仮面  Rainbow Eyes 
 原題:仮面 가명(カミョン)<2007>

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仮面

10年前の軍隊暴行事件の加害者3人が連続して殺害される。最も有力な犯人は、 当時被害者であったイ・ユンソ。しかし彼の痕跡は一切探せない。彼の存在の有無さえも。事件を担当したチョ・ギョンユン刑事(キム・ガンウ)は、イ・ユン ソが容疑者に浮び上がるやいなや、秘密裏に単独捜査を始める。果たして、イ・ユンソの正体とは?
【予告編】
監督 ヤン・ユノ <1996>ユリ、<1997>ミスター・コンドーム、<1998>チャン、 <1999>ホワイト・バレンタイン
<2000>リベラ・メ、<2004>風 のファイター、<2006>ホリデー、 <2007>仮面

出演

キム・ガンウ

<2002>コースト・ ガード、<2003>シル ミド、<2005>台風太陽、<2005>野獣 と美女
<2007> 人類滅亡報告書[制作中断]、<2007>京義線、<2007>食客、 <2007>仮面
<2008>マリンボーイ

キム・ミンソン(金泯洗)

<1999>少 女たちの遺言、<2000>海辺に行く、<2001>24、<2001>アフリカ、<2001>ロスト メモリーズ
<2004>下流人生~愛こそすべて~、<2007> 人類滅亡報告書[制作中断]、
<2007>永遠の魂(星の光の中へ)、<2007>仮面、 <2008>美人図、
<2008>アンティーク-西洋骨董洋菓子(友情出演)

イ・スギョン(李水京)

<2005>高校教師 恋の教育実習、<2006>いかさま師、<2007>仮面

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【レビュー&ネタバレ】
2007年12月27日韓国公開。なので、興行成績は、2008年観客動員数一覧に載せております。
動員数は32万人。
チケットパワーのない主演陣。それに加えて、内容でも勝負できない稚拙さが敗因。
ジャンルとしては、スリラー要素のあるミステリーでしょうか。
ですが、ミステリーとしては、あまりにも粗雑すぎ。
謎を解く気があるのか?
くらいな作品。
とにかく、完成度の低い作品。
観客が謎解きについていけないどころか、ついて行く気にもなれない。

実は、一時お蔵入りしていた。
2007年は、韓国映画の低迷のよる不況により、蔵に入ったまま、2年、3年という作品も出た。
仮面は、2007年夏に公開予定のところを年末に公開されたので、まだマシ。
未だ蔵に入ったままの映画もありますし。

観覧すれば、この映画がお蔵入りされるのも、
動員数が32万人という、バカにした数字なのも納得できるはず。

だが......
捨てる には惜しい作品!!

ミステリーとしては、とてつもなくお粗末な作品ですが、
moca的には忘れられない作品に。
あまりにも、悲しく、せつない、愛の物語........
一歩間違えば、アブノーマルな世界。
なのに、引き込まれてしまう。
稚拙なミステリーをラブストーリーで誤魔化した... とも言える。

様々な愛が交錯する型破りな映画。
名作になり損ねた名作。
シナリオ、演出、俳優.... すべてが未熟。
俳優も、主演のキム・ガンウは映画祭で受賞したりしているのですが、
moca的にはどうしても演技力不足が目に付いて仕方がない。
その上、スターのオーラがない。
シナリオ、演出をもっときっちり緻密に練り直して頂けるのであれば、
ソン・スンホンにぜひ演じて欲しい。
彼のあの哀愁漂うせつない瞳を、キム・ガンウにも見せて欲しいものだ。
そしてヒロインも、キム・ジスくらい儚げで清楚で美しく、存在感のある女優に演じて欲しい。
あぁ.....、本当に残念な作品。
見終わった後も、涙がこみ上げてしまう余韻の残る悲しい映画。
あまりにも悲しい真実の扉を開けた時、泣かずにはいられない。
ひとえに、幼少期と学生時代を演じた子役たちの功績でしょう。



キム・ユジョンちゃん。相変わらず可愛い。
この子だからこそ、ギョンユンの苦悩も理解できてしまう。



高校生時代を演じたイ・プンウン(이붕운)が素晴らしい!
あの難しい役どころを違和感なく演じ、演技とは思えないほど悲しくさせる。
このイ・プンウン。ガラスの華のドンジュ(イ・ドンゴン)の子役では!?
こんな可憐な少年に成長するとは!



