ひまわり 
 原題:ひまわり 해바라기(ヘバラギ) <2006>

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ひまわり キム・レウォン
酒を飲めば犬のように暴れ、刃物も血も恐れぬ残虐さで<狂犬>と呼ばれた裏世界 の伝説の 男オ・テシク(キム・レウォン)。
彼は仮釈放されると、古い手帳一つを片手に、そこに書かれたことを実行していく。風呂にも行き、くるみの菓子も食べ、入れ墨も消し... その手帳は彼が監獄の中で<やってみたい>と願ったことだけではなく、これから守らなければならない三か条の約束も書かれていた。 <酒を飲まない>、<争わない>、<泣かない>。
あの恐ろしかった男がなぜ笑う?
その手帳を与えた<ひまわり食堂>を切り盛りするドクチャ(キム・ヘスク)を訪ねるテシク。ドクチャはテシクを親子以上に温かく迎え入れる。 テシクはドクチャとその娘ヒジュ(ホ・イジェ)の3人で穏やかに新たな人生を始めようと決心した。だが、テシクを知る人間は誰も信じない。そして、予想も せぬ絶望の逆襲が始まった。

公式サイト:http://www.haebaragi2006.co.kr/
【予告編】

監督 カン・ソクボム <2004>ど こかで誰かに何か が起こると必ず現れるホン班長、<2006>ひ まわり

出演

キム・レウォ ン(金來元)

<1998> 男の香り、<2000>ハーピー、<2000>プライベートレッスン 青い体験、 <2002>少女と泥棒
<2002>2424 (イサイサ)、<2003>アメノナカノ青空(...ing)、 <2004>マイ・リトル・ブライド(幼い新婦)
<2005>ミスター・ソクラテス、<2006>ひ まわり、<2007>花影(日本映画)、<2009>仁寺洞スキャンダル

キム・ヘスク (金海淑)

出演作品一覧

ホ・イジェ

<2006>卑 劣な街、<2006>ひ まわり、<2008>空を歩く少年(制作2006年)

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【レビュー&ネタバレ】
2006年11月23日韓国公開 予定の<ひまわり>でございます。
夢も希望もない日陰者として生きてきた孤独な男が、
自分を迎え入れてくれた血の繋がらない家族と出会ったことで、
希望を見出していく映画。ということでしたが、
「夢も希望もない日陰者として生きてきた」ようには描かれていないわ。
そこが描かれていれば、もっとキム・レウォンの想いが深く伝わったかも。
けれど、そんなのがなくても、
十分にキム・レウォンの想いが伝わる作品となっております。
これは、とにかくキャラクター設定がよいのです。
キム・ヘスクはさすが!と言わしめる情が深く、潔く、強い母親で、
妹役のホ・イジェも、口は悪くて男勝りだけど、優しくて、情が深くて、まっすぐで、
本当はすごくいい子なの。
mocaの大好きな<明朗少女成功記>のボベみたいな子。
この二人のキャラクターがあったから、
キム・レウォンが新しいこの二人の家族をどれだけ大切に想っているか、
すごく理解できたわ。
そして、キム・レウォンも、本当は純粋で純朴で、
不器用だけれど優しくて、強くて・・ステキなキャラクターを演じてたわ。
もう、あの不器用でまっすぐな笑顔といったら・・・
またもや理想のキャラクターが登場してしまったわー

正直、<どこかで誰かに何かが起こると必ず現れるホン班長>を観て、
思いっきり肩透かしを食らったから、ちょっと期待できずにいたのよね。
けど、かなりmoca好みのいい作品でした。
冒頭の映像を観た瞬間に惚れちゃったわ。
mocaの大好きなノスタルジックな韓国映画の絵。
「古臭い」
そんな言葉で片付ける人も多いかもだけれど、
mocaはこういう映像が好きで、だから韓国映画が好きでもあるわ。
そして、出所して間もない垢抜けないキム・レウォンを取り囲む絵図。
それだけで涙が込み上げてくるという・・・困ったmocaちゃん。
まさにmocaのツボ。

