楽しき人生 Happy Life |
原題: 楽しい人生 즐거운 인생(チュルゴウン インセン)<2007> |
|
監督 | イ・ジュニク | <1993>
キッド・カップ、<2003>黄色平野、<2005>王の男、
<2006>ラ
ジオスター、<2007>楽しき人生、 <2008>あなたは遠いところに、 <2009>雲から抜けた月のように |
出演 |
チョン・ジニョン(鄭進永) |
出演作品一覧 |
キム・ユンソ ク | 出演作品一覧 | |
キム・サンホ | <2001>黒
水仙、<2003>トンケの蒼い空、
<2004>ビッグ・スウィンドル!、 <2005>ユゴ 大統領有故、<2005>麻婆島 (マパド)、<2005>恋の潜伏捜査、 <2005>ユア・マイ・サンシャイン、<2006>約束、<2006>コン・ピルドゥ、<2006>角砂糖、 <2006>恋愛、その耐えられない軽さ、<2006>タチャ イカサマ師、 <2007>なつかしの庭、 <2007>楽しき人生、<2007>食客、<2007>町内金庫連続襲撃事件、 <2008>最後の贈り物、<2008>少年監督、 <2009>君に微笑む雨 |
|
チャン・グンソク |
<2006>着信アリ
Final(日本映画)、<2007>楽しき人生、
<2008>待
ちくたびれて
、 <2008>ドレミファソラシド(制作2006年)、 <2008>赤 ちゃんと僕、<2009>イテウォン殺人事件、 <2010>きみはペット |
【レビュー&ネタバレ】 |
2007年9月韓国公開。 人生は厳しい。生きていくということは、辛く、我慢の連続だ。 そんな不満ばかりの日々を送る三人のオヤジ... ギヨン、ソンウク、ヒョクス。 その不満ばかりの毎日から抜け出そうと、三人は学生時代のバンド<活火山>を復活させる。 さすがに20年ぶりのバンド、しかも、ヴォーカルのサンウもいない。 なかなかうまくいかないバンド活動。 その上、家族との衝突も生じ.... 「親=子供のために我慢する毎日」 そのせいで、ぶつかり合う夫婦。 甲斐性なしで、妻に養ってもらっているギヨン。 妻には責められるばかりだ。 会社にリストラされたことを言えず、いつか復職できると嘘をつき、 子供の教育費を稼ぐために、昼はバイク便、夜は運転代行、 しかし、更に教育費の捻出をせがむ妻に逆上し、 「俺はバンドをやってる!お前も好きなことをやれ!子供がすべてじゃないだろう!」 と、言い放ち、妻は子供を置いたまま実家に帰ってしまう。 一方ヒョクスといえば、カナダにいた妻が休みに帰国しないと言い出す。 しかも、ヒョクスにカナダには来るな、と... そして、離婚したいと言い出し、10年分の養育費を要求される。 ヒョクスの妻には、カナダで男ができたのだ.... バンドのせいで、妻と衝突してしまったギヨンとソンウク。 妻との離婚で、意気消失するヒョクス。 しかし、妻達は<活火山>のライブを観たことで、 今でも情熱的に生きている夫の姿を見て、夫とのしがらみも消え、夫への誇りを感じる。 大人だから、親だから.... だから、すべて諦めて、不満だらけの日々を送ることのくだらなさを 身をもって示した<活火山> 人生とは、楽しいものだ。 楽しく生きなきゃいけないんだ。 そう、楽しき人生。 そんな映画でございます。 とにかく音楽シーンが大半を占めるので、ロックに興味がない方はオススメできないかも。 曲はけっこういいんですけどね。 歌っているシーンばっかりで..... しかし、チャン・グンソクは素晴らしい! かっこよすぎでしょー ギターは弾けるのかどうかわかりませんが、 歌は本人でございますよね? あの「爆発するぞ!」を歌った時の、骨太でシブい声に言葉を失いましたワ。 