監督はヤン・ユノ。ホリデーがあまりにも好きだ。
ホワイト・バレンタインも、 大好きだ。
ですが、この監督。どの作品も完成度が低い。
ホワイト・バレンタインも、 なんだか不完全燃焼な感じ。なのに、惹かれるものがある。
ホリデーホワイト・バレンタイン 、いずれも監督の自作シナリオではない。
ヤン・ユノ監督に撮らせる理由はなんだろう。

ホワイト・バレンタイン のノスタルジックで、童話のように美しい映像も素晴らしかったが、
今回も、スタイリッシュで美しい映像美を堪能できること間違いなし。
映像技術も効果的にふんだんに取り入れ、見る者を飽きさせない。
ただ、やり過ぎで、ちょっとうんざりすることも。


せつないラストシーンは、2003年9月の台風14号で一部破壊された釜山市北区の亀浦橋で撮影。
壊れた橋は撤去する方針だそうですが、放置していてくれてありがとう。
おかげで、絵的にも美しいラストシーンに。
撤去される前に訪れたいもの。 ※亀浦橋は、2008年末までに完全撤去されることが決まったそうです。
↓このシーンの二人の表情を思い出しただけでも涙が.....





【チョ・ギョン ユン】
キム・ガンウ
強力5班刑事
【パク・ウン ジュ】
キム・ミンソン
強力5班刑事
【チャ・スジ ン】
イ・スギョン
ギョンユンの恋人
【イ・ヘソ】
キム・ソンリョン
ユンソの姉
【キム刑事】
パク・ウォンサン
強力5班刑事
【ミン刑事】
チェ・ドンムン
強力5班刑事
【キム班長】
チョン・チャンゴル
強力5班々長
【末っ子キム刑 事】
パク・ジョンソン
強力5班刑事
【チョン・ミス ク】
オ・ジヨン
容疑者の一人
クラブシンガー
【ペ・ジェマ ン】
チェ・チャンギュン
第2の犠牲者
ミスクの愛人
【ハ・ジョンボ ク】
カン・ソンピル
第3の犠牲者
ナイトクラブ社長
【配達員】
カン・ジウォン
第一発見者
ミスクの熱烈なファン

久しぶりのキム・ミンソン。
少 女たちの遺言では、ビビアン・スーみたいで可愛いと、一目でお気にに。
下流人生~愛こそすべて~ でも、凛として好感を持っていたのに、その後にガラスの靴を見たから大変。
それ以来、mocaの潜在意識がキム・ミンソンを拒絶するんです.......
でも、この映画を見て、拒絶反応もちょっと薄らいだかも。
男勝りで色気なしの女刑事を自然に演じております。

キム・ガンウとイ・スギョンの愛もせつないけれど、
キム・ミンソンのキム・ガンウへの愛もせつないです。
事件でライターをみつけた回想シーンを見た瞬間、キム・ミンソンの深い愛を知ることになります。

いかさま師 で、チョ・スンウの恋人を演じたイ・スギョン。
清楚で、どことなくシム・ウナ似で可愛らしい。
けれど、個性がなく、顔を覚えられない。
今回、オールヌードでのベッドシーンにチャレンジ。
とはいっても、観客からすれば、ただのセミヌード。
それでも、スタッフやキム・ガンウにはモロ見えなわけで、あんなのを7時間もやっていたとは... ご立派。
とにかく、体のラインが美しく、ため息。
ただ、演技力が欲しいところね。
キム・ユジョンと、イ・プンウンの功績を無駄に。

友情出演は、宮女のキム・ソンリョンと、マイ・ボス マイ・ヒーロー2のカン・ソンピル。
二人とも、さすがの実力派。
友情出演だというのに、見事な演技。

マイ・ボス マイ・ヒーロー3の万年課長 のダメ男が、強力班の班長に。
光州5・18のパク・ウォンサン。
<魔王>、20のアイデンティティのチェ・ドンムン。
チェ・ドンムンは、今回軟派な役どころ。
これがまたハマってるのー
っていうか、何を演じても見事よね。
最近かなりお気に入り。かっこよすぎて、彼の出演シーンだけ編集してリピってます(笑)

何度か見てしまうだろう映画になりました。
仮面というタイトルも、まさに!の映画です。


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さて、ちょっ とネタバレします。


話の中心となるのは、ゲイの男たち。(バイセクシャル含む)
ゲイや性同一性障害の世界についての理解を求める作品となっているわ。
キム刑事が、ゲイについて「汚い、ヘンタイ、うちの犬でさえ雄雌の区別はする」など、
ひどい言葉を投げつけ、見ている方がイヤな気分になります。
それは、ゲイたちが普段浴びせられる差別を観客に見せ付けたのでしょう。
キム刑事に対し、「そこまで言わなくても... 」と、キム刑事に批判的になることで、
ゲイに対する理解を深めている気がしてなりません。
もともとmocaは、ゲイや性同一性障害などに対する偏見がないんです。
ただ、生々しいリアルな話は聞きたくないし、映像で見るのもイヤですが.........
それでも、そういった方に出会ったら、友達になりたい派です。
望んで生まれてきたわけじゃないのに苦しんで、どんなに辛いか..... 可哀想......

