という役には似合わなさすぎ。

ユ・オソンがイ・ビョンホンの友人の殺し屋ペクチュンで出演。
若くてかっこいいわ(笑)
この当時、28歳くらい?ユ・オソンって遅咲きなのね。

チュニャンの母は、<冬のソナタ>のペ・ヨンジュンの母、ソン・オクスク。


ストーリーはわりあい簡潔。
なぜかといえば、ヤってる場面ばかりだから・・・・・・・・
ラブはアメリカで犯罪組織に属し、人を殺して韓国に戻ってくる。
ボスに’休暇だ’と言われ、鞄を預かって。
ナイトクラブでショーガールをするチュニャンは、店にやってきたラブに目をつけ、
二人はセックスをする。
その後、チュニャンはナイトクラブから逃亡し、ラブのホテルへと転がり込む。
チュニャンがラブに聞かせる話が、ちょっと<春香伝>を彷彿させるといえば、させる。
かなり脚色してはいるけれど。
チュニャンは一方的にラブに熱を上げるけれど、
ラブは’鞄を渡したらアメリカに帰る’と、常に冷たく言い放つ。
ラブはチュニャンにねだられ、自分と同じように’LOVE’とタトゥを入れてやり、
チュニャンの髪を切ってやったりと、冷たく仕切れない。
チュニャンは、ラブをアメリカに帰したくなくて、
ボスからの電話を勝手に切ったり、鞄を入れたコインロッカーの鍵を隠したりする。
そんな時、アメリカからペクチュンが鞄を受け取りに韓国にやってくる。
ペクチュンはチュニャンに、
’鞄の中にはドルが詰まってる。一緒に逃げよう’と誘うが、チュニャンは拒む。
ペクチュンはクラブでナンパした女に変態行為をしたために、
女の仲間からリンチを食らう。
その連中を目撃したラブは、巻き添えを食らい、ナイフで刺される。
死んだペクチュンを見て慌てた二人は、急いでホテルを引き払う。
チュニャンがロッカーの鍵を持っていることを知ったラブは怒鳴りつける。
’鐘を奪ってペクチュンを殺したと疑われる!俺が殺される!’と。
チュニャンを見捨てて去ろうとするラブに、
’あんたの方がバカよ。ペクチュンはあんたを裏切ろうとしたのに。
金を持って私に一緒に逃げようって’
それを聞いたラブは衝撃を受ける。
チュニャンの母の知り合いのモグリの医者に傷口を縫ってもらい、
二人は高級ホテルへ宿泊する。
ラブのゴールドカードを使って、ブランド服を買って楽しむ二人。
しかし、そのカードからラブが帰国していることが父に知れてしまう。
ラブは父の元へと連れて行かれるが、
「彼女を愛しているんだ」と、チュニャンの元へと戻る。
ラブはチュニャンとロッカーに鞄を取りにいく。

↓結末↓


しかし、ペクチュンは死んではいなかった。
二人が鞄を持って乗り込んだタクシーに無理矢理同乗してくるペクチュン。
ラブは走行しているタクシーから逃げ、追ってくるペクチュンから必死で逃げるが、
もみあううちにペクチュンをナイフで刺してしまう。
二人は近くの展示場に逃げ込む。
そこで、鞄が偶然開き、中身を見た二人は驚愕する。
’kill the love'
ラブを殺せというカードと、拳銃が入っていたのだ。
アメリカで大物を殺したラブは、消される運命にあったのだ。

これはちょっと衝撃だった わ。
英題の' kill the love ' がそういう意味だったとは・・・
イ・ビョンホンの役名が’ラ ブ’だなんて、ダサすぎると 思っていたら、
そういうカラクリだったの ね・・・


展示場にも警官がやってきて、二人は車を奪って逃走する。
どこまでもパトカーは追ってくる。
チュニャンは言う。
’もう一人はイヤ。愛を待つのも’と。
チュニャンは、自分を撃つように銃を差し出す。
ラブは泣きながらチュニャンを撃ち、自分も拳銃で自殺する。
操縦者のいなくなった車は、フラフラと走り続ける。
無人の車が辿りついた場所は、’南原’
雨やどりするチュニャンに、ラブは傘を差し出す。
’ありがとう’とチュニャン。
’いいや、これが仕事だから’と、ラブ。

END

二人がロッカーから鞄を出したのは金浦空港で、車が辿りついたのは南原。
地理的には、かなり有り得なそうなラスト。
ここからは現実ではなく、二人の空想・・・の世界でしょう。
あの世での二人ということかしらね。
二人の魂が南原へと向かい、
<春香伝>の舞台、広寒楼。雨の中雨宿りするチュニャン。
ラブが’これが仕事だから’と言ったのは、
高級服に身を包み、高級ホテルのベッドで開放感に浮かれる二人が、
’これからどうやって暮らす?退屈な仕事はイヤ、特別な仕事をしよう’と
二人であれやこれやと空想した仕事のうちの一つ。
二人はあの世で、願いを叶えたということね。





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