ガールスカウト  Girlscouts   
 原題:ガールスカウト 걸스카우트(ゴゥルスカウトゥ) <2008>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×

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アップグレード人生を夢見ながら、株式から衣料品店まで、暇ができるまま財テ クを企てるが失敗し、生活界の負け犬となる30代ミギョン(キム・ソナ)。

孫がいるはずの年齢なのに、白手(プー太郎)の息子の世話をするため、町内のスーパーで働く老将サラリーウーマン60代イマン(ナ・ムニ)。

夫をあの世に送り、息子2人を育てるため、金になることなら何でもしてみる、がむしゃらの暮らし屋40代ボンスン(イ・ギョンシル)。

格好いい人生を夢見ながら、毎週胸をときめかせてロト当選に熱を上げる20代ウンジ(コ・ジュニ)。

同じ町内に住んでいるということの他は、特別に共通点がないように見える4人の女性に一生一代の事件が発生する。誰かが、彼女たちの血のような掛け 金を予告もなく、持って逃げたこと。

慌てて容疑者の隠れ場所を捉えるのに遅れをとったミギョンは、事件解決の核心となる決定的な糸口を発見し、悔しくて眠れないイマン、ボンスン、 そして姉さんたちを助けると快く乗り出したウンジと共に、容疑者出没地域と予想されるミサリ近くのカフェに潜伏しながら、セルフ追跡を敢行する。

当初の計画とは異なり、容疑者は簡単に姿を表わさず、結局、敵と遭遇する前に、それぞれの意見が衝突し、内紛に包まれる4人の女性たち。自暴自棄となり、 隙を見せたいたその時、待ちに待った容疑者を二つの目で確認する。

しかし、予想もしていない他の黒い勢力の出現で、事件は予想できないほど絡まって行く。追跡に熱中する泰天(ポンチョン)3洞ガールスカウト。私の金をが 目の前にあるのに、このまま奪われるのだろうか。

【予告編】

監督 キム・サンマン <2008>ガー ルスカウト

出演

キム・ソナ

<1999>ラ ブストーリー ひまわり、<2002>イエスタディ   沈黙の刻印、<2002>夢精期、
<2003>偉大なる遺産、<2003>チャ・テヒョンのハッピー☆クリス マス、<2004>Sダイアリー
<2005>恋の潜伏捜査、<2007>私の生涯で最悪 の男(特別出演)、<2008>ガールスカウト
<2008>甘いウソ(特別出演)

ナ・ムニ

出演作品一覧

イ・ギョンシル

<1999>虹鱒、<2002>ボス上陸作戦、<2002>特殊工作員-ヒドゥン・プリンセス-北朝鮮+韓国 VS CIA
<2008>ガールスカウト

コ・ジュニ

<2007>ヘンゼルとグレーテル、<2008>ガールスカウト

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【レビュー&ネタバレ】
2008年6月韓国公開。観客動員数は、わずか24万人!
日本でも、韓流 シネマフェスティバル2009~約束~にて公開。
DVDも発売決定。

これは、キム・ソナの”笑い”に期待してのことか?
しかし、この映画は”コメディー”でありながら、いろんなものを詰め込んだごった煮映画になってしまった。
新人監督にありがちね。
映画が作れるのが嬉しくて、あれもこれも詰め込んで、散漫になってしまう駄作映画。
キム・ソナは相変わらずキム・ソナでも、
キム・ソナ一人が頑張って笑わせられるものではない。
シナリオ、演出、あってのことだ。

単なるコメディーでなく、犯罪コメディーでもあり、
庶民には到底縁のない「債権」を巡った犯罪コメディーであり、
はっきり言って、自分の身近ではない話題で、劇中でうまく説明できるようなシナリオにもなっておらず、
「債権の奪い合い」には、まったく興味が抱けません。

単純な笑いで楽しめる方にとっては笑えるシーンもあるかもしれませんが、
この映画は、”コメディー”映画からは逸脱しています。
車をボコボコぶつけ合うだけで笑っちゃう!
ような方になら、オススメです。

