アイスケーキ  Ice Bar   
原題:アイスケーキ 아이스케키(アイスケキ)<2006>

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アイスケーキ


コジェンイ(鼻野郎:米国人の蔑称)たちが月の国へ行った1969年。密輸化粧 品の商売をする母(シ ン・エラ)と2 人きりで暮らす10歳の少年ヨンレ(パク・チビン)は、父がいないことを除いては、引け目を感じることがない頭突き大将だ。

ある日、母の親友で喧嘩友達の チュン ジャおばさんから、死んだものとばかり思っていた自分の父が、ソウルに住む南山大学生カン・ソンウク(イ・ジェリョン)だという話を聞く。その時、ヨンレ の目に止まったのが、母が喧嘩する度に、丸坊主ソンス(チャン・ジュニョン)が野次馬たちに売っていたアイスケーキ。

ソンスにくっついて訪ねて 行ったアイ スケーキ工場。社長からケーキ商売の許諾をもらったヨンレは、夢をふくらませ、町内を「ア~イスケーキ!」と叫びながら歩き回ってみるが、母にこっそり と始めた生涯初めてのアルバイトが易しい訳がない。アイスケーキ泥棒がいるかと思えば、縄張りだといって、ヨンレを困らせるスンイル一党も大きい障害 物だ。それでも、ケーキを売って、世の中で世界で一番上等な靴を買うという友人ソンスと、常にヨンレをかばう工場主任インベクおじさん(チン・グ)、そし て、もうすぐ父に 会えるという希望に支えられ、ヨンレは毎日毎日颯爽とアイス売りをする。

しかし、家主の息子ソックのせいで、商いをしているところを母に突然 見つけられてしまったヨンレ。息子がケーキ売りをする理由を知った母は、と ても不安になり、ケーキ工場まで追いかけてきて止めさせる。母の不安な心は分かるが、父がいるという言葉を聞くだけで気分が良くなるヨンレは、ソ ウルへ行くことを諦めきれない。ヨンレは、工場社長に強要されてソウルまで密輸の手伝いに行くことになったインベクおじさんに、父を探して欲しいと 頼み込む。

そして数日後、遠くからインベクおじさんが乗っている電車が見え始めると、ヨンレの心臓は期待感でごとんとごとんと走る。しかし、電車が入って きた瞬間、ソンスとインベクおじさんに想像もしなかったことが起きる。

【予告編】

監督 ヨ・イングァン <2006>アイスケ-キ

出演

パク・チビン

<2004>ファ ミリー、 <2005>奇跡の夏、 <2005>青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~
<2006>アイスケ-キ、<2010>鯨を探す自転 車

シン・エラ (辛愛羅)

<2006>アイスケ-キ

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【レビュー&ネタバレ】
2006年8月韓国公開の「アイ スケーキ」
ちなみに・・・
「アイスケーキ」というのは、棒アイス・・・アイス・キャンディーのことですわ。

親子愛でもあるけれど、「奇跡の夏」同様、子供の織り成す物語。
感動はするものの、泣けるまではちょっと・・・
韓国はこうして子供が主役の映画がたくさんあるというのもすごいけど、
子役スターが何人もいるのもすごいわ。
さすが映画大国ね。
パク・チビンは、日本でもお馴染みになりつつあるかしら。
映画会社が行ったアンケートで、将来期待できる子役の2位でございます。
1位は、「悲しき恋歌」のクォン・サンウの子役や、おばあちゃん の家のユ・スン ホ。
過半数近くを占め、ダントツの1位。
そして3位は、「チャングム誓い」のクミョン子役やラブリー・ラ イバルのイ・セ ヨンちゃん。
mocaはユ・スンホはあまり好きじゃないのよね。
泣きの演技で、白けた目をしていたり・・・いかにも演技という感じで鼻につくの。
とにかくパク・チビンは可愛いわー
ホントに見てるだけで癒されるの。こんな子なら産んでみたいわー

