ウェディングドレス Wedding Dress |
原題:ウェディングドレス 웨딩 드레스 (ウェディン ドレスゥ)<2010> |
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監督 | クォン・ヒョンジン | <2000>MOB 2025(インターネット映画)、<2006>私のちいさなピアニスト、<2007>トラック、 <2010>ウェディングドレス |
出演 |
ソン・ユナ(宋允兒) | <2002>ジェイル・ブレーカー、<2004>フェイス、<
1999>ラブストー
リー 遺失物編、<2006>愛を逃す、 <2006>アラン(阿娘)、<2009>シークレット、 <2010>ウェディングドレス |
キム・ヒャンギ | <2007>マ ウミ...、<2008>プチトマト、 <2008>ガールスカウト、<2010>ウェディングドレス |
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【レビュー&ネタバレ】 |
2010年1月公開。動員数は約150万人という無難な数字。 お涙頂戴のオーソドックスな内容。 韓流の王道。 でも、同じよーな内容には、新鮮さがないのよね。 やはり死にゆく母と娘の物語ですから、それなりにせつないのですが... 小さなピアニストが好きな方ならお勧めで す。 小さなピアニストも、大きな感動はないも のの、心があったかくなる作品でした。 この映画も、そんな映画です。 この映画の良さは周囲の人間の魅力にあると思います。 まずは、兄一家。 何よりも兄嫁であるジヘがいいのです。 良き母、良き妻、良き女... まさにそんな人です。 そして、ゴウンの上司に、テコン教室の館長。 イ・ギウはサブストーリー的というか、物語の核心から離れているのでストーリーからは省いています。 でも、このイ・ギウが良いんですよ。 この映画のムードメーカーといったところでしょうか。 ↓ 結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ) ↓ 降水確率80%以上でも、朝雨が降っていなければ傘を持っていかないソラ。 ゴウンは仕事中ソラを車で向かえに行く。 「降水確率80%以上なら、傘を持って行かなきゃ。仕事抜け出すの大変なんだから」 ゴウンはソラに言い聞かせる。 ソラはバレエを習っていた。 しかし教室へ入ると気まずそうに出てきてしまう。 クラスメイトのジナと顔を合わせたくないのだ。 ゴウンは逃げた知り合いから金を取り戻し、おいしいものをソラにご馳走した。 「オンマ、お金持ちになったの?」 ソラは喜ぶ。 ソラがゲームが欲しいと言えばゲームを買い、テレビが古臭いと言えば最新型のテレビを買った。 朝、ソラの髪をとかし結んでやるのがゴウンの日課。 「自分でできるようにならなきゃ」 ゴウンは促す。 食事はいつも兄の家で食べるゴウンら。ゴウンは料理がからきしダメなのだ。 昼休み中の兄をカーショップに連れて行くと、高級車を買い与えようとするゴウン。 兄は今の車で十分だと断る。 「明日は遠足」 とソラから聞いてゴウンは慌てる。お弁当作らなきゃと。 「いつものように買おうよ、オンマ」 ソラはゴウンに全く期待していない。 しかしゴウンは何度も失敗しながら、初めてのキンパブ(のりまき)を完成させる。 しかし、翌日は雨だった。遠足は中止。 「せっかくの初キンパブを家で食べれますか!」と、ゴウンはドライブに出る。 雨の降っていない海岸で、楽しい親子の一時を過ごす。 家族が集まったチェサ(祭事)の最中にゴウンは倒れる。癌だったのだ。 残されたわずかな時間のため、ゴウンは必死に母親をやろうとしていたのだった。 