”コメディー”を軸に制作していながら、
そこに、人間ドラマや、人間の強欲さを丸裸にし、それを批判するアイロニー的なエピソード、
また相反する人間の持つ良心を描く哲学的ストーリー。
そして、20代~60代まで、ギリギリの人生を背負って生きていく辛さを描き、
それでありながら、わかりづらい”犯罪コメディー”に、アクションまで。
あまりにも詰め込みすぎて、感情移入できる要素がない。
映画に入り込み、ドキドキハラハラする楽しみのない映画。
最後の最後まで、いろんな問題が絡まりあって、なかなかラストが見えない映画ですが、
次から次へと起きる問題に、最後にはウンザリしてしまいます。

唯一救われるのは、ガールスカウト4人組。
意見が食い違い仲違いしながらも、結局は韓国人らしい情溢れるハッピーエンドとなっております。

この映画は”コメディー”でなく、現代の人間に対するアイロニーや、
強欲な人間の真の姿を丸裸にし、 ”人として” 何が大事なのかを訴えるような映画。
目的は同じだったはずなのに、意見が衝突したり、分裂してしまったり、
また結束を固めたり、リアリティーな人間模様が見られます。
人間みな同じ。
斜に構えて見ることも有りでしょうし、人間みな同じだからこそ、罪を憎んで人を憎まずという言葉があるのか...
また、悪魔のように思えた人間が、実は誰よりも常識的で人間的だったりと。
映画のデキはイマイチですが、けっこう深い映画です。

「面白いか?」
と聞かれれば、「つまらない」と答えるでしょう。
レンタルビデオで見れば十分な程度の価値しか感じません。

キム・ソナは、セブンデイズとして大ヒットした映画の原型で ある
【木曜日の子供たち】を途中降板してしまいましたが、
この映画は、そのリベンジと考えて出演したのでしょうか。
この映画も、結局は誘拐された娘を救い出す母の姿を描くことになります。
セブンデイズと同じモチーフでありながら、レベ ルがあまりにも違いすぎる。
セブンデイズが本格的犯罪サスペンスであるならば、
こちらは単なる”誘拐ごっこ”程度の差を感じます。
何を演じても、結局キム・ソナはキム・ソナ。
【木曜日の子供たち】は、イメージチェンジを図りたくて、
敏腕女弁護士が娘を誘拐され立ち向かうという役どころを選んだのに、
「監督に、アレは違う、コレは違う」と、クレームばかりつけ、結局降板してしまった。
結局この映画は、キム・ソナ版セブンデイズといったところか。
イメージチェンジを図る予定が、結局は元に戻ってしまっただけですね。
逆に、キム・ソナはキム・ソナでよいと思います。
違和感ある役にチャレンジして、苦痛を味わうのは勘弁です。


この映画は、そもそも、頼母子講(たのもしこう)に、自分達のお金を預けていた
ミギョン、イマン、ボンスンらのお金が、
管理者の美容室経営者ソン・へランに持ち逃げされてしまったことから始める。
100万円にも満たない金でも、ミギョンらにとっては、血のような金だ。

頼母子講とは、近所や仲間らが集まって、自分らのお金を持ち寄り融資する相互扶助のシステム。
韓国映画やドラマではよく見ますね、預けたお金を持ち逃げされたと......
これはあくまでも、民間的、個人的な融資システム。
時代やその構成員らの考えにより、ルールなどは若干違ってきますが、
そもそもは、困った人を仲間うちで助けようという相互扶助から始まったシステムで歴史は長い。
お金を持ち寄った構成員たちから集まった掛け金を、くじや入札で決めた当選者に一定額を給付する。
但しそれは、宝くじのようなものではなく、あくまでも相互扶助。
昔は、全構成員に一定額がいきわたった時点で解散となるようなルールもあったようですが、
今は、「財テク」の一環として利用されていたりする。
一定額を給付された者は、「もらった」のではなく、「融資してもらった=借りた」ことになるので、
借りている間は利息を払うことになる。
そして、その利息を構成員たちに分配し、利益を得るシステム。

そして、債権ですが.....
これは難しいですよね、よくわかりません。
ただ、資金不足に陥った会社が、資金を援助してもらった会社に債権を発行し、
例えば、A社がB社に発行した債券を、B社がC社に売却した場合、
C社はA社の債務を被ることになるらしいです。
債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取れたり、
満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取れたりするらしいです。
債券は、満期日に額面金額が返金されることが約束されているので、安全性の高い金融商品だそうです。
また、債券の価格は、日々変動するので、途中売却することにより、
利子収入以外に、購入価格と償還金との差額金を得ることができることもあるそうです。