ストーリーとしては、本当にオーソドックス。
愛する者のために闘う男のストーリー。
観客動員数は延べ120万人は超えているわ。
100万人を超えればまずまずのヒット作と言えるけれど、
200万人を超えないとヒットとは言えないところね。
でも、こんなオーソドックスなストーリーでこれだけの動員を集められたのは、
キム・レウォンのかっこよさと、
キム・ヘスク、ホ・イジェのキャラクターがあってこそじゃないかしら。
悪役は徹底的に悪に徹していて、
最後にはキム・レウォンの感情と一体化して観ることができるわ。
号泣モノではないけれど、
じんわりと涙が込み上げてくる、せつない映画だったわ。
韓国の<情の深さ>や、人間としての大切なモノを描いた
心にじんわりと染みる作品よ。
キム・レウォンを雇う整備工場の社長もステキだわ。
「古き良き時代」が残っている作品よ。
そして、<悪>というものが本当に許せなく、
とても理不尽な想いに駆られるわ。

キム・レウォンが監獄で手帳に<やってみたいこと>を書いていて、
それを一つ一つ実行していくのが可愛いのよね。
電車の中でこそこそとくるみのお菓子を食べて嬉しそうにしたり・・
<コーラを思いっきり飲む>とか、
<ピクニック>とか、
<女の子と息が止まるくらいキスをする>なんてものもあったり・・
出所した後にも、したいことは増えていって
ホ・イジェに<同じ大学に行こう>と言われ、
嬉しそうに<ヒジュと同じ大学に行く>と書き込むシーンは
可愛くて、心がほのぼの。
後に、ホ・イジェもそれを真似て手帳に書き込むのよね。
なんだか、mocaもやってみたくなったわ。

キム・レウォンは来年初めに入隊予定だそうで、
これが入隊前の最後の映画になるそう・・・残念だわ・・・・

ヒロインであり、妹役のホ・イジェは、<宮S>のヒロインで、期待の新人。
ホ・イジェは好きじゃないんだけれど、
ヒジュのキャラクターが最高。
嫌いなホ・イジェなのに、かなり好感を持てたわ。

脇役ではあるけれど、ちょっと(moca的)期待の新人俳優。
ヒジュ(ホ・イジェ)に惚れ込む、壊れキャラの危ない男サンチョル。
박철호(パク・チョロ)23歳(日本では22歳)
コ・ス主演の<サム>が映画デビュー。
<サム>でも、ちょっと気になるキャラだったのよね。
クォン・チョルという役で、麻薬を打たれて殺されてしまうのだけれど、
一瞬の出演時間でありながら、
義理、人情を感じる印象深い演技だったわ。
今回は正反対で、イカレたキャラクター。
イケメンではないけれど、ちょっと気になる存在。
キム・レウォン主演の<君はどの星から来たの>にも出演しているわ。

ヤンギ役はどこかで見たのだけれど・・・なかなか思い出せず・・
僕の彼女を紹介します>で、後にチョン・ジヒョ ンの相棒になる、
チャン・ヒョクを殺してしまったキム・ヨンホ(キム・テウク)刑事でした。

キム・レウォン演じるテシクの過去の回想は、
昔テシクにいじめられていたミンソクの語りで語られるのだけれど、
現在と過去が同次元で展開して、笑えるわー
mocaの口からよりも、実際に観て欲しいわ。


オ・テシク(キム・レウォン)は仮釈放され、10年ぶりに社会に戻る。
古い手帳に書かれた<これからしたいこと>を一つずつ実行していくテシク。
その手帳には、<酒は飲まない><ケンカはしない><泣かない>という
守らねばならない三ヶ条も書かれていた。

手帳の送り主トクチャ(キム・ヘスク)を訪ねるテシク。
トクチャは、テシクを息子のように温かく迎える。
トクチャの娘ヒジュ(ホ・イジェ)は、母がなぜ見も知らぬ男を
家族として迎え入れるのか少しも理解できない。
(三人で焼肉を食べるシーンはめちゃ好きよー)

テシクは、体に彫った刺青を消したいと、病院を訪れる。
「人に絡まれるのがイヤで彫ったけど、話にならないことをした」と。
(乳首を隠してるのが笑っちゃうわ。こういうキャラ設定?それとも、乳首周りの刺青に失敗したの?)

