チョルスとヨンヒ  Chulsoo And Younghee  
 原題:チョルス ♡ ヨンヒ 철수♡영희(チョルス・ヨンヒ) <2004>

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チョルス・ヨンヒ

勉強はできないけれど、悪戯だけは全校一番である憎めない可愛い悪童チョルス (パク・テヨン)。学校 を終えて家へ帰っても、迎えてくれるのは、サイバー株式投資に命をかけるママと、「チョルスのバーカ」と叫ぶオウムだけだ。

その日も悪戯をして罰として立 たされたチョルスに、一世一代の事件が起きる。ヨンヒ(チョン・ハウン)が転校してきて、チョルスの隣に座ったのである。花屋を営む祖母と二人きりで住ん でいるヨンヒは、小柄だが早熟で賢い子。転校してくるや班長になるほど信頼できると見られるヨンヒにも、人には言えない辛さがあった。亡くなったママとパ パに対する耐え難い想いだ。両親との思い出が込められた音楽<ドナドナ>を聞かせてくれ、悩みをきいてくれる隣りのレコード店のお兄さんを好きになるヨ ンヒ。そんなヨンヒにチョルスは目もかけられないどころか、ハンサムで立派な男子班長ソンウもヨンヒが好きなようだ。

チョルスは、パパの忠告どおり率直な気持ちを伝えようとするけれど、チョルスの初恋はなかなか実らない。「落ちていたよ」と、人前で生理用ナプキンを渡し てヨンヒを怒らせたり、せっかく一緒に勉強することになったのに、授業中にうとうとしたり。だが、ヨンヒへの気持ちは変わらない。

冬が来て、<ドナドナ> を演奏する学芸会が近づき、チョルスは音楽が好きなヨンヒのために特別なプレゼントを用意する。

【予告編】

監督 ファン・ギュドク(黄圭徳) <1990>ビリから一等まで僕たちのクラスを訪ねます、<1991>今私 たちは愛したい、
<2004>チョルスとヨンヒ、<2004>20 のアイデンティティ、<2007>星の光の中へ

出演

パク・テヨン

<2004>チョ ルスとヨンヒ

チョン・ハウ ン

<2002>永遠の片想い(恋愛小説)、<2003>もし、あなたなら~六つの視線~、<2004>チョルスとヨンヒ
<2005>鬘 かつら

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【レビュー&ネタバレ】
この映画は、本国である韓国でも 知っている方が少ない映画では?
有名どころでは、チョン・ジニョン(王@王の男)が、他のクラスの担任で出演しているのだけれど。
まったくといって観客を集められなかった映画でございます。
小学校4年生が主人公で、その初恋と日常を描いたこの作品。
やはりネタ的に、視聴者の心を掴むのが難しいのでは?
TVで放送しているドラマだったら見ても、わざわざ映画館に観に行こうとは・・・
観たら観たで、それなりに楽しめるのだけれど。
日本人にとっては、韓国の小学生なんて目の当たりにする機会もないので、
ある意味、興味深いものではあるかもしれないわ。

ちなみに、チョルスとヨンヒという名前は、
日本でいえば、太郎と花子のようなものだそうです。

ヨンヒ役のチョン・ハウンちゃん。
この顔・・・見たことあるわ!
あー あの気色悪い男の子とそっくりだわー!!
韓国人に多い顔なのかしらー!
と思ったら・・・本人だったみたい!
名前が同じだもの・・・
もし、あなたなら~六つの視線~の中の
「その男、事情あり」に出演しているおねしょ少年よ。
なぜ女の子に男の子の役をやらせたりしたのかしら・・・
とにかく、「嫌いな顔」を通り越して、見ていて気持ち悪くなっちゃうのよー
どーしてでしょー?
この映画で観ているうちに、可愛く見える時もあるのね・・・と、
少しだけ耐えられるようになったけど。
そして、もう一つ。
こちらは覚えのある方もいらっしゃるのでは?
永遠の片想いの、イ・ウン ジュの子役 でございます。
ソン・イェジンの初恋の子という設定だから、男の子っぽい子が要求されるのでしょうね。
確かに男顔よね。

チョルス役のパク・テヨン君は、見てるだけでホノボノするわ。
mocaが教育実習で小学校に行った時、こういう子がいたわ・・・
3年生だったけど、まさにこのチョルスのような子だったわ。
けど、チョルス同様憎めないのよ。
素直で、正直で・・・
いつも怒ってばかりいたのに、「先生、結婚して」と、プロポーズまでされて・・・
当時を思い出したりして、なんだかちょっと、心が洗われたかも・・・

物語の中心は、チョルスやヨンヒたちの日常と、チョルスの初恋。
転校してきたヨンヒに、チョルスは一目惚れしたらしく・・・
ストーカーのように後をつけたり、
テストで一番になったヨンヒが前に出て模範解答を示した時にお漏らしをしてしまい、
それを隠してあげようと、罰で頭上に乗せていたバケツの水を浴びせ、怒られたり・・・
子供の「好き」という気持ちは純粋で、懸命で、恐れを知らなくて・・・
ちょっと羨ましくなるわ。

ヨンヒはヨンヒで、CD屋さんのお兄さんに恋し、
お兄さんが想いを寄せる本屋のお姉さんにヤキモチをやいて意地悪したり・・・

ちょっと子供の頃の正直な気持ちに帰れる映画かも。
逆に、残酷さも描かれているけれど・・・
一人をいじめたり、のけ者にしたり・・・
お金や権力のある者が勝者だったり・・・
これは大人も同じで、ヨンヒの担任の教師も、
鉢植えをプレゼントしたヨンヒの祖母そっちのけで、
金持ちのユリの母ばかりに愛想を振りまいたりね。

まったりと流れるように進んで行き、特に面白みもなく・・・
けど、クライマックスに向かう頃、不意をつかれ、泣いてしまったわ・・・
ただ、子供が主人公の映画なので、
誰でも心にくるものがあるわけじゃないと思います・・・

一つ気になるのは・・・
小学校4年生で初潮は早過ぎませんこと?