インベクおじさんは、「オールイン」のイ・ビョンホンの子役のチン・グ。
卑劣な街では、ヤクザがどーも似合わない感 じだったけど、
このインベクはいいわよー
好青年は似合わない。けど、ヤクザも似合わない・・・
チンピラや不良・・・そんな感じ。
この映画では、「アカ(北朝鮮人の蔑称)」の父を持ったがために、
屈折してしまった青年を演じているんだけれど、
屈折してしまったのは、純粋であるが故・・・
本当は優しくて、男らしいの・・・
パク・チビンを庇うシーンは笑っちゃうし、惚れちゃうわ。
荷物を担ぐふりをして、パク・チビンを叱責する社長の頭をスカーンと殴るのは
ホントに大好きなシーンよ。
ラストに向かって、本来の優しさが戻ってきて・・・
すごくステキだったわ。
まさに、「優しい人」というのはこういう人よ!という感じよ。
一般的な「優しい人」というのは、気が弱い人だったり、
まわりによく思われたい人。

<オールイン>は2003年放送で、その頃チン・グは既に23歳くらいだったのね・・・
現時点でも、まだ学生役をバリバリこなせそうよ。
30歳過ぎたら、かなりイイ男になりそうな・・・
それまで頑張れ!



そして、パク・チビンの上を行く子役が出演しているわ。
ソンス役のチャン・ジュニョン君。
ふとした演技なのに、心に染みるのよ・・・
ただ、手を振ってるだけ・・・とかね・・
そして、あらすじの「想像もしなかったことが起こる」シーンでは、
大人顔負けの迫真の演技よ。
胸が苦しくて、泣くどころじゃなかったわよー
めちゃめちゃ期待の子なんですけどー



そして、パク・チビンの父親役は、「愛の群像」のシニョンの先輩で、
ジェホの大学の先生だったイ・ジェリョン。
あれから6~7年経つのだと思うけれど、目尻の皺が・・・
この笑い皺がいいのよー
本当にすごく温かくて優しそうな笑顔なの。
この笑顔がそばにあったら、幸せだわ・・・
こんな父だったら、自慢したくなるような。





ストーリーは・・・
あらすじで、映画の大半は語っちゃってるのよね(笑)
このあらすじをもうちょっと細かく描いているだけという・・・・・・
ちょっとした事件や、会話や、やりとり・・・
けれど、これが面白いのよね。
子供って面白いし、可愛いわぁ・・・って思うわ。
(ちなみに、mocaは子供ギライ)
但し、ヨンレとソンスだけだけど。
大家の息子のソックは、張ったおしてやろか!と思うくらいムカつくわ。
ヨンレがアイス売りを始めて、息を切らしながらニコニコ走ってきたの。
「アイスケーキ10本ちょうだい。なければ3本でもいいや」って・・・
ヨンレのためを思って想って10本も買ってくれるのー?
そのために走ってきたのー?
なんてイイコなのー!
と、思ったら・・・タダでくれ!ってこと。
なんつーガキぢゃ!
その上、アイス売りのことをヨンレ엄마(オンマ:母)にバラしちゃうし。
憎らしいったらありゃしないわー

ヨンレは父のいるソウルへの電車賃の840ウォン(約84円)のために
アイス売りを始めるの。
1本売って・・・1ウォン。840ウォンを貯めるには、840本も売らなきゃなのよ。
1969年っていう時代だから、物価も違うのだろうけど、
それにしても・・・
840本売らなきゃ、子供料金でソウルまで行けないだなんてー
貧困層が溢れるハズよ・・・


では、あらすじの最後の辺りから・・・
要するに・・・
結末ですので、ご注意というこ とですわよ!


ヨンレがアイス売りをしていることを知った母。
その理由が、ソウルにいる父に会いに行くためだと知り不安になる。
自分とカン・ソンウク(ヨンレ父)を引き裂いたように、
ソンウクの両親が、ヨンレだけを連き、引き裂かれてしまうのではないかと・・・
だから今日の今日まで、ヨンレの存在を知らせず、
苦労しながら自分一人で育ててきたのだ。

そんな話を、チュンジャにす るのだけれど・・・
いつもは「お金なんてないわ よ!」と、ヨンレの母から 買った化粧品代を払わないのだけど、
「はい、これクリーム代ね」 なんて、
素直に慰められないチュン ジャに笑っちゃうし、ジーンと しちゃうわ。

ヨンレはソウルに行くために無賃乗車しようとするが、駅員にみつかりインベクに助けられる。
「いい父親なら、とっくにお前を探しにきたさ」と、インベクはヨンレを諭すが、
「それでも構わない。父ちゃんが欲しいだけなんだ」と、ヨンレは語る。

