俺たちの明日  Boys of Tomorrow 
 原題:俺たちに明日はない 우리에게 내일은 없다 (ウリエゲ ネイルン オプタ)<2007>

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幼なじみのギス(キム・ビョンソク)とジョンデ(ユ・アイン)は、兄弟よりも強 い絆で結ばれて育った二人。子どもの頃は年上のギスが悪役をやり、ジョンデがヒーロー役だったが、成長したジョンデはやがて不良少年となり、何かあるとい つもギスに助けられていた。

真面目で物静かなギスの夢は、モルジブの浜辺でドラムを叩くこと。ビルの地下にあるスタジオに住み込み、バンド活動をしながら働いている。そしてもう1 つ、ジョンデに成功して欲しいと願うギスは、喧嘩ばかりしている彼に洗車の仕事をさせることにする。ジョンデの夢は、いつか本物の銃を手に入れることだっ た。

ある日、ジョンデはギスにお金を借りて、闇ルートでついに銃を入手できることになるが、詐欺に遭い金を失ってしまい荒れ狂う。ボロボロになっているところ を ギスに助けられ病院へ運ばれるが、駆けつけたジョンデの母親は、過去のことでギスを責めた。少年時代、ある出来事がきっかけで、ギスは衝動的にジョンデの 身体を傷つけてしまっていたのだ。

ギスの部屋には、突然、転がり込んだ兄から押し付けられた幼い息子ヨハンがいた。兄は逃げた妻を探し歩いている。だらしない兄とホステスの兄嫁。ギスは情 緒不安定なヨハンに、かつてのジョンデの姿を重ねていた。その頃、ジョンデは親友に誘われて入った風俗店でトラブルを起し、ヤクザに目をつけられ る....
【予告編】
監督 ノ・ドンソク <2004>マイ・ジェネレーション、<2006>3番目の視線 segment 3 険しい人生、<2007>俺 たちの明日

出演

ユ・アイン <2006>俺 たちの明日、<2007>よいではないか、<2008>ア ンティーク ~西洋骨董洋菓子店~
<2009>ハヌルとパダ



【チョン・ジョンテ】
ユ・アイン
【ギス】
キム・ビョンソク
【ジョンウン】
キム・チョロン

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【レビュー&ネタバレ】
2007年5月公開。観客動員数は、約3000人。
スクリーン数たった5つで、3000万の動員は大健闘。
日本で開かれた韓国アートフィルム・ショーケース2008作品でもある。
インディーズ特有のザラついた質感と、閉塞感が何ともイイ味を出している。
美しいけれど空虚な都会の冷たさを感じるような美しさ。
音楽と映像がマッチして、美しい。後悔なんてしないの ような美しさがある。
mocaの好きなタイプのインディーズ映画。
地味だけれど、良い小作品。

ストーリーとしては、マンネリした青春モノ。
だけれど、未来に対する不安感と焦燥感を抱いた青年の姿を見事に描いている。
兄弟以上の絆を持った二人の関係にも感銘を受けるし、衝撃的だ。

俺たちに明日はないという原題の方がインパクトがあるけれど、
俺たちの明日というタイトルが、希望的な明るいラストにふさわしい。

ユ・アインの演技がとにかくいいのだ。
アンティークでは見られなかった新鮮さが光 る。そして、こんなにかっこいいとも知らなかった。



↓  結末までネタバレ!ご注意を!! ↓


(このロケ地、本当によく使われるよね)

ギスは常にジョンテの味方だった。ケンカになれば必ず駆けつけジョンテを助けてくれる。
しかしジョンテはこんな毎日に嫌気がさしていた。
銃が欲しかった。
銃を手に入れることがジョンテの夢だった。
世の中は不満だらけで、学校は敵だらけだった。だから、銃が必要だった。
ジョンテは銃の代わりに消火器を撒き散らし、高校を中退した。


真面目なギスは心からジョンテの成功を願っていた。
そして、高校を辞めたジョンテに洗車の仕事を始めさせた。
ジョンテはギスに尋ねる。
「형(ヒョン)にとって、一番近い未来は?」
ギスは答える。
「明日」

ギスはモルジブの浜辺でドラムを叩くことが夢で、代行運転をしながら地道に生活していた。


おもちゃの銃を振り回しながら、本物の銃が欲しいと嘆くジョンテ。
銃があれば、何でもできると思っていた。

一方ギスは、兄が逃げた妻を捜すために、まだ幼い息子を連れて転がり込んできた。
ギスは仕方なく甥のヨハンを預かるハメに。


幼い頃、離婚した父が突然尋ねてきた。
そして、母の家をギャンブルの抵当として売ってしまった。
それから、母も、家庭も、おかしくなった。


ついに本物の銃が入手できるという情報を聞き、ジョンテはギスに金を借りて待ち合わせの場所へ向かう。
しかしそれは詐欺だった。金だけ失ったジョンテは自暴自棄になる。
ギスに助けられ病院に入院するが、宗教を重んじるジョンテの母はすぐに退院させてしまう。


ジョンテは親友に連れられて風俗店にやってくる。
しかし風俗嬢を銃で脅かし、店のヤクザに捕まってしまう。


風俗店のキム社長と会ったジョンテは、すぐさま魅了される。
「キム社長のように男らしく、かっこよくなりたい」
ジョンテはキム社長に告げる。
ジョンテは、キム社長の風俗店に就職することになる。室長として。


ジョンテの母とキム社長は、一時恋仲だった。
ジョンテの母はジョンテを返すよう頼むが、「自分から来たんだ」と、キム社長は断る。


先日銃で脅かした風俗嬢が指輪を失くして捜して欲しいという。
指輪をみつけ、ジョンテとジョンウンは親しくなる。
ジョンテの母に「ジョンテを守って」と頼まれたギス。ジョンテを心配したギスは風俗店にやってくる。
ジョンテを諭すギス。
「ヒョンは何も変わってない!室長の次は部長だ、部長の次は社長だ!」
ジョンテはギスの忠告を無視する。


ジョンテはラブホテルから出てきたジョンウンと遭遇する。
「なんで、お前があそこから出てくるんだ」
ジョンテは尋ねる。
「それを私に聞く?」
ジョンウンは不愉快になる。
「私をここへ送った奴へ聞いたら?」
ジョンウンは言い放つ。
「誰が?」
ジョンテは尋ねる。
「キム社長」
それを聞いたジョンテはショックを受ける。


ギスは直接キム社長にジョンテを返すよう直談判にやってくる。
その時、銃声が。
慌てて駆けつけるギス。そこにはジョンテがいた。


ジョンウンに小便をかけてもてあそぶ刑事に逆上したジョンテが刑事を痛めつけたのだった。
ジョンテは刑事が手放した銃を素早く拾う。


風俗店が刑事に逆らったどうなる!と、部長に叱責されるジョンテ。
ジョンテは先程拾った銃で部長を撃つ。


ジョンテはキム社長をも撃とうとするが、後ろからギスがキム社長を殴打してしまう。


ギスは、自分一人が自首すると言い出す。
ジョンテには、ヨハンの母親を捜して欲しいと頼んで。
(社長も部長も死んでないでしょう?自首してもバレるんじゃあ?)


ジョンテはヨハンとジョンウンを連れ、ヨハンの母親を捜しに出る。
難しい質問ばかりしてくるヨハンに、もっと簡単な質問をして欲しいとジョンテは頼む。
「立派な少年になれますか?」
ヨハンは尋ねる。
「はい」
ジョンテは微笑みながら力強く答える。

END


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