デイジー アナザー・バージョン  Daisy 
監督 アンドリュー・ラウ<香港> <2003> インファナル・アフェアIII 終極無間、<2005>頭文字D(イニシャルD)、
<2006>デイジーデイジー アナザー・ バージョン

出演

チョン・ジ ヒョン

出演作品一覧

チョン・ウソ ン(鄭宇成)

出演作品一覧
イ・ソンジェ (李誠宰) <1998> 美 術館の隣りの動物園、<1999>愛のゴースト、 <1999>アタック・ザ・ガス・ステーション!
<2000>吠える犬は噛まない、 <2000>エン ジェル・スノー、<2001>風林高、<2001>公共の敵
<2004>氷雨、 <2004>風の伝説、<2004>シン・ソッキ ブルース、<2006>ホリデー
<2006>デイジーデイジー アナザー・バージョン)、 <2007>マイ・ボス マイ・ヒーロー3
<2010>夢は叶う、<2010>絃の歌

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【レビュー&ネタバレ】
【デイ ジー インターナショナル・バージョン】はこちらからどうぞ

韓国のみで上映された (日本でも東京・大阪限定で上映されまし たが・・・)
プレミアムバージョンでございます。
(※日本全国で公開されたものは「インターナショナル・バージョン」です)
パク・ウイの視点で描かれたアナザー・バージョンですわ。

あくまでも、インターナショナルverとの違いについて だけ書くの で、
インターナショナルverについてはこ ちらをご覧くださいま せ。
(とは言っても、インターナショナルverにあってアナザーverにないものは多すぎるので書けません・・)
アナザーverは日本ではDVD化されておりません・・・・日本語字幕なしの韓国版のみでございます・・・
きっとプレミアムBOXで日本でも発売されると思いますが・・・・

【ネタバレ&レ ビュー】

アナザー・バージョンはパク・ウイの視点から描かれていると・・・・
それを聞いて期待してたのにー
インターナショナルverを観て、パク・ウイの胸の内がわからなくて・・・
映画のよさも半減しちゃったのかも・・・と思ってたので、
mocaはアナザー・バージョンの方が観たい!と思ってたの・・・・
なんだけれど、監督の無能ぶりを暴露しただけじゃ・・・・・・
おいおい!そんな大事なセリフをカットしてたんかいっ!みたいな・・・・・
インターナショナルverは監督の遊び心が織り込まれた洒落た展開にはなっていたけれど、
このアナザー・バージョンでは、少しもパク・ウイの視点で描かれ ているわけではなく、
ふつーに展開されてただけよ。
最初にヘヨンの語り、次にチョン・ウの語り、そしてパク・ウイの語り・・・
そこが、三人の語りが同時進行していて・・・・
通常だったらこのスタイルなんでしょうね。
なんだけれども・・・・誰か一人の視点で描かれているわけじゃなく、
インターナショナルverと同様三人が勝手に自分の視点で語っちゃってるから、
よけい に感情移入もできなくて・・・・

物語はヘヨンの雨の日の語りが一切なく、ヘヨンにデイジーが届き、
パク・ウイに黒いチューリップが届くところから始まるわ。
「花は愛を届けるが、死も届ける」 
そしてパク・ウイの語りが続くわ。銃の手入れをしているシーンよ。
マグナム357リボルバーは殺しの痕跡を残さない・・・・
インターナショナルverの
「俺に似ている。俺は保守的だ。だから生きてこられた」
はアナザーverにはないわね。
そして、劇場の殺しのシーンへ続くわ。

そして、ヘヨンのセリフ。
「毎日4時15分に花を届けてくれる人」
インターナショナルverでは、なかったわよー
だから、4時15分がどんな意味を持ってるのか気づかなかったじゃないー!
4時15分にチョン・ウがデイジーの鉢を持って現れたから、
ヘヨンはチョン・ウが初恋の人だと勘違いしたわけなのね・・・
そして、ヘヨンとパク・ウイが出会った日が4月15日だったから
花を届ける時間が4時15分だなんて・・・
出会った日が4月15日だなんていうパク・ウイのセリフもインターナショナルverにはなかったわよー!

続いて、パク・ウイが広場の前の部屋を借りるシーン。
「彼女の真似をしてい ると、彼女のように魂がきれいになるよう な気がした」
(ヘヨンがノビをする と真似してノビしたりね)
だからヘヨンの真似を してたんかい・・・・
気づくわけなかろー!

そして、ヘヨンとチョン・ウの出会いのシーン。
部屋からヘヨンを見守るパク・ウイ。和やかな二人の様子を見て
「誰だ、彼女を微笑ま せる男は」
インターナショナルverにはない、パク・ウイの嫉妬が表れたセリフね。
インターナショナルverでは嫉妬心なんて表さず、あくまでも献身的なパク・ウイだったのに・・・・
広場での銃撃戦では、嫉妬心からチョン・ウを撃ったのだろうけど、
その前に、ヘヨンに恋人ができたから身を引こうとしてたパク・ウイで・・・・
インターナショナルverとアナザーverのパク・ウイはキャラまでも違っちゃってるんじゃ?