ヒジュに「오빠(オッパ:兄)と呼べよ」とテシクは言うが、
「私に期待するなと言ったでしょう」と、冷たくあしらわれる。
「いい兄貴になれるのに・・」と、テシクは残念そうだ。
「悪いけど、いい妹にはなれないの」と、ヒジュは迷惑そうな上、
「煙が嫌いなの」と、タバコも辞めるように命令する。

テシクは10年前。この界隈では恐れられていた存在だった。
キム・ヤンギとイ・チャンムは、テシクの子分で
テシクに縄張りを奪われたチェ・ドピルは、
彼が酔うと<狂犬>となって手をつけられぬことも知らずに、
縄張りを取り返そうと屋台で飲んでいるテシクを襲い、逆に刺され死んでしまう。
テシクは刑務所に入り、テシクの子分のキム・ヤンギとイ・チャンムが
テシクの縄張りを手に入れると思われたが、
テシクのせいで足が不自由になったビョンジンが、
金づるのチョ・パンスと手を組み、テシクの縄張りを手に入れた。
ヤンギとチャンムは仕方なくチョ・パンスの手下になり、
ほくそ笑んでいたビョンジンも、結局チョ・パンスに制圧され、
チョ・パンスの天下になる。

テシクは整備工場に就職し、真面目に生きることを決意していた。
しかし、昔のテシクを知る者は誰も信じない。
昔テシクにいじめられていたミンソクは刑事になり、テシクの周りを嗅ぎまわるが、
テシクを雇った工場主も、テシクの働きぶりに感嘆するほどだった。

テシクは予備校の資料を物色していた。
ヒジュに「大学に行くつもりだ」と、打ち明ける。
数学は得意だから、英語コースだけ通いたいのだと。
ヒジュと仲睦まじげに話しているところを、
ヒジュに思いを寄せるチンピラ、サンチョルに見られ蹴り倒される。
人気のない倉庫で、サンチョルたちに殴る蹴るされるが、テシクは全く手を出さない。
トクチャとの約束を守っているのだ。
サンチョルに「あんたなんて大嫌いなの!」
と、罵声を浴びせるヒジュの言葉を聞いたテシクは、
サンチョルに「ヒジュに関わるのはやめてくれないか」と、言い放つ。
怒ったサンチョルは、テシクに更に暴行を加えるが、
テシクのシャツの下から現れた総刺青に、皆ビビってしまう。

テシクに対するヒジュの態度も変化を見せた。
テシクに薬と包帯を買ってきてやったり、
予備校の先生イ・ウンミ(パク・ウネ)との仲を問いただし、
「何でもない」という答えに、満足そうな笑みを見せたりと・・・

微分積分がどうしても理解できないヒジュは、
数学の得意なテシクに教えてもらう。
冗談を言ったり、二人は打ち解けていく。

テシクは、初めての給料でトクチャに靴をプレゼントする。
「給料は少しずつ溜めなきゃいけないのに、こんな無駄遣いして・・」
と、トクチャはたしなめるが、
「こんなステキな・・・勿体なくて履けないわ」と、感動する。
ヒジュは、テシクにトクチャを抱きしめるよう促す。

ヒジュ最高
「抱きしめろ」「殴るぞ」っ てジェスチャーするんだけれ ど、
こうやって荒っぽいのに本当 は優しい・・・
最初は、トクチャがテシクに 優しくするのを苦々しく思っ てたのに、
自らトクチャを抱きしめるよ う促すなんて・・・
イイ子なのよね。
こんなヒジュなら、テシクが 命をかけても守りたくなる気 持ちわかるわ。
mocaも惚れた(笑)

テシクは、ヒジュにもプレゼントを用意していた。
ヒジュが欲しがっていたMP4(音楽、デジカメ、TV・・マルチメディアプレイヤー)だった。
「母さんに買ってもらうつもりなのに、なんであんたが」
と、ヒジュは憎まれ口を叩いてしまう。
その上、ヒジュがタバコの煙が嫌いだと知ってタバコを辞めたことを知り、
ヒジュは呆然とする。


ヒジュは、テシクにコーヒーを差し入れる。
物欲しげにテシクをみつめるヒジュ。
テシクはすぐさま察し、MP4を差し出す。
受け取った途端そそくさと消えるヒジュ。
そんなヒジュを、テシクは愛しそうに笑い転げる。

