レストレス~中天~ The Restless |
原題:中天 중천 (チュンチョン) <2006> |
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監督 | チョ・ドンオ | <2006>レ ストレス~中天~ |
出演 |
チョン・ウソ ン(鄭雨盛) |
出演作品一覧 |
キム・テヒ (金泰希) |
【レビュー&ネタバレ】 |
2006年12月20日韓国公開
の
「中天」でございます。 2008年1月25日、ジェネオンからDVD発売決定。 観客動員数は155万人。一応2006年のベスト30には入ります。 目安として、同年の同等の観客数は ホリデー、ひまわり、角 砂糖など。150万人弱の数字です。 キム・テヒの演技力不足が批判の的となった作品。 正直、キム・テヒは演技力が足りないでしょう。 初めてのヒロインを務めたドラマ<ラブストーリー・イン・ハーバード>でも、 無難な役でしたので、難なくこなしておりましたが、難しい役は無理そうな感じで。 演技力のある女優さんなら、スイン役はもっと輝き、もっとせつなく、泣かせられたかもですね。 この中天。 美しく可憐なヒロインは似合いますし、涙を浮かべながらの悲しいシーンも美しくせつない。 ヒロインに感情移入できないのは、やっぱりキム・テヒの演技力不足のせいなのか? 正直、そこまで見極められるほど難しい役所ではなかったのよね。 この中天、ストーリーよりも映像とアクション重視のようで。 誰が演じても、この程度にしかならないような気もしないでもないのよね。 役者だけでなく、制作陣にも非があると思うわ。 ただ、そんな中でも一貫したキャラクターを演じるチョン・ウソンはさすが。 それを考えると、やはりキム・テヒは................................. 元々、最初にシナリオを渡されていたのはシム・ウナ。 しかしシム・ウナは、1999年制作のインタビュー以 降、演技活動を休止、 2001年に引退、2005年結婚。最終的にキム・テヒに。 チョン・ウソンとシム・ウナはmoca的にはゴールデン・カップル。 ボー ン・トゥ・キルはイマイチでしたが、 ドラマ<恋愛世代(1.5)>では、本当にお似合いでした。 演技力でも評価の高いシム・ウナですから、映画はもっとよくなったでしょうけれど、 逆にこんな無難な役を演じるのはもったいないですね。 惜しいのは、チョン・ジュノ。 悪役なのか、そうでないのか、微妙な役どころ。 火山高でも敵役ですが、 チョン・ジュノには人間味のある役が似合うわ。 元々はチョン・ウソンの師であり、と志を共にし、悪に立ち向かう仲間であったのですが、 世の理不尽さを悟ってしまうわけです。 ’正義は勝てない’ 力が全てだと、この世を治める力を得ようと反乱を起こすわけです。 ’絶対悪’なわけじゃないのですよ。 逆に、チョン・ウソンの方が非現実的すぎて苦笑してしまう。 この世を救えるのは愛だなんて、ちっとも共鳴できませぬ............... チョン・ジュノのやっていることは’世の中への復讐だ’という言葉は、頷けますが。 そりゃ復讐もしたくなるでしょう。彼の立場なら。 いつの世も、権力のある馬鹿に弱者は苦しめられるのよね。 そして、チョン・ウソンに想いを寄せる女戦士ヒョ。 ドラマ<復活>のガンジュ、ソ・イヒョン。 もう少しインパクトのある女優さんがよかったわ。 ’戦士’っていう顔じゃないもの。 ただ、彼女の最期は、美しくてせつなかったわ。 時代モノのアクション映画。 好きな人は好きよね。 でも、やはりこの手のモノは韓国では香港映画モドキという気がして。 あの古めかしい映像も、いったい何を意識してるので? アウトライブ~飛天舞~ が好きな方にはよいかもですね。 ただ、アウトライブ~飛天舞~よりも勝るのは、映像技術 くらいなものかもです が。 ワイヤーアクションにしても、アウトライブ~飛天舞~の 方がずーっと見事です。 華やかなだけかもしれませんが、mocaはあの華麗なアクションが好き。 この<中天>は、CGが見事だわ。 適役が斬られる場面では、死人がまるで花びらのように散っていくのよ。 美しく、せつないわ。 mocaが泣いたのは、この死にゆくシーン。 イグァク(李郭)の昔の仲間ヒョ、ウングィたちが死にゆくシーンは、あまりにも悲しい。 冒頭では、中天で転生を待つ男(チョン・ソギョン:정석용)が笑わせてくれるわ。 笑いあり、アクションあり、これでストーリーさえマトモなら........... かなり破綻気味です。 自分の身代わりに死んだヨナが、なぜ記憶を消し、転生することを望まなかったのか、 そこをもっと観る者に伝えなければ、感動のラストはありえないわ。 それに、あの結末も、お粗末よねぇ.................. あんな定番の三流小説みたいなネタ、ほんとに子供向け映画並。 なんて芸のない映画なの。 ストーリー重視の方にはオススメできません。 さて、簡単なストーリーを、更に簡単にご説明。 退魔師イグァクは、自分を捕らえようとする追っ手から逃げる途中、 偶然に壊れた結界に足を踏み入れ、死の世界’中天’に迷い込む。 そこで、’中天’を守る天人ソファ(素花)に出会う。 なんと、ソファは自分の身代わりに死んでいった恋人ヨナだった。 しかしヨナは、天人となるために現世での記憶を全て捨てていたのだった。 自分を命を賭けて守ろうとするイグァクの真意が図れないソファ。 そんなソファに、「もう二度とお前を一人にはしない」と、イグァクは告げる。 そして、ソファを狙っていたのは、現世で兄弟のように育った退魔師仲間だとイグァクは知る。 イグァクの悲しい戦いが始まる。 イグァクと行動を共にするうちに、ソファの記憶が蘇る。 自分を見殺しにした恋人イグァク。 ソファはイグァクを拒む。 それでも、イグァクの心は変わらない。 ↓ 結末ネタバレ。 ご注意を↓ 自分の命を賭けてでも、ソファを守ろうとするイグァク。 イグァクの深い愛に気づいたソファ。 汚れた清水を清めるために、清水の中へと足を踏み入れるソファ。 しかし、その力を使えばソファは消滅してしまう。 「愚かな人間にそんなことができるのか?」 パンチュはソファに問う。 「できるわ。愛してるから」 ソファは清水に身を投じる。 闇に汚された中天が蘇る。 「俺たち、また出会えるかな?」 瀕死のイグァクはソファに問う。 「あなたの姿、永遠に忘れないわ」 ソファはそう答えると、光となり消えていった。 END ソファは転生できるっていうことですよね。 でも、イグァクは? 生身の人間が中天で死んだら転生できないのでは? それとも、中天では感じなかった香りを感じたということは、現世に戻ってきていたので? よくわからないラストですが、思い入れのない映画なのでどーでもよいです。 |
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