ヨンレの母は、工場まで押しかけ、インベクにヨンレを辞めさせるよう頼む。
インベクは、「自分のために子供を傷つけるな。飯を食わせるだけが親じゃない」と、
すげなく断る。

ヨンレはインベクが工場の社長の使いで、ソウルに行くことを知る。
インベクは、使いに行かなければ、2年間給料を積み立てた通帳を渡してもらえず、
頼まれてくれれば、通帳も渡すし、妹を夜間高校に行かせてやると、
仕方なく密輸の手伝いをすることになったのだ。
(ブランド時計?偽ブランド時計?の密輸)
ヨンレは、インベクに父の写真を渡し、父を探してくれるよう頼み込む。

インベクがソウルに出かけている間に、警察が工場に押しかけてくる。
工場の社長は、金を持って逃げてしまい、インベク一人に罪を押し付けられた。

インベクの帰りを今か今かと駅で待ちわびるヨンレ。
インベクの乗った電車が到着するが、電車を降りた途端、警察に追いかけられる。
一方、ソンスも番長のスンイルたちに追いかけられ、駅に逃げ込んできた。
その時、ソンスの目の前に電車が迫ってきた。
「逃げろ!」と、ソンスに向かって叫びながら走るヨンレ。
しかし、ソンスの靴が線路にハマッてしまい、逃げることができない。
そんなソンスに気づいたインベクは、ソンスを助けようと、
警察の追っ手を潜り抜け、ソンスの元に必死に走り、何とか助けようとするが、
ソンスの右足は列車に轢かれ、切断されてしまう。
もう釜山にも行けないし、カタワだとバカにされると泣くソンス。
ヨンレは、ゆで卵を握らせ「これでも食って泣くなよ」と、泣きながら慰める。
「ソンスをいじめる奴がいたら、俺が100回頭尽きしてやるから」と。

インベクは逮捕され、投獄される。
ヨンレは、インベクの妹ミスクと、インベクの面会に訪れる。
インベクは別れ際に、ヨンレの父親の住所が書かれたメモを握らせ、
「親父さんはきっといい人だ」と、微笑む。

ヨンレは、お金を貯めて来年会いに行くとソンスに話す。

ヨンレの家に、ソンスが松葉杖でやってくる。
松葉杖の先には靴が履かせられ、「俺の足は3本なんだ」と、笑うソンス。
「受け取れよ」と、ヨンレに今まで貯めてきたお金を握らせる。
「俺は片方の靴だけで済むから、こんなにお金は要らないんだ。
来年なんて、もし引っ越しちゃったらどうするんだよ」、と。

列車に乗り、ソウルに向かうヨンレ。
父親の家に着くと、家の前に死者を弔う行列が・・・
そして、家の中から、父の遺影を抱いた人間が出てきた。
ショックを受けるヨンレ。

学校の授業で、父への手紙を書くヨンレ。

インベクおじさんがソウルの住所を教えてくれて、
ソンスが、苦労して貯めたお金をくれて、
汽車に乗ってソウルに行きました。
けど、少し遅れてしまって・・・父さんには会えませんでした。
本当に少し遅れただけなのに・・・

その手紙をみつけたヨンレの母は、衝撃を受ける。
泣いて、泣いて・・・そして、決心する。
ヨンレの書いた手紙をポストへ投函するヨンレの母。

ヨンレが学校から帰ると、見知らぬ男性と母が話しこんでいた。
「なぜ逃げたんだ?どれだけ探したことか」
ヨンレの父だった。
ソウルに行った時に見た遺影は、父の父・・・ヨンレの祖父だった。
「この子の手をしっかり握って、皆に見えるよう町内を歩いてきてください」と、
ヨンレの母は父ソンウクに言う。
父と手をつなぎ歩くヨンレ。
父は、「すまない。お前に探させて・・・」と、ヨンレの頬を撫でながら詫びる。
しっかり手を握りながら歩く二人。
ヨンレは「アイスケーキ買ってくれる?」と、恥ずかしそうにねだる。
アイスケーキを舐めながら歩いていた親子を、いつも羨ましそうに見ていたヨンレ。
アイスケーキをしゃぶりながら、幸せを噛み締めるヨンレ。

END

感動のエピソードは多々あるけれど、やっぱり初監督作品という感じは否めないわ。
ラストの父ソンウクの笑顔が、観終わった後にも癒しの余韻を残し、
温かい気持ちで終われる映画よ。







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