この映画でいえば、ホンギが会社の金22億5千万ウォンを横領し、その金で債権を購入。
しかも、その購入者を会社(ハンソ・キャピタル)名義で購入したため、
ハンソ・キャピタルは、横領された22億5千万ウォンと、
22億5千万ウォンの債権の債務の両方を損害を被ることになってしまうことらしい。

なぜホンギが会社に告訴されないと考えたのか、
現金でなく債権で持ち出すことが良案と考えたのかがよくわかりません。
ホンギはそもそも会社に騙されたらしく、だが、詐欺がバレそうで訴えられないという弱みがあるらしく、
その復讐なのか。
それとも、海外に持ち出す現金には限度があるので、債権に換えるのか、謎ばかり。
監督の独りよがり映画はウンザリです。
無能なのか、それとも、観客をバカにしているのか。

【チェ・ミギョ ン】
幼稚園バス運転手/30代
キム・ソナ
【イ・イマン】
スーパー従業員/60代
ナ・ムニ
【オ・ボンス ン】
女ヤモメ/40代
イ・ギョンシル
【カン・ウン ジ】
ゴルフ場キャディ/20代
コ・ジュニ
【ソン・ヘラ ン】
美容室経営者
イム・ジウン
【ミン・ホン ギ】
ハンソ・キャピタル社員
パク・ウォンサン
【イ・ジョン テ】
ハンソ・キャピタル社員
リュ・テジュン
【キム・ユニ】
ミギョンの娘
キム・ヒャンギ

ナ・ムニも、イマイチ良さを出せない中途半端な役どころ。
コ・ジュニは、キツネちゃん、何してるの?や、乾パンとこんぺいとうやらで、大好きに。
何ともいえないキュートさと、魅力があります。
今回は、元富豪の娘で、親の事業の失敗で苦労の人生を生きていると思わせるウンジ。
それでも、天真爛漫で、情が深く、しかし、考えなし。

子役は、マウミ.... や、プチトマトのキム・ヒャンギ。
あまりにもブサイクで気づきませんでした!
この映画、撮影監督にも問題があるのでは?

なんか、それぞれの魅力がぜんぜん感じられませんよね。



離 婚し、夫に獲られた娘ユニの親権を取り戻そうと、
あらゆる財テクに手を出すミギョン。
今は幼稚園バスの運転手をしながら、弁当屋を開くことが目標だ。

そして、近所に住む60代のイマンは、プー太郎で暴力的な息子を面倒見るために、近くのスーパーでパートをするベテランサラリーウーマン。

また、夫に先立たれ、二人の息子を抱えながら賢明に生きるボンスン。ボンスンには病気の息子がおり、手術が必要だ。

ミギョンの提案により、三人は美容室を経営するソン・へラン主催の頼母子講へお金を預けていた。
その日は、ボンスンへ配当金が給付される日だった。
これで手術を受けさせられる。
ボンスンは胸を躍らせて、ソン・へランの美容室へ向かっていた。
しかし、美容室の中は大騒動に。
ソン・へランは、相棒であるホンギと共に、頼母子講の掛け金2億3千万ウォンを持ち逃げしてしまったのだ。
悔しさをこらえきれないミギョンたち。
そ して、ミギョンらと同じ団地に住む20代のウンジ。
キャディーをしながら生計を立て、人生の一発逆転を狙って、ロトくじだけに人生をかける。

しかしウンジには膨大な借金があった。
しかも、ブラックリスト入り。
ハンソ・キャピタルのジョンテは、ウンジの職場までやってきて、ウンジを脅す。
「約束しよう」
と指きりをさせ、そのままウンジの小指を折ってしまう。
ジョンテは悪魔のような取立て屋だ。
「次返さなかったら、命はない」
ジョンテはウンジを脅して去って行く。


ボ ンスンは、持ち逃げされた怒りが収まらず、
ミギョンとイマンにつっかかる。
「ミギョンが言い出したのよ、株より他人に預ける方が確実だと」
「おばさん、いい年して見る目がないの?この人ならいい人そうだなんて」
ボンスンは、全ての責任を二人のせいにする。
ミギョンやイマンだって、悔しさは同じだ。
ミギョンはお金がなければ弁当屋を開けないし、ユニの親権を取り戻すこともできない。