「彼の代わりに雨が降る。待っているのは雨じゃないのに」
このヘヨンのセリフもインターナショナルverにはなかったわね。
そして、
パク・ウイを追って路地裏 でチョン・ウが襲われるシーンに続くわ。
パク・ウイのセリフ。インターナショナルverは
「俺とは正反対の男だった」が、「インターポール・・・」になってたわ。
これって、インターナ ショナルverのセリフとアナザー・バー ジョンのセリフが普通は逆よね(笑)
パク・ウイの心情を表すセリフなのに、アナザー・バージョンにはないって・・・
このセリフってパク・ウイの苦しみを表す大事なセリフだから、
インターナショナルverにもないと困るんだけど(笑)
でも、チョン・ウがインターポールだってことは、あらすじを読んでない人にはわからないんじゃ?
インターナショナルverには「インターポール」って言葉出てこなかったわよね?

そして、チョン・ウが骨董屋にヘヨンを尋ねるシーンよ。
初恋の話をするヘヨンを抱きしめるチョン・ウのセリフ。
「俺は彼女の言葉を否定できなかった。嘘も真実も告げず、俺は沈黙を選んだ。」
チョン・ウを初恋の相手だと思い込み「ついに現れたみたい」と
チョン・ウをみつめるヘヨンに対してのセリフよ。
そして、チョン・ウが麻薬組織から狙撃されるシーンね。
インターナショナルverではまず、
ヘヨンに恋人ができて見守る必要がなくなったとパク・ウイが部屋を出て行くシーンがあるのだけれど、
アナザー・バージョンではないわ。
これはどーいうことかしら?
「彼女を守るために俺は銃を・・・・」というセリフもないし・・・・
アナザー・バージョンだけ観た人には(そんな人いない?/笑)、
パク・ウイってとんでもない男になってそうね(笑)
そして声を失ったヘヨンの前に現れるパク・ウイ。
インターナショナルverでは、「俺にこんな勇気があったとは・・・俺は彼女に近づいた」だけれど、
アナザーverでは、「彼女があまりにも痛々しくて、見ていられなかったんだ」になってるわ。
インターナショナルverでは「自分のため」であり、アナザーverでは、「ヘヨンのために」だわよね。
まるで邪魔なチョン・ウが消えたから現れたみたいじゃない。
インターナショナルverのキャラと、アナザーverのキャラが入れ替わり立ち代り・・・・
パウ・ウイって一体どんなヤツよ?(笑)

パク・ウイの車の中でのヘヨンのセリフ。
「声を失った私を気遣い、言葉をかける代わりに音楽を聴かせてくれる人。
けれど、チョン・ウさんを待っている私は彼の心を受け入れることはできない」
インターナショナルverはこうよ。
「いつも迎えに来てくれる。でも、会話はない。声を失ったからではなく、話したくなかった」
ヘヨンの気持ち違いすぎるじゃねーかっ!
インターナショナルverでは、パク・ウイのことを「ウザい」くらいにしか思ってないじゃないのー(笑)

そして、パク・ウイに黒いチューリップが届くわ。
「殺し屋の女(恋人)は、餌食であり、標的だ」
パク・ウイの心情を語った大事なセリフね。なぜヘヨンの前に姿を現すことをためらっていたのか・・・
インターナショナルverでは、殺し屋は秘密が命だ。
秘密を守るために誰とも接触しない、というようなことを言ってたわ。
インターナショナルverでは「自分を守るため」で、アナザーverでは「ヘヨンを守るため」
ちょっと違いすぎるわよ・・・・

そして、ヘヨンに食事に誘われ(気持ちに応えられないと告げるために)、
レストランでヘヨンを待たせ殺しの仕事に出かけるパク・ウイ。
「すぐ戻るから待ってて」と出かけていくパク・ウイを見送りながら、ヘヨンのセリフ。
「祖父は来ると言うけど来ない両親。そして、チョン・ウさん、待ち続けて慣れてしまったの」
インターナショナルverで、冒頭の雨の日のセリフ。
まるで天涯孤独のようなヘヨンのセリフがあったけれど、それに代わるセリフ・・・
いえ、あのセリフを説明するセリフね。
ヘヨンの複雑な家庭環境・・・
そして、雨の日のセリフと合わせて、ヘヨンの孤独感・・寂しさを表しているわよね・・・
これでもまだ物足りないのだけれど・・・・
ヘヨンが異国の地でどれだけ孤独だったか伝わらないから、
初恋の人がどれだけヘヨンの支えだったかも、少しも伝わらなかったのよ・・・・