アレを観れただけでも、ちょっと得したかな。 全員スモークメークと、タトゥを施したステージでの、キメ台詞もシビれるぅ(死後) 他のメンバーのヴォーカルを、高音域でフォローし、 マジで歌手にでもなれるんとちゃう? と、驚きの実力でございました。 映画としてはねぇ、たいした面白みもないけれど、 なんかオヤジ三人は情けないけれど可愛いし、仲間っていいなぁ....って思えるし、 人生を考えさせられるわよね。 きっと、ズシリと心のツボにハマる方もいらっしゃると思います。 この映画は、駄作か名作か、よりも、好きか嫌いか、かもしれないですね。 けっこうありがちなネタですしね。 この映画の魅力はといえば、チョン・ジニョンと、キム・サンホのキャラでしょう。 キム・サンホは、この映画で、青龍映画賞で、助演男優賞を受賞しています。 ほんと、キム・サンホに癒されますわよ。 どの映画でも、「愛すべき禿げちょびん」というキャラですが、ほんと可愛らしい。 カナダ行きを断念したヒョクスの元へ駆けつけるギヨンとソンウクのシーンでは、心にあったかいものが.... mocaもバンドをやっていたので、昔を思い出しちゃいましたね。 仲間っていいなぁ、と。
銀行をリストラさ、退職金を株につぎ込み、借金に追われ、 稼ぎのいい教師の妻に養われながら生きているギヨン。 息子が生徒会長になるほど優秀で、妻は子供の教育にばかり熱心で、 次々と高額な塾へ通わせようとすることにヘキエキしているソンウク。 会社は休職中だと妻には嘘をついているが、実はリストラされ、 退職金をつぎ込み、昼は宅配ライダー、夜は運転代行をし、何とか教育費を捻出している。 仕事も順調な中古車販売会社社長ヒョクス。 だが、妻と子供二人をカナダへ留学させ、その送金のために家も売り、 自分は会社の二階に住み込んでいる。 しかも、会いたくてたまらない子供や妻は、ヒョクスの存在など気にも留めていない。 ある日、<活火山>のリーダーだったサンウが、酒に酔って転落死してしまう。 サンウの葬儀で終結したギヨン、ソンウク、ヒョクス。 サンウの遺品を燃やそうとするサンウの息子ヒョンジュン。 ヒョンジュンがサンウのギターを燃やそうとした瞬間、ギヨンは火の中に飛び込みギターを救う。 「サンウが大事にしていたギターだぞ!」と。 ヒョクスも、「息子のように大事にしていたギターだ」と、ヒョンジュンをたしなめる。 しかし、ヒョンジュンは激怒する。 「俺も息子だけど!なのに、息子らしく扱われたことなんて一度もない!」 皆、言葉に詰まるが、ギヨンはギターを抱えたまま立ち去ってしまう。 夜、ギヨンは大学時代の<活火山>の写真を眺め、物思いにふける。 「バンドやろう」 ギヨンはサンウのギターを抱え、ヒョクスの元へ訪れる。 「カナダに送金するのは楽じゃないんだ。やらない」 と、相手にもされない。 「バンドやらなきゃ死ぬぞ」 と、脅迫しても、「勝手に死ねよ」と、突き放される。 今度はソンウクだ。 「ヒョクスは家族がカナダにいて寂しい。バンドでもやらないと、寂しさで自殺するかも」 と、ソンウクに嘘をつき脅す。 しかし、ヒョクスも、ソンウクも、一向にバンドに興味を示さない。 生きるだけで精一杯なのだ。 ある日ヒョクスは家族に電話するが、一向につれない。 会いたくて、恋しい家族。 なのに、邪険にされるだけ....... ミニチュアのドラムセットを叩くヒョクス。 虚しさがヒョクスを襲う。 運転代行をしていたソンウクは、客になじられる。 「音楽なんてわかんねぇヤツなのに」と。 その言葉に、ソンウクは逆上してしまう。 「音楽がわかんねぇヤツだと?俺は活火山だ!」 ヒョクス、ソンウクと、次々とギヨンの元へ電話が.... 「バンドやるぞ!絶対やるぞ!」 