その時、イマンの暴力息子がイマンに金をせびりに来る。
汚く罵り、暴力的な行為で脅しながら。
そんな息子に何も言えないイマン。

ミギョンは金を取り返すべく手がかりを探すため、ヘランの美容室へ家捜しに行く。
そこで、ミギョンはジョンテと出会う。
「刑事さんですか?」
「違います」
「じゃ、もしかして仲間!」
「違うって!」
「じゃ、じゃぁ....」
ミギョンは少しでも情報を得ようと、必死にジョンテを引きとめようとする。
しかしジョンテはさっさと去ってしまう。
「自分のことは自分でしろ!セルフ!」
と、言い残して。

ミギョンは美容室の中を家捜しする。
従業員は雇われで、何も聞いていないという。
わずかな情報は、美沙里にあるライブカフェ「ムランゲ(물안개:ムル・アンゲ:水霧)」によく通っているということ。
ム ランゲに乗り込む4人。
従業員の話では、昨夜も来たと。
「1日遅かった!」
地団太を踏むミギョンら。
そして注文を催促され、メニューを見てビックリ。
コーヒー1杯3万ウォン。
「水、4杯」
ミギョンはそう言って、従業員に店から閉め出される。


今 後の計画をするが、意見が衝突する。
「無理だ」
と言い張るボンスンと、
「明日も、お気に入りの歌手が来店する。明日まで待つ」
と言い張るミギョン。
ボンスンは、イマンらに「バスで帰ろう」と説得する。
イマンは「家には帰りたくない。息子に会いたくない」と、
断る。
ウンジは気楽なもので、「私は1ヶ月くらいへっちゃら。帰ってもやることないし」と、あっさり言い切る。
ボンスンは一人でバスで帰ろうとするが、そこへ雨が降ってくる。
仕方なく車に戻るボンスン。
「帰るんじゃないの?」と、イヤミを言うミギョン。

翌日、ミギョンらは仕方なく、ムランゲの広い敷地内でキャンプを始めた。
鍋を作り、洗濯物を干し、ビーチパラソルの下、日光浴まで楽しむ始末だ。
すると、公益要員がミギョンらに注意をしにやってくる。
「おかしなオバさん達が、敷地内で迷惑行為が行っている」という通報があったという。
「なぜ、ここで食事を?」
公益要員は尋ねる。
「キャンプしてるのよ」
ミギョンは、弱気に答える。
「とりあえず報告書を書かなくちゃならないんですよ。
キャンプの目的は?学校、釣り、登山.... いろいろあるでしょ?」
公益要員はミギョンらに言い放つ。
「ガ... ガールスカウト?」
と、ミギョンらはイマンらに尋ねる。
そして、公益要員に説明する。
「健全な集団生活をするガールスカウトの集まりです」
みんなも、ウンウンとうなづく。
納得いかないながらも帰っていく公益要員。
「どうみても、ガールじゃないし....」
と、捨て台詞を残して。
ヘ ランはホンギを裏切り、一人ホテルから姿を消す。
そして、債権を換金してくれる相手を探し回る。
しかし、ヘランの持っている債権のナンバーは、この業界では筒抜けだと。
25%以上で換金する相手などいやしないと、取引相手は忠告する。
「うまい話はそうそうないわ。痛い目に遭うわよ」
相手の女性は、ヘランに更に忠告する。
ヘランの頬を、冷や汗が流れる。
そして、その女性がハンソ・キャピタルの常務に、ヘランの携帯電話の番号などの情報を提供してしまう。

一方、ホテルに一人取り残されたホンギは、ハンソ・キャピタルの取立て屋ジョンテに軟禁されていた。
債権を取り戻し、ホンギを無傷で捕らえるよう常務に命じられたのだ。

常務からヘランの電話番号が知らされ、ジョンテはホンギにヘランへ電話させる。
「換金相手を探してるんだろう!お前の腕じゃ、正規価格で取引してくれる相手なんていない!」
ホンギは忠告するが、ヘランは、「そこにいる人に替わって」と、ジョンテに電話を替わらせる。
「ハンソ・キャピタルの人ね?取引しない?半分の11億ウォン。会社も守れて、損害も半分なら悪い話じゃないでしょう?」
ジョンテとヘランは、取引場所を決める。
ヘランは、美沙里の「ムランゲ」を指定する。
と うとう、「ムランゲ」にヘランが現れた。
緊張するミギョンら。
ヘランらと格闘するミギョンら。

