私のちいさなピアニスト  My Piano 
 原題:ホロヴィッツのために 호로비츠를 위하여(ホロビチュルル ウィハヨ) <2006>

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ホロヴィッツのために

ホロヴィッツのように偉大なピアニストになりたかったが、才能が足りなかったせ いで、郊外のピアノ教 室の先生をしているキム・ジス(オム・ジョンファ)。教室に引っ越してきた日、メトロノームを盗んで逃げる問題児ギョンミン(シン・ウィジェ)に出会う。

そんなある日、偶然ギョンミンが絶対音感を持った天才少年であることに気づき、ジスはパッと目が覚める。ギョンミンを有名なコンクールに入賞させ、有能な 先生として名声を轟かそうと熱心に訓練に邁進する。

ついにコンクールの日を迎える二人。ジスは、誰も足元にも及ばないギョンミンの実力に意気揚揚だ。しかし、舞台に立ったギョンミンは、どう したことか泣き出してしまう。夢破れたジスは、ギョンミンを冷酷に追い出す。

【予告編】
監督 クォン・ヒョンジン <2000>MOB 2025(インターネット映画)、<2006>私のちいさなピアニスト、<2007>トラック
<2010>ウェディングドレス

出演

オム・ジョン ファ(厳正化)

出演作品一覧

パク・ヨンウ (朴埇佑)

<1997>オ ルガミ~罠~、<1999>シュ リ、<2000>リ メンバー・ミー 、<2001>MUSA -武士-
<2002>永遠の片想い、<2004> スーパースター☆カム・サヨン、<2005>血 の涙
<2005>ナンパの定石、 <2006>甘く、殺伐とした恋人、 <2006>私 の小さなピアニスト
<2006>静 かな世界、<2007>ビューティフ ル・サンデー、<2007>今、愛する人と 暮らしていますか?
<2008>ワンス・アポン・ア・タイム、 <2009>携帯電話、<2010>子供たち

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【レビュー&ネタバレ】
2006年5月、韓国公開。
2007年8月に’私のちいさなピアニスト’という邦題で公開決定。
原題が好きだったの・・・

あまりにもベタなヒューマン・ドラマ。
ちょっと心温かくなる、優しい映画。
起承転結と、最後まで模範的な展開を見せ、
ストーリーの破綻した映画が目立つ最近の韓国映画の中では、
まだマシかしら・・・。
あとは内容の問題よね。
万人向けではあるけれど、ちょっと物足りないわね。
学童向けの推薦図書のような内容かしら。
なんだけれど・・・
夢破れて・・・それでも、夢を捨てきれず・・・
夢に何とかしがみつき、葛藤し、他人を妬んで・・・
そんな女の姿を描いた文学的作品でもあるわ。
ヒロインに想いを寄せるピザ屋の店長グァンホ(パク・ヨンウ)だけが、
この作品に笑いと、安らぎを与えてくれるわ。
パク・ヨンウは映画でよく見かける脇役俳優。
主要キャストではあるけれど。
オルガミではチェ・ジウの夫。
リメンバー・ミーでは、キム・ハヌルが想いを寄せる先輩。
このパク・ヨンウがすごくいいの。
誠実で、優しくて・・・まっすぐで・・・
だからといって人がいいだけのバカじゃなく・・・
頼りがいもあり、常にヒロインを包み込む温かさと、明るさを持ってるの。
こんな人と結婚したら幸せになれるだろうなぁ・・・
と、痛感しましたわ。
こんな人、そうそういませんが・・・

オム・ジョンファのお兄さんもすごくステキです。(顔じゃなく)
妹想いで、思いやりがあって・・優しくて・・・
そして、ちゃんと世の中が見えている人。
妹の学費のために自分が学校を退学し、働くような兄だけど、
決してバカみたいな「まっすぐ君」ではないの。

オム・ジョンファは、こういった等身大の女性の役はハマるわよね。
オーロラ姫の鬼気とした役も見事だったけど。
ヒステリックで、潔癖で、けど、情に深くて・・・・・

この映画の雪のシーン。目を見張るほどの美しさ。
まるで童話の世界。
ジスとギョンミンがハウスコンサートが終わり、
外に出た時のシーンよ。
ほんとに美しいわー
2006年の映画なのに、ノスタルジック。
この監督の映像、ちょっと期待したいわー(冬限定)

この映画は、「ホロヴィッツ」というピアニストに憧れる
ピアニスト志望のヒロインの挫折を描いているわ。
同じ師に志した弟子たちは、教授など出世しているのに、
自分は裕福でないために留学ができず、
こうして郊外の小さなピアノ教室の先生などしなくてはならなくなった・・・
そんなヒロインのひねた心が、
ピアノの天才少年を巻き込んでいくの。