素直じゃないのにわかりやす いのも可愛いわー
楽しい子よね。

ヒジュとテシクは一緒に勉強をするが、
ヒジュはテシクの手帳を発見し、奪い取る。
テシクの<やりたいこと>を、ガキくさいとバカにするヒジュ。
「女と息ができないくらいキスをする」
と書かれているのを見て、呆れるヒジュ。
「これは私が叶えてあげるわ」
と、手帳に何やら書き込むヒジュ。
怪訝そうにヒジュを見やるテシク。
手帳をテシクに返すと、<ピクニック>の項目が打ち消されていた。
心の底から大笑いするテシク。

これはビックリしたわー
「叶えてあげる」って、キス のことだと思うわよー
テシクがあんなに笑ったの は、やっぱり同じように思った からかしら?
それとも、ピクニックが嬉し かったから?

食堂を休業し、三人でピクニックに出かける。
川に足を浸し、満喫するテシク。
テシクに微分積分を教えてもらったとヒジュから聞き驚くトクチャ。
その上、「来年大学に行くんだって」と聞かされ、トクチャは喜ぶ。
「息子よ。学費は母さんが出してあげる。ファイッティン!」と、叫ぶトクチャ。

三人は、テシクがヒジュに買ったMP4で記念写真を撮る。
すっかり本物の家族のようだ。
三人の幸せな時─

ある日、ビョンジンがテシクを待ち伏せしていた。
「足のことはすまなかった」と、頭を下げるテシク。
「昔の話だ。忘れたよ」と、ビョンジンは笑い飛ばす。
テシクに、お前とトクチャはここを離れるべきだと促すビョンジン。
チョ・パンスが、大型ショッピングモールを建てるために、トクチャの食堂の土地を狙っていると。
チョ・パンスは怖い人間だ。
家族が危険な目に遭うと、ビョンジンはテシクを諭す。

テシクは刺青を消すために病院に通い始める。
(このシーンのヒジュも笑えるのよ!)
帰り道、ヒジュは「必死に勉強しろ」と、テシクに言い放つ。
「私はいい大学へ行くつもりだから。
同じ大学だといいと思わない?
ボディーガードよ。
私は美人だから、夜道は危険でしょう?」と、さらりと言うヒジュ。
テシクはそわそわし、適当にはぐらかす。
家に帰ると、手帳に<ヒジュと同じ大学に行く>と書き込み、
ニヤニヤ笑うテシク。

トクチャの食堂へチャンムが現れ、食堂をメチャメチャにする。
逆らうトクチャを突き飛ばし、脅すチャンム。
そこへヒジュが帰宅し、MP4でチャンムの後頭部を殴りつける。
チャンムは、ヒジュを傷害で訴える。自分はその道に詳しいから、と
更にトクチャを脅す。

ヤンギは、テシクの勤める工場へ手下を送り込み因縁をつけさせる。
仮釈放中のテシクが問題を起こせば、刑務所へ逆戻りだからだ。
刑事になったミンソクに電話し、工場で問題が起こるはずだからと待機までさせて。
しかしテシクは、どんなに殴られても手出しせず耐え抜いた。
すっかり変わってしまったテシクに、ミンソク達は驚く。

トクチャの食堂に、今度はサンチョルがやってきた。
サンチョルは、「変わった家だな。実の息子を殺した奴を息子にするなんて」と、
サンチョルは笑い飛ばす。
テシクもトクチャも顔色が変わる。
「おばさんの息子だろう?チェ・ドピル!」
そこへヒジュが帰宅し、サンチョルの話を聞いてしまう。
ショックを受けるヒジュ。

ドピルが殺されたことがどうしても許せなくて、
どれほどドピルを憎んでいたのか、
どれほど大きな罪をドピルが犯したのか・・と尋ねるため、
トクチャはテシクに面会に行ったのだとヒジュに語る。
しかしテシクは、「僕が悪かったんです」と、子供のように泣くのだと・・
あんなに悲しそうに泣く人間は初めて見たと、
泣き続けるテシクを見て、
まだ幼くて世間を知らなかったからだと、
悪い奴ではないと思えた。
それから何度か訪ねて、
情が沸いて、
10年見守ったの。
いい子だった。
だから、息子だと思うようになった。