ギヨンは嬉しくてたまらない。 そして、<活火山>は再結成。 しかし、20年ぶりの演奏はさすがにイマイチで、 ヴォーカルだったサンウの穴を埋めるには、ギヨンでは心もとない。 しかし、だんだんノってきた三人は、披露するステージを求めるようになる。 ギヨンはサンウの息子ヒョンジュンに、サンウが勤めていたナイトクラブを紹介してもらう。 そして、オーディションを受けるが、「諦めた方がいいな」と、クラブのオーナーにたしなめられる。 気落ちする三人。 その上ギヨンは、妻に痛烈な言葉を浴びせられる。 「私はあなたの奥さん?あなたはジュヒの父親。こうして一生私に養ってもらって生きてくつもり?」 その言葉に、ギヨンは打ちのめされる。 ギヨンはサンウの息子ヒョンジュンの元へ訪れる。 「昔、歌謡祭の予選に落ちバンドを辞めるって俺が言った時、サンウにギターを壊された。 お前は壊すなよ」と、サンウのギターをヒョンジュンに返した。 「俺もオヤジにギターを壊された」 ヒョンジュンは言い放つ。 ギヨンは思いつく。ヒョンジュンにギターヴォーカルをやらせてみた。 これが驚くような実力の持ち主だったのだ。 またもやギヨンはやる気になり、ソンウク、ヒョクスも、自信を取り戻す。 * * * 結 末までネタバレしますので、ご注意を! * * * そしてヒョンジュンは、ギヨンに楽譜を渡す。 「これに詞をつけてくれ」と。 サンウは死ぬ前に作った曲だと。 ギヨンは作詞に取り掛かるが、それを妻にみつかってしまう。 「楽しき人生」という曲のタイトル。 「つらいことばかりだったが、俺は後悔していない.....」 そんな歌詞に、妻は激怒してしまう。 「私は毎日つらいことばかりよ。毎日後悔してる。このお気楽亭主」と。 一方ソンウクは、子供の教育のことばかりの妻に逆上してしまう。 「俺はバンドをやってる!お前も好きなことをやれ!子供がすべてじゃないだろう!」 と、言い放ち、妻は子供を置いたまま実家に帰ってしまう。 ヒョクスといえば、妻から離婚を切り出されていた。 しかも、10年分の養育費を要求される。 ヒョクスは店の中古車全てを売り払い、カナダへ移住するのだと空港へ向かう。 しかし、空港からの電話で妻は、カナダには来るなと、懇願する。 ヒョクスの妻には、カナダで男ができたのだ.... 打ちのめされるヒョクス。 ソンウクは子育てと仕事でバンドどころではない。 ヒョクスもカナダへ行くという。 ギヨンは、作詞した楽譜をヒョンジュンへ渡す。 「お前が歌え。お前のオヤジが作った曲なんだから、他のバンドを組んでお前が歌え」と。 ヒョンジュンは言葉を失うが、 去っていくギヨンに、「バンド名は<活火山>を使っても?」と、尋ねる。 カナダ行きを断念したヒョクスは、皆に電話をかける。 ギヨンが駆けつけると、そこにはタイヤを積み上げ、ドラム代わりにして叩いていたヒョクスの姿が..... ギヨンも、ギターの真似をしながら、ヒョクスに歩み寄る。 そして、ソンウクも、ベースの真似で、歩み寄り、三人はノリノリで騒ぎ、歌う。 それを温かい目でみつめていたヒョンジュン。 そして、ヒョクスの中古車センターを改造し、ライブハウスをオープンさせた。 ライブハウスは大盛況。 そこには、ギヨンの妻と娘、そして、ソンウクの妻の姿も...... ギヨンを「幼稚だ」と、諭していたギヨンの先輩(チュ・ジンモ)は、熱いステージに圧倒されていた。 間違っていたのは、自分か?と。 そして、ギヨンの妻と娘は、大盛り上がり。 ステージで活躍するギヨンに大声援。 あれほどバンドに反対していたソンウクの妻も、いつしか夫の姿から何かを感じていた。 子供を抱き上げ、一緒に声援を送っていた。 家族らの隔たりが消え、最高の一夜となった。 |
|