極楽島殺人事件 Paradise Murdered |
原題:極楽島殺人事件 극락도 살인사건 (クンナクト サリンサゴン)<2007> |
|
監督 | チョン・ジウ | <1999> ハッピー・エンド、<2005>親 知らず、<2008>モダンボーイ |
出演 |
パク・ヘイル (朴海日) |
出演作品一覧 |
パク・ソルミ (朴率眉) |
<2001>花喫茶店 純情、<2001>真心の斧、<2004>風の伝 説、<2007>極楽島殺人事件 | |
ソン・ジル |
<2001>
風林高、<2001>公共の敵、<2001>ア
フリカ、 <2002>ライターをつけろ、(友情出演) |
上記15名に、最初に殺された送電技師2名を入れて、島民17名。 テギの母は【ランラン18歳】のイ・ドンゴンの姉!こんな身なりに構わないオバさん役とは驚き! mocaの大好きなキム・インムン씨。【キム老人】という役作りのせいなのか、驚くほど老け込んでショックでした.... もっと元気なハラボジがいい。悲しくなります.... ジョング役のク・ボンジン。今回は活躍がありませんでしたが、白夜行の 個性的なキャラクターは是非観て欲しい。 |
【レビュー&ネタバレ】 |
2007年4月韓国公開。観客動員数は、214万人を越える大ヒット。 ミステリー、スリラーのジャンルで、これだけの数字を出せるのは珍しいのでは? しかも、スター俳優主演ではないのに。 なので、けっこう気になってたんですよねー 観たいなぁ、と。 スリラーよりも、笑いに期待できそうな気がして(笑) ホノボノしたイメージがあるじゃないですか? でも、笑いはイマイチでした。 スリラーとしても、稚拙です。 予期せず、人がドンドン死んでいく。まるで、クワイエット・ファミ リーのよう。 おかしくも、コワくも、なんともない。 ただ、ラストが何とも言えずせつないというか.... オチも予想外で、好みの結果ですね。 ラストを知った後で映画を振り返ると、いろいろな真実が見えてきて納得します。 パク・ヘイルは、本当に実力派。安定した演技を見せてくれます。 パク・ソルミも、もっと出演オファーが来てもいいと思うんだけどなぁ。 冬ソナで、あれだけイヤな役を演じても嫌味にならないのは、パク・ソルミの持つ資質だと思いますヨ。 ソン・ジルは、どんな役をやっても好きです(笑) 彼も見事なバイ・プレーヤーですよね。 そして、mocaの大好きなキム・インムン。 老人役だからかもしれませんが、本当にお迎えが来そうなほど老け込んでいて... かなりショックです.... いつまでも元気でいて欲しい.... 極楽島とは実際に存在せず、撮影は全羅南道 新安郡 黒山面 可居島里 で行われました。 ↓ 結末までネタバレしますのでご注意を ↓ 木浦近海に遺体の頭部が流れ着き、その遺体の主が島民わずか17名の極楽島の住人だと判明し、 鎮安署の刑事が極楽島へと向かう。 荒れ果てた極楽島。いったいここで何かあったのか。 新米刑事は、あるメモをみつけ重要証拠だと察する。 その一ヶ月前── 極楽島は優秀離島に選ばれ、商品として米と砂糖が支給された。 キム老人の喜寿の祝いの席で、チュンベは妙なことを言い出す。 菩薩の目玉がギョロリと動いたのを見たのだと。 それを聞いた保健所長のウソンは慌ててその場で診察し、様々な質問を浴びせる。 特に問題はないとウソンは安心させる。 キム老人は寂しい独居老人だった。 息子らは漁で事故に遭い亡くなった。 島から出ようとした嫁をキム老人は閉じ込め餓死させたのだと。 そのせいで、その烈女となった霊が現れるのだと島民らは電気技師らに話して聞かせる。 その晩、電気技師の二人はトクスを花札に誘った。 気乗りしないトクスに「勝ち逃げする気か」と、無理矢理連れて行く。 だが翌朝、電気技師の二人は無残な遺体となって発見された。 昨晩テギが、電気技師二人とトクスが合宿所に入っていくのを目撃していたことから、 トクスが犯人だと断定される。 するとパンスが妙なことを言い出す。 今朝トクスを見たと。 寝ていたら枕元にトクスが立っており、「ポンスンをくれる約束じゃないか。本土に連れて行く」と、 血にまみれた札束をバラまいたと。 しかしポンスンはまだ成長していない。 身長があの木の線を越えたら連れて行っていい、とパンスは言い逃れ、 トクスはシブシブ霧の中消えて行ったと。 島民らは、一丸となってトクスを捜索することにする。 