ファミリー  A Family  
 原題:家族 가족(カジョク) <2004>

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ファミリー

私には、家族が2人いる。父、そして10歳になる弟ジョンファン。母は、ジョン ファンが4歳の時亡く なった。私は、初めから父の娘としてこの家に生まれることを望まなかった。

刑務所で過ごす間、自由なことはなかったが、家から解放されて良かった。だが、 私を待っている弟ジョンファンを思えば、気持ちがときめく。家に帰るべきなのに、最も気にかかるのは父のことだ。

3年ぶりにジョンウンが戻った。挨拶はおろか、笑ってもくれなかった。私ができた話といえば「なぜ帰ってきた?」ということだけだった。それでも家に帰っ て来ないのではと心配したが、健康な姿に戻って安心した。

ところが何日か後に、チャンウォンという野郎が訪ねてきて、ジョンウンが借りていった金を返せと 私を脅迫した。新しい出発をするというジョンウンの言葉を信じたのに。

【予告編】

監督 イ・ジョンチョル <2004>ファ ミリー

出演

スエ

<2004>ファ ミリー、<2005>ウェディング・ キャンペーン、<2006>夏物語
<2008>あなたは遠いところに、 <2009>炎のように蝶のように、 <2010>深夜のFM

チュ・ヒョン (朱鉉)

出演作品一覧

パク・チビン <2004>ファ ミリー、 <2005>奇跡の夏、 <2005>青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~
<2006>アイスケ-キ、<2010>鯨を探す自転 車

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【レビュー&ネタバレ】
邦題の「ファミリー」よりも、原 題の「家族」の方がしっくりくる映画です。
「父がこの世で一番嫌 い」という娘と、
父へあてつけるように道を踏み外していった娘が許せない父との確執を描いています。
ストーリー的には、かなり定番パターン。
稚拙な新人監督の脚本で、陳腐な映画になっておりますが、
チュ・ヒョン씨とスエの演技で、味わいのある作品にはなっております。
チュ・ヒョン씨の演技がとにかくいい。
年老いた、貧しく、不憫な父親を哀愁深く演じております。
mocaは、<愛の群像>でチュ・ヒョン씨が大好きになってしまって、
この映画を観たのも、チュ・ヒョン
씨 が出ているから。
彼はヤクザとか、成金エロ親父とかも演じておりますが、すごくいい俳優さんだと思います。
彼のよさが表れる作品が少なくて残念・・・
映画自体はそれほどのものではありませんが、彼にとっては、代表作になったのでは?
ちなみに、この作品で主演男優賞を受賞しました。
年老いた侘しい寡黙な父の雰囲気が痛いほど伝わってきて・・・
そして、成功した友人の中で、一人くたびれた父の姿・・・
見ているだけで涙を誘われます・・・
チュ・ヒョン씨とスエの演技力を持ってすれば、
シラケるようなお涙ちょうだいのラストなど不要で、
父と娘の確執と和解だけで、十分胸が熱くなるヒューマンドラマになったはずだわ。

スエは演技力はあるけ れど、この役はイマイチね。
清純なイメージに引きずられて、彼女が蓮っ葉な女の子だとなかなか認識しずらかったわ。
脚本が悪いから仕方ないけれど。
パク・チビンはとにかく可愛い。
本当に憎めない可愛いキャラクターを演じさせたらピカ一。
こんな子がそばにいたら幸せだわ。
この映画でも、不仲の親娘の間を繋ぐ唯一の存在であり、
無邪気な弟を演じてます。

そして、脇役二人。
スエに絡む昔の悪仲間。チャンウォン。
演じたのはパク・ヒスン
南極物語>の副隊長ヨンミンだったわ!
あの映画では、もしやかっこいい?と思わせるような風貌だったけれど、
今回の映画でしっかり見させて頂き、ガッカリ致しました。
そしてもう一人。
オム・ジョンファの弟・・・としてではなく、
最近知名度も急激に上がったオム・テウン。
mocaにはその魅力がよくわかりませんが、ちょっと気にかかる存在感があります。

