レストレス~中天~ The Restless
 原題:中天 중천 (チュンチョン) <2006>

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中天

自分の身代わりに死んだ恋人ヨナ(キム・テヒ)を忘れられずに生きている退魔士 “イグァク”(チョ ン・ウソン)は、怨霊 の反乱で壊れてしまった結界を通じ、死の世界’中天’に迷い込む。

転生を待ちながら、死んだ魂が49日間留まる中天で、死んだ恋人ヨナと夢に見た再会を叶 えるイ グァク。しかし彼女は全ての記憶を失い、中天を守る天人“ソファ”になり、彼のことが思い出せない。怨霊達の反乱で中天は危機に瀕し、中天を救うことがで きる首飾りをつけたソファは、彼らの標的となってしまう。

一方、反乱を起こした寃鬼たちが、現世で兄弟のように育った退魔師仲間だということをイグァクは知るが、愛するソファを守るために、寃鬼になってしまった 昔の仲間たちと戦う運命に...

【予告編】
監督 チョ・ドンオ <2006>レ ストレス~中天~

出演

チョン・ウソ ン(鄭雨盛)

出演作品一覧

キム・テヒ (金泰希)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
2006年12月20日韓国公開 の 「中天」でございます。
2008年1月25日、ジェネオンからDVD発売決定。

観客動員数は155万人。一応2006年のベスト30には入ります。
目安として、同年の同等の観客数は
ホリデーひまわり角 砂糖など。150万人弱の数字です。

キム・テヒの演技力不足が批判の的となった作品。
正直、キム・テヒは演技力が足りないでしょう。
初めてのヒロインを務めたドラマ<ラブストーリー・イン・ハーバード>でも、
無難な役でしたので、難なくこなしておりましたが、難しい役は無理そうな感じで。
演技力のある女優さんなら、スイン役はもっと輝き、もっとせつなく、泣かせられたかもですね。
この中天。
美しく可憐なヒロインは似合いますし、涙を浮かべながらの悲しいシーンも美しくせつない。
ヒロインに感情移入できないのは、やっぱりキム・テヒの演技力不足のせいなのか?
正直、そこまで見極められるほど難しい役所ではなかったのよね。
この中天、ストーリーよりも映像とアクション重視のようで。
誰が演じても、この程度にしかならないような気もしないでもないのよね。
役者だけでなく、制作陣にも非があると思うわ。
ただ、そんな中でも一貫したキャラクターを演じるチョン・ウソンはさすが。
それを考えると、やはりキム・テヒは.................................
元々、最初にシナリオを渡されていたのはシム・ウナ。
しかしシム・ウナは、1999年制作のインタビュー以 降、演技活動を休止、
2001年に引退、2005年結婚。最終的にキム・テヒに。
チョン・ウソンとシム・ウナはmoca的にはゴールデン・カップル。
ボー ン・トゥ・キルはイマイチでしたが、
ドラマ<恋愛世代(1.5)>では、本当にお似合いでした。
演技力でも評価の高いシム・ウナですから、映画はもっとよくなったでしょうけれど、
逆にこんな無難な役を演じるのはもったいないですね。

惜しいのは、チョン・ジュノ。
悪役なのか、そうでないのか、微妙な役どころ。
火山高でも敵役ですが、 チョン・ジュノには人間味のある役が似合うわ。
元々はチョン・ウソンの師であり、と志を共にし、悪に立ち向かう仲間であったのですが、
世の理不尽さを悟ってしまうわけです。
’正義は勝てない’
力が全てだと、この世を治める力を得ようと反乱を起こすわけです。
’絶対悪’なわけじゃないのですよ。
逆に、チョン・ウソンの方が非現実的すぎて苦笑してしまう。
この世を救えるのは愛だなんて、ちっとも共鳴できませぬ...............
チョン・ジュノのやっていることは’世の中への復讐だ’という言葉は、頷けますが。
そりゃ復讐もしたくなるでしょう。彼の立場なら。
いつの世も、権力のある馬鹿に弱者は苦しめられるのよね。