しかしトクスはみつからない。 そして崖の上に血の付いた包丁とトクスの靴が残されているのが発見された。 トクスは殺されたのだと断言するチャン先生。 犯人ならすぐに証拠になる包丁を始末したいというのが心理というものだろうと。 それを聞いた島民はざわめく。 「じゃあ、この中に三人を殺した犯人がいるってこと?」と。 それを聞いたウソンは、チャン先生の説を否定する。 「トクスは自殺したのだ」と。 トクスは殺しのプロではない。たまたま包丁を持ったままだったのかもしれないと。 その夜、チャン先生は保健所を訪れる。 「さっきはどうしたの?あれは絶対に殺人なのに」と。 ウソンは言い訳する。島民を混乱させたくなかったと。犯人がこの中にいるとなればパニックになると。 そして、この事件は全て自分に任せて欲しいとチャン先生に告げる。 翌日ヨンボン居師を伴い、ウソンは烈所が閉じ込められたという場所に向かう。 そこは誰も足を踏み入れない場所だった。 そしてそこで、トクスの遺体が発見される。 やはりトクスは殺されていた。そして、頭部だけが海へ流れ出てしまっていた。 犯人は賢く大胆。 そんな人物はウソンしかいないとサングはウソンを捕らえるよう弟のジョングに命じる。 しかしグァンスは困惑する。 村人も皆反対する。先生がそんなことをするわけないと。 周囲の雰囲気を察し、「どこへでも行く」と、ウソンは自ら進んで捕らえられる。 村人らは、里長に抗議に行く。 これは間違っていると。 しかし里長は聞き入れない。しばらく様子を見ようと。 また事件が起きれば先生は無実だし、起こらなければ疑わしいと。 夜になると里長が蔵に現れる。 ウソンが約束してくれれば解放し、警察に有利な証言をしてやろうと。 チュンベは、学校の教室に置き忘れたスケッチブックを取りに戻る。 一人苦悩していたチャン先生に挨拶し、出て行くチュンベ。 家に戻ったチュンベは、スケッチブックにメモが挟まれていることに気づく。 「里長が、いけない物を村に持ち込んだ」 メモにはそう書かれていた。 そして、烈女の幽霊を見たと痙攣を起こしてしまう。 パンスはチュンベを、里長の蔵に監禁されているウソンの元へ運び込む。 慌ててチュンベを診察するウソン。 だが、パンスが意外な話をする。 明け方にトクスを見たのは夢か幻覚だったようだと。 バラまいた血まみれの札束も、どこを捜してもみつからないと。 正気に戻ったチュンベは、スケッチブックに挟まっていたメモをウソンに見せる。 今回の事件に関係があるのではないかと。 チュンベは何となくそう思うと言う。 最近めまいはするし、頭がおかしくなったのか、おかしな考えばかりが頭をよぎると。 それを聞いたウソンは、真剣に質問する。 その時、焦燥感や怒りを感じるか、幻覚は見えるかと。 チュンベはそれはないと答える。 その晩、ウソンは里長のことを考えていた。 もう一度、極楽島で賞を獲りたい。来年まで協力して欲しいと。 「島で殺人が起きたんです。賞は無理です」 ウソンは告げるが、里長は「島のためなんだ」と懇願する。 里長の家に泥棒が入る。 里長の家にあった大金の入ったバッグを盗もうとするが、みつかってしまう。 里長の声を聞いた息子のサングとジョングと乱闘になるが、 その拍子にジョングが首をナイフで裂かれ死んでしまう。 里長の家を出ると、ヨンボン居師が銃を構えて待ち構えていた。 しかしヨンボン居師は烈女の幽霊に気を取られ、犯人を逃がしてしまい追いかける。 テギが一人夜道を歩いていると、血まみれの腕がテギの足を掴む。 「テギ、助けてくれ」 振り向いたテギの目に映ったのは、亡くなったはずの父だった。 あまりの驚きに気絶してしまうテギ。 しかしテギの足を掴み名前を呼んだのは、瀕死のヨンボン居師だった。 結局、ヨンボン居師も亡くなる。 どんどん島民が死んでいく。 チャン先生はウソンにチュンベが怪しいと告げる。 ウソンも同意する。 変なメモを見せて里長に疑いを向けさせようとしたと。 「早く捕まえないと」 焦るチャン先生にウソンは告げる。 「確実な証拠がなければダメだ。重要なのは、メモを誰が書いたかということだ」と。 父親の霊を見たと錯乱したテギが保健所に運ばれてくる。 しかし母が目を話した隙に、テギは崖の淵に立っていた。 「この島が怖い。本土に行くよ」 テギは訴える。 しかし、またもや亡くなった父の幻を見たテギは興奮してしまう。 「来るな!