誰が俺を狂わせるか  Who drives me mad ? 
 原題:誰が俺を狂わせるか 누가 나를 미치게 하는가(ヌガ ナルル ミチゲ ハヌンガ)<1995>

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製薬会社のセールスマン、イ・ジョンドゥ(イ・ビョンホン)は、大学時代から小 説家を目指していた が、今は7回挑戦した新春文芸への応募を諦め、恋人キム・ジュヨン(チェ・ジンシル)を追いかけ、彼女が就職した製薬会社に入社する。

彼は、ジュヨンと の結婚だけが人生の目標と考え、彼女の見合いを妨害。このため勘当されたジュヨンは、ジョンドゥの家に転がり込む。しかし、ジュヨンは、ジョンドゥの求愛 を受け入れない。

そんなある日、社内の人事異動で、ジュヨンがジョンドゥが勤める支店の主任に昇進する発令が出され、ジョンドゥのストレスは頂点に達す る。ジュヨンの飛び抜けた能力は、会社の同僚たちを感動させるが、ジョンドゥは無能力のセールスマンとして烙印を押される。

予備軍の訓練に行ったジョン ドゥは、酒を飲むうちに怒りが頂点に達し、偶然手に入れた実弾入りの銃を持ち、ジュヨンの実績を祝うパーティーが行われているビヤホールに乱入する。

監督 ク・イムソ <1995>誰 が俺を狂わせるか

出演

イ・ビョンホ ン(李炳憲)

出演作品一覧

(故)チェ・ジンシ ル

<1990> 南部軍、<1995>誰 が俺を狂わせるか、<1996>ゴースト・ママ、<1997>ホリデー・イン・ソウル、<1997>ベイビー・セール、<1997>手紙 The Letter、<1999>マヨネーズ、<2000>燃ゆる月

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【レビュー&ネタバレ】
イ・ビョンホンの初主演作。
JSA以前は、’イ・ビョンホンの出演作は興行に失 敗する’というジンクスがあったそうで、
この作品も、その一つ。
けれど、原因は彼にあるわけではなく、作品に恵まれなかっただけだと思うわ。
確かに、まだチケットパワーがあるわけでもなかったかもしれませんが、
彼の演技に非はないわ。

相手役は、国民的アイドルだったチェ・ジンシル。
mocaは、彼女がなぜそれほどまでに人気があったかの方が不思議。

10年も前の作品だから古いし、とりわけ面白い作品でもないし、
イ・ビョンホンファン以外はわざわざ観るほどの価値はないわね。
けど、彼の初期作の中ではほどほどに観るに耐えるわ。
今回は二枚目役ではなく、思いっきりダメダメぶりを発揮するイ・ビョンホンも見物。
彼のお尻マニアには必見。この映画でも披露しております。
が、いつもの美女を抱きながら云々・・・ではなく、エロビデオを見ながらティッシュ片手に・・・
という、かなり天晴れな演技です。

<彼女は最高>で、カン・ソンヨンの父の執事だったチェ・ジョンウォンや、
<オールイン>で、イ・ビョンホンの友達だったイム・デホなども出演しております。
ビヤホールのウェイター、クォン・ヨンウンがかなり笑わせてくれるわ。
気になったのが、冒頭で結婚式の写真を撮っていたカメラマン。
雪の女王のドンピルこと、 イ・チョル ミンでは?(笑)
<初恋>では、ドンパルの食堂の調理師。<初恋>は1996年放送だから、ほぼ同時期よね。




ストーリー自体は、説明するほどもないほど簡潔。
冒頭では、イ・ビョンホン演じるジョンドゥの不運さを一挙にアピール。
大学時代からの恋人ジュヨンに別れを切り出され、
公園で一人侘しくパンを貪りながら結婚式の撮影風景を見物していれば、
犬が靴をくわえて逃げ、追いかければ、新郎新婦にタックルし、殴られる。
片足裸足のまま歩いていれば、急に雨が降ってくる。
道を歩いていて、車に鞄が当たり薬をバラまいて・・・というのは自業自得ですが。