この映画は、作品の中での説明があまりにも少なすぎる。
父と娘の確執も、作品の中から伝わるものがなく、
あらすじなどから得るしかない。
娘がロクデナシだということも、作品からは伝わらず。
父を恨むが故に、反抗している娘にしか思えない。
刑務所に入ったのも、報酬と引き換えに身代わりになって入ったのだと知り、
それほど悪い人間じゃないのね、なんて安心させられちゃう。
この娘が、バカで愚かなロクデナシということを、ハッキリさせなくちゃ。
事務所のお金も、まさか盗んでいないでしょう、と、娘の主張を信じちゃう。
だから、最初は同情しちゃうのよね。
けど、この娘は仲間の金を横取りした上に、
のこのこと現れ「報酬ちょうだいよ」などと平然と口にするような腐った人間なの。
チャンウォンばかりが悪者に見えるけれど、
チャンウォンは元々はそんな人間ではなかったようで、
このジョンウンの裏切りで人間不信になり、こんな最低の人間に成り下がったように思えるわ。
だから、「裏切りは許せない」と、執拗にジョンウンを追い回す。

出所したジョンウンは、まだ幼い10歳の弟ジョンファンに会いたくて家に戻る。
父はジョンウンが留学していることにしていた。
父は「なぜ戻ってきた?」と。
父の元へ「娘が金を返さない」と脅しにチョンウォンが現れ、
父はジョンウンにすぐに出て行くように告げる。
「あいつらを来させないようにするわ」と、言い放つジョンウン。
そして、父の失った片目を見て
「眼帯してよ。ジョンファンが笑われるのは耐えられないわ」と言い放ち、父に殴られる。
父と姉の不仲を感じている弟は
「お姉ちゃんから謝って。父ちゃん、最近薬飲んでるんだ」と、諭す。
父は白血病だった。
ジョンウンは金を返すとチョンウォンの元を訪れるが、既に父が金は持ってきたと。
ジョンウンは隠していた金を引っ張り出し、父に投げつける。
「善人のつもり?(骨髄移植)検査は受けるわ」
ジョンウンは父を怒鳴りつける。
チョンウォンは金を受け取っても執拗にジョンウンを追い回す。
「裏切り者は許せない。代償は払ってもらう」と。
警察の副署長に体で奉仕しろ、と。

ジョンウンは検査を受ける。
「やはり、お前には話しておきたい。残された時間父さんを大事に・・・」
ジョンウンは、父の友人で医師であるビョンチョンから、過酷な事実を聞かされる。
「目を怪我しなければ、父さんは苦労することもなく、警官を続けていただろう」
ビョンチョンの言葉を否定するジョンウン。
「目のせいにするのなら、そもそも警官になっていないはず。お酒のせいよ」と。
「目が悪ければ、警官にはなれない」
ビョンチョンは言う。
父の目は、4歳の時ジョンウンが負わせた怪我なのだと。
美容師になりたいジョンウンは、眠っている父の髪を切ろうとハサミを持ち出し、
転んで父の片目を失わせてしまったのだと。
ビョンチョンは父の若い頃の写真を差し出す。
父の目は、怪我の形跡などなかった。
激しいショックを受けるジョンウン。
しかし、父は「ビョンチョンが検査を受けさせたくて嘘を言ったのだろう」と否定する。
父の若き日の写真を投げつけるジョンウン。
父は「家に入りなさい」と、優しく言う。

「仕事は楽しいか?早く仕事を覚えて自分の店を持たんとな。
昨日の金はおまえのものだ。店を出すのに使いなさい。
大変だろうが、あいつとは手を切って欲しい」
父は通帳と印鑑を差し出す。

「もう娘にかまわないでやってくれ」
父はチョンウォンの元を訪れる。
頭を下げ、土下座する父。
それでも、聞く耳持たないチョンウォンに激怒し殴りかかるが、
逆に殴られ、娘の美容室まで引きずられて行く。
娘の前でカツラを取られ、薬で髪の抜けた頭をさらされる父。
ジョンウンは呆然とする。