もう父さんに殴られるのはイヤだ!」 そして、父の亡霊から逃げるように崖の下へと転落してしまう。 またもや、一人亡くなった。 チュンベは電気技師二人を説得し、パンスとテギの母の元へ向かった。 そして、メモのことを話して聞かせる。 里長は、大金を持っているはずだというチュンベの推測を聞いたパンスらは、里長の家へ向かう。 「金を持ってるんだろう!」 怒鳴り込む面々。 チュンベは、チャン先生の部屋から大金の入ったバッグを見つけ出す。 「この金はなんだ?賭けの儲けにしては多すぎるだろ?」 テギの母は問い詰める。 そこへサングが銃を向け「近寄るな」と威嚇する。 「俺たちが知りたいのは、里長が持ち込んだといういけない物は何かということだ」 イ技師は突きつける。 「もうみんなで分けたじゃないか。米と砂糖だ。貰って喜んでたろう?」 里長とサングは必死に訴える。 そこへウソンとチャン先生が現れる。 サングを制止しようと声をかけサングが気を緩めた隙に、パンスはサングの銃を奪おうとし、 その拍子に撃たれてしまう。 皆がサングから銃を奪おうともみ合いになる。 そして銃はチュンベの手に。 チュンベはパンスの遺体を踏んでバランスを崩し、その拍子に発砲してしまう。 今度はサングの額に命中してしまう。 電気技師とテギの母は寺に里長を軟禁し、問い詰める。 あの花札の場にいたのか。 あの金はどうしたのか。 「私は島を救いたいのに、なぜ信じてくれない? あの金は花札とは関係ない。別の...」 里長はうっかり、「別の...」と、秘密を漏らしてしまいそうになる。 それを聞いた三人は、更に里長を問い詰める。 追い詰められた里長は、口を開く。 「実は、提案を受けたんだ」と。 「何の?」 三人は問い詰める。 なかなか口を割らない村長。 その時、銃を持ったまま逃げていたチュンベとウソンが寺の外でもみ合っており、 その拍子に発砲した弾が里長に命中し、里長も亡くなってしまう。 チュンベは、烈女の霊が見えると錯乱する。 チュンベは監禁された。 皆がトラブルに巻き込まれている間に、大金の入ったバッグが消えてしまった。 電気技師らは、チャン先生を疑う。 最後までこの場に残っていたのはチャン先生であり、バッグがみつかったのもチャン先生の部屋だったと。 テギを失ったテギの母は悲しみに打ちひしがれていた。 「何も亭主と息子が同じ命日じゃなくても...」 テギの母は、泣きながら祭事の準備をしていた。 その時、テギの幻を見る。テギを追いかけるテギの母。 テギの手を掴もうとしたその瞬間、テギの幻と共にテギの母は海に落ち亡くなってしまう。 また、死者が増えた。 今度はポンスンが40℃以上の熱を出し保健所へ運ばれてきた。 チュンベは蔵の中から電気技師二人に声をかける。チャン先生がカバンを埋めた場所を知っていると。 二人は蔵からチュンベを出し、寺へと向かう。 そして言われた場所を掘り起こすが、出てきたカバンは別のもののようだった。 電気技師が怪しんだその瞬間、チュンベは仏像の頭で二人を撲殺する。 チュンベが外へ出ると、キム老人が寺に火をつけていた。 「燃やさないと皆死ぬ」 そしてキム老人はチュンベが驚愕する言葉をつぶやいた。 「里長がいけないものを持ち込んだ」 チュンベは驚き、「メモを渡したのは爺さんか?」と問い詰めるが、 キム老人は何も言わず去って行ってしまう。 キム老人は船で島を脱出しようとした。 「お前も島を出ないと死ぬぞ」 キム老人は告げる。 チュンベは、船に大金の入ったバッグがあるのをみつける。 「爺さんなのか?あのメモを俺に見せたのは!俺がどれだけ苦しんだと!」 チュンベは、キム老人を撲殺してしまう。 これで残った島民は、ウソンとチャン先生、ポンスン、そしてチュンベだけとなる。 ウソンとチュンベは死闘を繰り広げる。 ウソンはロープで首を締め上げられる。絶体絶命、その時、チャン先生が現れる。 チュンベに向けて発砲するチャン先生。撃たれたチュンベは海へと落ちる。 しかしチュンベは海から這い上がり、チャン先生に詰め寄る。 「なぜメモを俺に渡した?言え!言えば金はくれてやってもいい!」 追い込まれたチャン先生は、発炎筒をチャンベに向ける。 炎に包まれチュンベは海へと落ちる。 チャン先生は、メモと大金の入ったカバンを持ち保健所へ向かう。 チャン先生が保健所へ戻ると、ポンスンが息を引き取っていた。 生き残った島民のは、ウソンとチャン先生のみ。 