何とか車の中に押し込むミギョンら。
しかし、ホンギが邪魔をする。
そ こへジョンテが現れる。
ジョンテがホンギをノックアウトし、ミギョンらはヘランを確保することに成功するが、隙を見せた瞬間、ヘランはジョンテの車に乗り込んでしまう。
慌 ててヘランを追うボンスンとウンジ。
しかし、ウンジはジョンテの顔を見た途端、
ボンスンを引き止める。
「怖い人なの!やめた方がいい!」
ウンジはボンスンを説得する。
その間、ミギョンがジョンテに食らいつく。
「おじさん!何の関係もないって言ったじゃない!」
ジョンテはミギョンを、あっけなく突き飛ばす。
「最初に捕らえたのは私よ!」
ミギョンはジョンテに食って掛かる。
「最後に手にした者のものだろう?言っただろう?
セルフ!」
ジョンテは何度もミギョンを突き飛ばしながら、
さらりと言い放つ。

頭に血が上ったミギョンは、車に戻る。
ヘランとジョンテの乗った車に、真正面から突っ込んでいくミギョン。
ミ ギョンの無謀とも言える行動のおかげで、ヘランを捕らえることに成功する4人。
しかしヘランは現金を持っていなかった。
持っていたのは、見たこともない紙切れ。
「小切手かい?」
ボンスンは尋ねる。
「似てるけど、違うわ。父の仕事で見たわ」
ウンジが答える。
「いくらあるの?」
数えようとすると、「22億よ」と、ヘランは答える。
「あんたらのはした金とは、次元が違うでしょ」
ヘランはさらりと言い放つ。
その言葉を聞いたボンスンは頭に血が上る。
「はした金?!」
ボンスンはヘランに掴みかかる。
「換金して分ければいいじゃない!」
ヘランは言い放つ。
だが、ミギョンらは納得しない。
「また騙すつもりかい?金のありかを言いな!
こんなのが22億だなんて誰が信じる!」
皆して、ヘランを怒鳴りつける。
「私が言ったじゃん!本物だって!」
ウンジは口を挟む。
「あんた誰?債権知ってるの?」
ヘランは感心する。
「よく聞きな、オバさんたち。
聖人君子でもあるまいし、考えてみて。
最後は一緒に笑いましょう。
黙って借りたのは悪かったわ。
けど、返すって言ってるじゃない」
ヘランはヌケヌケと言い放つ。
「借りた?ふざけんな!
こんな紙切れじゃなく現金だったはず!」
ミギョンもボンスンもイマンも、
それぞれ言いたいことを言い放つ。
「使っちゃったけど」
ヘランは、またもやヌケヌケと言い放つ。
ヘランに掴みかかるボンスンら。

その頃、ヘランのバッグにあったレンタカーのキーから、
ヘランの借りた車を探し出し、
ジョンテは、ヘランが頼母子講で奪った金を
車の中からみつける。


ウ ンジはミギョンらをせっつく。
「よく考えてみて。一生のうち、こんな大金手にするチャンス、もう二度とないわよ」
ミギョンは答える。
「私らは、自分らのお金を取り返しに来ただけ。
他人のお金まで手に入れて、心穏やかに暮らせる?」
ウンジは、イマンにも尋ねる。
しかしイマンはしどろもどろに答えるだけだ。
よくわからないと。
ウンジは逆上して怒鳴りつける。
「ハッキリしてよ!ぐずぐずしてたら、こんなチャンスを逃しちゃうわよ!」
ミギョンはウンジの様子がただならぬことを察知する。
「ウンジ、正直に言いな。
あんた、あの女に騙し取られてないでしょう?」
ズバリ言われ、ウンジは言葉を失う。
「確かにお金に困ってる。でも、ここまで一緒に来たんだもん。少しくらい私にも権利はあるでしょ?」
そう言って、ウンジは席を立ってしまう。
そ の頃、ヘランはトイレでボンスンが一人見張っていた。
トイレの個室から、ボンスンへ語りかけるヘラン。
「いい考えがあるのよ。
800万ウォンだった?3倍の2千400万ウォンあげるわ。
あなたの事情を知って言ってるの。
ユニには父親が、おばあさんには息子が、でも、あなたには頼れる人が誰もいないでしょ?」と。
それを聞いたボンスンは逆上する。
「ふざけたこと言ってないで、金のありかを白状しろ」と。
「4倍」
ヘランは、更に値を吊り上げる。
「一緒に逃げましょう。目の前でお金をあげる」
ボンスンは、ヘランの言葉に心が揺れる。