ストーリー的には、子供たちの日常で、
誰かが喧嘩したり、悪戯したり、怒られたり・・・
そんな感じが続きます。
なので、クライマックスだけネタバレしますわ。

ヨンヒが落とした生理用ナプキンを拾ったチョルスは、
ソンウと一緒にいたヨンヒに「落ちてたよ」と差し出し、ヨンヒの怒りを買う。
翌日、ソンウにプレゼントされたペンダントをつけて登校したヨンヒ。
「見せてよ」と、チョルスにペンダントを掴まれるが、
昨日のことを怒っているヨンヒはチョルスを突き飛ばし、
その拍子にペンダントは壊れてしまう。
それ以来、ヨンヒはチョルスと口を利いてくれない。
ヨンヒと仲直りしたいチョルスは、音楽が大好きなヨンヒに、
CDプレーヤーをプレゼントするため、新聞配達のバイトを始める。
ようやくお給料を貰い、CDプレーヤーを買い、意気揚々と学校に向かうが、
教室で、金持ちのユリが持っているCDプレーヤーが盗まれるという事件が起きる。
カバンの中にヨンヒのプレゼント用のCDプレーヤーを持っていたチョルスは、
真っ先に疑われる。
ユリも、自分のものに間違いないと。
罰として、トイレ掃除をさせられるチョルス。
しかし、家に電話したユリは、自宅に自分のCDプレーヤーがあることを知る。
先生に正直に告白するユリ。
先生はCDプレーヤーのポーチを開け、ヨンヒへのメッセージが書かれたカードをみつける。
驚愕し、トイレに向かう先生。
「なぜ本当のことを言わなかったの?」と。
「言っても信じてもらえないから・・・」と、チョルスは涙を浮かべる。
「ごめんね、先生が悪かったわ」と、チョルスを抱きしめる先生。

ヨンヒのために一生懸命新聞 を配るチョルスに心が洗わ れ、
このトイレでの先生とのやり 取りには、涙がボロボロとこ ぼれたわ・・・
いつも明るいチョルスだけれ ど、傷ついていたことでしょ う・・・

ヨンヒと仲直りし、まるで小 さな恋人のよう(笑)
二人でCDプレーヤーのイヤ ホンで音楽を聴いている時 に、
毎日ヨンヒの祖母の花屋に花 を買いにくるお爺さんがお墓 に花を供えているの。
お婆さんは「毎日奥さんにお 花を買っていくのよ」と話し ていたけれど、
亡くなった奥さんに、だった のね・・・
こういった細かなところで、 心が温かくなる映画よ。

そして、クライマックス。
学芸会で、「ドナドナ」の合奏合唱をすることになる。
この曲は、ヨンヒの亡くなった両親の思い出の曲。
ヨンヒは、両親への恋しさでいっぱいになる。
そして、発表会当日。

チョン・ジニョンのスピーチ もちょっといいのよね。
それにしても・・・役作りの ため?別人かと思った わ・・・
贅肉が・・・ブルドック先生 だから?

マーチングバンドのような演奏を繰り広げる中、
突然ヨンヒは立ち止まり、動けなくなってしまう。
その目線の先には・・・
亡くなったヨンヒの両親が、温かく見守っていた。
両親に微笑むヨンヒ。
両親は「よかったぞ」と、いうように拍手をし、消えていく。

こんな、ありえない!という シーンなのに、涙が止まらな かったわ・・・
自分でも気づかないうちに、 映画を観ながら少しずつ種を 蒔かれて
最後に花開いた・・・そんな 感じがするわ。
いつのまにか、ヨンヒに感情 移入していたのね・・・
それにしても・・・
マーチングバンドのような形態はステキだけれど、あまりにも下手すぎじゃ?
一応映画なんだし・・・

この日に撮った写真が大きく引き伸ばされ、廊下に飾られている。
写真に悪戯する子供たち。

ヨンヒ、元気か?
俺は今、昆虫を収集する科学者をしているよ。
ヨンヒはどうだい?

チョルス、久しぶりね。
私は児童文学作家になるつもりよ。
忘れていないでしょうね?
あなたは私の作品のファンでいなきゃよ。

じゃあね、また会う日まで。

成長したチョルスとヨンヒの ナレーションで幕を閉じるこ の映画。
最初は、誰?と思ったわ。
ヨンヒの亡くなったお父さ ん?とか・・・悩んじゃった わ。
ヨンヒのナレーション(手 紙)を聞いて、ようやく成長し た二人だと・・・
チョルスの初恋が実ったかは 定かではないけれど、
いい関係を築き続けてきたよ うね。




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