ふと、チャン先生はウソンのインタビュー記事に目を留める。 ページをめくると、そこには驚くべき言葉が。 里長との約束... 砂糖! 他のページには、 目の充血、幻覚、興奮 ...高熱と。 チャン先生はハっとしてポンスンの目を開く。ポンスンの目は真っ赤に充血していた。 保健所に戻ってきたウソンに、チャン先生はメモを突きつける。 「あなたが書いたのね!」と。 「全てを諦めてここへ来たのでは?」 チャン先生は問い詰める。 「副作用の可能性を知っていたじゃない。 新薬出願を目論むカン社長から逃げたのに」 チャン先生の言葉をウソンは遮る。 「副作用は立証されてない」 「この状況を見ても、まだそんなこと言うの」 チャン先生は責める。 「花札殺人が発端だ。新薬とは無関係だ」 ウソンは言い切る。 「狂ってる。カン社長と同じだわ」 チャン先生は侮蔑する。 「一緒にするな」 ウソンは言い放つ。 「皆を犠牲にして、言い訳する資格はないわ」 チャン先生は言い放つ。 「助けようと努力した。テギが死んだ時、これ以上は続けられないと思った」 ウソンは言い訳する。 「カン社長と共謀したのね?」 チャン先生は悟る。 「俺が研究所に残っていたら、新薬は出願され出荷されていた。世の中は想像もできないことになっていただろう」 ウソンは自分を正当化する。 「私は何も知らずに、この島へとついてきた。 なぜ私を誘ったの? 口封じのため?それとも、共謀者が欲しかった?」 チャン先生は責める。 「君を守りたかった。カン社長の下にいたら、君は口封じされただろう。 ここなら安全だ。里長は家族には、あの砂糖を与えてない」 ウソンは告げる。 それでもチャン先生は納得できなかった。 「諦め切れなかったんだ!君ならわかるだろ?」 ウソンは声を荒立てる。 「成功するはずがないと、あなたがそう言ったのよ」 チャン先生は言い放つ。 ウソンはチャン先生を強く抱きしめる。 「あなたのような人間は死ぬべきだわ」 チャン先生はウソンを突き飛ばす。 落ちていたガラスの破片を握り締め、ウソンに襲い掛かるチャン先生。 「絶対に許せない。死んで詫びなさい!」 しかし、ウソンに殴られ気絶してしまう。 チャン先生が目覚めると、船の中にいた。 ノートと一緒に。 海辺には、船を見守るウソンの姿が。 ウソンは過去を振り返っていた。 実験を続けた1年半。 テギとポンスンの知能と記憶力の向上。 トクスの肯定的反応。 それを見守りながら、ウソンは幸せだった。 キム老人は言葉を話し出した。 「里長がいけない物を持ち込んだ」と。 奇跡だ! ウソンは感動せずにはいられなかった。言葉を失ったキム老人が話し始めたのだ。 チュンベの知能がめざましく向上。 大量摂取でも、副作用の兆候はなし。 実験に成功した? キム老人の喜寿祝、皆健康で楽しそうだった。 ウソンはそんな島民を嬉しそうに見守っていた。 だが、その晩、予期せぬ殺人が起きた。 偶然? それとも、副作用? 目を見張るような成果と、若干の神経系統の異常兆候。 多数の肯定的要因と多少の副作用。 だが、それも可能性でしかない。証明するには、時間が必要だ。 実証するために、キム老人の言葉を借りてチュンベを刺激してみよう。 どんなことをしても、結果を出すしかないと。 偶発的な殺人であることを願う。 そうしてウソンは、キム老人がいつか言っていた「里長がいけないものを持ち込んだ」という言葉を借り、 チュンベにメモを残した。 結局、副作用だったのか、偶然だったのか... 真相はわからない。 ウソンは、新薬の自分への投与を始めた。 そして、「極楽島島民失踪事件」の主犯として、萬民製薬のカン社長が逮捕された。 チャン先生は船で日本に流れ着き、そして韓国に戻ってきた。 チャン先生を迎えたキム・ギョンイル班長は告げる。 「強運の持ち主だ。あなただけが生き残った」と。 (ウソンも死んだということですね) 「それに、実験の詳細を持ってきてくれた」 と、ノートを見せる。 それは、ウソンがチャン先生を船に乗せた時に一緒に持たせたものだった。 「強運ですか...?」 チャン先生は困惑する。 「そうですよ。犯人が、あなただけ故意に逃がしたとでも?」 キム班長は笑う。 チャン先生はその言葉を聞き、ウソンの想いを感じ、複雑な心境になる。 ── キム老人の喜寿の祝い 皆が元気で楽しそうだったあの日。島民皆がウソンを褒め称えた。 こんな悲劇が起ころうとは、誰も予測しなかった。 END |
|