ソラは学校でジナとケンカになる。 ソラのバナナ牛乳をジナが半分飲んでしまったのだ。 「私、バナナ牛乳好きだから」と、笑うジナ。 怒ったソラは、ジナの給食のおかずに残ったバナナ牛乳をかけてしまう。 「好きならどうぞ」と。 二人がそんな犬猿の仲になったには理由があった。 ある日体育の授業の後、喉が渇いたジナがソラのお茶を飲んでしまったのだ。 ソラは他人が口をつけたものを受け付けない潔癖症だった。 「どうして人のものを飲むの!あんたは乞食!?」 ソラはジナに言い放つ。 それ以来ソラは、クラスに友達がいなくなってしまった。 ゴウンはその話を担任から聞かされる。 「ソラ、どうしてみんなと一緒にご飯を食べれないのかな? おかずも分けっ子して、おしゃべりしながら食べると、もっと仲良くなれるよ」 ゴウンはソラを諭す。 「汚い」 しかしソラは受け入れられない。 「じゃあ、大人になって恋人ができたらどうするの?キスもしないの?」 ゴウンはたしなめる。 「一人で生きていくもん」 ソラはつっぱねる。 「一人で生きていくってことがどんなことかわかるの?」 ゴウンは問う。 「一人で宿題して、一人でご飯を食べて、ママを待ちながら一人で寝て、全部一人でしてきたよ。 何で一人で生きられないと?」 ソラは言い放つ。 「それはオンマが忙しかったから」 ゴウンは言い訳する。 「じゃあ、ずっと忙しくしてて、伯母さんに頼むから。伯母さんの方がずっとよくしてくれる」 ゴウンはソラの言葉に打ちのめされる。 ソラの言葉に傷つきながらも、ゴウンは母としての気持ち、ソラを想う気持ちが溢れてくる。 泣きながらソラを抱きしめる。 ある日ソラは伯母のジヘに家まで送ってくれとせがむ。 そしてソラは尋ねる。 「オンマ、すごく悪いの?」と。 驚くジヘ。 「毎日吐いて、薬もたくさん飲んでる」 ソラは尋ねる。 「そう、すごく悪いの。でも、病院に通ってるし、私たちも祈祷しているからすぐによくなるわ」 ジヘはソラをなだめる。 「嘘だ」 ソラは告げる。 「全部わかってる。大きな病院に行って、たくさん薬を飲んで、しょっちゅう倒れて、いっぱい吐いて....死んじゃうの?」 ソラはジヘに問う。 ジヘは言葉に詰まる。だが、はぐらかすことはできなかった。 翌朝もゴウンはトイレで吐いている。 ソラは自分で髪をとかしピンで留め、何事もないかのように明るく「学校行くね」と家を出る。 しかし家を出た途端、大粒の涙がポロポロ溢れる。 ソラは辛い母を気遣う。 「オンマ、今日からここで暮らそう。どうせ食事はここなんだし、行ったり来たり面倒だよ」 そう言って、ゴウンの荷物まで用意してきた。 呆然とするゴウン。 そのそばで、「よくやったわ」と言わんばかりにかすかに頷くジヘがいた。 ゴウンが余命幾ばくもないことを知ったミジャは、 ゴウンがやり残したウェディングの仕上げを一人で泣きながらこなす。 それを見たゴウンは感動する。 ゴウンの元へ姉のヨウンが訪ねて来る。 「ソラをどうするつもりか」と。 自分らは夫の事業が失敗しカナダへ移民するのだと。そして、ソラも連れて行くと言い出す。 カナダの教育環境は、ここよりもよいと。 しかしヨウンはとんでもないことを尋ねる。 「保険金の受取人はソラよね?」と。 ゴウンは姉に言われたことをジヘに話す。 怒ったジヘはヨウンの家に乗り込み、ヨウンの頬を叩く。 「それでも人間なの?死にゆく我が身よりも、残していく我が子の身を案じる母親に何を言ったと思うの! 生活が苦しいなら、自分たちだけで出て行って!どこに救いの手を伸ばしているのよ! ゴウンとは一緒に暮らしてきたわ。ただの小姑じゃなく、友達であり、家族なの。ソラのことも自分の娘だと思ってる。 ゴウンは死ぬのよ。死んでしまうの!」 