トクチャの告白を聞いたヒジュは、テシクの元へ行く。
テシクは、「考えが甘かった」と、ここを出て行くと告げた。
「あんたがいてくれてどれだけ心強かったか。それなのに出て行くの?
勝手に来て、勝手に出て行くわけ?
お礼を言いに来たのに、行っちゃうの?
チェ・ドピルは実の息子だけど、ろくでなしの息子だった。
金を出せと母さんを殴ってた。
まだ幼かったけど、兄さんが死んで内心喜んだわ。
これで楽になる。
母さんも殴られずにすむ。
行かないでよ。
周りが何て言っても、私は構わない。
あんたがいると、母さんは嬉しそうでしょう。
母さんの嬉しそうな顔、初めて見た。
このままここにいなよ。
それと、明日から「오빠(オッパ)って呼ぶから」と、ヒジュは言う。

トクチャは、チョ・パンスに会いに行く。
二人を陥れたのはチョ・パンスだと。
一方を殺させ、もう一方を刑務所に入れ、この街を手に入れた、と。
ドピルの日記のコピーを叩きつける。
テシクと食堂に手出ししないなら、全部忘れてやると、トクチャは言い放つ。

「奴を整理しないとな」
というチョ・パンスの言葉を聞いたビョンジンはテシクに電話する。
トクチャがチョ・パンスを脅していた。
絶対にチョ・パンスは何かを仕掛けてくる。
10年前の事件はチョ・パンスが仕組んだことだ。
トクチャが言っていたことは事実なのだと。


ビックリしたわ・・・衝撃の 事実よね。まさに予想外。
テシクが息子を殺した犯人 だったなんて・・・
なんだか、ちょっと<私 たちの幸せな時間> に似ているのよね。
息子を殺した犯人を許せる か・・・
の次元を超え、犯人に情が沸 いてしまう・・・
トクチャが人間を逸脱してい るわけではなく、ちょっとわ かるような気がするわ・・・
うーん・・・
でも、ちょっとなかなかでき ないことだわよね・・・
ヒジュにしても・・・。
ろくでなしの息子ではあった から、
ドピルに対する情は薄かった のかもしれないけれど。
逆に、本当に憎んでいたのか しらね・・。
「血は水よりも濃い」
とは言うけれど、家族だか らって、お互いを想い合い、愛 し合えるとは限らないわ・・
親子だって殺しあう時代だも の。
けれど、テシクとトクチャ、 ヒジュは、
心で結ばれた家族だか ら・・・血なんかよりも、ずっと濃 いのよ。

下校途中で、ヒジュがバイクの男に顔面を煉瓦で殴られた。
「ヒジュがあんな目に遭ったのは自分のせいだ」と、嘆くトクチャ。
ここを奴らに売って出て行っていれば・・・
人生の中で多くは望んでいないのに・・・
テシク。ヒジュは家族だよ?
この世で一番大事なのは家族だ。
ここを売って出て行こう。と、トクチャはテシクに告げる。
どこかで3人でやり直そう、と。



そろそろ結末よー ご注意を

 
テシクは、チョ・パンスを訪ねる。
「数日後にここを出て行きます」と、挨拶するテシク。
「引き止めるつもりはないよ」と、チョ・パンス。
「罪を犯したら、罰を受けるものじゃないか?腕を一本差し出したら許してやる」
と、チョ・パンスは言い放つ。
テシクは腕を差し出す。
ビョンジンはチョ・パンスの命令で、テシクの腕を切ると
「スプーンくらいは持てるだろう」と、言い放つ。

帰りの車の中でビョンジンは、
「手のことは心配いらない。俺からの餞別だ」と、テシクに告げる。

チョ・パンスは、ヤンギに何やら命令を下す。
顔色が変わるヤンギ。

テシクは病室のヒジュを訪ねる。
「お前のことは死んでも守ってやる。幸せになろうな」と、
眠っているヒジュに語りかけるテシク。

なんなのー
出て行くって言ってるのに、なんでそこまでするわけー!
「罪を犯したら」だと?
罪を犯したのはお前の方だろう!
もー
本当に腹が立つわ!
こういう理不尽なセリフが、これからどんどん羅列するわよー
怒りが収まらないわ。