ジョンドゥはジュヨンの見合いに乗り込んで
「こいつとの間に2人子供がいる。今腹の中には3人目がいる」
と見合い相手に言い放ち、見合いをブチ壊す。
それが原因で、ジュヨンは家を追い出され、ジョンドゥの家に転がり込む。
「結婚する気になったか?」と、ジョンドゥは喜ぶが、同棲ではなく、同居。
部屋は別々、自分のことは自分でする、干渉しない、というルールを突きつけられる。
夜中ベッドに忍び込めば、「自分のことは自分でしろって言ったでしょ」と、蹴落とされる。
エロビデオを見ながら自己処理していれば、
これまたお冠で、ビデオデッキを投げ捨てられそうになる。
挙句の果て、ジョンドゥの先輩が小説デビューしたと、本を投げつけられ
「恥ずかしくないの?」と、なじられる。
しまいには、ジョンドゥの支社にジュヨンが上司として赴任してくる。
歓迎会では、ジュヨンの家(実はジョンドゥの家)が近所だと知った同僚は、
ジュヨンの家で二次会を!と言い出す。
ジョンドゥは振り回され、こき使われ、バカにされ・・・
怒りが頂点に達し、「この生意気な女は俺と同棲しているんだ!」と叫ぶが、
誰も相手にせず、その上、雨の中家から追い出されてしまう。

ジョンドゥは会社でも落ちこぼれ。
一方、ジュヨンは輝かしい業績を上げる。
ジョンドゥのストレスは限界。

と、前半はジョンドゥの不運さ、やるせなさを描いて、結末へ突入。
軍隊の予備訓練(兵役終了後4年間は年に40時間、その後4年間は20時間の訓練がある)
に参加したジョンドゥは、銃を持ちながら飲んでいるうちに怒りが頂点に達し、
ジュヨンの業績を祝うパーティーに銃を持って乱入する。

さて、結末です。


銃を持ち強気になったジョンドゥは、鬱憤を晴らし始める。
ジョンドゥを’KGB’と呼びバカにしていた上司には、
元山爆撃(ウォンサンポッキョク:腕立て伏せの姿勢で頭を地面につけさせる)をさせ、
支店長の不倫を暴露し、支店長の妹の店に社員をイヤイヤ来させるなと怒り、
ハエの止まった麺を出した中華店主には、ゴキブリを潰したフライドポテトを食べさせ、
ジュヨンをイヤらしい目で見ていたファン主任には、ビヤホールのママに奥さんに電話させ、
不倫しているように見せ掛け、罰を与える。
その場にいる人間一人ずつ、いかにろくでもない人間かを暴いていくジョンドゥ。
「こんな奴らと一緒にいるんだ。気も狂うだろう?」と、ジュヨンに訴えるが、
逆に今度は皆からジョンドゥが責められる。
「おまえだって、ろくなもんじゃない」と。
ジュヨンは軽くジョンドゥの銃を奪い、言い放つ。
「まだ気づかないの?あんたに気づいて欲しいから、わざと追い詰めたのだ」と。
ジュヨンは、ジョンドゥを立ち直らせようとしていたのだと。
ジュヨンの想いにようやく気づいたジョンドゥ。
ジョンドゥは警察に連行されていくが、人質になっていた人々はジョンドゥにエールを送る。
ジュヨンもジョンドゥにキスをする。
「こんな俺でも待っていてくれるか?」
「毎晩こんな獣の相手をしなきゃなんて、大変だわ」

END

荒療治は、効いた時はすごい効果を発揮するかもしれませんが、
やり方を間違えたら、相手を地獄に突き落とすわね・・・
ジュヨンのやり方には、’愛’を感じなかったし。
ジョンドゥの’不運’も、同情するほど不幸には思えないし、
確かに、腹の立つ人間もいるけれど、ジョンドゥもそれほどの人間でもないし・・・
誰でも共感できる設定を考えたのかもしれなけれど、
逆に、ジョンドゥの独りよがりに思えてしまう。
ラストは、救いがあってよかった・・・と思うけれど。
あんな風にはなかなかいかないものよね。
腹を割って話せることって、すごく大切なものだと思うけれど。







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