ジヘの剣幕に何も言えないヨウン。ジヘの言葉でようやく目を覚ます。 「そんな風に食べてうまいかよ。お前、友達とトッポギも食えないだろう。結婚もできないな」 ソラの従兄ミヌはソラに言い放つ。 「あんたのような豚とは結婚しないから!」 ソラは言い放つ。 するとミヌはスプーンをベロベロとなめて、ソラのスープの皿に入れてしまう。 「食べなさい」 ゴウンはソラに言い放つ。しかしソラは口にしない。「イヤだ、汚い」と。 業を煮やしたゴウンはソラを諭す。 「そのクセを直さないの?この前は友達と、今日はミヌと。伯父さんも伯母さんもどれだけ親切にしてくれてるか。 こんな風に生きていくの?誰がこんな子を受け入れてくれるの!」 ソラは泣き出す。 「オンマが長生きして、それで私を受け入れてくれたらいいじゃない」と。 「おもちゃもゲームもいらない。捨ててもいい。それを買ってくれるオンマがいないなんてイヤだ。 オンマが大好きなのに... どうして離れようとするの。私にはオンマしかいないのに.. オンマ、死なないで。私と一緒にいて」 ソラの言葉に、ゴウンは涙が止まらない。 その夜、ゴウンは意識を失い救急車で運ばれる。 ソラは、またバレエを習いたいと先生に訴える。 「今までのクラスは発表会の練習で手一杯だから、ソラはついてこれないわ。 他の時間にしてくれない?」 先生は告げるが、ソラは頑張るからと、何とか認めてもらう。 ソラはジナにプレゼントを渡す。「お願いがある」と。 そして、「喉が渇いてるの。それ、飲んでもいい?」と、ジナの飲みかけの牛乳を飲む。 驚くジナ。 「ジナ、乞食なんて言ってごめんね」 ソラは謝り、仲直りする。 ゴウンの願いごと。 友達と仲良く遊ぶソラ。ステキにバレエを踊るソラ。 ジナと仲直りしたソラは、たくさんの友達を病室へ連れてくる。 そして、発表会に向けバレエの練習にも励んだ。 病室へヨウンが見舞いに来る。スベリヒユの花を持って。 「一つの根から、様々な色の花を咲かす。でも、不思議に下品に見えないでしょう。 私とあんた、ケンカもたくさんしたわよね。 私たちも同じ根から咲いたのに、互いに慈しみあわずに生きてきた。 ごめん... ソラは心配しないで。心配しないで....」 ヨウンはゴウンの手を握る。すると意識の無いゴウンも握り返す。 ようやくソラの発表会。 ミジャはソラの胸に一人だけコサージュをつけてやる。 「あのコサージュ、私がつけてあげたのよ」 癌細胞が視神経を侵し失明しかけていたゴウンには、そのコサージュでソラを何とか見分けることができた。 一つのベッドで眠るゴウンとソラ。 ソラが眠ると、ラジオが流れてくる。それは、ソラが放送局に送った手紙だった。 大好きなママへ。 ママの娘で本当に嬉しい。 料理は苦手で、毎日仕事で忙しく、遊んでもらえないとダダをこねてごめんね。 それでも、私はママが一番大好きなこと、知ってる? オンマ... オンマ、すごく痛い?ママの代わりに私が病気になればいいのに。 オンマ... 私が、皿洗いも料理もするから、オンマはずっと横になってていいから、ずっと私のそばにいて。 オンマ。すごくすごく最高に愛してる。 ゴウンはソラを愛しそうに抱きしめる。 ソラは神様からの贈り物だと。 朝、ソラが目覚めるとゴウンは既に息を引き取っていた。 医師らを病室へ入れようとしないソラ。 「オンマは眠ってるだけ」だと。 「オンマを連れて行かないでー!!」 ソラは泣き叫ぶ。 時が流れ─ 降水確率80%以上の日、ソラはきちんと傘を準備してきた。 そして、更に時が流れ─ 成人したソラが、ゴウンの作ったウェディングドレスを身につける。 END |
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