ガールスカウト Girlscouts |
原題:ガールスカウト 걸스카우트(ゴゥルスカウトゥ) <2008> |
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監督 | キム・サンマン | <2008>ガー ルスカウト |
出演 |
キム・ソナ |
<1999>ラ
ブストーリー ひまわり、<2002>イエスタディ
沈黙の刻印、<2002>夢精期、 <2003>偉大なる遺産、<2003>チャ・テヒョンのハッピー☆クリス マス、<2004>Sダイアリー、 <2005>恋の潜伏捜査、<2007>私の生涯で最悪 の男(特別出演)、<2008>ガールスカウト、 <2008>甘いウソ(特別出演) |
ナ・ムニ |
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イ・ギョンシル |
<1999>虹鱒、<2002>ボス上陸作戦、<2002>特殊工作員-ヒドゥン・プリンセス-北朝鮮+韓国 VS CIA、 |
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コ・ジュニ |
<2007>ヘンゼルとグレーテル、<2008>ガールスカウト |
【レビュー&ネタバレ】 |
2008年6月韓国公開。観客動員数は、わずか24万人! 日本でも、韓流 シネマフェスティバル2009~約束~にて公開。 DVDも発売決定。 これは、キム・ソナの”笑い”に期待してのことか? しかし、この映画は”コメディー”でありながら、いろんなものを詰め込んだごった煮映画になってしまった。 新人監督にありがちね。 映画が作れるのが嬉しくて、あれもこれも詰め込んで、散漫になってしまう駄作映画。 キム・ソナは相変わらずキム・ソナでも、 キム・ソナ一人が頑張って笑わせられるものではない。 シナリオ、演出、あってのことだ。 単なるコメディーでなく、犯罪コメディーでもあり、 庶民には到底縁のない「債権」を巡った犯罪コメディーであり、 はっきり言って、自分の身近ではない話題で、劇中でうまく説明できるようなシナリオにもなっておらず、 「債権の奪い合い」には、まったく興味が抱けません。 単純な笑いで楽しめる方にとっては笑えるシーンもあるかもしれませんが、 この映画は、”コメディー”映画からは逸脱しています。 車をボコボコぶつけ合うだけで笑っちゃう! ような方になら、オススメです。 ”コメディー”を軸に制作していながら、 そこに、人間ドラマや、人間の強欲さを丸裸にし、それを批判するアイロニー的なエピソード、 また相反する人間の持つ良心を描く哲学的ストーリー。 そして、20代~60代まで、ギリギリの人生を背負って生きていく辛さを描き、 それでありながら、わかりづらい”犯罪コメディー”に、アクションまで。 あまりにも詰め込みすぎて、感情移入できる要素がない。 映画に入り込み、ドキドキハラハラする楽しみのない映画。 最後の最後まで、いろんな問題が絡まりあって、なかなかラストが見えない映画ですが、 次から次へと起きる問題に、最後にはウンザリしてしまいます。 唯一救われるのは、ガールスカウト4人組。 意見が食い違い仲違いしながらも、結局は韓国人らしい情溢れるハッピーエンドとなっております。 この映画は”コメディー”でなく、現代の人間に対するアイロニーや、 強欲な人間の真の姿を丸裸にし、 ”人として” 何が大事なのかを訴えるような映画。 目的は同じだったはずなのに、意見が衝突したり、分裂してしまったり、 また結束を固めたり、リアリティーな人間模様が見られます。 人間みな同じ。 斜に構えて見ることも有りでしょうし、人間みな同じだからこそ、罪を憎んで人を憎まずという言葉があるのか... また、悪魔のように思えた人間が、実は誰よりも常識的で人間的だったりと。 映画のデキはイマイチですが、けっこう深い映画です。 「面白いか?」 と聞かれれば、「つまらない」と答えるでしょう。 レンタルビデオで見れば十分な程度の価値しか感じません。 キム・ソナは、セブンデイズとして大ヒットした映画の原型で ある 【木曜日の子供たち】を途中降板してしまいましたが、 この映画は、そのリベンジと考えて出演したのでしょうか。 この映画も、結局は誘拐された娘を救い出す母の姿を描くことになります。 セブンデイズと同じモチーフでありながら、レベ ルがあまりにも違いすぎる。 