そして、ウンジが荷物をまとめて去って行く。
「あとは、オバさん達だけで頑張って」と。

そしてトイレでは、ボンスンが迷いに迷っていた。
仲間を裏切って金を手に入れるか....
それとも.....
「あなたが考えていることはお見通しよ。
5倍にならないか待ってるでしょう?」
それを聞いたボンスンは頭に血が昇り、
個室のドアを開けてしまう。
「この性悪... イカれてる...」
ボンスンは怒りでワナワナと震える。
「5倍、4千万ウォン。これ以上はダメよ」
その言葉に、ボンスンの心は完全に揺れてしまった。
「元は900万ウォンよ」
ボンスンは、ヘランと手を組むことを決意する。

ミギョンがトイレに行くと、
そこにはヘランの解かれた縄だけが落ちており、
二人の姿はなかった。

慌ててボンスンを探すミギョンとイマン。
「もしや、逃がしたんじゃ....」
イマンは不安げに言う。
「そんな人じゃないわ!」
ミギョンは否定する。
そして、手を取り合って逃げるボンスンとヘランを発見するミギョン。
その瞬間、ヘランはボンスンを突き放し、債権の入ったカバンを奪い、トラックをヒッチハイクして逃げてしまう。
「また騙されるなんて.........」
泣き崩れるボンスン。
イマンは優しくなだめるが、ミギョンの怒りは解けない。
車からボンスンの荷物を全て投げ出し、
ボンスンを置き去りにするミギョン。


ミ ギョンは、さすがに立ち直れなかった。
ココまで来て、仲間に裏切られるなんて.........
せっかくうまくいくところだったのに......

「私達が何か悪いことした?」
ミギョンはイマンに泣きつく。
イマンはミギョンを諭す。
「ミギョン、人間は皆、現物を目の前にすると、
心が揺らぐものさ。
ボンスンは、子供のためにやったんだ。
ウンジだって無念だったろう。
私だって揺れた」と。
そ の頃ウンジは、一人ジョンテと会っていた。
自分の借金を債権で返してもいいと、ジョンテが言ったのだ。
しかし約束の場所に行くとジョンテは債権を奪い、
「これと借金は関係ない」
と、言い放つ。
「話が違う!」
ウンジは債権を取り戻す。
するとジョンテは言い放つ。
「今のお前は、あの女(ヘラン)の若い頃とそっくりだ。
他人の金を、まるで自分の金のように」
そう言われて、ウンジは胸が痛む。
ジョンテは、ヘランの車から持ち出した
頼母子講の金の入ったバッグを差し出す。
「本来の持ち主に返そう。それをこっちによこして、
お前は、これを持って行け」
ウンジの心は揺れる。
「もう帰ってくれ」
ジョンテはウンジの手から債権を奪う。
ウンジは、こそこそと、頼母子講の金の入ったバッグを持ち上げようとする。
すると、ジョンテがバッグを足で踏み、邪魔をする。
「あぁ、この金で借金をチャラにするか?
債権も奪ったんだ。問題あるか?
オバさん達にも内緒のようだし、どうだ?」
ジョンテは意地悪く微笑む。
「離して!」
ウンジはジョンテを睨み付け、
バッグを奪って去って行く。
「心変わりしたら連絡しろ!
どうせ半日もせずに連絡するさ」
と、ジョンテはウンジをあざ笑う。