この天才少年なんだけど・・・
ほんとにムカつくのよー
ジスが自分以外の人間に目を向けると途端にひねて、
とにかくわがまま。
こんな問題児を相手できるヒロインには、ちょっと脱帽。
mocaだったら、いくら自分の欲のためだって・・
むりー
このシン・ウィジェはピアノがあまりにもうまいけれど、
職業(職業?)は、映画俳優だそうです。
でも、演技がちょっと・・・(笑)
ピアノの上手さを買われたのかしら?
やっぱり、子役のピアノの上手さがなければ、
ちょっと成り立ちにくい映画だものね。

物語は単純。

天才少年ギョンミンは、貧しい祖母と二人きりで暮らす問題児で、
ジスは引っ越した早々からギョンミンの悪戯に遭い、
売り言葉に買い言葉で、ギョンミンの面倒を看ることになってしまって・・・
けど、偶然ギョンミンがピアノの天才だと気づいて、
自分の欲を叶えるために利用しようと目論んで、
ギョンミンのピアノ訓練をするのだけれど・・・
ギョンミンは4歳の時、交通事故でお母さんを亡くしているのよ。
しかも、自分を守るために庇って抱きかかえたまま・・
そのトラウマがいつまでも心の奥底に焼きついていて・・・
コンクールの舞台に上がった時、
ライトが事故の時の車のライトと重なって、
舞台の上で泣き出してしまい、ジスの夢は破れるの。
そのコンクールの審査員になっていた
昔のライバルであったジョンウンの鼻を明かすどころか、
逆に恥をかいた。
ギョンミンが舞台の上で泣き出し、ピアノを弾かなかったことに、
そんな理由があることを知らないジスは、
ギョンミンを追い出してしまう。
ギョンミンにピアノを教えたのは、あくまでも、自分の「欲」のため。
なのに、ギョンミンに会いたくなっている自分に気づいて・・
そんな時、ギョンミンの祖母が倒れ入院する。
再びギョンミンの面倒を看ることにするジス。
昔のライバル、ジョンウンに偶然出会ったジスは、
ジョンウンにハウスコンサートに招かれる。
そこで、ギョンミンが素晴らしいピアノの腕前を披露し、
皆を驚愕させる。
先日のコンクールの負い目を払拭し、鼻高々のジス。
ジョンウンの留学時代の恩師の目に留まったギョンミン。
ジョンウンは、「ギョンミンには偉大な指導者が必要だわ」と告げるが、
ジスは「私は両親から全信頼を得ているの」と、譲らない。
ジスとギョンミンは、手をつなぎ雪の中を意気揚々と走って帰る。

では、結末です。


とうとうギョンミンの祖母が亡くなってしまう。
孤児となってしまったギョンミン。
孤児院に引き取られるしか、道はない。
ジスは、ギョンミンを引き取りたいと兄に相談する。
「本当にあの子のことを考えているなら、利用するのはやめろ」
と、兄はジスを説得する。
「お前に天才を育てる力があるのか?」
と言われたジスは、「ギョンミンのため」を考える。
ジョンウンの元を訪れ、
ジョンウンの恩師にギョンミンを育てて欲しいと頼み込む。
「そうなったらもう二度とは会えない」
と、ジョンウンは告げるが、ジスは覚悟を決める。
ジスはギョンミンに告げる。
「あの時の外国人のおじさんがピアノを教えてくれるわ」と。
「行きたくない。ここにいる。いい子になるから、お願い」
と、ギョンミンは泣きすがるが、
「お前なんか嫌いなの。もう育てられないわ」
と、ジスは心にもないことを告げ、ギョンミンを突き放す。
とうとう、ギョンミンはドイツに旅立つことになる。
ギョンミンが去った後、ジスは一人教室でむせび泣いていた。

時が流れ─

年老いたジスとグァンホ。
クラシック音痴のグァンホが、珍しくジスをコンサートに誘った。
会場に着席し、ジスはコンサートを堪能する。
演奏の途中、ジスはピアニストの青年が、
成長したギョンミンであることに気づく。
ギョンミンが来韓したことを知ったグァンホの演出だった。
ギョンミンの小指には、別れ間際ジスがギョンミンに渡した指輪が光っていた。
「大切な人に次の曲を捧げます。彼女のおかげで今の僕があります。
心から彼女にこの言葉を伝えたい。感謝しています」
そして、グァンホは静かに奏で始める。
ギョンミンとの思い出が思い起こされ、涙に暮れるジス。

END

最後のギョンミンの青年役は本物のピアニスト、キム・ジョンウォン。

ジスとグァンホが結婚していたのは嬉しかったわー
思った通り、幸せそうなジス。
ギョンミンが旅立った日、教室で泣いているジスを
グァンホが陰で見守っていて・・・
グァンホなら、ジスのギョンミンへの想いを知っているから
ギョンミンを養子にするのも理解してくれそうだから、
こうして結婚するなら、ギョンミンを引き取っても・・と思ったけど、
その前に、ジスはギョウミンのためを考えて・・
ピアニストになるのが、ギョンミンのためだと考えて、
ドイツに養子に出したんだものね・・・

ラストはちょっと予想できちゃったけど、
ガッカリの結末よりは、ずーっとよいです。







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