そして、チョン・ウソンに想いを寄せる女戦士ヒョ。
ドラマ<復活>のガンジュ、ソ・イヒョン。
もう少しインパクトのある女優さんがよかったわ。
’戦士’っていう顔じゃないもの。
ただ、彼女の最期は、美しくてせつなかったわ。


時代モノのアクション映画。
好きな人は好きよね。
でも、やはりこの手のモノは韓国では香港映画モドキという気がして。
あの古めかしい映像も、いったい何を意識してるので?

アウトライブ~飛天舞~ が好きな方にはよいかもですね。
ただ、アウトライブ~飛天舞~よりも勝るのは、映像技術 くらいなものかもです が。
ワイヤーアクションにしても、アウトライブ~飛天舞~の 方がずーっと見事です。
華やかなだけかもしれませんが、mocaはあの華麗なアクションが好き。
この<中天>は、CGが見事だわ。
適役が斬られる場面では、死人がまるで花びらのように散っていくのよ。
美しく、せつないわ。
mocaが泣いたのは、この死にゆくシーン。
イグァク(李郭)の昔の仲間ヒョ、ウングィたちが死にゆくシーンは、あまりにも悲しい。

冒頭では、中天で転生を待つ男(チョン・ソギョン:정석용)が笑わせてくれるわ。



笑いあり、アクションあり、これでストーリーさえマトモなら...........
かなり破綻気味です。
自分の身代わりに死んだヨナが、なぜ記憶を消し、転生することを望まなかったのか、
そこをもっと観る者に伝えなければ、感動のラストはありえないわ。
それに、あの結末も、お粗末よねぇ..................
あんな定番の三流小説みたいなネタ、ほんとに子供向け映画並。
なんて芸のない映画なの。
ストーリー重視の方にはオススメできません。


さて、簡単なストーリーを、更に簡単にご説明。

退魔師イグァクは、自分を捕らえようとする追っ手から逃げる途中、
偶然に壊れた結界に足を踏み入れ、死の世界’中天’に迷い込む。
そこで、’中天’を守る天人ソファ(素花)に出会う。
なんと、ソファは自分の身代わりに死んでいった恋人ヨナだった。
しかしヨナは、天人となるために現世での記憶を全て捨てていたのだった。
自分を命を賭けて守ろうとするイグァクの真意が図れないソファ。
そんなソファに、「もう二度とお前を一人にはしない」と、イグァクは告げる。
そして、ソファを狙っていたのは、現世で兄弟のように育った退魔師仲間だとイグァクは知る。
イグァクの悲しい戦いが始まる。
イグァクと行動を共にするうちに、ソファの記憶が蘇る。
自分を見殺しにした恋人イグァク。
ソファはイグァクを拒む。
それでも、イグァクの心は変わらない。

↓ 結末ネタバレ。 ご注意を↓



自分の命を賭けてでも、ソファを守ろうとするイグァク。
イグァクの深い愛に気づいたソファ。
汚れた清水を清めるために、清水の中へと足を踏み入れるソファ。
しかし、その力を使えばソファは消滅してしまう。
「愚かな人間にそんなことができるのか?」
パンチュはソファに問う。
「できるわ。愛してるから」
ソファは清水に身を投じる。
闇に汚された中天が蘇る。
「俺たち、また出会えるかな?」
瀕死のイグァクはソファに問う。
「あなたの姿、永遠に忘れないわ」
ソファはそう答えると、光となり消えていった。

END

ソファは転生できるっていうことですよね。
でも、イグァクは?
生身の人間が中天で死んだら転生できないのでは?
それとも、中天では感じなかった香りを感じたということは、現世に戻ってきていたので?
よくわからないラストですが、思い入れのない映画なのでどーでもよいです。



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