セブンデイズが本格的犯罪サスペンスであるならば、 こちらは単なる”誘拐ごっこ”程度の差を感じます。 何を演じても、結局キム・ソナはキム・ソナ。 【木曜日の子供たち】は、イメージチェンジを図りたくて、 敏腕女弁護士が娘を誘拐され立ち向かうという役どころを選んだのに、 「監督に、アレは違う、コレは違う」と、クレームばかりつけ、結局降板してしまった。 結局この映画は、キム・ソナ版セブンデイズといったところか。 イメージチェンジを図る予定が、結局は元に戻ってしまっただけですね。 逆に、キム・ソナはキム・ソナでよいと思います。 違和感ある役にチャレンジして、苦痛を味わうのは勘弁です。 この映画は、そもそも、頼母子講(たのもしこう)に、自分達のお金を預けていた ミギョン、イマン、ボンスンらのお金が、 管理者の美容室経営者ソン・へランに持ち逃げされてしまったことから始める。 100万円にも満たない金でも、ミギョンらにとっては、血のような金だ。 頼母子講とは、近所や仲間らが集まって、自分らのお金を持ち寄り融資する相互扶助のシステム。 韓国映画やドラマではよく見ますね、預けたお金を持ち逃げされたと...... これはあくまでも、民間的、個人的な融資システム。 時代やその構成員らの考えにより、ルールなどは若干違ってきますが、 そもそもは、困った人を仲間うちで助けようという相互扶助から始まったシステムで歴史は長い。 お金を持ち寄った構成員たちから集まった掛け金を、くじや入札で決めた当選者に一定額を給付する。 但しそれは、宝くじのようなものではなく、あくまでも相互扶助。 昔は、全構成員に一定額がいきわたった時点で解散となるようなルールもあったようですが、 今は、「財テク」の一環として利用されていたりする。 一定額を給付された者は、「もらった」のではなく、「融資してもらった=借りた」ことになるので、 借りている間は利息を払うことになる。 そして、その利息を構成員たちに分配し、利益を得るシステム。 そして、債権ですが..... これは難しいですよね、よくわかりません。 ただ、資金不足に陥った会社が、資金を援助してもらった会社に債権を発行し、 例えば、A社がB社に発行した債券を、B社がC社に売却した場合、 C社はA社の債務を被ることになるらしいです。 債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取れたり、 満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取れたりするらしいです。 債券は、満期日に額面金額が返金されることが約束されているので、安全性の高い金融商品だそうです。 また、債券の価格は、日々変動するので、途中売却することにより、 利子収入以外に、購入価格と償還金との差額金を得ることができることもあるそうです。 この映画でいえば、ホンギが会社の金22億5千万ウォンを横領し、その金で債権を購入。 しかも、その購入者を会社(ハンソ・キャピタル)名義で購入したため、 ハンソ・キャピタルは、横領された22億5千万ウォンと、 22億5千万ウォンの債権の債務の両方を損害を被ることになってしまうことらしい。 なぜホンギが会社に告訴されないと考えたのか、 現金でなく債権で持ち出すことが良案と考えたのかがよくわかりません。 ホンギはそもそも会社に騙されたらしく、だが、詐欺がバレそうで訴えられないという弱みがあるらしく、 その復讐なのか。 それとも、海外に持ち出す現金には限度があるので、債権に換えるのか、謎ばかり。 監督の独りよがり映画はウンザリです。 無能なのか、それとも、観客をバカにしているのか。
ナ・ムニも、イマイチ良さを出せない中途半端な役どころ。 コ・ジュニは、キツネちゃん、何してるの?や、乾パンとこんぺいとうやらで、大好きに。 何ともいえないキュートさと、魅力があります。 今回は、元富豪の娘で、親の事業の失敗で苦労の人生を生きていると思わせるウンジ。 それでも、天真爛漫で、情が深く、しかし、考えなし。 子役は、マウミ.... や、プチトマトのキム・ヒャンギ。 あまりにもブサイクで気づきませんでした! この映画、撮影監督にも問題があるのでは? なんか、それぞれの魅力がぜんぜん感じられませんよね。
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