チョンウォンの店のガラスをメチャクチャに叩き割るジョンウン。
「父に手出ししたらタダじゃ置かない」
ジョンウンは言い放つ。
「裏切り者は許せない。お前の父親も弟も」
チョンウォンは言い放つ。

ジョンウンは父に尋ねる。
母は亡くなる前に何か言わなかったのかと。
「’私のこと好き?’と、私に再婚はしないで欲しいとさ」
ジョンウンは呆然とする。
母は父のせいで死んだと思っていたジョンウン。
母は父を愛していたのだ。

チャンウォンの部下であり、昔の仲間ドンスがやってくる。
「チャンウォンは昔とは違う。気をつけろ、弟も狙われるぞ」と。
この副社長の件が終われば、ジョンウォンはただの邪魔者になるだけだ。
部下たちは皆チャンウォンに不満を抱いている。みな俺の味方だ。
「チャンウォンを殺れ」と、金を差し出す。
「私だけが手を汚すの?」と、ジョンウンは拒むが、
「捜査は不可能だ」と、ドンスは言う。
その話を立ち聞きしていた父は、「やめろ」と、ジョンウンを諭す。

検査の結果が出る。しかし、骨髄は一致しなかった。
ビョンチョンは、「ドナーが現れるまで待つしかない」と告げる。
入院すれば、もっと強い薬を使うために副作用がひどくなると聞かされたジョンウン。
ジョンウンはドンスの元へ走る。
「報酬を二倍にしてくれ」と。

ジョンウンはジョンファンに尋ねる。
「お姉ちゃんがまた留学したらいや?また行くかもしれないわ」
そして、父はその夜、ジョンファンに酒を酌み交わさせる。
「お前はもう大人だ」と。
もしいつか、父が死んだらお前が喪主だぞと。
「お姉ちゃんのために乾杯だ」
父は言う。ジョンウンは居た堪れず涙を流す。

↓結末↓


夜、ジョンウンは父の髭を剃ってやる。
「俺が死んだら、この家を売ってもっといいえ家に越せ」
父の言葉を遮るジョンウン。
「今夜は店に泊まるわ。明日内装工事だから」と、ジョンウンは嘘を言う。
父の顔をみつめ、思わず抱きついてしまう。

夜、ナイフを握り締め、チョンウォンの元へ向かうジョンウン。
しかし、ドンスに言われた場所はもぬけの殻だった。
ハっとするジョンウン。
慌てて走り出すが、ドンスの部下に捕まってしまう。
その頃、父がチョンウォンの元へ向かっていた。
チョンウォンに向かってナイフを突きつける父。
しかし、逆にナイフを奪われ、何度も刺され倒れる父。
そこへドンスが現れ、チョンウォンを刺し殺す。
チョンウォンは倒れている父の手にナイフを握らせ去って行く。

父の葬儀。ジョンファンはしっかりと喪主を務める。
家に戻ったジョンウンは、若き日の父と母の写真に目を細める。

時が流れ─
ジョンウンが開いた美容室の前で笑うジョンウンとジョンファン。

END

ドンスとの会話を聞いていた父は、きっとドンスを訪ね自分がやるから・・と言うのでしょうね。
そして、ジョンウンに嘘の場所を教えるようにと。
ラストは、あまりにも展開が読めて、シラケ気味。
中盤までの方がずっと泣けて、胸が熱くなったわ。
けど、あの髪が抜け落ちた頭は・・・やりすぎでは・・・・・・・
あまりにも惨くて、正視できませんでした・・・

そして、他人なんて信じるものではないわね。
チョンウォンにしてみれば、ジョンウンに裏切られたわけだけれど、
ジョンウンはドンスに裏切られ・・
結局ドンスは父に罪をなすりつけたわけですものね。
どんな理由があろうとも、<悪の道>には足を踏み入れるべきじゃないわ。
結局、最後には自分に巡ってくるものよ。
自分の愚かさで、大切な人を失ったら・・・ 後悔しても取り戻せない。




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