バッ グの中身がすりかえられたことを知ったヘランは怒り狂い、ミギョンの娘ユニを誘拐する。
そして、債権を取り戻すために、再びホンギと手を組む。

ミギョンは、ヘランの電話で、ユニが誘拐されたことを知る。しかし、債権のことなんて、知らない。
しかし、債権を持ってこなければ、ユニが危ない。
ミギョンは必死に訴える。
「本当に債権のことなんて知らないの!」
しかし、ホンギは聞き入れない。
30分以内に債権を「ムランゲ」の前の競技場に持ってくるよう指示して電話を切ってしまう。
途方に暮れるミギョン。
そ こへウンジが現れる。
誘惑に負けず、頼母子講のお金を取り戻してきたことに誇りを持ち、意気揚々と声をかける。
しかし、ミギョンらの様子がただならない。
イマンはウンジの元へ走り寄る。
「お前、まさか債権を知らないか?」
ウンジは言葉に詰まる。
「それが.... 持ってたんだけど.....」
ウンジはバッグを差し出す。
中の大金に腰を抜かしそうになるイマン。
「お金で取り返してきたの!」
ウンジは得意げに告げる。
しかし、イマンは凄い勢いでウンジを責める。
「何で換金したのさ!役立たずのマヌケ!」
ウンジはなぜ自分が責められるのかわからない。
ミギョンが近寄ってくる。
「とりあえずこれをもって行くしか....
いいよね?後で絶対に返すから.....」
ミギョンはイマンに懇願する。
「そうするしかないだろ!」
イマンはミギョンに金を持たせて見送る。
ウンジは、良いことをしたつもりでいたのに、
こんな目に遭って、虚しく、悲しかった。
イマンに尋ねる。
「ねぇ、何があったの?」
イマンは怒鳴りつける。
「ユニが誘拐されたんだよ!頼みもしないことをして!」

ウンジはジョンテに電話する。
「さっきのお金だけど、債権に戻せない?
債権が絶対に必要なの。あの女がユニを誘拐したの!
債権を渡さないと、殺されちゃうわ」
ウンジからの電話を聞き、ジョンテは美沙里に向かう。
ミ ギョンが競技場に到着すると、
「競技場の一番奥のボート保管庫へ来るように」と、
電話で指示される。
ホンギはヘランにユニを見ているよう命じ、自分が保管庫へ向かおうとするが、ヘランはホンギが信じられない。
ヘランは隣りの男性にユニのことを頼むと、自分も保管庫へ向かう。

イマンとユニも競技場へ到着する。
そして、ヘランを発見。
しかし、ユニはいない。
イマンはユンジにヘランを追うよう言い、自分はユニを探しに行く。
保 管庫にホンギが現れる。
しかし、債権を持っていないミギョンに逆上し、
容赦なく叩きつける。

ホンギとミギョンの死闘が始まる。
男相手では、とうてい勝ち目はない。
その時、ヘランが現れ、
頼母子講の金の入ったバッグをみつけブチまける。
「債権はないわ」
ヘランはホンギに言い放つ。
「それで全部なの。ほんとにないの!」
ミギョンは必死に訴える。
しかし債権がはした金に換わってしまったことに、
ホンギは逆上する。
ミギョンは、本気でブチのめされる。


グッ タリしながらも、気力だけは負けないミギョン。
「この野郎!こっちの話も聞きやがれ!」
ミギョンはそう言って、ホンギの腕に噛み付く。
これにはホンギもたまらない。

そ して、その時ジョンテが現れる。
「程ほどにしろよ」
ジョンテはそう言い放つと、ホンギをブチのめす。

その時、ウンジが現れる。
「債権はここにあるわ!おじさん、ごめん」
ウンジはジョンテに謝る。
ジョンテの車の窓を割り、債権の入ったカバンを持ち出したのだ。
そして、その瞬間、放送が流れる。
ユニがみつかったと。
イマンが必死にマイクに向かって呼びかける。
「ミギョン!ユニは無事だ!」
それを聞いて安心したミギョンは、ウンジに合図を送る。
「逃げろ」と。
そして、ウンジは一気に走り出す。


今 度は債権の入ったカバンの取り合いが始まる。
汗にまみれ、泡にまみれ、
ぐちゃぐちゃのもみ合いになる。
そ して、ミギョンがウンジに投げたカバンが、
ホンギの手に渡ろうとしていた。
ウンジは思わず、手にしていたデッキブラシで、
ホンギの頭を、ゴルフボールのように、
思いっきりスウィングする。
その瞬間、カバンが衝撃で開いてしまい、
中の債権が空に舞った。