ゲイについて嫌悪感がある方には、ぜーったいにススメられません。
そこに嫌悪感があったら、嫌悪感で終わる映画です。(たぶん)


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思 いっきりネタバレするので、未見の方は読まないでください。

まず第一の事件。
殺されたのは、スポーツクラブ社長のカン・ビョンシク。
事件現場から、被害者のものではない精液と、陰毛が発見される。
カン・ビョンシクはホモセクシャルだとの見解で、捜査は進む。
捜査線上に上がったのは、クラブシンガー ミスク。
そして、ミスクの愛人ペ・ジェマン。
ミスクはペ・ジェマンとカン・ビョンシク、同時に肉体関係にあった。
そして、ペ・ジェマンは、ビョンシクの部屋から出てきたデジカメにより、
ビョンシクとただならぬ関係であると警察は睨んだ。
ミスクとペ・ジェマンの共謀による殺人と推測された。

ペ・ジェマンを取り調べるものの、ビョンシクは絶対にゲイではない。一目でわかる!と
ペ・ジェマンは言い張る。
ビョンシクとの関係を侮辱されたペ・ジェマンは、ビョンシクとは軍の同期だ!と叫ぶ。
それはいいたくなかったのに.... .と。
言いたくない背景には何があるのか.... 警察は調べ始める。
そして、カン・ビョンシク、ペ・ジェマン、そしてもう一人、ハ・ジョンボクの三人は、同時に転属させられていた。
しかも、除隊の一ヶ月前だというのに。
そこに何かある。
そして、警察の睨んだ通り、ある事件が浮上した。
10年前。ビョンシク、ジェマン、ジョンボクの三人は、新兵であるイ・ユンソを強姦し、暴行を加えていた。
それを悲観したイ・ユンソは銃で自殺を図る。
一命は取り留めたものの、顔が原型を留めないほどの重症を負った。
その事件を知ったユンソの母は心臓病で亡くなり、姉のヘソも自殺を繰り返し、躁うつ病になってしまった。
財力のあるハ・ジョンボクの父が事件をもみ消してしまっていたのだ。
連続殺人の犯人は、イ・ユンソ!
次のターゲットは、ハ・ジョンボクだ!
「この件は俺に任せてください!」
ギョンユン(キム・ガンウ)は申し出る。
実は、ユンソはギョンユンの幼い頃からの友達だったのだ。


というわけで、この辺までは順調に展開するんですけれどね。
それにしても、残酷すぎるわ....
イ・ユンソの悲劇は、言葉を失ってしまう.....
健全な若い男が2年も女なしでなんて、到底耐えられないでしょう.......
ゲイではないビョンシクでさえ、女の子のようなユンソを見たら、抑えきれなくなるのかもですね.....
ユンソのような悲劇は、実際あっておかしくないと思います。
軍隊はあまりにも不健全すぎると思うのは、実態を知らないmocaだから?
2年は長すぎます。
もう少し、配慮して頂けないものでしょうか......
兵役逃れをしたくなるのは、仕方ないと思ってしまいます。
逆に、2年間務め上げた人たちは立派です。

ギョンユン(キム・ガンウ)は、もみ消された事件の真相を探るために、
ユンソが軍隊で仲良くしていた友人の元を訪ねる。
そして、強姦と暴行の事実を聞かされ、激しくショックを受けるわけですね。
「ユンソは人を殺せるヤツじゃない!やられても、仕返しするヤツじゃないんだ。友達ならわかるだろう!」
その友達の言葉を、ギョンユンは忘れるべきではなかった。
そして、ユンソをもっと理解すべきだった。
わかったような気になって、まったくわかっていなかったわけですね。
そのことから、更に悲劇を生んでしまうわけです.............

