うつせみ  3-iron 
 原題:空き家 빈 집(ピン チプ) <2004>

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テソク (ジュヒ)はバイクに乗り、家々のドアにビラを貼り付けてまわる。そし て、ビラが落ちていない家は留守だと判断し、しばらくそこへ住みつく。そうやって生きてきたテソクは、ある空き家であざだらけの一人の女に会う。

夫の執着 と所有欲のために疲弊し、壊れたまま幽霊のように生きていく女ソナ(イ・スンヨン)。テソクは、空き家でないことに慌て、ソナを残したまま急いで家を抜け 出す。 しかし、「私を連れていって」と願うようなソナの虚しい目が忘れ去れなかったテソクは、またソナの家へ戻る。そして、そこで夫の強制的な暴力、耽溺にもが いて苦しがるソナを見てしまう。耐えられない光景の目の当たりにし、テソクは思わず手にした3番アイアンのゴルフクラブを振り回し、ソナを救って逃げる。

テソクがしてきたように、一緒にビラを貼り付けて空き家を探してまわる二人。まるで自分が住んでいたように取り散らかした空き家をきれいに片づけ、壊れた 物を直すテソクを見て、ソナは初めて自分が空き家でない家にいるような温もりを感じる。テソクは少しずつ笑いを取り戻すソナにますます惹かれるようにな る。

そんなある日、偶然に見つけた空き家で、冷たく捨てられた老人の死体を発見した二人は、心を込めて葬儀を行い、空き家での幸せな時間を夢見る。しか し、老 人の息子が押しかけて二人は警察に連行される。そして、ソナの身元を把握した警察は、テソクに拉致と殺人、無断家宅侵入という容疑をかぶせる。
日本公式ホームページ:http://www.herald.co.jp/official/utsusemi/

【予告編】

監督 キム・キドク(金基徳) 作品一覧

出演

イ・スンヨン (李丞涓)

<1998> ラ ブストーリー ひまわり編、<2002>憎くても もう一度 2002、<2004>うつせみ

ジェヒ

<1999> 愛 のゴースト、<2004>う つせみ、<2005>ケ ンカの技術、<2007>一片丹心二股(公開未定)、
<2007>伝説の故郷、<2008>マンデート:神が与えた任務

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【レビュー&ネタバレ】
第61 回ヴェネチア国際映画祭最優秀監督賞(銀獅子賞)受賞作品。
キム・ギドクといえば、映画好きな方なら既にご存知よね?
この「空き家/うつせみ」の前作(同年2004年作品)「サマリア」は、かなり話題になった作品ですし。
サマリアは、第54回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞) を受賞。
世界3大映画祭のうち2つの映画祭で、
しかも、続けて監督賞を受賞する記録を打ち立てたすごーい監督でございます。
なんだけど、mocaはとにかく、キム・ギドク監督作品は苦手なのよ~ うけつけないの~
受取人不明、悪い男、コースト・ガードを観たんだけど、観た後どれだけ後悔したことか・・・・・
キム・ギドク哲学があるのは伝わるけれど、
単調で何が言いたいのかハッキリ明示されず、その上題材が野蛮というか・・・・・
考えさせられるテーマではあるのだけれど、あまりにも飛躍しすぎててついていけないし・・・
なんだけど、この「空き家」と「サマリア」だけは良かったわ。映画祭受賞作品だけあるってこと?
この作品以降の作品なら、mocaでもうけつけるかしら?
だけど、積極的に観ようとは思えません・・・
「時間」の方はちょっと面白そうな題材だけど。
「空き家」と「サマリア」なら、文学的作品が苦手な方でも、
キム・ギドク監督が苦手な方でも、そこそこ気に入って頂け るかもしれないわ。


【テソク】
ジェヒ
【ソナ】
イ・スンヨン
【ミンギュ】  ソナの夫
クォン・ヒョゴ
【チョ刑事】
チュ・ジンモ


とにかく、ジュヒがよかったわー
キレーな顔立ちで、すぐに引き込まれちゃったのよ。
このキレーな顔立ちのジュヒ演じるテソクが、チラシを貼り、
空き家(といっても、留守宅よ)に忍びこみ、不可解な行動を取る・・・
その不可解さに、引き込まれちゃうのよね。
で、ソナを癒してあげるテソクにまた惹かれ・・・・・
ゴルフボールで怪我を負わせ、泣きじゃくるテソクにまたまた惹かれ・・・
お爺さんの遺体に死に装束(寿衣:ジュイ、スイ、スエ)を着せてあげるテソクに
またまた惹きつけられるのよ。
一言も言葉を発しないテソクなんだけど、だからこそ惹かれちゃうのかな・・・
空き家、というのは、人の孤独感の比喩なんだと思うんだけど、
テソクは孤独感を抱え、抜け殻・・・空蝉のように生きているんだよね。
そして、もう1人の空蝉のように生きる女ソナ・・・・
言葉は交わさなくとも、お互いの心が手に取るようにわかるんだよね。きっと・・・
これは孤独感を抱える者同士にしかわからないものかもしれないわ。
mocaとしては、なぜテソクが孤独感を抱えるのかまで知りたくなるほど、
テソクにのめり込んじゃいました(笑)
いやーほんとに・・・、かなりスキ(笑)
留守宅に忍びこむこと自体犯罪だし、そこで寝食いをしてるのだからタチが悪いんだけど・・・
家の中の壊れたものを直してあげたりして・・・憎めないよね・・・・・。
ソナに対しても、癒してあげたりして・・・優しさが伝わるもの・・・。
mocaは、テソクとこんな風に生きていきたいわよー!!
テソクの善意だったのに、結局老人殺しの罪までかぶせて・・・・
テソクよりも、もっと罰せられてもよい人間がたくさんいるじゃない、特にソナのダンナ!
犬畜生のような人間がたくさんいるじゃない!!
テソクの罪が、罪とは思えなくなる・・・
それって、世の中の人間がどれほど腐ってるかということね・・・
誰も家にいないから「空き家」なんじゃなく、
「人間のぬくもり」を感じなければ、それは空き家のようなもの。
ちょっとユン・ソクホ監督みたい(笑)


最後は、投獄され、獄中で気配を感じさせない術を磨くテソクなわけだけど、

↓の写真はネタバレです!これ以降はネタバレなので注 意です!



ソナ以外の人間の目には映らなくなったテソク。
ダンナもソナが自分に対して微笑みか けたり、愛し てる!と言ったのだと錯覚し、幸せに浸るのよ。
けど、その現実の世界とは別に、誰にも見えないテソクとソナの世界があるわけで・・・・
テソクとソナは、2人だけで別の世界に生きてるわけだよね。
実際に生きているけれど、他人の目に映るソナは空蝉・・・抜け殻のソナというわけでございます。
絶対にありえない!!
話だけれど、なんだかステキだと思いませんこと?




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