ビョンジンって、本意がまったく読めなかったのよね。
テシクに足を不自由にさせられたわけだし・・
けど、本当にいい人だったのね。
救われたわ・・・。
自分もチョ・パンスに相当痛い目に遭わされたのね・・・その恨みかしら・・
テシクにされたことなんて、チョ・パンスにされたことに比べたら
きっと痛くも痒くもないほどのことなんでしょうね・・
チョ・パンス。死にやがれ!!
 
トクチャは、死んだドピルに語りかけていた。
この食堂を建てた頃は本当に苦労した。
父さんが突然亡くなって、ろくに食べれずヒジュのお乳さえも出なかった。
けれど、お前がいたから頑張ってこれたんだ。
後でお前に苦しめられても、
賢いお前のことだから、必ず戻ってくると信じてた。
お前と建てたこの食堂だけは守りたかったけど、
あいつらはこの食堂さえも差し出せと言う・・
ごめんね・・・
母さんが悪かった・・・
そう、ここを離れよう・・・どこだって生きていけるさ・・
泣きながら語るトクチャの背後から、ヤンギが襲い掛かる。
首をしめ、トクチャを殺害するヤンギ。
ドピルの日記の原本を盗み、
土地の譲渡契約書に、トクチャの拇印を押す。

テシクが病院から戻ると、トクチャの遺体が天井からぶら下がっていた。
トクチャが首吊り自殺をしたと思い込むテシク。

トクチャの食堂が解体された。
「最初から言う通りにしていればいいものを。欲に駆られるからだ」と、
(なんだとー!)
ヤンギとチャンムは言い放つ。

テシクは、床にヤンギのピアスが落ちているのをみつけ、
トクチャが殺されたと悟る。

ヒジュに頼まれ、現像に出した写真を取りに行くテシク。
写真館には、三人で撮った写真が飾られていた。
写真を見ながら、むせび泣くテシク。
家に帰ると、浴びるほど酒を飲み、泣き暮れる。

テシクは、チョ・パンスの店<オラクルクラブ>を襲撃する。
ビョンジンに「兄貴は外に出てくれ。死ぬぞ」と告げ、店に火を放つ。
たった一人で大勢を殴り倒していくテシク。
テシクはヤンギに刺されるが、ヤンギを絞め殺す。
チョ・パンスに詰め寄るテシク。
「最初から自分の手で整理すればよかった。こうなると思った。
クズは所詮クズだからな」
(おまえぇぇぇ!)
チョ・パンスの言葉を聞いたテシクは、怒りのままにチョ・パンスを殴り殺す。
 
火の海の中、テシクはトクチャやヒジュとの思い出を振り返る。
笑いあったこと、
ピクニック、
焼肉を食べた日のこと、
そして、面会に来たトクチャに手帳をもらったこと・・
お酒を飲んだのかい?いいえ。
ケンカしたのかい?いいえ。
泣いたのかい?いいえ。
なら、永遠に泣かずにすむね。

엄마, 희주야, 미안하다.
(オンマ、ヒジュ、すまない)
 
数年後─
ヒジュは、数学の助教授になっていた。
手帳を眺めるヒジュ。
三人で撮った写真。
そして、テシクのように<やりたいこと>が書かれていた。
学生との会話・・
テシク兄さんを愛していたんですか?
 どうかしら
愛ってなんだと思います?
 幸せな時間の短い記憶だけで十分でしょう。
 憶えていれば、愛は変わらない・・
ヒジュは空を見上げる。

END

美しき野獣>と、同じで・・・希望のないラストだわ。
法は罪を裁いてはくれない・・・
自らの手で報復するしか、手立てはない。
それでも、この映画ではヒジュの心の中に愛が残ったから、
まだ救いがあるのかしら・・・
ホ・イジェって、けっこう老け顔なのね?
こんな大人っぽく見えるなんてビックリしたわ。
若作りの方が「化けてる」と言えるのかも。
撮影時には、20歳くらいなのだけど。








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