ユンソの姉ヘソから、ユンソの話を聞かされるギョンユン。
(ヘソって笑っちゃうんですけど、ヒェソに近いです)
ユンソは母が亡くなった時に何かを感じたのか、意識を取り戻した。
そして、そのまま消えてしまったのだと。
生きているのか、死んでいるのかさえも、わからない。

ギョンユンは、ユンソのことはこれを最後に忘れたいとヘソに告げるのですが、
それほどにユンソへ特別な感情があるわけで、
そのわりには、ハ・ジョンボクに「ユンソは可愛くて弾力があって最高だった」と辱められ、
逆上して殴りかかってしまうほど、ユンソを大切に思っていたのよね。
「愛」という言葉にも、敏感で....
強姦を「愛」に置き換えようとしたレイプ魔に逆上してしまうほど。
心に傷を抱える刑事、ギョンユン。

↓ 結末ネタバレです↓


そして、「女を愛せないと思った」と、ウンジュ(キム・ミンソン)に言われるほどのギョンユンが
唯一惚れた女、スジン。
自暴自棄になったギョンユンは、スジンに「結婚しよう」と迫る。
「それは私に言ってる言葉?」 と、スジンは拒む。
眠っている時、いつも誰かを探し名前を呼んでうなされている。もう疲れたと.......

とうとう、ハ・ジョンボクも殺害される。
そんな時、ユンソの顔写真が空港から送られてくることに。
入国時、パスポートと本人の顔があまりにも違うので、写真が保管されていたのだと。
FAXで送られてきたその顔....
誰もが言葉を失った。
ギョンユンの恋人スジンだったからだ。
スジンはイ・ユンソ.... トランス・ジェンダーだった。
(性同一性障害のこと。韓国では性転換手術を受けた人のこともそう呼ぶ。←日本ではニューハーフ)

真実を知ったギョンユンは、スジンを罵り、首を絞める。
そこまでして、俺のそばにいたかったのかと。
お前がビョンシク、ジェマンをヤったのか!と。
「そうだ!」
スジンは涙ながらに全てを認める。
失意のスジンは死のうと車道に飛び出すが、ギョンユンはスジンを引き止める。
許せない。
けど、愛してる......
幼い頃から、ユンソを想い続け、苦しんできたギョンユン。
男であるユンソを愛してしまったことで苦しみ、女のようなユンソを罵ったギョンユン。
そんなギョンユンに、それは本心ではない。ギョンユンの心はわかっているとユンソは告げた。
「それは男と女のすることだ」
と、ギョンユンはユンソを拒み、「男なら、そんな風に生きるな!」と、罵って去って行く。
ギョンユンのその言葉にユンソは傷つき、ギョンユンの言うように男らしく生きようと
軍隊に志願し、悲劇に巻き込まれたのだった。

スジンをバイクに乗せ、警察の追っ手から逃げるギョンユン。
しかし、逃げ場を失ってしまう。
「お前のくれたライターなくしちまった。また作ってくれるよな」
ギョンユンの言葉の真意を、スジンは悟る。
見つめあい、心を一つにしたギョンユンとスジン。
二人を乗せたバイクは、そのまま川に向かって走っていく。
固く抱き合ったまま、深く深く、川の底へと落ちていく二人。
ようやく結ばれたギョンユンとスジン........

END

うぇーん、悲しいすぎるぅ.....
と思ったら、まだ終わりじゃないんですね......
更に悲しい悲劇が明らかに......

釈放されたミスクと、第一発見者の配達員。
「あんたが二人をヤったんでしょう?カタワ!」
と、ミスクは配達員を罵る。
逆上した配達員は、ハサミでミスクを刺し殺す。
「愛してます」と.......

というわけで、ビョンシクとジェマンを殺したのは、スジンではなく配達員だったわけです。
最初の二件は殺害方法や凶器も同じで、同一犯の犯行だったわけ。

またもやビョンシクにスジンは犯されてしまったけれど、
軍隊の友達が言ったように、スジン(ユンソ)は人を殺すようなヤツではないし、
仕返しするようなヤツでもなく、逆に自らを殺そうとしてしまうような人間だったわけです。
それに気づかずに、ギョンユンはハ・ジョンボクを殺してしまうわけですね。
ユンソが犯人でなくても、ユンソを辱められたことで殺してしまったかもしれないですが、
二人で死ぬ道を選ばなくても済んだかもしれないのに.....
あまりにも悲しく、せつない愛。
この世は偏見だらけだから、二人が生きるには残酷すぎるのかしら......
世の中から偏見がなくなるのが一番ですが、他と違うものを’弱者’として笑い、虐げるのが人間だから....
誰にも知られず、二人だけの世界で幸せになって欲しい。
他人が何と言おうが、関係ないです。
苦しんで、傷つかないで欲しいですね......




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