そしてチョン・ウ暗殺のシーン。
車の中での二人の会話・・・・違いすぎるわー!!
「ヘヨンさんのことは申し訳ないと思ってる。
なんとなく軽い気持ちでつきあったんだ。俺はいい加減なところがあるから」とチョン・ウ。
「本気だったんだろう」と、パク・ウイ。
パク・ウイを気遣い、ヘヨンの幸せを願うチョン・ウのセリフ。
「後方から来たのになぜ俺だとわかったんだ?
こいつが殺し屋か?だとしたら、ヘヨンさんはどうなるんだ・・・」
というチョン・ウの心の声。
そして、車を止めた後のセリフ。
「俺を消さなければ、お前は間違いなくボスに消されるだろう」というセリフはまったくなし。
そしてパク・ウイがヘヨンの初恋の相手だと知り、チョン・ウは考えながら車の外へ出て・・・・
銃をみつめるパク・ウイ。
そして銃声だけが響き、そのままチョン・ウの殉職を聞かされるヘヨンのシーンへ・・・・
インターナショナルverでの
「君の前に二度と現れることはない。
僕の人生は4月15日に幕を閉じた。これ以上特別な日付はないだろう。
人生最後の日、4月15日。僕の物語は終わるが、2人には幸せな物語を綴って欲しい」
チョン・ウのヘヨンに向けたこの語りは一切なく・・・・・
mocaはインターナショナルverではこのチョン・ウの語りが一番泣けたのよね・・・・
アナザverはパク・ウイの視点だから、お前がボスに消されるだろう・・・と、
パク・ウイを気遣うチョン・ウの心情や、
ヘヨンの声を奪って申し訳ないという気持ち、
そしてヘヨンの幸せを願う気持ちはカットされたのだろうけど・・・
だったら・・・
なんとなく軽い気持ち でつきあったんだ。俺はいい加減なところ があるから
とか、
だとしたら、ヘヨンさんはど うなるんだ・・というセリフは・・・・
要するに、アナザーverはカットされたシーンを寄せ集めたバージョンだと・・・・(笑)

そして1年後、チョン・ウの墓参りに訪れるヘヨン とチャン刑事。
「後でわかったのですが、殺しの依頼には黒いチューリップが届くそうです」
って・・・・こんな大事なセリフをカットしたのかー!
このセリフをカットするなら、ヘヨンと一緒にいる時に黒いチューリップが届くシーンもいらねーだろー
インターナショナルverとアナザーverは、このお墓のシーンと、
黒いチューリップが届くシーンの順番が逆なんだけれどね・・・・

パク・ウイを疑い、パク・ウイの部屋を粗探しするヘヨン。
その頃パク・ウイは殺しの依頼を受けていて・・・そこでボスに「女が疑ってるぞ」と警告されるのね。
そして殺し屋の証拠を持って現れたヘヨンに紅茶を勧めるパク・ウイ。
この中には睡眠薬が入ってたのよー
「すまない、少しだけ眠っていてくれ・・・」
という独り言が!
ボスにヘヨンが疑って いることを聞かされ、暗殺を邪魔されない ように眠らせたのね。
インターナショナル verじゃ、なんでヘヨンが眠ってしまった のかわからないじゃないのよー

そして、パク・ウイがヘヨンに残した手紙。
これを削るのは酷すぎるんじゃない?
「最初は愛らしい人を助けるつもりだったのが、
橋を作ったら君が絵をくれたから、俺はデイジーを届けた。
俺が作った橋は君と彼を繋ぐことになった。でも彼が去った後の君を放っておけなかったんだ。
自分でも知らぬうちに君の前に立っていたんだ。君がくれた心を返すよ」
おいおい!こんなに違 うのかよー!
しかも、こんなに大事なセリフを!!
インターナショナルverで謎だったパク・ウイの気持ちがここに表れているのにー!!
なぜパク・ウイがこんなにも献身的にヘヨンを想うのか・・・
殺し屋になるほど孤独で荒んだ人生を歩んできたパク・ウイが、しかも、初めて人を殺した翌日・・・
初めてヘヨンから「心」をもらったのよね。
何かをしてあげたことで「ありがとう」と言われ、そして、自分のために描いてくれた絵をもらった・・・
そのことが、パク・ウイにとってどれだけ心を救われたことか・・・・
この映画は、心に傷を抱えた孤独な二人が、お互いを心の支えに生きてきた・・・
そんなせつない物語だったのよ・・・
もっともっと泣けるステキなストーリーになったはずなのにね・・・・
ラストのヘヨンが撃たれるシーンも、インターナショナルverでは全然泣けなかったの。
逆にしらけちゃって・・・・
だけれど、アナザーverでは泣いたわ・・・・
インターナショナルverではパク・ウイの想いとチョン・ウの想いと・・・
2つを捨てなかったこともあったし、
それぞれの視点が入り混じって・・・・
それに、アナザーverで解けた謎もあるし・・・
インターナショナルverとアナザーver・・・2つ観て完結、という感じね・・・・
勿体ない映画だったわ・・・・
アナザーverをもっと深く掘り下げて作りこんだら、すごくよかったのに・・・・・
両方観た後は、前よりこの映画が好きになったわ。




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