湖の中に散らばる債権。
ホンギは諦めきれない。
そんなホンギを、ジョンテは無理矢理連れ帰る。
力が抜けるミギョン。


我 に返るミギョン。
「そういえば、お金は?」

ふと気づくと、ヘランが頼母子講のバッグを持って逃げようとしていた。
今度は逃がさない!
ミギョンとウンジは必死にヘランを追う。
そして、そこに待ち構えていたのは、イマンだった。
トランポリンで思いっきりジャンプし、
ヘランに体当たりし一撃を与えるイマン。
ヘランは皆に囲まれ、必死に言い訳を始める。
「これは... ちょっと脅そうと....」
しかし今度はどんな言葉にも騙されない!
ミギョンはヘランを捕まえ、興奮が抑えきれない。
「やめときな。
その女は一生他人を騙して生きる運命なのさ」
イマンは、ミギョンを諭す。
ミギョンはヘランを突き放す。
「でもよかったわね。結局、金を手に入れた」
しかしミギョンは、ヘランの一言で逆上してしまう。
ミギョンはヘランの顔に一撃を食らわせる。
そ して、ミギョンは無事ユニと再会する。
元気なユニの姿に感無量のミギョン。
そして、元気なユニを温かく見守るイマンとウンジ。


帰 り道。
疲労困ぱいしたミギョンがハンドルを握る。
「オンニ、足痛くない?」
ウンジが労わる。
「こんなことなら、免許取っておくんだった」
ユニは悔しがる。
その時、前方を歩くジョンテの姿を発見する。
「あ、おじさんだ!」
ウンジはミギョンに提案する。
「おじさんに運転代わってもらおうよ」
そしてウンジはジョンテに声をかける。
「おじさん、よかったら乗っていかない?
席も空いてるし」
(ってゆうか、ホンギはどこ?連れ帰るんじゃ?)
答えないジョンテ。
「放っておきな。その人はセルフが好きなの」
ジョンテは苦笑する。
そして、イマンの膝の上でスヤスヤ眠るユニを見て、
ミギョンに言い放つ。
「オバさん、運転気をつけろよ。ok?」
「心配無用よ、ok?」
そう言って、ミギョンは笑う。
敵のような存在だったジョンテの心が伝わった。
そ して、ミギョンは乱闘の末、骨折までしていた。
(よく運転したな)
病院の待合室で、頼母子講の構成員に分配する金の計算をしていると、イマンがボンスンを連れてきた。
会わせる顔がなく遠慮しようとするボンスンを、
イマンが無理矢理座らせる。
気まずい空気が流れる。
「いくらだったっけ?」
ボンスンは小さな声で答える。
「900万.....」
ミギョンはボンスンに告げる。
「車の修理代とケガの治療費がけっこうかかるから、
600万にまけて」
それを聞いたボンスンは弱々しい声で抵抗する。
「困るわ、手術代が足りなくなる」
ミギョンはイヤミを言う。
「だから、持ち逃げしようと?」
ボンスンは、弱々しくも、謝罪する。
「ごめん、本当にごめん....」
ミギョンは悪態をつく。
「ほんとに反省してんだか。私も甘いな」
そう言って、ボンスンに金を差し出す。
「上乗せしてあげる。700万」
ボンスンは、金を数える。
「123.....678.... 900..!」
感動して、ミギョンに詰め寄るボンスン。
「ありがとう。本当にありがとう」
ミギョンは「痛いって!」と、テレ隠しする。
そんなミギョンをウンジやイマンは笑顔で見守る。
「おばさん、900万あるわ!」
嬉しくて、イマンにも言わずにはいられない。
「良かったね、私も貰ったよ」
イマンも笑顔を返す。
そんなボンスンを見て、ミギョンも嬉しそうだ。
ふ とウンジは、ユニがお絵かきしていたチラシを見る。
「オンニ、これどう?私たちにピッタリじゃない?
お弁当屋よりよさそうよ」
ウンジは顔を輝かせる。
「何?」
ミギョンはチラシを皆と読む。
チラシには、こう書かれていた。
「騙されたお金取り返します!」
みな、呆然と、呆れた顔でウンジを見やる。
「最高でしょ?」
ウンジは相変わらず、ウンジだ。
ウンジの能天気さに、言葉も出ない。




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